村上臣氏が勧めるNotionの機能「マークダウン」

角勝氏(以下、角):続いてインプット編のQ3に行きましょうか。「インプットに使える『これを覚えておくと絶対便利!』なTipsを教えてください」。みなさんもたぶん聞きたいと思うんですが、これを臣さんに聞いてみました。お答えは「マークダウンとテンプレートを覚える」ということですね。

村上臣氏(以下、村上):もうこれに尽きるかなと思います。マークダウンは別にNotionに特化した話ではなくて、Wiki的なものとか、これまでにもいろいろマークダウンの記述式はあるんですけども、Notionはそれがけっこう忠実に使えるんですよね。要は、キーボードから手を離さなくてもショートカットができる。エンジニアさんとかが大好きなやつですね。

:「マークダウン」が何なのかわからない人も世の中にはたくさんいるんですよ!

村上:はい。

:(笑)。わかりやすく教えてください。

村上:じゃあ画面を出してもらっていいですか。西さんがやるのがいいのか、僕がやるのがいいのかよくわからないんですけれども(笑)。例えばブランクページがあるじゃないですか。Notionって、まず「/」を押すと、見出し1とか見出し2とか、すべてのメニューが出てくるんですよ。

例えば見出し1にすると「見出し」になるじゃないですか。ここでいちいち「/」で選ぶのが面倒くさい場合に「#」「#」と入力すると見出し……。今わかりました?

:わかりました。

村上:「#」というのがコマンドなんですよ。「#」「 (スペース)」と入力するとHeading1で、これは見出し1になるんですね。「#」「#」と入力すると見出し2になると。

:Headingの文字のサイズが小さくなった。

村上:見出し2になりますよね。見出し3にしたければ、「#」を3つ入力すればHeading3になります。こんな感じでショートカットできる。

例えば「-」「 」(スペース)と入力するとこんな感じで箇条書きリストが出てきます。あと、タブで移動するとこう(カーソルが移動する)なりますよね。こういうことがすぐできる。このへんがとても便利だと言われている所以ですね。

:なるほどですね。このコマンドのことをマークダウンと言うんですか?

村上:そうです。こういうやり方をマークダウン記述と言っていますね。

:(笑)。これで多くの非エンジニア界隈の方々にも「なるほどね」とわかっていただけたと思います。

書き物からタスクリストまで、用途豊富なテンプレート「ライフWiki」

村上:あともう1つはテンプレートね。いろんな人が公開していますが、僕の今のお気に入りは、たぶんほとんどの人はこれで満足するんじゃないかと言われる、ライフWikiというテンプレートです。

テンプレートって何ぞやと言うと、画面の下にいろんなテンプレートがあって、例えば個々人で使うためにはQuick Noteとかタスクリストとか、“今すぐ使えるテンプレート”があります。この中に僕の大好きなライフWikiというテンプレートがあります。書き物やトラベルプランナーや読書のリストとか、あと自分の週ごとのタスクリストが、全部1つのテンプレートに入っています。

最近は「Notion テンプレート」で検索すると、個人のユーザーの方がいろんな便利なテンプレートを公開してくれているので、自分の用途に合いそうなテンプレートを探してカスタマイズしていくとやりやすい。僕はこの前、ライフWikiのテンプレートで国内旅行に行った家族の共有の旅程表も全部作りました。

:なるほど。

村上:「茶道稽古」という項目がありますけど。大変私事ながら茶道に凝っていまして、稽古メモみたいなものを作っています。みたいな感じですね。僕はぜんぜんカスタマイズをしてないですけど、こんな感じで使うことが多いですね。

:これでだいぶリアルにわかってきた感じがありますね。続いて西さんのターンへ行ってみたいと思います。「デモ実演! Notion活用事例」ということで、いろいろやってみてもらいたいと思います。西さんにご要望しているのは、スライドに表示されているこんな感じですね。さっきの「テンプレート」。そして「簡単なショートカットを教えてください」「Webクリッパー」。どんなものかちょっと見せてください。

あと、「インプット専用のデータベースを作ってそこにすべてのインプットを集約する」という項目。なかなかのハードモードじゃないかなと思うんですけど、西さん、全部やってもらえるんでしょうか?

Notionの日本第1号社員・西勝清氏が教える、基礎的な使い方

西勝清氏(以下、西):はい。さくさくと、臣さんが見せたところは飛ばしながらできればと思います。

コメントで「テンプレートはデフォのものがあまりいいものがないので充実させてください」といただいていますが、「coming soon」と申し上げておきます。今取り組んでいますので、お楽しみに。

画面を見ていただくとですね、みなさんがNotionで登録するとこんな画面が出てきて、「ここからどうしようかな」となると思うんです。最初に「メモを書こうかな」と思うと、メニューで「ページを作成する」を選んで、題名を書いて、アイコンを付けて、カバー画像を付けて、入力エリアで書いていく。

というのが通常、最初に作っていく時にはいいと思うんですが。テンプレートを活用するという意味では、左からテンプレートにできますし、この入力エリアのメニュー項目から「テンプレート」を押すと……。臣さんは英語で使われてましたが、今日本語化されておりまして、日本語のテンプレートもあります。英語よりはちょっと少ないんですが、だんだん充実させています。

この「テンプレートを活用する」という項目にいくと、クイックにメモする時は、「だいたいこういうようなところを書くといいんじゃないですか?」みたいなのがテンプレートとして出てくるので、これを使っていくのが1つの方法ですね。

