kintoneを「誰でも簡単に」する、優しいhack

星野智久氏(以下、星野):みなさん、こんにちは。本日は「kintoneの『誰でも簡単に』を忘れないで」というタイトルでお話しさせていただきます。私、株式会社ジョイゾーの星野と申します。気軽に「ノンビン」と呼んでください。

これだけいたら「あれ? 『ノンビン』って、聞いたことある」という人が、少しはいてくれたらうれしいなと思うんですが。実はkintone hackは2017年から予選会が始まっています。私はその予選会で2017年、2018年、2020年と、3回本選に出場させてもらっています。

今回を含めると4回なので、たぶん最多出場になります。ただ、1回も優勝したことはありません。ということはですよ、「kintone hackで一番負け続けているエンジニア」というのが僕のことなんですね。自分で言っててちょっと悲しくなってきますが。

ちょっと勝ちたいなと。勝ちたいと思って、今すごく考えていました。考えている時に、自分で思い浮かんだんです。「あれ? 俺、ポリシー忘れちゃ駄目だな」と。「kintone hackをなんでやってるのか」「なぜkintone hackが好きなのか」ということを考えました。

kintoneの「誰でも簡単に」というところですが、ユーザーさんや使う人たちにとっては簡単じゃない機能があったりします。そこをhackする、優しいhackを行うことが私のポリシーです。このポリシーを忘れたら、ノンビンのhackじゃないので、今回もきちんと優しいhackを行わせていただきます。

人数が増えるほど、わかりにくくなる「アクセス権」

星野:今回、私が注目した「機能」があります。「アクセス権」です。kintoneを触ったことがある人だったら、一度は見たことがあるんじゃないでしょうか?

例えば営業のメンバーだけに見せたい資料だったり、「編集させたくないな」「削除させたくないな」という時に使う機能だと思います。この機能を設定してみると、誰にどの権限が設定されているかがすごくわかりにくいんですね。人数が増えれば増えるほど、わからなくなってきます。

「わからない」と言ったらやるしかないと。今までは「入力」や「設定」「交流」「管理」というテーマを取り上げてきました。今回は「kintoneのユーザビリティ向上『誰でも簡単に』シリーズ!! Part5」ということで「確認」です。「誰でも簡単に確認できる」というところをhackしていきたいと思います。それでは、少しデモをやらせていただきます。

見えるでしょうか。こちらはアプリのアクセス権の画面になっています。この人数ぐらいだったら、何を設定しているのかわかりやすいかなとは思うんですが、人数が増えてきたらわからなくなってきますよね。なので、今回のhackはこんな画面を用意しました。

ででーん! ビューですね。このベン図といわれる中に権限をすべてまとめてみました。「追加」という丸の中に入っていれば追加の権限、「編集」という丸の中にあれば編集の権限、「削除」という丸の中にあれば削除の権限です。それぞれの権限が重なっているところは、それぞれの権限を持つことが可能になっています。

この左側に「ユーザー」や「グループ」「組織」というのがあるので、こちらからドラッグ&ドロップで設定していくことができます。

「誰にどんな権限が設定されているか」がひと目でわかる方法

星野:例えば、マイさんをドラッグ&ドロップすると、追加の権限を設定することが可能です。タクさんをドラッグ&ドロップすると、「編集」と「追加」の間なので編集と追加の権限が付きます。ヒトミさんをドラッグ&ドロップすれば、追加と削除の権限が設定できます。

ぱっと見ただけで、誰にどんな権限が設定されているかすごくわかりやすいです。ここにいるコバヤシさんは閲覧の権限だけになります。これで設定したものを保存します。保存が終わりました。

さっき見ていただいた、もともとの権限の画面を更新します。こんな感じで、先ほど設定した権限がそのまま使えるので、(関係者の人数が)たくさんになっても、こちらの画面で設定したものがすぐにわかるようになります。なので、どんな権限を設定しても誰に何が付いているかがひと目でわかると。

「権限設定がどうなってるかわからない」からの脱却

星野:今見ていただいたのはユーザーだけですが、組織でも設定できます。例えば総務部の方には閲覧だけの権限をお渡しして、新潟営業所の方には編集の権限をお渡しします、というかたちですね。組織やグループの設定を行えるので、一括で設定することも可能になっています。

これは、kintoneを触ったことがある方だと「あれ? もしかして」と思うところがあるかと思います。そうなんです。実はもうすでに設定されている権限の人が含まれているグループを設定したらどうなるか、というところも課題になってくるかと思います。

その際に、例えば「開発1課」というのを、ポチッとドラッグ&ドロップします。1課にはササカワさんとサトウさんという方が所属しています。

「個別の設定がされてるけど、継続する?」と聞かれるので、「継続します」と押してあげれば、この権限がそのまま設定されます。なので、ここで「保存」と押してあげます。アクセス権の設定ですね。

こんなかたちで今、開発1課が一番上に来ていますね。kintoneの権限は上のほうが強い権限になります。なので、(個別の権限が)設定されたユーザーなどが入っていても、上に来ている、この開発1課の権限が尊重されます。

まだ終わりませんよ。例えばアプリの権限を設定したら、「他のアプリでも同じような権限を設定したい」という要望もあると思います。

司会者:残り30秒です。

星野:その場合は、保存先にアプリ番号を設定してあげて「保存」と押します。これは別の7番のアプリですが、更新すると同じ権限を設定できるので、権限が同じアプリを複数設定することが簡単になります。

ということで、「権限設定がどうなってるかわからない」なんて、もう思わせません。ITが苦手な人を含めた「誰でも簡単に」というのを信念に、優しいhackをこれからも続けていきたいなと思います。ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

司会者:ありがとうございました。