2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
提供:LINE株式会社
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桃木耕太氏(以下、桃木):寺田さんは、お二人の話を聞いてどうですか。それを広げていただいてもいいですし、ご自身のエピソードを話していただいてもどちらでもいいです。
寺田貴哉氏(以下、寺田):ありがとうございます。それでいくと今の綾子さんの現場とのつながりの話は、たぶんみなさんも各社でいろいろご苦労されてる部分かなと思います。
結局、現場とのコミュニケーションや実際に現場の人たちが欲しい人たちをどう採ってくるかというところは、やっぱり採用は採用、現場は現場というふうに離れちゃうと採れないと思っています。
LINEの中でもすごく協力的ではあるものの、一方で目の前の業務もやらなきゃいけない。その一体感を生み出すところでよく使われてる手法としては、タスクフォースみたいなかたちで、例えば現場の方やリードの方とリクルーターが一緒になって採用課題をどうしていくかを考えたり。
PMは「PM Success Contribution TF(タスクフォース)」という仮想組織(現場でプロダクトマネジメントを行うメンバーや、育成や採用に携わる人事組織のメンバーで構成)があります。
現場と一緒にタスクフォースを組みながら、「本質的な課題はなんだっけ」「その課題をクリアしていくためにはどんな方法があるんだっけ」とか、採用だけではないのですが、いろんな会話をしています。その中で役割分担しながら、人事としてリクルーターとしてどうしていくかということはけっこう考えながら、意見を交わしながら進めることで得られることは大きいと感じていますね。
寺田:その中の1つの事例として、桃木さんにも協力いただいて、新卒の企画職・PMを採るためのイベントも一緒に実施しました。人事としては就業型形式の6週間程度のインターンシップなどで、やっぱりきちんとLINEを理解してもらった上で働いてほしいという思いがありました。
一方で学生のみなさんからすると、貴重な夏の時期に、LINEのために6週間も使うハードルは決して低くはない。そういった中で、短い期間でLINEを理解してもらい実際に働くことの魅力を伝えるために、2daysのイベントを企画・開催しました。
まさに現場のみなさんと一体になって、どういうお題にするのか、どんなメンターをつけてサポートしていくのか、といったことをうまくやれた事例かなと思っています。
去年の成果もあって、今年はインターンシップのコースの一つとして募集することになり、数は言えないんですけど何倍ものエントリーをいただいて、すごく好評で日程を追加するほどの反響がありました。最近、まさにユーザーの求めているものを現場と一緒に作れると、1つの解決になっていくんだなと感じましたね。
桃木:そうですね。仕組みがしっかりしてる会社かもと思われがちなんですけど、わりとソフトなコミュニケーションを取ったり、課題を発掘して周りを巻き込む体制や機会を作っていたりします。
「課題解決をしたい」とか「一緒に組織を強くしたい」という意識は、採用側以外でも持ってるんですけど、やっぱり機会や課題を提示されないと、(自分からは)言う機会もないようなところがあるので。
逆に意外と1回接点を作ってしまったり、解決に向かうための座組を作るとすっと前に進むことが多いかなと思います。長年LINEにいますが、いろんな採用活動や人事活動で連携していくことで、少しずつ人事と各部門が近くなってるかなと思いますね。
桃木:ある程度しっかりお話しいただけたかなと思うので、次にいきましょう。みなさんはいろんなところで働かれていて、ぶっちゃけ人事・採用のキャリアはLINEじゃなくても積めるものはいっぱいあると思うし、他にも選べた選択肢があると思います。
それは今でもあると思うんですけど。なぜ今ここで働いているのかとか、この会社で活躍することがみなさんのこの先のキャリアにおいて何の足しになっているかということをうかがいたいです。どうしようかな、綾子さんいいですか。
長井綾子氏(以下、長井):今、働いて得られる価値ですか。
桃木:そう。自分が成長できてるとか、ここで働いてるとこういうスキル、キャリア、経験が活きそうだよなと思うような、プラスにできているポイント。
