「学び」を「お金」に変えるには
小寺裕樹氏(以下、小寺):ではまた話を戻すんですが、「学びとお金」がお二人の共通テーマでもあるのでお聞きしたいです。本当に「一流の人は学びに貪欲である」と、私もいろんな著者の方とお付き合いさせていただいてて思うところですが、学びとお金の関係性、学びをお金に変える方法が、お二人の本のテーマだったりするじゃないですか。
学びをお金に変えるにはどうしたらいいんでしょうか。その辺について思うところをざくっと聞きたいんです。岡崎先生からお願いします。
岡崎かつひろ氏(以下、岡崎):誰が学びをお金に変えるか。この「誰が」が大事だと思うんです。つまり、いわゆる超一流と言われるような方がその学びを生かして何をするかというのと、「いろいろ学び始めました、これをどうお金に変えたらいいですか?」というのとでは、だいぶ文脈が違う気がするんですね。
そういう意味では「今学び始めました」とか、「そこまで一流とまでは言わないけれども、それなりにできますよ」みたいな方がお金に変えるならという観点のお話をすると、まずこれを知っていただきたいなと思うのが、「世の中、下には下がいる」ということなんです。
小寺:名言ですね。
岡崎:これは別に人間的な上下ではなく、その分野における上下ですよ。
「一流の人でなければ稼げない」という固定概念を外すことから
岡崎:僕はいわゆる講師業ではそれなりにがんばってると思うんですけど、例えば料理とか裁縫とか、そういったことに関しては底辺も底辺になるわけです。あと以前バーテンダーをやっていたので、お酒をつくることに関してはもう10年以上やっていますから、かなり長けている方だと思うんです。
分野ごとに人ってピラミッドのポジションがあるわけですよね。その時に、多くの人は「一番頂上にいないとお金を取っちゃダメ」とか、お金に変えられないと思い込んでるんですよね。
でも思い出してみていただきたいんですけど、子どもの時に習い事をしてた人って多いと思うんですよ。習い事で教えてくださってた先生って、有名人でしたか? 例えば書籍を出している人かっていうと、答えはほとんどノーだと思うんですよね。
一流の人がいるなら一流の人の方がいいと思いますよ。でも、一流の人じゃなくてもいいんです。「一流の人でなければ稼げない」という概念を外して、「下には下がいる」と思っていただけると、学びをお金に変えやすいのかなと思いますが。いかがでしょうか?
小寺:なるほど。下には下がいる、名言ですね。ありがとうございます。
学びをお金に変えている人は、意外と「なんちゃって」な人も多い
小寺:井上先生はどうでしょうか、学びをお金に変えるには。
井上裕之氏(以下、井上):これを聞いてる人もそうだし、セミナーに来る人もそうなんだけども、根本に「学びをお金に変えたいと思っていない人」もたくさんいると思うんですよね。学ぶことに満足してしまう。だから、また新しい学びをしたい気持ちが強くて、僕らが思っているほど「学びをお金に変えたい」っていう気持ちが本当にあるのかなって、まず思うことですね。
それと同時に、学びをお金に変えるとするのであれば、今岡崎さんの言われた通り、深く学んでなかったら何か人に教えてはいけないとか、伝えてはいけないと思って、学びの深掘りをしすぎて時間を無駄にしてしまうことがよくあります。まずはスタートを切ることが大事なので、そのスタートを切るための学びが必要ですよね。
深く学ばなくてはいけないものもあるけど、深くなくても一通り知っておくべきで十分な学びってあると思うんですよ。そこの見極めがすごく大切かなと思いますね。
学びをお金に変えている人ってどういう人かというと、意外と「なんちゃって」な人が多いんですよね。とにかくやっちゃって、「これで集客してるとか、マジで?」とか思うような人もいる。変な話、これはこれでニーズあるんだなと思うことがあるわけですよ。
教えるのは、一流の人よりそうでない人の方が上手なこともある
井上:だから変な意味じゃなくて、岡崎さんの「下には下がいる」。よく僕も言うんですけど、一流の人から学ぶのは意外と難しいんです。一流の人はできて当たり前だから、学べてない人の気持ちがわからなくて、教えるのが下手だって言うんですね。
逆に言えばナンバー2やナンバー3の人に習った方が、自分の苦労を踏まえて教えてくれるので、教え方がすごく上手だって言うんです。「教える」にもそれぞれの段階の人たちがいて、その学びに来ている人たちよりちょっと上の人だから、教えるのが上手なこともあったりするんですね。
自分の学んだことを他の人に活かしたいとか、役立ちたい気持ちがあるのであれば、まずは思い切ってやってみて、行動してみる。これが学びをお金に変える上での一番スタートかと。
そこでの出来事に対してクレームがあるとか、もっと学びたいと言われた時に自分に力量が足りなければ、「ああ、もっと自分も成長しなくちゃいけない」と思って、学んで、今度はマーケットやターゲット、そういうニーズの人たちに対して応えていく自分になっていくことだと思います。
小寺:なるほど。学ぶことが目的になっちゃってるっていうケースはありますよね。
井上:学びが目的になってる人は多いんですよね。学びをお金に変えたいと言いながら、心の中で本当にお金に変えたい気持ちが10パーセントぐらいしかない人が多いんです。
小寺:学んでも、行動しなきゃ意味ないですもんね。
学びを成果につなげられる人は「決意」が違う
井上:あと、それぐらい追い詰められるほど困ってないんですよ。明日来なかったら殺されるって言ったら、絶対何かしますからね。追い込まれてないですよね。生活が成り立ってる中で学んで「お金に変えたいな」って言ってるレベルなんだと思います。
小寺:お二人は個人へのコンサルとかもそうですし、セミナーとかもよくやってらっしゃいますけど、受講生さんの中で、成果がすごく出る方と、なかなか長い間うまくいかない方が現実的にいると思います。その差は「受け取ったことを行動に起こせるか」というのがポイントとしてかなり大きいですか?
