村上臣氏のメーティング・メモ術

角勝氏(以下、角):続いて後半戦へ行ってみたいと思います。セッション2「アウトプット編」でございますね。アウトプット編の1個目の質問はこちらでございます。「ミーティングメモをNotionで記録・管理する際のポイントは?」という質問でございます。

こちらに対して臣さんのお答え。「ミーティングのための下書きだよ」という答えが返ってきています。これはどういう感じなんでしょう? ミーティングメモをNotionで記録・管理する際のポイントを聞いた時に「下書き」という答えですね。

村上臣氏(以下、村上):これはミーティング術なのであんまりNotionと関係ないかもしれないんですけれども、あらかじめ何を話すかというポイントを、箇条書きで作っておくみたいなことですね。ミーティングの下準備のためにメモを書いておいて、ミーティングをしている時に順番に話したことを追加していくと、ミーティングのメモが最終的にできあがる。

:だからこれは、「何かやる際には下ごしらえが大事だよ」という話ですよね。

村上:そうですね。

:ミーティングをした後に議事録を作りますよね。でも事前にどういう話をするのか、アジェンダをどうするかを決めておいて、そこに沿ってやったら、気が付いたらメモを取っていた最初のアジェンダが議事のまとめみたいなものになっているということですよね。

村上:うん。これはあんまり盛り上がらないかもしれないから。

:(笑)。次に行きますか?

村上:行ってもいいかもしれない。

ロジックツリーの代用になる、箇条書きのインデント

:2問目。「アウトプットにつなげるための情報整理のポイントは?」という質問でございます。これに対して臣さんの「ロジックツリーを作るのが大事だよ」という答えが来ていますね。こちらはどんな……。

村上:ロジックツリーとかマインドマップをNotionで作りたいと言う人もよくいるんですけど、今はまだ、Notion上ではマインドマップは作れないよね。

西勝清氏(以下、西):そうですね。Mermaidというコーディングをして、一部を書けるようになったという感じですね。

村上:そうだよね。僕はさっき言ったように箇条書きが大好きなので、基本的には箇条書きのインデントでロジックツリーの代わりにしていることが多いかなと思います。

基本的にはShiftタブを使って縦横無尽に入れ子にしながら、因数分解をしていくみたいな。大項目をばんばんばんと作って、それをインデントしてロジックツリーっぽく作ることが自分では多いですね。

:インデントの1字下げか2字下げか3字下げかみたいな方法ですか。

村上:そうそう。けっこうやっている人は多いと思うんですけれども、そういう感じで自分の頭を整理することが多い。

:大項目・中項目・小項目。だから大きいくくりの中でのこれとこれとこれという項目をだーっと書いて、「これはこっち、これはこっち」みたいな並べ替えも、さっきのブロックという概念で、しゃしゃーっとすぐ入れ替えたりもできるし。

村上:そうそう。コピペとかしなくていいからそれもしやすいんだよね。まずばーっと書いて、見て、「これ違くね?」みたいな感じで入れ替えたり(笑)。若干、ホワイドボード的に使っていると言うと変だけれども。

:なるほどね。「これはちょっと細かいことを言っているから3字下げだな」とかするわけですよね。

村上:そうそう。やっぱり、ポスト・イット的に使えるのが自分の中ではすごく気に入っているポイントだね。

:なるほどね。いいですね。だんだんこうね、「ちゃんと時間に合って終わるかもしれない」みたいな気持ちになってきましたね。

(一同笑)

検索機能で、データベース的に使えるWebクリッパー

:西さん、さっきのお話を聞かれて、「でも、実はこういうロジックツリーの作り方もありますよ」というのはありますか?

西:あとでお見せしますけれども、今現在では、Notionの中では僕自身もブレットポイント(箇条書き)で、臣さんが言っていたようなかたちで作っています。

あと、最近Mermaidというコーディングの手法で図が描けるようになったのが1つ。あとは、最後にお見せしますが図を作るツールをNotionの中に埋め込むことができる。もしそういうツールが使いたい場合はNotionの中に埋め込めばいい。Notionにさえ来ればそういった情報もあります。Notionで1ヶ所に情報の窓口というかマップを集約するといった使い方もできるかなと思いますね。