長井:なるほど。LINEで得られる価値について、エンジニア採用のリクルーターとして言えるのは、1社にいても何社かの採用を見ているかのようにいろんなポジションやプロダクトがあること。何社かの採用を同時進行している感覚になれるので、すごくいい経験なのかなと思いますね。
長井:あと今までの話の中にもありましたけど、(LINEは)おそらく外から見えてるよりもだいぶ……整ってないところが(笑)。ちょっと言葉を選びましたけど、整っていないところもまだまだ多い会社、組織なので。
そのあたりを仕組み化していくことは、私も今までそんなにやったことがないですし。そういうスキルをつけておくと、自分のリクルーターとしての価値も上がっていくのかなと思います。そういうことにチャレンジしなきゃいけない状態にいられるのは、すごくいいことかなと思ってます。
桃木:たぶん綾子さんで言うと、エンジニアの採用で、LINEならではのすごく特殊なポジション、ハイレイヤーなポジションを担当することもあれば、子会社の採用組織の立ち上げサポートもやってこられたので。
長井:そうですね。
桃木:単純にキャリアの幅というか、得られる経験値の幅がありそうだと。それから、たぶん仕組み化はどんな会社でも求められていると思うので、LINEだけじゃない課題感を解決して、「LINEではこうやりましたよ、これでうまくいきました」というノウハウが得られると、大変な部分やカオスな部分はいったん置いておいて、体系化できる部分もあるかなと思います。寺田さん、どうですか。
寺田:リクルーターとしてというところでは、今綾子さんが話した部分もあると思います。あとは、この先もずっとリクルーターとしてキャリアを積んでいきたい人もいれば、例えば人材開発をやってみたかったり、人事制度を考えてみたり、HRBPをやりたいという人もいると思うんです。
その時に、けっこうどこでも共通するスキルとして、課題解決スキルがあるかなと思っています。当たり前ですけど、単純に人を採るだけではなくて、何が本質で、何の課題解決ができればいいのかを設定し、その上でHOWを考える。
自分で(一人で)やるだけじゃなくて周りを巻き込んで、プロジェクトマネジメントをしていく。課題解決スキルプラス、プロジェクトマネジメントも学べるのが1つのポイントかなと思っています。どちらかというと人の意思を大事にする会社なので、チャレンジしたいという思いを持っている人に任せてみることは、めちゃめちゃ多いなと思っていて。
逆に言うと、思いを持ってない人にチャレンジする環境や機会が自動的に回ってくるわけではないところもあります。「これを絶対自分でやりたい、やるんだ」という人にはすごく合ってる。そうすればどんどん仕事も出てくるので、そこで自分を磨き上げていけることが、LINEにいる理由の1つなのかなと僕自身も思っています。
桃木:それは、寺田さんみたいにある程度、採用・人事畑で(経験を)積んできた人にとっても、まだまだ魅力的な畑がある?
寺田:まだまだですね。もう本当にみんながそれぞれいろんなトレンドを含めて学んできているので。僕も過去に学んだことは、やっぱり常にアップデートしていかないと生き残れないと思ってるんです。
その時に、年齢関係なく他人から学ぶことも多いですし、僕が培ってきたもので提供できるものは当然提供していく。やっぱりお互いに学び合えるからこそ、いるところはあるかなと思いますね。
桃木:ありがとうございます。土屋さん、時間が限られてきちゃったので、さくっと何かあります?
土屋奈津美氏(以下、土屋):私は、さっきの綾子さんとけっこう同じかなと思っています。本当にいろんな層によってバラバラの採用について、手法として得られることはたくさんあると思います。寺田さんが言ったように、私も常にアップデートしていければなと思っています。
桃木:ありがとうございます。次も参加者の方からいただいた質問で、「今後リクルーターとして求められる能力や要件を知りたい」。みなさんも全知全能の採用の神というわけかではないので、おこがましいと思いながらお話しいただく部分もあると思うんですけど。
個人的に思う、LINEのリクルーターに求められること。もしくは、そもそも採用・人事のキャリアを積む上でこういう能力、要件があるといいよね、というところ。寺田さんがさっき言ってた、プロジェクトマネジメントですかね。他にもあります?
寺田:やっぱり、シンプルに「思いがある方」というのは絶対条件じゃないですかね。
桃木:それはこういう人を採りたいとか、こういう仕組みを作りたいとか?
