2024.11.27
身代金支払い企業47%の衝撃 ランサムウェア被害はもはや"無関係ではいられない"時代
提供:アステリア株式会社
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平野洋一郎氏(以下、平野):本日はよろしくお願いいたします。まずは自己紹介を。最初は安藤さんからよろしいですか。
安藤昭太氏(以下、安藤):はい、ありがとうございます。合同会社sowacanaの代表をしております、安藤と申します。
僕自身、ノーコード全般のシステム導入やコンサルティングをしています。あとは、「ノーコード」の啓発活動も大事にしていて、発信などもしています。よろしくお願いします。
平野:よろしくお願いします。私はアステリアの代表をしております、平野と申します。私たち自身は、ソフトウェアを企業向けに開発をして販売している、ソフトウェアベンダーです。今の4つの主力製品は、すべて「ノーコード」の製品です。
「ノーコード」は企業や現場で働いてるみなさまのお役に立てるということを考えており、今すごく推しているという状況なんです。そこで、本日のセミナーは、「『ノーコード』で心を燃やせ! 人材不足を解消し『現場のDX』を加速」と題しまして、安藤さんにもお越しいただきました。ありがとうございます。
まず最初は、この「『ノーコード』で心を燃やせ!」というセミナーのタイトルのきっかけになった、アステリアのCMからご覧いただきたいと思います。
このCMは今年の1月からテレビで放映しているのですが、ご覧になったことありますか?
安藤:あります。
平野:ありがとうございます(笑)。実はこの主役の猫が、小さく書いてありますけど、「プラティ男くん」という名前なんです。実はこの声に秘密があって、『鬼滅の刃』はご覧になってます?
安藤:見てます(笑)。
平野:ありがとうございます(笑)。実は、『鬼滅の刃』で煉獄さんの声を担当されている、声優の日野聡さんにお願いしてるのですが、気が付かれました?
安藤:今回、本対談に登壇をするにあたって依頼をいただいた際に「こういうCMを作ったんですよ」と伺ったので、拝見しました。でも、最初ぜんぜん気付かなくて、猫の声は声優の日野さんが担当されていると聞いてからは、何回見てもキャラクターの声にしか聞こえないんです(笑)。
平野:そうですね、1回聞くとそちらに(笑)。いや、それです。キャラクターの「心を燃やせ」という有名な決め台詞があるじゃないですか。それを今日のタイトルに入れているという関係なんです。
平野:ノーコードは新しいものなので、安藤さんも本当にいろいろなところで一生懸命広めていらっしゃいますけど。私たちも今日セミナーを聞いた方に、本当にこのノーコードに触って、感じて、使っていただきたいというところなんです。
先ほど、アステリアの主力製品は4つと言いましたが、特に今、幅広い方に使い始めていただいてるのがこちら、「Platio(プラティオ)」という製品ですね。先ほどのCMで出てきました。猫の「プラティ男くん」というのはこの製品名からきています。
「Platio」は、実はたった3日でモバイルアプリが作れるんですね。これはもう、まさにノーコードだからこそで、コーディングをしていたらとてもできない。他にもコーディングをする、モバイルアプリを簡単に作成するツールはいくつもあるんです。
でも、そういうツールでもだいたい1ヶ月です。「短いでしょ」という話が出るんですけど、「Platio」なら本当に3日です。実際にはいろいろな事例があるのですが、3日よりも短い1日とか2日という事例もあるんですね。
なぜ3日でできるかというと、2つ秘密があります。1つはもちろんノーコードなんです。つまり、コーディングをしない。もう1つは、テンプレートが100種類以上あって、いろいろな業務や業態、業種に合わせたものを選んで、ノーコードで簡単にカスタマイズできる。このカスタマイズの画面が、スライドの左側下のものです。
昔「WYSIWYG(ウィジウィグ)」という言葉がありましたが、「What You See Is What You Get」ですね。コードではなくて、実際の画面の動きを見ながら作れる。これがやっぱりノーコードならではのつくりなのです。
先ほど事例と言いましたが、本当に大企業の現場から小さなところまで、幅広く使われています。後ほどもう少し紹介をしたいと思いますが、本当に幅広い用途でお使いいただいています。導入してほとんどが3日以内でスマホのアプリを作っていらっしゃるという状況なのです。
ということで、うちの話ばかり長くなってもしょうがないので(笑)。安藤さんは、「ノーコードシフト」という本を書かれて、実際にTwitterなどでもかなり発信してらっしゃいます。今日はこのノーコードの対談で理解を深めて、みなさんにも触って使っていただくというアクションにつながればということで、お話ししたいと思います。
平野:それではさっそく、質問から入りたいと思います。安藤さんは本当にもう、ミスターノーコードみたいな方ですけども。
安藤:いえいえ、とんでもないです。
平野:ノーコードに携わって、発信されるようになったきっかけは、いつ頃からどういったことだったのでしょうか?
