DXに取り組む、日本企業の事例

湯浅エムレ秀和氏(以下、湯浅):いくつか例をご紹介できればと思っています。キャディという会社は、製造業のDXに取り組んでいる創業4年目の会社です。やっていることは、例えば「部品を作りたい」という方がいた時に、その図面をキャディにアップロードすると、キャディ側で図面を解析して、それを最適に作れる工場を特定した上で発注する。

最後はキャディで品質保証して、お客さんに納品をするというような、テクノロジーと商社の2つのものを織り合わせて、製造業のDXを推し進めようとしています。

先ほどの円グラフでもありましたが、製造業は日本最大の業界で、だいたい日本の20パーセントくらいの経済はここが回しているので、100兆円以上の業界に対して、彼らはこのようなDXを仕掛けています。創業4年目で今、社員200名ですが、3年以内に1,000名を超えていくべく猛スピードで成長しています。

また、別の会社(の事例です)。アンドバッド、恐らく聞いたことがない方も多いかもしれませんが、建設業界の方であれば必ず聞いたことある会社なんじゃないかなと思います。これも日本のスタートアップですが、やっていることは建設業界向けのいろんなコミュニケーションツールや業務管理ツールを提供しています。

すでに利用している会社は10万社を超えていて、ユーザーも30何万人が使っているというような、建設業界ではデファクト・スタンダードになりつつある会社です。アンドバッドがプロダクトをローンチしたのはたった5年前で、今はここまで来ている。そして彼らは、先ほどの3つの要素のプラットフォーム戦略を打ち出しています。

これだけたくさんの企業とユーザーに使ってもらっているアンドパッドを介して、いろんなサービスを提供していけるようにしようと。自社で作ることもあるし、他の人がアンドパッドを通じて10万社に提供できるようにしていこうと、まさにプラットフォーム戦略をつい先月発表して取り組んでいます。

ドローンで点検を自動化し、業務効率を改善する企業も

湯浅:もう1社ご紹介させていただきますと、センシンロボティクスという会社があります。先ほど、少子高齢化は日本の課題でありチャンスだと申し上げましたが、まさにそれを体現している会社になっています。ここがやっているのはインフラ点検です。

日本にはたくさんのインフラがあります。高速道路やダム、鉄塔、橋だとかいろんなものがありますが、老朽化が叫ばれています。昔も今も鉄塔に人が登って点検してたんですが、登る人たちも60代とかになってきて、担い手もいない状態。これをどうするのかというところに目を付けたのが、このセンシンロボティクスという会社です。

彼らはドローンを使って、点検をほぼ自動でやるということを実現しています。地面に置いてある箱がウィーンと開いてドローンが飛び立っていって、自動で見てきて、取ってきた動画や写真をAIを使って解析をして、問題があるところだけを特定して、ピンポイントに人が見に行く。

それをすることで、圧倒的に業務効率を実現している。そんな会社がありますし、今は日本だけの展開ですが、今後はアジアでも同じようなインフラ老朽化の課題に直面する時に非常に引き合いの声が強くなっている会社です。

なので、日本でもDX文脈に関して言うと、プラットフォーム、グローバルを目指していく企業がどんどん出てきていますし、もしかしたら将来のNew Seven Sistersのように、世界でもみんなが使うようなサービスになっていく可能性はあるんじゃないかなと思っています。

ポストコロナが後押しする、DX推進

湯浅:そんな時代に求められるリーダーって何だろうか? というのをあらためて考えていきましょう。前提として、このポストコロナでDXが一気に進んでいくと思っています。

起業じゃなくてもいいです。必ずしもみんなイーロン・マスクを目指すべきではないと思いますが、例えば大企業に所属していながら、何かしらのかたちで自分の持ち場でDXを進めていく。そんな方が求められていくんじゃないかなと思っています。

DXと一言に言っても、いろんなレベル感があります。来年の夏くらいに本が出るものですが、ボストンカレッジの教授によるのDXの最新の理論が興味深いです。DXには、ざっくり4つの段階があるとその教授は整理していて、実際に僕も現場でやっていて非常に納得感がある理論になっています。

1つ目が、いわゆる業務効率化。自社のやっている業務を簡単にするためにSaaSツールを入れたり、ロボットを入れたり、AIを使って画像解析するのが1つ目。これはいろんな会社が取り組んでいるんじゃないかなと思いますし、やらない理由がないぐらい、圧倒的にコストベネフィットが合うものだと思います。

