2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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阿部広太郎氏(以下、阿部):次にうかがいたかったのは、長く続けていると、ある種「自分との戦い」にもなってくるんじゃないかと思っています。ある程度できることが増えていく中で、より成長するためにお二人がふだんから心がけてることとかってありますか?
タカシ氏(以下、タカシ):最近自分が意識していることで、例えば「こういうことを実現したいな」って思うことがあったら、もちろん言葉にするのも大事かもしれないですけど、まず行動に移すようになったなって。
今までも「こういうことやってみたいな」「ああいうことやってみたいな」「いつかこんなことしてみたいな」って言っていたんですけど、その「いつか」っていつなんだろうと思うことが多くて。先延ばしにしていたことがたくさんあるんです。だから「思う前に動いてみよう」ということが増えました。
今までは思っていても動かないことがたくさんあったんです。それこそ、この事務所に入って一番最初に面倒みてくれているマネージャーさんがいるんですけど、その方が「思っていたとしても、言わなかったら思っていないのと一緒だよ」とことを言ってくださって。
25歳になった今、そういうことを一番大事にするべきなんだなと、すごく身にしみていますね。
阿部:そうですよね。「いつか」はなかなかこないので、自分で「今」にしていくしかない。自分の感じてることややりたいことは、口に出して行動していかないと変わっていかないですよね。すごくわかります。
阿部:ユーキさんはどうですか? 自分を成長させていくために、進化させていくために、心がけていることありますか?
ユーキ氏(以下、ユーキ):僕はとにかく貪欲なので、まさしく「吸収することをやめない」ということですね。この世には、いろんなセンスを持っている人がいるわけじゃないですか。僕はそれをすべて知りたいというか、ぜんぶ吸収したいんですよね。その人の光っているものがあったら、「なんでこの人はここまで光ってるんだろうか」って、どうしても知りたくなっちゃう。
僕らのようなライブのステージに立つ人間は、作り手の人たちのことも理解しなきゃいけないと思っていて。ダンスの振り付けも、そのきっかけになっていたりするんですけど。表ではきれいに見えてるものでも、裏ではめちゃくちゃいろんな人が動いていて、いろんなことをやって成り立っていたりするわけじゃないですか。
裏方の方たちの努力というか、「なんでこの人はうまく魅せられるんだろう」と。ライト・照明にしろ、音楽にしろ、曲にしろ、歌にしろ、「なんでこの人は人を惹きつける力があるんだろう」と(いうことを知りたいんです)。
だから僕はいろんなライブを見に行って、「この人はこういう特徴があるんだな」とか、「この人はこういう良さがあるな」って、勝手に自分なりに解釈して。これをどこか僕らのグループの「僕ららしさ」に置き換えられないかなと思ったり、きっかけ作りにしたりということを、すごく大事にしています。
ライブの演出やセトリ(セットリスト)を、担当ではないんですが、僕の役割としてやらせてもらっています。見てる人をどうしたらもっと惹きつけられるかとか、楽しんでもらえるかなって考える時に、吸収することをやめたら、おもしろくなくなっちゃうんです。
だから僕は、もうとにかくいろんな人に会って、いろんなセンスを奪いたい(笑)。本当に図々しいんですけど、とにかく「いいな」って思ったものはすぐものにしたいという気持ちです。
阿部:いいですね。ユーキさんのSNSで、本当にいろんな方たちのライブに行かれてる姿を拝見しています。そこでいろんなものを感じて、超特急に持ち帰ってるんですね。
阿部:前半パートで最後におうかがいしたかったのですが、今、新メンバー募集オーディションの企画「超特急募」をされています。これまで10年やってきて、超特急というかたちが1つ見えてきた中で、未知数なところに踏み出していく。その不安と期待が混ぜこぜになっているんじゃないかなと思うんです。
オーディションをやると決めた胸中として、率直な思いはどうですか?お二人はこの新しいチャレンジをするにあたって、どんな思いを抱えていますか?
タカシ:率直に言うと、ものすごく楽しみだなって思っています。僕たち超特急って、いろんなかたちに化けてきたからこそ、さらなるパワーアップをする必要性があると思っています。だから今回の「超特急募」という新メンバーオーディションをやらせていただくんですけど。
変わることを恐れてはいけないなって思うし、自分たちが望んで「こうやりたいんですよね」って届けているものでもあるので。簡単な言葉にはなってしまうんですけど、楽しみですし、ワクワクの気持ちが止まらないですね。
阿部:ありがとうございます。ユーキさんはどうですか?