もちろん自分でフォーマットを作成しながら書いていってもいいし、「こういうフォーマットに沿って書いていくのがいいんじゃないですか?」みたいな、テンプレートのフォーマットを利用するかたちで書いていくこともできる。これが、まずクイックメモのテンプレートですね。

マークダウンの話があったので、臣さんが書いていた本に載っていたものを含めてちょっと抜粋したんですけれども。

使いそうなやつとしては、上のほうはお話しされたので、例えばこれですね。チェックボックスとか。これとこれ([]大かっこ)を連続して入れるとこんなかたちでチェックボックスが作れるショートカットもあります。

あとはトグルですね。これ(>)を押してスペースを押すとトグルになります。

村上:ぴよーんって開いたり閉じたりできるやつですね。

:へえ。なるほど。トグルってそういうことなのか。

村上:そうそう。展開型のやつです。

:でもこれは(笑)、YouTubeとかで見ていないとわからないですね。

村上:(笑)。

西:これ(ー)とこれ(>)を連続して打つと矢印になります。

:なるほど形でね。

インプットを速める、ショートカット機能

西:タブを押すと字下げになりますし、Shift+タブで地上げになります。あとは、けっこうお勧めは「/」を押してメニューから「ページ」を作るとこんなかたちで次のページに移動します。

新しいページができて次のページに行くっていうのが今こっちでできたことですけれども、「+」を押して「新しいページ」と入力すると、次のページに推移することなく、その場で新しいページを作ることができます。これも次のページに行きたくない時にはお勧めですね。

:「+」を押して新しいページ。なるほどな。すごいな。

西:あとはこれ。何か書いていて「これを全部ページにしたいな」という時は全選択する。このショートカット一覧表の一番下ですね。コマンドと「/」を押して「ページ」と入力ボックスに入力する。

これ、一括して1行のブロックごとに一個一個のページになっています。こういうのを覚えるとキーボード上だけで物事が書けるので、インプットが速くなると思いますね。

:なるほどですね。これは覚えたいな。

西:時間の関係上さくさくと行きます。臣さんが言っていたWebクリッパーは、Notionのページの「ダウンロード」から「Webクリッパー」に行っていただくと、Chrome、Safari、Firefoxでダウンロードして使えるようになっています。

Notionにはデータベースという概念があるんですが、あえて今日はWebクリップをする場所を先に用意しておきます。

「このプレスリリースをWebクリップしたいですよ」と右上のボタンを押すと、「このワークスペースのこのデータベース、この場所に入れますよ」と表示がくるので押すと、こんなかたちで出てきまして、このインプットデータベースに入ってくるというかたちですね。

今「テーブルビュー」という一覧で見ていますけれども、これをもう少し画像的に見たいなという時には、「ギャラリービュー」に変えると画像が前面に出てくるかたちになります。

:一気に見やすくなりましたね。

西:そうですね。カレンダービューで見ると、何日に取り込んだデータかが日付別で出てくる。

:そんなこともできるんだ。

村上:確かにカレンダービューは試したことがなかったな。

:カレンダービュー。それいいな。

村上:意外と便利かもしれないね。

「入れておけばとりあえず何とかなる」がNotion

西:お勧めは、一覧で見る時に、メモを取る時は基本的にここに来てメモを作るとかはせずに、さっきみたいにこの入力画面で作ると思うんですね。どんどん書いていくと思うんですけど、これはドラッグアンドドロップでデータベースに入れていくことができます。ドロップしたらもうこっちのデータベースに入っているんですね。

で、タグを「自分が取ったメモです」と付けて、こっちは「Webクリップ」など付けてあげる。そうすると、Notionには「グループ化」という概念があるので、ギャラリービューとかで見た時に「Webクリップ」で集めたのがこっち、自分のメモはこっちみたいにタグでグループ化をすることもできます。

:なるほど。「メモ」と「Webクリップ」で別々にグルーピングしたんだ。

西:こんなかたちで、書く時はばばっと書いておいて、「インプットデータベース」という場所に入れておきさえすれば、あとから整理はなんとでもできる。こういう使い方ができるのが1つお勧めですね。さっき臣さんの話を聞きながら、データベースの一覧表の中の「一言で言うと」という項目列を作ったんですけど(笑)、ここに「一言で言うと」みたいなのを書いておくといいかなと思います。

:なるほどね。さっきの臣さんが言っていたインプットの整理も、ささっとルールを作って後付けでもできちゃいますよということですね。

西:そうですね。とにかく書いて入れておくと。

村上:結局、Notionはデータベースがすごいんだよね。これを使いこなせると、一気に「Notionじゃないとできないことが多いな」という感がある。

:操作するのも、すごく作業時間が短いじゃないですか。だから、マークダウンなどのどうやって使うかという機能の部分を覚えてしまえば、すごいスピードでできるということですよね。

西:そうですね。

村上:あと、僕が感じるのは、入れておけばとりあえず何とかなる(笑)。取りあえず何らかのかたちでNotionにさえ入れておけば、あとで見やすくするのはどうとでもできるので。それこそインプットデータベースみたいなものを1個作って、いったんそこに全部入れておけばなんとかなるというのはあるね。

西:あと、意外と知られてないのが、インプットデータベースの中にあるページを普通に外に出せたりもします。外に置いたり中に入れたりは、ドラッグアンドドロップで自由自在に可能です。

:ブロックという情報要素を決めて、それで管理しているからこういうことが自由自在にできるということか。

西:そうですね。これも1つのブロックとみなされています。「ページというブロック」という概念ですね。

:ありがとうございます。