2つ目の段階が、業務効率化ではなくてプロダクト改善。自分たちがお客さん向けに作っているプロダクトを、データを使って改善していこうというものですね。

例えばわかりやすいもので言うと、仮に冷蔵庫メーカーがあったとして、冷蔵庫にセンサーを付けた状態でお客さんに販売して、お客さんがその冷蔵庫をどういうふうに使っているのかをセンサーを通じて分析した上で、次の冷蔵庫作りに役立てるというのが2つ目の段階になっています。

3つ目が、新たな収益源を作りに行くこと。この辺からだいぶ難しくなってきます。例えばまた冷蔵庫メーカーの例で言いますと、冷蔵庫ってもともとは食べ物を冷蔵しておくものですが、庫内のものを分析して、今(冷蔵庫にあるもので)作れる献立を提案することができたら、恐らく月額500円とかを払う方いるんじゃないかなと思います。そういうことをやっていくのが3つ目です。

今まで冷蔵庫メーカーは、基本的に冷蔵庫を売ってお金を得られていましたが、そうじゃなくて冷蔵庫を売ったあともソフトウェアやいろんなデータを使って、別のレベニューストリームを作っていくというのが、ここで言う3段階目。

求められるのは、ビジネスモデルを「進化」させる企業

湯浅:4段階目を実現しているところは少なくて、本当に難しいことですが、これはビジネスモデルを進化させて行きましょうというものです。簡単に言うと、例えば冷蔵庫メーカーだとすると、ネットスーパーと連携して、冷蔵庫の中のものを自動的に補充していく。必要なものが自動的に自分の家にデリバリーとして届くようになっていく。

これを実現するためには、当然冷蔵庫メーカーの中では完結はできなくて、ネットスーパーや近隣のスーパー、コンビニとかと連携しなきゃいけないですし、お客さん向けにもアプリを出さなきゃいけないかもしれない。

けど、そこまでやっていくと、もはや冷蔵庫メーカーから完全に脱却というか進化して、お客さんに対して新鮮なものを、食べ物をタイムリーに提供できる。そんなサービス事業者に進化していくというのが4段階目です。

1段階目、2段階目はある程度がんばればできると思うんですが、3段階目、4段階目をできる人が非常に少ないと思いますし、逆にここができる人がこれからの時代に求められていくんじゃないかなと思っています。

じゃあ、どんな人ができるようになるんだろうか? というのをいろいろ考えました。もちろんいろんな要素はあると思うんですが、私の中では3つに集約されます。

1つが、業界やお客さんに対して、何かいいものを提供していきたいという「想い(Purpose)」。この場にいらっしゃる方は志が非常に高いと思うので、そこは言わずもがなですが、一番重要だと思っています。

それ以外にも「思考」プロセス。先ほどみたいに、冷蔵庫からスーパーと連携して新たなサービスを作っていこうとなると、たぶん冷蔵庫メーカーの発想だけだとできないと思うんですよね。新たな発想に脱皮していかなきゃいけない。この飛躍するような思考プロセスを持ち合わせた人が重要なんじゃないかと思います。

最後が外部との「連携」。HBSの教授のハンター教授という人が最近掲げている「Cross-Sector Multi-Stakeholder」では、いろんな人と連携していくことが新たなサービスの運営では重要だ、というふうに言われています。

イーロン・マスク氏にも該当する「第一原理思考」とは?

湯浅:この思考プロセスで1つご紹介したいのが「第一原理思考」。英語で言うと「First Principals Thinking」。(第一原理思考を)一番使っているのがイーロン・マスクと言われています。最も根本となる基本原則まで立ち返って、どうしても変えられないものは何かを特定して、逆に言うとそれ以外は可変のものとして扱うという思考プロセスです。

例えばイーロン・マスクがスペースXを立ち上げる時に、最初は(ロケットを)買おうと思っていたんですが、65億円かかると言われた。彼はいろいろ悩んで、(販売価格は)65億円なんだけど、ロケットを実際に作るのに必要な原材料費がいくらなんだろうかと考えた。

合金アルミや燃料のコストがいくらなのかというと(販売価格の)2パーセントしかなかったんですね。つまり残りの98パーセントは、途中の生産工程で発生している費用。(原材料費の)2パーセントはさすがにもう下げられないかもしれないけど、98パーセントは十分下げうる余地があるんじゃないかということで、彼は製造プロセスのほうに非常に着目してスペースXができました。結果的に、ロケットコストは10分の1になりました。