井上:僕が思うには、高額なセミナーほど結果を出す人が多いです。低額なセミナーほど、結果を出さない人が多いような気がします。
小寺:なぜですか。
井上:まず、高額なセミナーには来る決意が必要です。来た時に「自分を変えなくちゃいけない。ここまで出したんだから」という気持ちですよね。それと、そこまで出してくることによって、自分の神経が張り詰めてるというのか、信頼するからそれだけお金を投資しているわけですから、その人のすべてを盗もうとするので、すべてが学びになってるんですよ。
だけど、低額のセミナーの人とか無料のものって、「何を与えてくれるんだろう」と、与えられるものを待ってるんですね。だから、「一番人生で気を遣う人は誰ですか?」と言われたら、僕は一番お金払ってる人に気を遣いますよ。従業員なんかには一番気をつかいますよね、辞められたら困りますし。だから、優しくしますよね。
お金を投資して変わる人の共通項
井上:お金を払う人に一番気を遣う。逆に一番お金をくれる人に対しては、気になるところを全部言います。だけど、その人たちは「ああ、そうですよね」って聞いてくれる。だから、言いたいことをはっきり言える関係に変えたら、結果一番成長しますよ。
僕は「お金を投資する」ことがすごく大事だなと思っていますね。実際、お金を投資する人はすごく変わります。そして、その人たちの共通項は何かというと、何もしてないのに「先生のおかげです」って言うんですね。こちらとしては、そんなふうに言っていただくほど何もしてないんです。でも成功する人ほど「あなたのおかげ」って言うんですよね。
これがうまくいく循環ですよね。言葉の使い方から、生き方自体も、何かに対しても。それはすごく感じてます。
小寺:井上先生がおっしゃってて印象的だったのが、講座や講演会に招待を受けるんだけど、招待されて行かないと。「自分でお金払って行く」とおっしゃってて。
井上:招待されるような講演会って、自分も真剣にならないですよ。例えば50万円とか100万円のセミナーに招待されますって言ったら、逆に本当に勉強したい時は、お金を払って、その代わり受講生として扱ってもらってセミナーに参加するっていうわけです。変に気を遣われないので。気を遣われると勉強にならないんです。僕は学びたくて行ってるので。
お金の対価に対するエネルギーの物質の交換が「価値」ですよ。潜在意識を考えた時に、お金を投資しないで“タダ得”なんてしてたら、バチが当たる世界じゃないですか。絶対断っちゃった方がいいです。
小寺:さすがです。
146時間Amazon総合1位を獲得した、デビュー作誕生の背景
井上:僕のデビュー作の時は、当時フォレスト出版の長倉さんという人が担当だったんですけど、僕は長倉さんのセミナー代も出して、一緒に自己啓発セミナーに行って、「この代わり、僕らの目的をAmazon1位としましょう」って誓い合ったんです
小寺:そうだったんですか。
井上:それで、Amazonで総合1位になったというのもあるけど、実はどこか「1位になれるんじゃないかな」っていう気持ちはあったんですね。逆にそこに行くことによって、出版社の人もこれからセールスをしていく売りになるなと思ったんです。だから長倉さんの分もお金を出して、一緒にセミナーも行って、Amazonで総合1位になったというのはあります。
小寺:あの伝説のデビュー作『自分で奇跡を起こす方法』の、146時間Amazon総合1位ですね。
井上:そうですね。
小寺:なるほど、そういう背景があったんですね。ありがとうございます。
努力という時間とか労力を投資した人の「本気さ」
小寺:岡崎先生はどうですか? たくさんの方にいろいろ教えられてきて、講演会もたくさんやってこられましたけど、成果が出る人、出ない人の特徴は。
岡崎:ぐうの音が出ず「その通り」と思ってたんですけど、一言で言えば「本気さ」ですよね。
井上:そうなんですよね
岡崎:本気な人は例え高額でもお金をだして何とかするし、逆にいろんな本気の発揮の仕方ってあると思うんです。
例えば僕は「全国出版オーディション」という、一般の方が5,000円でエントリーして、優勝したら100パーセント出版保証するというオーディションのイベントを新しく立ち上げていて。前回は7,000人の方が投票してくださってるんですね。かなり大きなイベントになっています。一応、出版関係ではおそらく日本で一番大きいイベントだと思うんですね。