ユーキ:人って一人ひとりに魅力があると思うんです。超特急というグループをより進化させてくれるような逸材が、きっとまだいると思います。いろんな「光っているもの」を持っている人がたくさんいる中で、いろんな人(が関わってくれること)によって、一層「僕たちらしさ」の魅力が増すと思うんです。
今はコロナで声が出せない状況下ですけど、バカみたいに騒いだり、すべてを吐き出せるようなライブを一緒に作れるような、熱い仲間ができたら、おもしろくなるなって想像できています。
メンバー一人ひとりが違って、個性がそれぞれあっていいんです。毎回よくこんなバラバラなのに集まったなって、本当に思うんですけど。でももともとはゼロだった僕たちが、今少しずつ、光輝いてきてるんです。
まだまだ隠れてる、磨けば磨くほど光る人がたくさんいると思うんです。まだまだそういう人が埋まっている世の中なので。そういう新しい光を求めてワクワクしておりますし、何か新しいきっかけができたらなと思っています。
阿部:ありがとうございます。ユーキさん、タカシさんの話を聞いて……僕は「出会う」ことによって、さらに化けるということなんだなと思っています。超特急が出会いを通じてさらに大化けしていくんだと想像すると、わくわくします。
阿部:今回は「その仕事好きですか?」というテーマです。2人にこのタイミングで、直球の質問なんですけど「今のお仕事は好きですか?」というのを聞いてもいいですか?
ユーキ:もちろん大好きです。
タカシ:大好きです。「いや、嫌いですねぇ」とは……(笑)。
(会場笑)
カミングアウトみたいになっちゃうから(笑)。
ユーキ:なりますねぇ。でも好きですね。音楽ってすごいなと思うんですよ。音楽には力がある。他のアーティストの方の音楽を聞いていても、一人ひとりのストーリーや人生観が必然と伝わってくる。ぜんぜん違う角度から「この曲何?」って思ったりすることもあるし。
人生の中で音楽に変えられることが僕はけっこうあって。それこそダンスを始めたきっかけも、音楽を通して(興味を持ったということもあります)。当時のR&Bとかを聞いてて、「何、この英語?」って……。洋楽は何を言っているかわからなかった。今でもわかってないぐらいです。
音の楽しさだったり、「こういう気持ちで歌ってんだろうな」とかを勝手に想像したりして楽しんでいました。そういう自然とわくわくすることは、すごい大事だと思います。
タカシ:今自分たちがやらせてもらっている曲には、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)もあったりして、ジャンルにとらわれていないんです。僕はバックボーカルとして、メインのダンスを後ろから影で支える立ち位置ではあるんですけど、自分が歌うことによって「(お客さんに)耳で楽しんでもらえるんじゃないかな」と。そういう気持ちも大事にしています。
タカシ:それぞれアーティストさんによって表現の仕方はぜんぜん違うと思うんですけど、僕の場合、歌は「音楽付きのスピーチ」だと思っています。過去にいろんな国を築き上げた方々で、スピーチや言葉で人の心を動かした人がたくさんいたと思うんです。
自分たちも、(歌で)ほんの1ミリでも心を動かすことができるんじゃないかなって。それを信じているから今もやっていけている自分もいるし、そういうことを思うとすごくわくわくします。
「実はこうやって(超特急に)支えられてるんだよ」って言ってもらえることもたくさんあるので、そういった方が1人でもいるんだったら、僕たちは諦めずにもうこの世界でがんばって生きていこうと思える。そう思うと、わくわくがおさまらないですね。
阿部:自分が今取り組んでいるものの魅力に気づけているからこそ、「好き」という気持ちがあるんだなと、お話をうかがいながら思いましたね。
阿部:今回学生の方たちからたくさんの質問もいただいているので、ぜひお二人にうかがっていけたらなと思います。最初に「自分に自信を持つ方法はありますか」という質問です。
「大学で勉強していますが、周りに自分よりも向いてるなと感じる子がいると、急にやりたいことでも自分に自信がなくなってしまいます。前向きに大学生活を過ごしたいので、自信を持つ方法を教えてくれたらうれしいです」といただいています。これについて、ぜひお答えいただけたらうれしいです。
ユーキ:なるほど。自分もそういう時がめちゃくちゃありますし、正直、僕は自信を持っていないことのほうが多いです。ライブとかバラエティ番組も、全部最初は自信がないです。あがり症なところもあるので緊張しているし、うまくいかないんですけど。
僕は「ダンスで絶対に伝えるぞ」という気持ちの強さがあって、それである意味自信を持てたりしてるから、気持ち的に補えてたりするんです。
僕は「自信を持てない」って当たり前だと思っています。それでもその分、その方の1番やりたいことに対する気持ちがあると思うんです。そこにうそ偽りなく、真っ正面からちゃんと向き合っていれば、きっと自然と自信につながってくると思います。
失敗を恐れないことがすごく大事なんだなと感じる時が、今までにたくさんありました。昔仙台にライブで行った時に、「牛タン」とか(仙台名物)をわざわざフリップに書いて(持っていきました)。
自作でアナログで、端から見たら「なんだよこいつら、バカみたいだな」って思われるかもしれないんですけど、逆にご当地の仙台の方からは「おもしろいじゃん」って思ってもらえるきっかけになったりもするので。
自分が思ってもない角度からアプローチしてみたら、意外とそんな返しがあるという発見があって、僕らもいろいろと気づいたことがあったんです。「なんか違うかな」って思ったことでも、1回トライしてみることがすごく大事なんだなと。
ユーキ:この質問者の方も不安があるかもしれないんですけど、いろいろとにかくトライしてみてください。そこから「自分はここが向いてるな」って新しい発見があると思うんですよ。
もちろん自分より上の人はたくさんいるけど、その中で「ここは人に負けない」という、自分がアプローチできる強い場所を見つけると、かなり世界が変わってくるのかなと思います。
阿部:ありがとうございます。トライしてみることで気づくこともありますよね。タカシさんは自分に自信を持つ方法について、どう思いますか?