:なるほどですね。質問がいっぱい来ていますので、臣さんでも西さんでも、「これは拾ってお答えしようか」みたいな質問があればぜひと思うんですが。

村上:初心者でも始められるお勧めのNotionの使い方は、もうとにかくWebクリッパーですよ。

:(笑)。

村上:これはもうポチポチすれば勝手に溜まっていくので、そこから始めるのはすごくお勧めですね。

:Webクリップについての質問が来ています。「WebクリップはURLをメモしているということですか?」という質問が来ていますね。

西:ちょっと僕の画面を出してもらっていいですか。これはさっきお見せした、Webクリップで持ってきたプレスリリースデータですが、Notionの一覧画面上のまとめ的にはこういうかたちで、タイトルとURLといつクリップしたかという日付を引っ張ってきて、これを開くと、けっこうな情報を元のWebサイトから自動で持ってきます。

こんなかたちで元のWebページから、URL情報はもとより中身も持ってくるのがWebクリッパーの機能になります。

:だからブラウザを使って元ページに画面遷移をしなくても、Notionの中で完結してしまうということですね。

西:そうですね。全部を持ってくるわけではないんですけれども、ある程度の情報を、元ページから持ってくるんですね。

村上:つまり、メモとして入っているので、検索できるということなんですよ。だから取りあえず溜めておいて、あとで何か探すということができる。なのでとにかく溜めるんです。そういうデータベース的に使うのはすごく便利だと思います。

:とにかくそこに溜めておいたら、あとで検索した時に「あの時引っ掛かったあれ、何だっけ?」がすぐ出てくるということですよね。

村上:そうですね。

違和感や疑問が、アウトプットの切り口になる

:では、最後の質問に行ってみたいと思います。「日常的なインプットをアウトプットに発展させる秘訣は?」。いい質問ですね。こちらが答えですね。「『違和感』『疑問』をメモする」。さっきちょっと言ってしまっていたやつがここに来ましたね。

村上:そう。最初のほうに、ちょっと言ってしまったんですけれども。これは僕のやり方なのでどれだけ参考になるかわからないですが、やっぱり「感情をメモする」のはけっこう僕はお勧めしているんですよね。その時にしか思わないですから。たぶんもう1日経ったら昨日思っていた細かい感じって忘れているので。ただ、感情の中に、すごく重要な自分の中の引っ掛かりポイントがあるんですね。

僕で言うとブログのアウトプットの時に、「これは何だろう?」と思ったことをまとめて発信するネタ元になったりする。こういう違和感や疑問がメモに含まれているとアウトプットのきっかけになるのでお勧めしています。

:確かにわかりますね。アウトプットする時に何が大事かと言うと切り口だったりしますよね。その時の自分の、はっと思った時の視点は感情とともにあったりするので、最初に見た時に思ったその視点、感情を忘れてしまうと、なんだかフレッシュな切り口が存在しないアウトプットになることがよくあるんですよね。

村上:そうですね。

:そこを考えると違和感とか疑問、その疑問の中からさらに掘り下げていったところに、金塊が眠っているみたいなことがありますものね。

村上:うん。

:ということで、「『違和感』『疑問』をメモする」。そうですね。これはあらゆるアウトプットをする際の、仕入れのインプットのタイミングで、実はすごく大事なことかもしれないなと思いました。

Notionの日本担当GM・西勝清氏が教える、テンプレート活用例

:残り時間がだいぶ迫ってきているので、次の西さんのターンへ行ってみたいと思います。西さんのデモ、Notion活用例としてこちら「タスク管理テンプレート」「アウトプットデータベースのテンプレート」「ライフWikiのテンプレート」。それぞれ「これがお勧めですよ」というものを、こちらで教えていただけたらと思います。

西:はい、ありがとうございます。じゃあちょっと私の画面を共有していただいて、2、3分を目標でやろうと思います(笑)。

タスク管理ですね。さっき初心者のNotionの使い方というのがありましたけれども、Notionはある人にとってはノート、メモですし、ある人にとってはタスク管理ということで、まずは自分が「これでやってみようかな」というかたちで始めてもらえれば。必ずしも全部の機能を使えるのがゴールではないのかなと思っています。

タスク管理は、テンプレートから「タスクリスト」というものがありますので「このテンプレートを利用する」を押すと、「お母さんに電話をする」というおもしろいテンプレートが出たりします(笑)。

:「お母さんに電話する」って知りたいな。こういう感じなんだ。

西:はい。「未着手」「対応中」「完了」と、カンバン方式といわれるかたちで管理を……。

村上:「対応中」って何だという話ですが(笑)。

:(笑)。

西:ちょっとこれを改良したのが、私が作ったこちらのタスク管理です。何かイベント、企画をして完了しています。「対応中」が集客&告知で、最後に終わったらサーベイ、「未着手」に積んであるものをカンバンで自由に動かしてタスク管理、ToDo管理をするっていうのがありますと。

