河野太郎氏がデジタル庁・消費者庁で実行すること

河野太郎氏(以下、河野):おはようございます。デジタル大臣を拝命いたしました、河野太郎でございます。デジタル庁の他に、内閣人事局国家公務員制度を担当いたします。また、消費者庁(内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全担当))についても担当することになりましたので、よろしくお願い申し上げます。

デジタル庁に関しましては、国民の生活を便利にすると同時に、温もりのある社会を作るためのデジタル化を加速させたいと思っております。デジタル庁の中身につきましては、お盆休み明けに牧島かれん大臣から引き継ぎを受けることにしておりますので、また引き継ぎ後にお話を申し上げたいと思っております。

消費者庁につきましては、前回消費者問題を担当した時に、徳島県に一部移転をいたしました。これはけっこうがんばってやってくれていると思います。

あれから時が経ちまして、消費者庁とかどっかの役所を○○に移転しますとする必要がなくなりました。全国どこででもテレワークができる状況になってまいりましたので、東京に残った部分の消費者庁につきましても、積極的にテレワークを進めていきたいと思っております。

消費者庁というものが、物理的に残るのかどうかわかりませんが、やれるならもう全員テレワークで、どこででもやってくださいということになっていると思います。

(しかし)「テレワークやれよ」と申し上げましたらば、なんと消費者庁の固定電話が古くて、転送ができませんという(笑)。鳴ったらそこで取らなきゃだめ。いつの時代? という感じがいたします。これについては早急に対応を考えないといけないかなぁと思っております。

それから消費者庁についてもう1つ申しあげますと、最近話題になっております「霊感商法」がございます。

現実的には、この霊感商法……。私も知らなかったんですけれども、霊感商法というのは消費者契約法の中で、デート商法(恋愛感情を利用して契約を締結させる商法)や就職商法(就職しようとする人や就職した人に対して商品を購入させる商法)と横並びになっています。どうも最近は「霊感商法」よりは、「寄付」のほうが主流になっているようです。

消費者庁の中に「霊感商法に関する検討会」を速やかに立ち上げて、霊感商法についての対応をきっちりやってまいりたいと思っております。消費者庁に一番最初に相談が来るんだろうと思いますので、そうした動向を踏まえながら、霊感商法についてきっちり対応できるような検討会を立ち上げていきたいと思っております。

霞ヶ関の「働き方改革」は急務

それから公務員制度ですが、この霞が関の危機的な状況を改善をするために、働き方改革が急務だと思っております。もうかなり崖っぷちというよりは、ずり落ち始めているのではないかという危機感を強く持っております。

私が前回公務員制度を担当した時に、久方ぶりに定員の純増をやりましたが、定員の純増は今回も続けていかなければいけないんだろうと思っております。ただし、働き方がきちんと改革されてなくて、無駄に人員を消費しているんであるならば、そこはちょっと違うよと。

もう極端なこと言えば、「いまだにファックスを使ってます」みたいなところは、「別にそこを合理化してくれれば定員増はいらないんじゃないの?」と、強く言っていきたいと思っております。

まだファックスを使ってるところがあるのかという調査は、1回内閣人事局として、そういう観点から調査をかけないといかんかなぁと思っております。

それから期間業務職員の方々に、もっと能力を引き出してもらって。今は一般職や総合職がデータの取りまとめみたいなものまでやっていますけども、そこの業務の切り分けはきっちりやらなきゃいかんと思っております。

期間業務職員の採用のための予算を、概算要求の中にきっちり入れてくれと、各省庁に対して指示をしたいと思っております。

それから、民間から課長級ぐらいまでは独自の判断で採れるようになっているので、そういう採用面についてもきっちり進めていただきたいと思います。

人事院勧告の中にもありましたし、人事院総裁からも、「霞が関の働き方改革のために、国会のご理解、ご協力を得るように」ということでございますので、人事院とご相談をしながら、ご理解、ご協力をいただけるようにしっかりやっていきたいと思っております。

それから霞が関のテレワークについて、もう少し真面目に進めていかないといかんと思っております。これはまた後日、少し対応ぶりを考えていきたいと思っております。

おかげさまで、残業代の未払いはほぼなくなったと聞いておりますが、何かそうしたことがあるようなら、もう遠慮なく内閣人事局へご一報をいただきたいと思います。

情報発信にも力を入れていきたい

河野:それから、業務については私が何かやるということではございませんけども、個人情報保護委員会と、公正取引委員会についても、何かあったら対応する閣僚は私になると思っております。