安藤:2020年頃にブログを書き始めて、私自身もツールを触るのが好きだったので、その中でいろいろな情報発信をしていくうちに、だんだんノーコードが広まっていったところがあります。
なぜノーコードに着目したかというと、私はもともと大手のいわゆるSIer、システム開発をする会社に所属していました。一方で、NPOとかNGOでずっとボランティアをしていたんですね。
やはりITは大きな会社が大規模投資するだけでも、もちろん効果という要請はあると思うのですが。そうではなくて、社会課題を解決してる最前線の人たちが使うべきだろうということで、いろいろな試行錯誤をしていきました。
その結果、先ほどの「Platio」がまさにそうですけど、ノーコードで安価に短期間で作れて、実際使ってみても更新などがすぐできるという柔軟性がある。そこで着目したのがきっかけです。
平野:なるほどですね。単に着目するだけでなく、それを広めていこうという活動を今やられているじゃないですか。そこまでやるモチベーションは何だったのですか?
安藤:実際に5年くらい前に、NPO、NGOのシステム開発を請け負うという会社で独立したのですが、その時に、やっぱりどうしてもITツールを使おうとするとお金がかかるというところで、僕自身もけっこうやきもきしていました。
「もっとこういうツール使えば、こういう課題が解決できるのに」とすごく思っていたので、ノーコードというものを知って、できるだけみんなに使ってほしいと、かなり意識をして、思いを持ってずっと発信しています。
そこにたまたまノーコードというトレンドがやってきたという感じですね。
平野:なるほど。ご自身が考えて進められていたことと、ノーコードがガチャンと合致したと。それで共著で本まで書かれているのですね。
安藤:そうですね。逆に、アステリアさんや平野さん自身がノーコードに着目した「Platio」は、もう何年ぐらい経ちます?
平野:2017年ですから5年になりますね。
安藤:そうですよね、そのくらい経ちますよね。実際、今はノーコードツールがたくさんあって、私自身もいろいろと勉強する中で、やっぱりこれだけ製品ラインナップがあって全部ノーコードという企業はあまりないなと思っています。
ノーコードに着目されたのは、もともとすごく先見の明があったのか、そのあたりをちょっと伺いたいのですがいかがでしょうか。
平野:はい。「Platio」は弊社製品でも最近の方で、2017年提供開始なんですね。実は最初のノーコード製品はちょうど20年前の2002年のもので、主力製品の「ASTERIA Warp(アステリア ワープ)」というものです。
私たちは当時、「ノンコーディング」と呼んでいましたね。まさにまったくコーディングしないゼロコーディングで、アプリケーションやシステム、ソフトウェアをつなげるシステムを作ったのが最初なんです。ですので、ノーコードが流行りそうだからとか、流行ってるから始めたというのとはまったく違っていて。
2002年の頃、私たちが何を考えていたかというと、やっぱり企業でシステムを作ったりシステムをつなぐには、どうしても何か高度な技術力を持ったエンジニアじゃないとできない。しかも、そういう人材はその当時も不足していると言われていました。そこをなんとかできないかというところです。
高度なスキルのあるエンジニアでなくてもシステムが作れるようにできないか、ということで私たちが考えたのはプログラムって、テキストで書いていて、テキスチュアルランゲージでやるから本当に高度なエンジニアが必要だけども、それをグラフィカルにやったら、もっと幅広くできるんじゃないか。
そこでテキスチュアルランゲージに対して、グラフィカルランゲージということを考えました。グラフィカルランゲージであれば、コーディング、テキストを排除できます。それを開発して発表、発売したのが2002年の6月なんですね。そこからもうずっと弊社で提供する製品はすべてノーコード製品です。