決勝に進まれた12名の方々がいるんですよ。エントリー費は5,000円じゃないですか、はっきり言ったら、大してお金もかかってないんです。別に優勝したから追加料金をいただくとか、そういうのも一切ないので、僕にとってはそんなに大きく利益も出ないものなんです。
でも決勝まで行く方々は、みんなに応援されて、いっぱい努力しているから決勝まで進まれているんです。努力という時間とか労力を投資してるから、決勝に残った12名の方々は、本気さがすごいんですよ。
掛けたものが大きい分だけ得るものも大きくなるのが人生なんだなって思うので、本気になれるだけのものを学びにかけていただくといいんじゃないのかななんて思いますけどね。
小寺:出版オーディションは前回、大盛り上がりでしたよね。
岡崎:業界2紙でも取り上げていただき。
小寺:出版業界が結構ざわついたって有名なんですよね。
岡崎:やった。
小寺:業界紙最大手2紙が取材に行き、基調講演もされて大盛り上がり。今、第2回が始まるんでしたっけ?
岡崎:今は予選投票中です。もうすでに相当盛り上がっています。
小寺:すごい。気になる方は検索していただくか、岡崎さんのFacebookにも出ていますので、チェックしてください。チャレンジしたい方は出る側でもいいですよね。
岡崎:出てください。5,000円で出版について学べます。
小寺:優勝したら出版できるんですもんね。
岡崎:100パーセント出版保証です。
「儲かる」とは、人の諸々の役に立つこと
小寺:ありがとうございます。何だかんだであっという間にあと5分です。今回はこの新刊にまつわるイベントなので、1つ「お金に困らない人」というのが大きなテーマではあるんです。最後に漠然とした質問ですが、お金に困らない人になるために必要なことをアドバイスしてほしいです。考え方的なことでもいいですし、行動法則みたいなことでもいいんですけど、井上先生からお答えいただいてよろしいですか?
井上:お金に困らないためにできることって、「相手に喜んでもらうことをする」ことだと思うんですね。それだけだと思います。商売ってどうやったら稼げるのかっていったら、相手に喜んでもらったらお金出してもらえますから。
例えば本を書いても、相手に喜んでもらえるようなことを書ければたくさん買ってもらえる。相手に喜んでもらえることをどれだけできるかな、ということに尽きると思います。
小寺:ありがとうございます。井上先生からは、私もたくさん喜びをいただいています。本当にありがとうございます。岡崎先生はどうでしょうか?
岡崎:「儲かる」という字は、人べんに「諸々の諸」なんですよね。だから、人の諸々の役に立つと「儲かる」んです。それは困りごともそうですし、喜びごともそうだと思うんですけど、何だかんだ人の役に立っていくことが儲かっていく。お金に困らないために本当に大事なことだなと、改めて僕も気づかせていただきました。
「お金に困ってる人」には、お金がある人が多い
岡崎:あと、意外と「お金に困ってる人」には、お金がある人が多いんですよね。実はお金に困らない人になるための大事なポイントって、ただ稼ぐことよりも、どれだけ多くの人とつながっているかとか、応援される自分になっているかとか、またそのつながった人たちの役に立って、いい関係性を作っていられるかとか、結構こっちが大事だなと思っています。
僕自身もより多くの方々といい関係をつくりながらやっていこうと思いました。ちょっと答えになってるかわからないですけど、いかがでしょうか?
小寺:ありがとうございました。ということで、最初にものすごいばたついてしまって、大汗かいたイベントから始まったんですけれども、みなさん楽しんでいただけたでしょうか? 私は自分がいち参加者としてとても勉強になりました。
また次もこの組み合わせで、何かの機会でご一緒させていただけたらありがたいです。ぜひぜひよろしくお願いします。では今日は休日にもかかわらず、貴重なお時間ありがとうございました。井上先生、岡崎先生、ありがとうございました。
井上・岡崎:ありがとうございました。