タカシ:僕もこの方と同じ気持ちなんだろうなと思います。僕も周りのアーティストや歌手を見て「歌うまいなぁ」と(自分と比べちゃいますし)、あとは楽曲制作でも、その分野に長けている方たちがいっぱいいるじゃないですか。そういった方を見て、僕も自信がなくなっちゃう人なんですよね。
「あぁ、俺と同じ同い年でこの人はこんなこともできるんや」とか思っちゃったりするんですよね。「俺もがんばらないとなぁ」って、だんだん自信がなくなっちゃうんやけど、そういう気持ちになってしまうのは仕方ないなと思っていて。
タカシ:僕はそれをどう乗り越えているか。実は頭の中には、今の自分と、もう1人の自分がいると思うんです。このもう1人の自分は、すごく自信満々なんですよね。
もう1人の自信満々の自分は、例えばステージの上に立ってる時だったり、こういう場にいる時の自分なんですよね。だから(そういう場面で自信のない)自分を持ってきてしまうと、失敗したり緊張したりとかするんです。
場所や状況に応じて、「今はこの自分が向いてるかも」「今はこっちの自分が向いてるかも」って、ジョブチェンジじゃないですけど、(2人の自分の切り替えを)やったりしています。
ふだんの自分は自信を持ててはいないんですけど、もう1人の自分というキャラクターをばんと作ることによって、この方も大学生活を前向きに、もっとポジティブに過ごせるんじゃないかなと思います。
もちろん、自分よりもっと向いている人はいるんですよ。でも逆に「いないほうがおかしい」って、1つの開き直りのように思えると、諦めがよくなるかなと思っています。それで「だから僕は、だから私は、違うアプローチをしていこう」「もう1人の自分を作って、この道を進んでいこう」って決められればいいなと思うんですよね。
阿部:おもしろいですね。
ユーキ:(3号車の)リョウガもたぶん同じ考え方ですよね。キャラというか、自分で振り切れるんですよ。誰しもそうだけど、キャラを飼っているよね。
タカシ:「演じる」まではいかないけど。
ユーキ:マインドだよね。でも慣れちゃえば、それをやってるつもりはないと思うんですよ。(キャラに振り切っている姿を)「かっこいいな」って、普段から見ている僕も思います。
阿部:弱気な自分もいるけれども、一方で強気な自分もいてもいいし。「自分」というチームで、1つのことにいろんな方向から向き合っていこうという考え方は、すごく参考になるんじゃないかなと思います。ありがとうございます。
阿部:もう1つぜひうかがいたいのですが、「アーティストのお仕事は会社員などとは違う仕事のイメージがあります。超特急のお二人が『働いてるな』と感じるのはどのような時でしょうか」という質問もいただいております。
タカシ:いやー、でもねぇ……。
ユーキ:働いてるかぁ……。僕らのお仕事って、時間の制限がないので。
阿部:そうですよね。
ユーキ:時間制ではないので、ありがたいことにお仕事がたくさんある時は、ずっと密になりますし。そういう時はやっぱり「働いてるな」という実感がありますし。
僕的には、何かを制作してる時に「仕事してるな」って感じるところがあって。それこそダンスの振り付けをしている時だったり、ミュージックビデオの撮影をしている時だったり。ライブ作りをしている時は、今の僕らにしかできない、超特急にしかできない(ことをしているので、)その瞬間だけは「僕は仕事してるな」という気持ちになりますね。
阿部:何かを創作してる時ですね。
阿部:タカシさんはどうですか。
タカシ:僕も同じような感じです。もちろん会社員の方々だったり、いろんな仕事とはちょっと違った特殊な職業やとは思うんですけど、意外とその何かを作り上げる時だったり、例えば曲を作る、詞を書く時は、「締め切りが何日までやから、ここまでにある程度のことを仕上げておこう」とか考えるんです。
そういったことをやっていると、「自分、働いてるなぁ」って思います。この職業で今を生きているんだなって感じる瞬間もある。
あとはライブのセットリストが決まって、その1曲1曲でどういうアプローチをしていこうかなとか、どういった気持ちになってもらいたいかなぁと考えたりする時も、「自分が今、この役割を全うできているな」と思います。
常に何か考えてること自体、「あぁ、働いてるな」って思います。無意識ではあるんですけど。
ユーキ:そうなんだよね。無意識。
阿部:今タカシさんがおっしゃってくださったみたいに、会社員の仕事であってもパフォーマンスをするアーティストの仕事であっても、「締め切り」に向かって何か1つのものを作り上げていくというのは、共通しているなと思いました。
そして、ユーキさんがおっしゃるとおり、創作する、何かを作るという部分では相通ずるものがあるし、そこは同じなんだろうなとお話をうかがいながら思いました。
ユーキ:そうですよね。
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