「霊感商法」に対する消費者庁としての対応

司会者:リモートの方もいらっしゃいます。この場ではあと2人とさせていただきたいと思います。

河野太郎氏(以下、河野):いいよ。まだ時間あるでしょ。

司会者:リモートの方も……。

河野:そうか。交互にやろうか。

記者H:読売新聞のウエムラと申します。話題を戻しまして、霊感商法の検討会について2点おうかがいします。検討会に関して、大臣として有識者を集めたかたちで行うものを想定しているのかというところと、現状、大臣が霊感商法に関して国の行政の対応だったり、法整備だったりで課題に感じていることがあれば、教えていただければと思います。

河野:具体的な検討会の内容については、消費者庁に指示を出しましたので、今考えてくれていると思います。それを聞きながら、方向性を考えていきたいと思っております。

これだけさまざま問題視されておりますので、もう1度ここで、霊感商法についてきちんと対応していく必要があるだろうと思います。消費者のみなさんが安心できるように、きっちり対応ができるよう考えていきたいと思います。

記者I:読売新聞のフクシマと申します。よろしくお願いいたします。8月10日水曜日のことについておうかがいしたいです。官邸から全閣僚に(大臣に就任した)当日中の会見を要請されてたと思うんですが、河野大臣は以前「未明の会見というのはやめたほうがいい」とおっしゃっていました。

今回も10日夜に会見をされなかった理由を、今一度お願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。(※注 今回の河野大臣の会見は12日午前11時20分ごろから開始)

河野:まぁ(任命されてからの記者会見は)遅い時間になるのがわかってましたので、官邸に「12日にやりますよ」「わかった」「じゃあそうします」。それだけのことです。

記者I:わかりました。ありがとうございます。

デジタル化は「業務の見直し」をやった上でないと効果がない

司会者:いったんリモートに移りまして、日経BPのゲンさん、お願いします。

記者J:日経BPのゲンです。今回就かれた「デジタル改革担当大臣」について、あらためて確認なんですが、従来の規制改革のお仕事を、デジタルという観点で、看板を書き換えて、再び続けられるということだと思うんですが。

この「デジタル改革」という名前にした狙いについて、もし総理から指示があった、あるいは大臣としてご希望があったのであれば、デジタル改革にした理由をおうかがいできますでしょうか。

河野:それは総理に聞いていただくしかないわけですけども。何かをデジタル化する時に、ただ今までやってたものをデジタルに置き換えますというだけではなくて、業務の見直し、その他やった上でのデジタル化でなければ、効果がないと思います。そういう意味でのデジタル改革と認識をしていただいてよろしいかと思います。

記者J:わかりました。追加で、大臣は菅政権時、前任で規制改革を担当されて、その官僚の方ともかなり厳しいやり取りがあったと思います。あらためてその時の成果を振り返っていただいて、その観点からどういうお仕事をまた続けていきたいか、抱負をお聞かせいただけますか。

河野:今回規制改革、行政改革は坦務でございませんので、所管の大臣におうかがいください。

記者J:ありがとうございます。

司会者:はい。他、リモートの方、今手が上がっておりませんので、また現場に戻したいと思います。

記者K:上げてます。チャットにも書いております。

司会者:失礼いたしました。見落としてしまいました。読み上げたいと思います。日本消費経済新聞社アイカワさま、どうぞ質問お願いいたします。

記者K:日本消費経済新聞のアイカワです。河野大臣、デジタル大臣と国家公務員制度担当大臣ということですが、今回なぜ消費者食品安全を担当されることになったのでしょうか。それから、消費者庁創設に尽力された岸田総理から、この件について何かお言葉があったでしょうか。

それからもう1つ、今、消費者庁で一番問題になっているのは、消費生活相談員さんが足りないという問題です。40歳以下の人が5パーセントに満たず、もう3,000万円かけて、1,600人の人を無料で要請してもほとんど増えていないという状況があります。私はこれは10年間の消費者庁の政策の大きな失敗ではないかと思っています。

デジタル化の話が来ているのですが、本当に人が注力するところに注力できるのか。そこのところを大臣はどのように考えていかれるか、考えをお聞かせください。

河野:なぜ(消費者食品安全担当が)私なのかというのは、総理におうかがいをいただきたいと思います。相談員のことについては、具体的に今は何も持ち合わせておりませんので、また業務をしっかり見た上でお答えをしたいと思います。