基本的に、TESLAも製造プロセス自体を非常に自動化したり、新しいイノベーションを起こそうとしている会社です。

もう1個が、先ほど申し上げた「Cross-Sector Multi-Stakeholder」。まさにグロービスの場もそうだと思うんですが、自分の会社にいたら普通はなかなか出会えないような人と接することで、新たなビジネスのアイデアが出てきたり、いざ何か起こそうという時に、そういう人たちと相談できたりつながったり。そういう要素を持ち合わせている人が、これからの時代は求められているのではないかなと思っています。

長くなりましたが、このポストコロナの時代はポストスペイン風邪と同じように、長い長いトンネルのその先に待っている世界は、恐らく今までの日常ではなくて、まったく新しい日常が待っているんじゃないかなと思っています。

これからのリーダーに求められる3要素

湯浅:具体的には、先ほど申し上げたとおりDXという波。最近いろんなところで聞くようになってきましたが、実はまだまだ始まったばかりだと思っていますし、経済の大半はまだほとんどDXされていない状態。ここが、ポストコロナでいろんなテクノロジーが一気に普及してくる。

みなさんの働き方も大きく変わったと思いますが、それが当たり前になっていって、「じゃあ、なんでこのプロセスは変わらないんだろう?」「なんで自分たちの事業は変わらないんだろう?」というところに着目した人たちが、きっとDXを一気に推し進めていくと思っています。

おそらく、ここから日本でもデカコーン企業が出てきたり、もしくは大企業が脱皮して世界でもう一度戦えるような大企業になったり、そんな変化の時代が来ることを期待しています。

この時代に求められるリーダーの要素はこの3つ。「想い」と、飛躍するような「思考」プロセス、そして今日この場のようにいろんな人と「連携」できること。いろんなタイプの人と一緒に仕事ができる、そんなリーダーが求められているんじゃないかなと思っています。

(スライドの)この表、よく出てくると思います。1990年、時価総額トップ20位のうち14社が日本の会社でした。ただ2021年になってみると、トップ20位には1社も入っていなくて、かろうじてトヨタが34社くらいのところにいる。

これを見て嘆く方も多いかもしれませんが、逆を言うと、30年でこれだけ変化があったということは、次の30年でもまた大きな変化が起きうると思います。30年後もそのまま行くとは到底思えなくて、DXの波は始まったばっかりですし、次の30年後の表はまったく違ったかたちになっているんじゃないかなと思っています。

今日、この場にいらっしゃる方はリーダーの方々だと思うので、ぜひ世の中が大きく変わっていくポストコロナの局面で、変化を先導するようなリーダーになっていただきたいというふうに思っています。

昔、とある天才がおっしゃっていたのが「狂気とは、同じ事を繰り返しながら、異なる結果を期待することである」。それはそうですね、同じことを繰り返したら同じ結果にしかならないと思います。これから世の中に大きな変化が現れる時に、ぜひ新しいことにチャレンジをして、この変化を率いていただければと思っています。

埋もれていた「多様性」が、SNSによって浮かび上がる

湯浅:恐らく今日のリユニオンは、このあといろんな分科会があるかと思いますが、そこで学びをアップデートしたり、交流会や横のつながりを温めたり、もしかしたら新しい再会もあったりして、いろんな変化の始まりの日となっていくといいかなと思っています。今日一日が刺激的な、そして楽しい日になることを祈っています。ありがとうございました。

堀義人氏(以下、堀):質問したいこととか、僕がコメントしたいことをお話したいと思います。まずポストコロナということで、技術の普及と社会変容が起こるということですが、技術というのはチラッと触れたように、DXを含めたかたちで進んでいくことをだいたい想像するんですが、社会変容はどうなると思いますか?