これによって、例えば情報システム部門でなくても現場部門の方が必要に応じてデータを持ってきたり、つないだりできる。あとは、今「Platio」でモバイルアプリを作ったりと、高度なスキルのあるエンジニアや情報システム部門じゃなくても、コンピュータを使える世界にしたかったんですね。
安藤:なるほど、そうですか。私も本に少し書いたのは、ITはずっとエンジニアのものという感じだったんですよね。皆、使う側です。エンジニアの人口は今、世界中に1%未満しか存在していないんですよ。
エンジニアが世界をコントロールしているような状態の中で、そうじゃない方たちがITを使えるようになる。僕は市民権を得るとか、民主化するといったイメージです。それがノーコードの良さであり、かつ情シスの方がずっとやってたものを、そうじゃない方たちでもできるようになったのは、ITとしてもすごく革命的かなと思います。
平野:そうですよね。
安藤:それを2002年からやっておられると。「ASTERIA Warp」というのは、データ連携ツールというもので、エンドユーザーの方からするとなかなか分かりづらい、でもとても必要なツールです。今はSaaS間連携が普通になっていますけど、それをずっとされてるのはすごいなと思います。
平野:「ASTERIA Warp」の実態は、アプリケーションサーバーなんですよね。なので、システムをノーコードで作ることもできるのですが、当時このノーコードがフィットするのは、やはりアプリケーションとアプリケーションの間、システムの間だと考えたのです。
なぜならば、この接続には相手があるじゃないですか。相手が変わると、つなぎ方も即座に変えないといけない。つまり、自分以外のスケジュールで変化して、しかも即座に対応しないといけないですね。
ここはコーディングで何千行も何万行も書いていたら、まず即座に対応できないですね。それから何千行、何万行のコードというのは、実は書いた人でないと本当に理解が難しいわけですよ。
安藤:いや、そうですね。わかります。
平野:「1ヶ月以内に対応してくれ」という時に、他のエンジニアの方が来ると、解読する段階から始まるわけです(笑)。
安藤:わかります(笑)。
平野:こういう属人化をなんとか排除できないかと考えて、「ASTERIA Warp」が使ったのはフローチャートなんです。フローチャートを書けば両方のつなぎ、つまりコンピュータを動かすことができるんですね。フローチャートを書ける人は、エンジニアでもう100倍も1,000倍もいるじゃないですか。それがそのまま動くようなことを実現したかったんですね。
安藤:なるほど。それって今言うと当たり前の概念のように見えて、最初はけっこう難しかったりするなと思います。
平野:そうですね。フローチャートが動くというと、まあ表現は一瞬なんですけどね(笑)。
安藤:そうですよね(笑)。
平野:正直、弊社が「ASTERIA Warp」を出すまでに、起業した時から設計をして開発に4年かかったんですね。1998年に創業して、これを出したのは2002年でした。4年かかって、いろいろなパターンのフローチャートのアイコンを並べて、順番を変えてもちゃんと動くようにするという。このエンジンは逆に、実に大変なコーディングが必要になるんですよね。
でも、これを出せれば、私たちは本当に世界を変えられると思っていました。実際にそれが20年間支持されていて、直近の15年間、このつなぐというところではシェアNo.1なんですよね。
安藤:そうなんですね。さっきおっしゃっていた、コードを解読をするというのは僕も経験があるんです。エンジニアだと「スパゲティコード」という言い方をすると思うんですけど。
平野:安藤さんは大手SIerの元エンジニアでしたね。
安藤:はい、僕はもともとエンジニアなので、なんだかよく分からないプロジェクトに放り込まれて、訳の分からないコードを読むということがあったんですけど(笑)。ノーコードって、単純にビジュアルでプログラミングできること以外にも、次に担当する人が直すのもめちゃくちゃ簡単という利点もすごくあるなと思っています。