記者K:お願いいたします。

旧統一協会との問題は「きちんと襟を正さなきゃいかん」

司会者:リモートは他にいらっしゃらないですね。では、また現場に戻したいと思います。

記者L:フジテレビのタカハシと申します。よろしくお願いいたします。

先ほどの質問でもあったんですけれども、今回の内閣改造によって、一部報道であったり世論調査ですと、内閣支持率が下がったり、評価するかどうかに対してもマイナスなイメージを持たれてる人が多い印象を受けるんですけれども。

今回、旧統一教会の問題とかもあると思うんですけれども、大臣自身は旧統一教会との関係、政府との関係についてどのような影響があるかと思われますか。おうかがいさせてください。

河野:具体的にどんな影響があるのかはよくわかりませんが、議員一人ひとり、政治家一人ひとり、きちんと襟を正さなきゃいかんというのは、そのとおりだと思います。よもや業務に影響があるようなことがあってはならないというのは、そのとおりだと思います。

記者M:ニッポン放送ハタナカと申しますが、そもそもで恐縮なんですが、10日の閣僚呼び込みの際に総理からどんな言葉があったのかというのをちょっとお聞かせください。エントランスをお出になる時に、なんか珍しくあんまり機嫌がよく見えなかったもんですからちょっと心配したんですが、ちょっとお聞かせください。

河野:指示書をいただいただけです。私、官邸では一切ぶら下がりはやっておりません。それだけのことです。

記者M:なんの言葉もなかったんですか? 

河野:はい? 

記者M:総理からはこういうことをやってほしいというような、そういうことは……。

河野:指示書の説明はいただきました。

記者M:ありがとうございます。

若い人に「霞ヶ関で働きたい」と思ってもらえるように

記者N:FACTAのミヤジマです。大臣、おめでとうございます。すでに人事院の川本裕子総裁とお話ししましたでしょうか。あるいは近くお話しされる気はございますでしょうか。

大臣閣外に行かれてから、やはり人事院も目立たなくなったとこはあると思いますね。公務員制度改革は、まさに大臣しかできないと私は思うぐらいなんですが。人事院とはやっぱり一体となって、公務員の立て直しだと思うんですが。そこらへんの人事院との関係を組みまして、その中でどうお考えなのかうかがいたいです。

河野:以前と違って、力強く仕事する人事院になったと思っております。川本総裁、あるいは人事官のみなさんとしっかりスクラムを組んで、公務員制度改革、働き方改革をやっていきたいと思っております。

また若い人に「ぜひ霞が関で働きたい」と心の底から思ってもらえるような霞が関に、1日も早くしていきたいと思います。

日本のDXを遅らせた「IT人材の偏り」

記者O:電波新聞社のウツイと申します。どうぞよろしくお願いいたします。ちょっと経済の切り口から質問なんですけれども、今回岸田首相は10日の記者会見で、新しい資本主義における重要な投資分野となる「DX」、デジタルトランスフォーメーションを強力に推進するために、河野さんを起用されたという発言がありました。

「持ち前の実行力と突破力で進めてほしい」という発言があったんですけれども、あらためて河野さん、いろいろと書籍などでも「(DXは)日本の産業競争力に直結する」というお考えを示されておりますけれども、あらためてこの成長のエンジンをするために、どういう課題に取り組むべきかというご認識についてうかがえればと思います。よろしくお願いします。

河野:日本のDXが遅れたというのは、行政に限らず、おそらく民間企業分野でも、そういうことがあったんだと思います。まったく私の個人的な意見ですけども、海外がデジタル化をする時に、ビジネスモデルの変換まで踏み込んだDXをやったのに対して、日本はなんとなくコストダウンとか省人化のようなところで止まったんではないか。

それはどうしてかというと、やっぱりIT人材が偏ってた。例えば行政の中に発注書を書けるぐらいのITに知見のある人がどれぐらいいるかというと、「なんだかよくわかんないから誰かに発注書を書いてもらわないと」みたいなことが(ある)。

おそらく行政だけでなくて民間企業でもあったんじゃないのかなぁと。だから民間企業の中にITを理解している人がいて、こういうデジタルトランスメーションを我が社はやって、それはこういう目的のために、こういうことをやって、こういう効果が期待できるよねと。

この部分については、誰がやっても同じだから外にやってもらおうと言ってその部分を切り出して発注するようことができれば、もっと日本のDXは、実のあるDXになっていくんではないかと思っております。

まずデジタル庁が行政のDXをしっかりと進めることで、「デジタル化するとこんなに世の中変わるんだ」と、国民のみなさまに実感していただくことが一番大事だと思っております。