湯浅:そうですね。大きく価値観が変わってくる時代は来るかなと思っていて、1つは技術によって後押しされる。まさにスペイン風邪の時のように、技術が普及していくことによって人々の価値観が変わっていくということは、今後起きていくかなというふうに思っています。

例えばソーシャルネットワークがどんどん広がっていくと、人々が自分の趣味嗜好に合った人たちとより出会いやすくなった。それによって、今までは埋もれていたかもしれない多様性みたいなものが、1つのグループ単位として出てきたことによって「多様な世の中を許容していこうよ」という動きが起きた。

まさに今、ダイバーシティを中心に言われていることも、技術の普及によって世の中が変わってきたということかなと思います。

:他に何か考えることはありますか? 例えば、技術も含めてどういう方向に向かうのか、キーワードがあれば教えてください。

湯浅:この前、COP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)もやっていましたが、恐らく気候問題は、21世紀で人類が直面する最大規模の課題なんじゃないかなと思っています。特に若い方は気候問題に関してすごく真剣ですし、自分ごととして捉えている人が多いと思っています。

目標はあっても、テクノロジーが不足している現状

湯浅:COP26でもそうでしたが、私が見ていて思うのは、目標はセットされたけど実現にあたってやらなきゃいけないこともわかるけど、そのテクノロジーがまだないという状況もあるんじゃないかなと思っていて。

目標がセットされたことで、最近はクライメートテックと呼ばれたりしますが、この地球温暖化問題、気候問題を解決するようなテクノロジーが広がっていく。これが逆のパターンですかね。人類の価値観だとか、やるべき課題を解くためにテクノロジー側が作っていくという変化も出てくるかなと思う。

:グリーンとデジタルが1つのキーワードになってきて、そこにパーパスや人々が惹かれるのはミッション、あるいは目的、使命によってみなさんが集まってきていると。

ちょうど読んだばかりの記事で、Amazonがネーミングライツを持ったシアトルのアリーナの名前。普通は「Amazon Prime Arena」にすると思うんだけど、「Climate Pledge Arena」という名前になって、これがすごくおもしろくて。

(アリーナを)完全に炭素をゼロにして、全部を太陽光でやっていて、壁の部分も全部が緑で植物園に入ったような感じにしている。ナショナルホッケーリーグが拡大する時にシアトルが手を挙げて、そこにスタートアップのファンドの会社が「自分たちがやる」と手を挙げて、Amazonのネーミングライツを持った。

Climate Pledge Arenaに共鳴する人しか入れないし、スポンサーもそういったことに共鳴する人しか入れないという、明確なパーパスを持っていて。当然アリーナに来る人たちも「Climate Pledge」に対して賛同した人たちで、そういうかたちに触れていくことによって影響力を行使していこうと進めている。

というのを考えた時に、パーパスと同時にデジタルとグリーンを含めたかたちで社会が変容して、そこに共感するような人たちがどんどん自由に動いていくような時代になってきた。人々が主役になって、個人個人が主役になって、ソーシャルネットワークの中で進んでいくと、そういう社会変容が起こっていくんですかね。

湯浅:そう思います。

優秀な人ほど「自分の人生の時間を何に使うか」を重視

湯浅:あとはスタートアップの世界で感じるのは、優秀だったり仕事ができる人ほど、パーパスをすごく重要視している方が多いなと思っていて。どこに行ってもある程度仕事はできて、活躍はできると思っている方がいた時に、じゃあその方々が自分の人生の時間を何に使うのかというところで重要なのが、大きなパーパス。

「大きな人類の社会課題を解決していこう」というふうに表明しているスタートアップに(人が)どんどん集まっている感じがありますし、逆を言うと、純粋に「儲かります」「伸びます」だけだと、いい人は集まって来ないというのが、すごく最近起きているなというのは感じます。

:「かっこいい」と思える会社(の基準)が、今後は社会的に使命感を持ってやっているかどうかで決まってくると。以前は儲かっている会社とか、デザイン的に優れた会社をかっこいいといったものが、「地球環境に対して、社会に対してどういったことをやっていますか?」というふうに問われていく。

社員として働いた時に、「うちの会社は何も社会的にやっていないんだよ」と思った瞬間に下をうつむいてしまうけど、「うちの会社はこんなに素晴らしいことをやっている」と言うと、多くの人から尊敬を得られる。グリーンやデジタルを含めて、それをさまざまなかたちで進めていくと、個人も変わっていくだろうと思います。

それから次に、デカコーンの話もまさにそうだなと。プラットフォームとグローバル。データネットワーク、規模感ということだと思いますが、おもしろかったのがDXの進化の4段階。

グロービスで言えば、すごくわかりやすいのが、すべて紙と教室だったものをデジタル化しました。プロダクト改善がオンラインMBAだとすると、すべてをオンラインにして、その中でみなさんの意見を聞きながらどんどんフィードバックして、カリキュラムを良くしていく、というかたちのものを行った。