安藤:「Platio」ではそういうことが簡単にできるように見えるんですけど、実際にどういう方が作られていて、どう運用されているかをお聞かせいただければと。
平野:そうですね、「Platio」は本当に現場の方ですよね。情報システム部門の方ではなく、ITのこともあまり知らない方が作成していらっしゃいますね。冒頭の事例のリストに京セラさんがありまして、「ASTERIA Warp」もご利用いただいているのですが、それはまさに情報システム部門で使っていただいてるんです。
「Platio」に関しては倉庫のいわゆる在庫管理に使われています。物流テックなどと呼ばれる部分の一部なんですけども。しかも、在庫管理などをするアプリ自体、IT部門や情シスとはまったく関係なく、入社2年目の現場の人が「こういうものがある。使ってみよう」ということで検討が始まり、アプリ作成を実現し活用が進みました。
安藤:なるほど。京セラさんとしてもそのチャレンジはすごいですし、情シスの方もそれを許すというか、使っていいよというのもすごい。そして新卒2年目の人がアプリ作成に関われるのも、やっぱりすごいですよね。
平野:そうですよね。今までだったら考えられないことだと思います。私たちのこのノーコードの20年、当時15年の蓄積をつぎ込んで作ったのが、この「Platio」ですね。
しかも、やっぱりモバイルが普及してきていまして、IT化が進んでも情シス部門やIT部門の範疇って、どうしても画面までなんですよ。わかります? パソコンのスクリーンまで。そこから先のモバイルはなかなかケアが難しい。そこに何かアプリを作ろうものなら何百万円とかかってしまい、その現場の一業務のために1個1個作るのかということになります。
よく言われるラストワンマイルではないですけれども、やはりここがIT化されていない最後のところ。
安藤:そうですね。「デスクレス」という言い方もしますよね。
平野:でも現場は、いつも座って仕事しているわけじゃない人たちが多い。そこをどうやって掬おうかという考えなんですね。
安藤:私がよく思うのが、現場の人たちは「こういうアプリを作りたい」というふうにアイデアがあって、課題があって、解決策があるのですよね。でも、情シスがその話を聞いて社長に上げて、その話をSIerに持ってきて、それを僕ら現場のエンジニアが知って実装する。
平野:それは、あのSIer時代の話ですね。
安藤:そうです。ほぼ違うものができるっていう(笑)。
平野:あの有名な「ブランコの絵」が(笑)。
安藤:まさに。あれってITのせいじゃなくて、人間のコミュニケーションの問題というか。それって絶対人数が増えると減衰するよね、というところがあると思うのですけど。
平野:伝言ゲームですからね。
安藤:そうなんです。やっぱり現場の人が作れて使えるということは、プラス改善もできるはずなので、すごいなと思います。
平野:実際、改善というのはけっこうポイントなんですよね。情報システム部門で外注して作ると、改善ポイントがあっても、また予算化して、月単位や年単位の話になるじゃないですか。
安藤:そうですね、わかります。
平野:それがもう手元で改善できますから、3日で作って1日で更新とか、何回でも更新できるのです。外注する必要もないし、その場で改善できるというのも、やはり定着のポイントになってくるのですね。
安藤:そうですね。京セラさんの場合は、それぞれデータ連携もしながら現場からデータを吸い上げているということは、データ自体に重きを置いている感じがします。
平野:もともとはそうですね。「Platio」を使う前は、現場の人がクリップボードに書いてチェックをして、それを事務所に戻ってExcelに入力をする。そのデータ化されたものを、また集計していたんです。
「Platio」は、その場でチェックしたものがクラウドにいってデータになりますから。あとは、そのまま自動で集計すればいいだけ。今はコロナ禍ですけど、事務所に集まらなくてよくなるので、実は密を避けることにもなるのですね。
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