またいつものごとく「違うビューができますよ」ということで、タイムラインビューというものにすれば、同じデータをいわゆるガントチャートで表示することができます。「カレンダーで見たほうが見やすいよ」という人はカレンダービューで出したりもできるというのがNotionで行えるタスク管理ですね。

アウトプット用のテンプレートで、企画書作成を効率化する

西:それからアウトプット。さっきインプットのデータベースの話をしましたが、仮に、何か自分が物事を書く時のアウトプット用のデータベースをまとめておくのも1つあるかなと思いまして。そうすると、「今回、新規企画を書こう」という時は、「新規企画」というテンプレートを先に作っておくと、新規企画の時に書くべき内容を先に入れておくことができるのですね。

:なるほどね。このテンプレートは便利だな。

西:こういうかたちで、文章の中に書くべきことを、テンプレートとして先に保存しておくことも可能です。使い方は今日は割愛しますけど、このメニューの「新規テンプレート」というところから作ることができます。

それからさっきエンベッド(埋め込み)の話をしましたが、いろんなものが埋め込めるようになっています。例えばここではmiroというホワイトボードのツールを埋め込んだり、それからFigmaというデザインのツールを埋め込んだり。

Twitterや、Googleマップを埋め込むこともできますし、実はSlackとかのメッセージを埋め込むこともできます。このSlackのブロックをクリックするとSlackのメッセージに飛びます。「Slackであの話をしたんだけど、どこに行ったっけな」みたいな時はここに貼っておくといいですね。YouTubeや、PDFを埋め込んだりということも可能になっています。

最後はライフWikiですね。「ライフWiki」というテンプレートがありますので選んでいただくと、こんなかたちでさっき臣さんが見せてくださったテンプレートが出てきます。

ライフWikiは、「ここにさえ行けば自分のすべての情報がある」というページを作りたいので、今日作ったインプットデータベースもアウトプットデータベースもここに入れてしまいましょう。

デザイン的には……。うーん、どこでしょう、取りあえずこことここ(「書き物」の項目の1番下の2行に移動させる)。こうしておくと、とにかくこのライフWikiに毎日来れば、自分のすべての情報があるという環境を作っていくことができるので、これが最初の取っ掛かりとしていいのではないかなと思います。かなり駆け足でしたが(笑)、こんなところです。

:すごいな、駆け足だよ。でも本当にわかりやすかったですよ。

西:ありがとうございます(笑)。

Notionで目指す、インプットとアウトプットの好循環

:お勧めテンプレートを欲しいという方もおられると思いますけれども、「このへんを探したらいっぱい集まっているよ」みたいなところはありますか?

西:現時点では、「Notion テンプレート」で検索してもらうのが一番探しやすいんですけれども。もう少しお待ちいただけると、我々として考えていることがあるので、楽しみにしていただければと思います。

村上:何か来るよこれ。待っていましょう。

:その時にもう1回このイベントをしなくてはいけないという感じですね。

(一同笑)

:ありがとうございます。ということでですね、残り3分となってまいりました。では、そろそろまとめたいと思います。今回、Notionの使い方についてももちろんフォーカスしてお伝えしましたが、それにプラスしてインプット術とアウトプット術なので、そもそも情報にどう向き合っていくのか。

情報の管理に特化した非常に使いやすいオールインワンワークスペースのNotionを使う中で、どうやってインプットを増やして良いアウトプットを生むのか。アウトプットすることが次のインプットの質をどうやって高めていくのか。そういうことも、良い学びがあったのではないかなと思います。

ということで、こちらですね。村上臣さんの新著『Notionで実現する新クリエイティブ仕事術』。今日見ていただいて、「もっとNotionを知りたい」と思われた方は、より詳しい内容が載っていますので、ぜひこちらの本をお買い求めいただけたらと思います。

村上:ありがとうございます。これね、コラボレーションの簡単な方法とかそっちのほうも多少触れてますので。ただ、かなり初心者向けの本だよということで、そこだけご了承ください。

:今日も「Webクリップってどういうことですか?」というご質問もありましたので、そういうことやマークダウンについてもたくさん載ってるんでしょうかね。そちらをぜひご覧いただけたらと思います。

本日はどうもありがとうございました。

村上、西:ありがとうございました。