委員会、公取、個情委が、しっかりと業務ができるような定員・予算をきっちりあげていきたいと思っております。

公正取引委員会に関して申し上げると、公取をテーマにした連続ドラマがありまして、観ていてあまりおもしろくなかったので、録画予約をやめちゃったんですけども(笑)。

(会場笑)

公取に、この前「(あのドラマ)つまんねえぞ」と言ったら、別に公取が作ってるわけではないと思うんですが、「後半はおもしろくなると聞いてます」と言われたので、もう1回録画予約しようかなぁと思っております。脚本をがんばっておもしろいのをしていただけると、公取にも関心が集まるだろうと思っております。

かつて『トップガン』が公開された時に、(題材が)米海軍なんですけど、アメリカ空軍の志願者がむちゃくちゃ増えたといって、米海軍が怒ってたことがありました。

公取のドラマを見てると、なんだか検察が増えそうで、公取の志願者があんまり増えねえんじゃないかと心配もしてるところです。私が心配することではないのかもしれませんが、そうかなぁと思っております。

あと、デジタル庁(@digital_jpn)それから消費者庁(@caa_shohishacho)それぞれTwitterの公式アカウントがございます。ぜひみなさんにフォローしていただきたいと思っております。

消費者庁はアカウントがいっぱいあって、私も間違えたんですが。情報発信にしっかり力を入れていきたいと思っているところでございます。私からは以上です。

「霊感商法に関する検討会」の立ち上げはなるべく速やかに

司会者:これから質疑に移りたいと思います。ご質問ある方は挙手のうえ、社名とお名前をよろしくお願いいたします。

記者A:共同通信のツガワと申します。よろしくお願いいたします。

2点、質問いたします。先ほど冒頭発言であった消費者庁での検討会の立ち上げですが、具体的にいつ頃から立ち上げるか、またはどういったイメージなのか教えていただ期待です。

あともう1点。恐縮ですが、8月15日に靖国参拝するお考えがあるかどうかを教えてください。

河野:検討会の立ち上げは、今朝消費者庁にお願いをいたしましたので。いろんな準備作業があると思いますが、なるべく速やかに始めていきたいと思っております。そういう意味で、問題が起きないようにどういう対応をしたらいいのかをしっかり検討してもらおうと思っております。

それから法務大臣のもとで、政府全体の会議が立ち上がります。おそらくさっき申し上げましたように、霊感商法だけでなく、寄付の問題とか、いろんなところがあるんだろうと思いますので。消費者庁としてどういうことが提言できるのかも考えていかなければいけないのかなと思っております。

8月15日は、特に予定はございません。

テレワークに本腰を入れる企業に、霞が関も遅れをとってはならない

記者B:朝日新聞のアベと申します。私も2点おうかがいしたいんですが、先ほど霞が関のテレワークをもっときっちり進めていきたいということで、一部ファックスなどを使っているところに働きかけたいと(おっしゃっていました)。

例えば先ほど挙げられた電話転送のこととか、ファックス以外にもテレワークを妨げられている課題や調査の項目について、お考えがあったら教えてください。

あと規制改革について、今回は規制改革担当には就いていませんが、デジタル改革ということで、このあたり(のお考えは何かありますか)。デジタル改革、デジタル規制について、大臣の今後の抱負なり、課題とどんなことに取り組んでいきたいかについて教えてください。

河野:デジタル庁については、まず牧島大臣がこれまでいろんなことをやってこられましたので、その引き継ぎをしっかり受けた上で、しっかりそれを伸ばしていけるようにがんばっていきたいと思っております。お盆明けに引き継ぎを始めたいと思います。

引き継ぎをしっかり受けた上で、いろんなことを申し上げたいなぁと思っております。

それからテレワークについては、Yahoo!やNTTなど、いろんな企業がかなり本腰を入れてテレワークをしてくれておりますので。霞が関も遅れをとってはならないと思っております。

また霞が関の採用についても、やっぱりテレワークがしっかりできるようになれば、採用にも影響が出てくると思いますので、そこはやりたいと思っております。

いろんな制約があるのはわかっておりますけども、それを1つずつあぶり出して、つぶしていかなければいかんと思います。そこはがんばっていきたいと思います。

テレワークは「好きなところに行っていい」ということ

記者C:日本テレビのタニと申します。よろしくお願いいたします。

話題が戻って恐縮ですが、いわゆる旧統一教会との関係でおうかがいいたします。先日、大臣ご自身は何ら関係がないというコメントを出されていましたが、社会問題となっている団体と、閣僚をはじめ自民党議員の関係が次々と明らかになっている現状について、大臣ご自身の考えをお聞かせください。