寺田:そうです。オーダーされて「はい、それやります」ではなく、「この事業のために、本当はどんな人が必要なのか?」ということを考えられて、そのために必要とあらば提案ができる。そういった思いを持っていて、伝えられるような方はレイヤーの高い人でもあるし。
思いもあるけども、論理的にきちんと章立てて話せるところもある人。個人的にはけっこうシンプルな話かなって思ってますけど。
桃木:あと、さっき寺田さんの話を聞いてて思いました。1回身につけたノウハウややり方が他の環境でもうまくいくか。別にみなさんに転職を促してるわけではないんですけど、違う環境やターゲットにチャレンジして、自分なりのノウハウにしていく。
それこそ手法とか候補者アプローチとか、どんどん新しいものが生まれては廃れていく中で、自分なりのアップデートを重ねることは、姿勢としてすごく大事そうだなと感じましたね。土屋さんどうですか。
土屋:採用は点じゃなくて線で考えることかなと思ってるので、やっぱり組織を強くするという観点というか。「この人が入ったら、事業がどう成長していくのか」「この人自身がどう成長していくのか」というところにまで目がいく方がいいのかなと思っています。
桃木:ちなみに今、「強い組織とか組織を強くするってどういうことですか」という質問が来てるんですけど、組織を強くできる人材ってどういう人ですか?
土屋:これは私の思いなのかもしれないんですけど、やっぱり事業を成長させられるとか、シナジーを生み出せるとか。ちゃんとコラボレーションできるという意味だと思っています。具体的には、その人が入る相乗効果で本当に売り上げが上がるとか。
私は管理系組織の採用担当なので、そこのインパクトはちょっと少ないかもしれないですけど、その人とコラボすることで新たな施策が生まれたり、良い影響が出るというイメージが強いですかね。
桃木:なるほど。それは組織を強くできる人の話なので、強い組織はそういう人の集合体っていうことですか。それとも代替可能で、例えば1人辞めても大丈夫な仕組み化をしていくとか、いろいろあると思うんですけど。このへんは寺田さんが専門なのかな。強い組織ってどういうことですか?
寺田:まず前提として、個が強くないとだめだと思っています。個が強い前提の上で、コラボレーションする。協業することでさらに強い組織になると思うので、弱い個が集まって成り立つものではないかなと思っています。僕らはプロフェッショナル集団でもあるので、やっぱりまずは前提として強い個(であろうとすること)。
その個を磨いていくことを会社としても応援もするし、個人としても求められますし。その上で、一人ではなく複数人で、近くの目標よりも遠いところにみんなで行きたいという思いでやってるんじゃないかなと思います。
桃木:なるほど。ありがとうございます。最後に、今取り組んでいること、具体的に今後何に取り組んでいくかを、時間ぎりぎりのあと5分強でお話しいただければと思います。
一番下からいきますが、綾子さんはエンジニア採用の成功の鍵(苦労、突破方法)、開発との採用協力体制、役割分担など、どうやってます?
長井:成功の鍵。採用人数もぜんぜん達成してないので、成功しているというのはおこがましいんですけど。やっぱりどこの会社も同じかもしれないんですけど、採らなきゃいけない人数が多くて、国内で優秀な人を採用することに苦戦しています。
なぜ国内かというと、実はLINEは、かなり日本語を必要とするエンジニア組織が多くて。もちろん英語だけで仕事ができる組織もあるんですけど、どちらかというと日本語力が必要なポジションが多いので、欲しい層が市場にいないのは苦労するポイントです。
ただ、LINEという会社自体が採用予算をかなり大きく取ってくれる会社ですし、部門もすごく協力的なので、あらゆる手段とお金を使って採用活動をしています。あとは、すごく地道なところで個人的にやっているのは、一度接点を持った人はご縁がなくても追いかけ続ける。これはエージェント時代からずっとやっています。
なので、その文脈というわけでもないんですけど、個人的にはタレントプールをもっと強くしていけるといいのかなと思っていますね。
桃木:流動性の高い業界なので、今は興味がないけど、3ヶ月後には転職に興味があるかもしれない。たぶん採用側で追いかけてる人もそうです。僕は採用マーケティングを担当する立場として、いつ転職意向を持って情報に興味を持ってくれるかなんてわからないから、継続的に情報発信しましょういう姿勢を部門側にも理解してもらって、コンテンツや機会を生む取り組みをしています。
これはたぶん、粘り強くどれぐらいやれるかとか、あとターゲットを精緻化・イメージできるかという、当たり前のようなことが大事な気がしています。やっぱり、そこで採用したい部門の人としっかりコミュニケーションしてうまく巻き込めるかが一番のコアかなとは思いますね。
桃木:採用CX(Candidate eXperience)は今、この中ではどなたが一番関わってます? これも綾子さん?