新たな収益源がグロ放題(グロービス学び放題)だと思うんだよね。まったく違うかたちのグロ放題というのものを作った。冒頭で僕は「マイクロラーニング」という言葉を使ったんだけど、それは僕らが作ったものを示す言葉があとから生まれたんだよね。アメリカのほうが「こういう言葉があったんだ」と、あとで知ったというね。

スマホで簡単に学べる「グロービス学び放題」

:動画、テレビがNetflixになった。映画が見放題、それから聞き放題がSpotifyになったね。本の読み放題ってあるけど、本じゃおもしろくないから、それだったら実際に動画やスライドショーやアニメーションとかを加えた、学び放題のものができてくるだろうと。

「(動画の尺は)5分のほうがいいから」「スマホだね」と言って作ったのがグロ放題なんだけど、同じ時期にLinkedInラーニングがPCから始まった。うちは最初からスマホベースで作っているので、こういったものをやっていると、新しい言葉とマイクロラーニングという言葉が出てきて「おお、僕らがやっていることじゃん」と言ったりね。

MOOCsというのは「Massive Open Online Courses」なんだけど、SPOC(Small Private Online Courses)という言葉があって。グロービスのオンラインMBAは、Small Private Online Coursesなんですね。

僕らが必要だと思うことがあれば、あとから言葉がアメリカのほうで出てきて、僕らがやっているSPOCだよ、MOOCsじゃないよ、とかね。それはあくまでもプラットフォーム型のMOOCs型のものだけじゃなくて、マイクロラーニングだよと言えるとけっこういいかなと思っていて。

最後におもしろいのが、ビジネスモデルの進化。DXってビジネスモデルの進化なんですよね。グロービスが今やろうと思っているのは、スマホからポチって聞けるので、みなさんグロ放題見てね。本当にすごくいいから。

絶対にリターンが返ってくるし、グロ放題はみなさんの学びにすごくいいと思っているし、中でやっているリーダーの挑戦を含めた「知見録 Premium」もすごくおもしろいから、ぜひ見てもらえたら、みなさんにとっても学びが続くと思います。

その中で、4万円で0.5単位取れるという「ナノ単科」が今年の10月から始まったんだけど、定員がいっぱいになっていて。動画とAIを使った教育をやるんだよね。グロービス経営大学院の卒業に必要な単位として認められ、単科・MBAへと継続学習が可能です。これは完全にビジネスモデルの進化なんですよね。これを日本語・英語でやろうと考えています。

最先端を知るためには、幅広いコンテンツを吸収すること

:そういったものができると、うまくいけば成功する。グロ放題は20万人のユーザーがいると言ったけど、40万人になってもコストが変わらないから。20万人って、だいたい年間2万円だと40億円くらい入ってくるんだけど、2倍になっても40億円そのままキャッシュが粗利として入ってくるので。

本当にさらにそこから大学院に行くと、1人あたりの入学料とかを含めて考えた場合、ライフタイムバリューが上がってくる。そういった新しいビジネスモデルを考えているんだけど、世界に行けたら、もしかしたらグロービスがデカコーンになるかもしれない。まったく上場は考えていないけど(笑)。

湯浅:こんなに身近にいた(笑)。

:話せば話すほど、グロービス・キャピタル・パートナーズとしたら、当然出資をしたい(笑)。

湯浅:出資をしたい(笑)。

:MRRが入って4億円とか「え!?」って言って。

湯浅:もうユニコーン!?

:すでにグロ放題にはユニコーンの価値があるんだけど。それから、グローバルへ行ってもデカコーンになっちゃう。「想い」と「思考」と「連携」ということで、やっぱりそういった新しいパッションと、思ったことは分身なんだよね。

例えば、Amazonで起こったことはみなさんの業界でも起こり得ますね。その時にいろんな会社でプラットフォームを考えたり、コンテンツの場合は「サブスクモデルだよね」とか、いろんなことを吸収していくといろんなことがわかるから。

僕がベンチャーキャピタルをやっていて、最先端のことがわかっていると、「教育はこうなっていくんじゃないかな」とすぐに類推できて、いち早くグローバルに展開していくわけです。

みなさんの会社の中でも、今日もいろんな学びがあると思うし、ブリッツスケーリングの分科会があったりとか、さまざまなこと考えて類推して、「最先端がこうなっているよ」ということがわかることがおもしろいんじゃないかなと思っています。