そこは、牧島大臣がこれまで積み上げてきたものをよくうかがって。彼女がかなり種を巻いて水を与えて肥料を与えてってやってきてくれてますので、そのつぼみになっているものがちゃんと花咲くように、しっかり引き継いでいきたいと思っております。

霊感商法も「消費者庁として1度締め直さなきゃいかん」

司会者:はい。リモートから1名手が上がってますので。テラダさん、お願いします。社名もお願いいたします。

記者P:ありがとうございます。朝日新聞のテラダです。これからよろしくお願いします。

(霊感商法に関する)検討会についておうかがいしたいのですが、消費者庁に今朝出された指示、差し支えない範囲で具体的な要望とか内容があれば教えてください。

もう1つ、これまで消費者庁はこの霊感商法に対しては何かやりますかという質問に対しては、消費者契約法で対応しますというお話でございました。

問題があってから、これまでの対応について、河野大臣として何か思われていることがありますでしょうか。よろしくお願いします。

河野:はい。霊感商法について、消費者庁として1度締め直さなきゃいかんところはあるんだろうと思ったものですから、検討する会を立ち上げようということで、指示をいたしました。

中身については今、消費者庁のほうで揉んでもらって、速やかにお盆明けにも立ち上げていきたいと思っております。当然その中で、これまでの消費者庁の対応はどうだったのかというのも、1度振り返ることが大事だろうと思っております。

日本で最初のサテライトオフィスの実験の現場責任者だった

司会者:はい。他。

記者Q:神奈川新聞社、ミキと言います。テレワークに関連して教えていただきたいと思います。

大臣ご自身、今後リモートでの勤務といったかたちについて、さらにセッティングを進めていくお考えはあるでしょうか。

また関連して、今回のこの記者会見はオンラインとリアルの併催、同時開催なんですが、今後の記者会見もこのようなリアルとオンラインのものをというお考えはあるんでしょうか。

河野:自慢ですけども、私、日本で最初のサテライトオフィスの実験の現場責任者を1980年代にやりまして。その頃からテレワークできんじゃねぇかと言ってたんですけど、そんなもんできねえとみんなに言われて。コロナで世の中変わったなぁとうれしく思っておりました。

前回ワクチン担当大臣だった時にも、テレワークやれと言って、自分もテレワーク、宿舎からやっておりましたんで。テレワークできる範囲で、私もテレワークはやらしてもらいたいと思っておりますし。

今回、あの時は県境をまたぐなっていう指示だったもんですから。地元帰ってテレワークっていうことはできませんでしたけども、今回はそれもありかなというふうに思っております。

基本オンラインで「どこでもいい」かたちにしていきたい

河野:私の地元はけっこう東京からテレワークできるんならと言って引っ越してこられた方が多い。特に茅ヶ崎は子ども、子育て世代の伸び率ナンバーワンみたいなところですから。私の地元あたりが一番テレワークをやるにはいいところなのかなぁとも思っております。そこは積極的にやっていきたいと思っております。

記者Q:記者会見については? 

河野:記者会見については、基本オンラインで、記者さんどこにいても参加できるよというのがいいと思います。「ここでやります」と言うと、記者さんが今度テレワークできなくなっちゃいますので。基本的に、今日は最初ですから、顔を見てもらえという声もありましたので、こんな顔ですっていうのを見ていただきました。

(会場笑)

1回見れば、そうそう変わるものでもないと思いますんで、あとはテレワークでいいかなぁと思っております。

記者Q:ありがとうございました。

改革は2+1で進めていく

記者S:日本経済新聞のウエダと申します。ちょっと先ほどから何度か質問が出て重複してしまうところで恐縮なんですけど、デジタル改革という主唱についてうかがいたいです。

規制改革担当は、地方創生大臣のほうに移ったと思いますけれども、規制改革全般の文脈で考えると、けっこう規制改革推進会議の答申とかを見てもかなりデジタルの内容が含まれていまして。

デジタル改革と規制改革というこのすみ分けっていうのはどうお考えになっていらっしゃいますでしょうか。ある程度規制改革の政策の中に、河野大臣としてもけっこう関わっていくというお考えなんでしょうか。お願いいたします。

河野:デジタルに関する改革は、デジタル改革ということだと思いますし。私が規制改革で平井卓也さんがデジタル大臣の時に、2+1という2人で大臣を呼び出して張り倒すっていうのをしょっちゅうやってましたんで。今度は岡田直樹さんと一緒に2+1でやればいいのかなぁと思っております。

記者S:ありがとうございます。

司会者:ないようですね。じゃあ、これで終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

河野:ありがとうございました。以後、よろしくお願い申しあげます。