長井:そうなのかな? 採用CXに関して今やっていることは、けっこう地道なんですけど、JD(ジョブディスクリプション)の見直しや、選考フローの可視化、リードタイムの短縮。
これからの予定では、面接の構造化とか。あとは面接官トレーニングもこれまではリクルーターごとにやってたんですけど、それをコンテンツとして内制化していく予定です。
桃木:このへんに関しては、正直どちらかというと、今までできてなかったことのほうが多かったりして。各部署がいろんな要件でそれぞれの採用をしていたので、わりとバラバラにやって、細かく最適化されていたところが強かったように思います。
それで、やっぱりクオリティやベースを上げていかなきゃいけないよねというのが、あゆみさんが入る前ぐらいから動きとしてありました。だんだん仕組み化をしていっているところですが、徐々に改善やアクションが見えてきているので、もうちょっとうまくいってから、アウトプットができればいいかなと思っています。
最後に土屋さん、さっきの話ですかね。採用マーケットにアジャストしていくのは、やっぱり市場感を見ながら、中の調整やコミュニケーションをしっかりやっていくかたちですか?
土屋:LINEというブランドがあるかもしれないですけど、やっぱりそこだけではなくて候補者の目線や中にいる人のバランスも含めて、常にアンテナを張っていかなきゃいけないポイントかなと思っています。
桃木:あとは、経営側からしたら適切にコントロールしたいというニーズがある中で、辞められないために、採るためにこれだけ必要だ、ということを採用側からも働きかけて変えていくことはやっぱり必須?
土屋:それはもう常に必要ではないかと思っています。リテンションの観点もあると思うので。
桃木:ありがとうございます。いくつか質問が来てるんですけど、インターンの仕組み、コンテンツの構築について。
何回か触れていますが、新卒企画職の採用のために去年から2日間の参加報酬として10万円支給する短期集中形式でLINEの課題を一緒に考えようという、学生にとって魅力的に映りそう、かつ参加ハードルを下げるイベントをやっています。
ある程度レベルの高い学生さんに興味を持ってもらうためのフックを作って、エントリーがあったら採用へのコンバージョンを(上げるための)導線やコミュニケーションをうまく設計しましょうよ、というかたちでやっています。
これまでのパターンは、どうしてもしっかり選ぶことに比重を置きすぎていたので、とりあえずタッチポイントを持つことをめちゃくちゃ重視してうまくいったという感じです。
今でもサイトは残っているので、「へーこういうことやってるんだ」というのを見ていただけるかなと思います。
桃木:最後に、時間もぎりぎりなので。寺田さん、今後は何をがんばって、どうLINEの採用組織を作っていきますか?
寺田:あら、なんか急に……。
桃木:締めっぽいやつを求めたくなっちゃいました。
寺田:(笑)。そうですね。本当におかげさまでというか、みなさんのご協力もあったりしながら、LINEの採用数は今後も増えていくかなと思っています。一方で各社も同じことを思っている中で、やっぱり人の取り合いも始まってるかなと思います。
そこはそこでやっていくんですけど、一方で産学連携みたいな取り組み。僕は新卒を担当する部分もあるので、将来の求職者になるような方たちをどう協力して生み出していくかというところもあります。
例えば大学の方と講座を持たせてもらって勉強していくプログラムを作ったり。あとは今後、大学で何か研究をされている方たちと一緒に組んで何かを生み出したりしていくのかなと個人的には思ったりしています。
桃木:個人的に思ってることは実現できるというか、「こういうことをやる必要があるんだよ」と適切に論拠を作って発したら、ちゃんと前に進む環境があるので。自分のロジックや思いを試したい人にとってはすごくいい環境だなぁと思います。
逆に言うと、できてないことがいっぱいあるので。すごくうまくいってて、すごくおしゃれにやれてるわけでもないので、そのへんもぜひご興味を持ったら見ていただけるとうれしいなと思います。
質問もいくつかいただいてたんですけど、すみません。用意したトピックで関連して答えられてるものもあり、触れられなかったものもあるんですけど。また何かコミュニケーションをさせていただける機会があったら、ぜひお話をさせていただければと思います。ご参加のみなさん、寺田さん、綾子さん、土屋さんありがとうございました。
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