河野:一般論で言えば、反社会的な団体とは関わりを持たないのが大原則だと思います。政治家それぞれ、襟を正さなければいかんと思います。

記者D:徳島新聞のキタノと申します。徳島県の消費者庁の新未来創造戦略本部についておうかがいします。大臣として力を入れたいと考えている施策などがあれば教えていただきたいのと。

徳島県は(消費者庁の)徳島への移転をずっと求めているんですけれども、大臣は移転は必要ないというお考えです。テレワークが進めば、逆に地方創生とか一極集中を解消するという観点から、逆に移転を検討してもいいのではないかという考えもあると思うんですが。そのあたりのお考えをお聞かせください。

河野:どっか特定の組織に「君たち全員○○へ移りなさい」っていう必要は、まったくなくなった。好きなところに行っていいよということになったんだと思います。

ですから、魅力のあるところに人がどんどんと移っていくという意味で、昨年は東京から転出する人のほうが多くなりました。これはたぶん1990何年(1996年)以来だったんじゃないかと思います。

そういうことで、むしろ霞が関が東京一極集中を逆回転させる意味でも、本来なら率先してやらなければいけないんだと思っております。(徳島県に限らず)「どこに行ってもいいよ」っていうことなんだろうと思います。

ですから消費者庁だけでなく、財務省の人が徳島に来ますとか、経産省の人が徳島でテレワークやってますということがあってもいいと思います。そういうことをなるべく早くやりたいなぁと思っています。

徳島に移った分については、いろんなことをトライをしてくれているようですから、しっかりがんばってもらいたいと思います。また徳島にもお邪魔したいと思っておりますので、その時はよろしくお願いします。

「日本のデジタル化が遅れている」と、海外からも山のように話がくる

記者E:日経BPナガクラと申します。2点おうかがいいたします。1点目が公務員の働き方について、前任の牧島前大臣がデジタル庁の働き方を「全省庁へのショーケースにしたい」とおっしゃられていたんですが、具体的にそこらへんは何をどのようにしてインストールしていくか、お考えあったらお聞かせください。

あともう1点が、デジタル庁に関して。(具体的な話は)引き継ぎ後ということだったんですが、意気込みとこうしていきたいというものが、もし今の時点であられたら教えていただきたいです。

河野:デジタル庁は、一番業務柄テレワークに適しているところなんだと思います。場所もそうですし、極端なことを言えば時間だって、別に9時5時で働かなくてもいい部分もあるんだろうと思います。そういうことができる職種は、他の省庁にもあると思います。それができるようにしていきたいと思っております。

またテレワークをする際に、仕事の中身もそうですけども、それをサポートするネットワークやらハードウェア。あるいはソフトウェアの部分がありますので、それはきちっとデジタル庁でやってみて、「これならセキュア(安全)にできる」というものはどんどん横展開をしていきたいと思っております。

日本のデジタル化が遅れているというのは、もう海外から山のように、この2日間だけでもいくつきたかな? っていうぐらい来ました。コロナ禍でデジタル化が遅れてるというのは、多くの国民のみなさんが肌身で感じられたのではないかと思います。

国民生活をしっかりと便利にしていかなきゃいかんと思ってますし、かなり速いスピードで人口が減り、高齢化が進んでいる日本の国の中で、人が人に寄り添う温もりのある社会を作ろうというと、やはりデジタル化できる部分はデジタル化して、人間は人間がやらなきゃいけないところに、もっともっと集中をしていかなければいかんと思います。それに向けて一生懸命努力をしていきたいと思っております。

デジタル庁での業務は、まず牧島大臣の考えをしっかりとそしゃくしてから

記者F:TBSテレビのイケダと申します。すでに目標として期限が決まっている、マイナンバーカードの普及について。2022年度末までに、マイナンバーカードをほぼすべての方に普及させるという目標が決まっているわけですけれども、現在は半分以下ぐらいの状態だと思います。大臣として、これを実現させるために具体的にやっていきたいことがあれば教えてください。

河野:牧島大臣と引き継ぎをした上で申し上げたいと思います。

記者F:現時点では特にないですか? 

河野:まず引き継ぎをして、牧島大臣のお考えをしっかりとそしゃくしていきたいと思います。

記者F:ありがとうございます。

記者G:東京新聞のヤマグチと申します。新型コロナウイルスの特別給付金についておうかがいします。本日の集計ですけれども、少なくとも10の事業で28兆円余りの予算で、事務費が6,700億円かかっているという集計が出ました。

全体の2.3パーセントを占める事務費になるんですけれども、このへんデジタル庁の大臣として、どのように変えていこうかとか。無駄遣いが多いという話を受けると思うんですけれども、そのへんについて、もしお考えあれば教えてください。

河野:先ほどから申し上げているように、まだ特にございません。