2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
提供:サイボウズ株式会社
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小島英揮氏(以下、小島):このCybozu Days初日、みなさん楽しんでいらっしゃるでしょうか。そろそろ今日も終盤戦ですけれども、こちらのセッションでは「ボトルネック」にフォーカスを当てています。みなさんも思い当たるところがたくさんあるんじゃないかなと思いますけれども、「『自分がやったほうが早い』からの脱却」というテーマでお話ししていきたいと思います。
サブタイトルに「属人化」とありますけれども、特にメールの属人化を防ぐための仕事術というところで、サイボウズの足立さんと沖さんと一緒にお話ししていきたいと思います。よろしくお願いします。
足立宜親氏(以下、足立)・沖沙保里氏(以下、沖):よろしくお願いします。
小島:このセッションは画面を撮っていただいても、メモを取っていただいても、二次加工していただいても構いません。ツイートなど、どんどん拡散していただければなと思います。みなさんの気づきになって、明日からのアクションにつながるようなお話ができればと思っていますので、ぜひコメントなどいただきながら見ていただければと思います。
私はStill Day Oneの小島と申します。パラレルマーケターと書いていますが、いわゆる同時並行で複数の会社のマーケティングのご支援をしています。午前中の青野さんのKeynoteに参加された方はどれぐらいいらっしゃいますかね。
(会場挙手)
講演の中で、元Microsoftの澤(円)さんと一緒に並んで、「元Amazonの」ということで、私もご紹介いただきましたけれども。もともとはAWSという、Amazonのクラウド事業でマーケティングをリードしておりました。今日は沖さんと足立さんのお話を引き出すかたちで、みなさんにいろいろ気づきをお渡しできればと思うので、どうぞよろしくお願いします。
小島:それではお二人をご紹介していきたいと思います。まず足立さん、自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。
足立:サイボウズ営業本部の足立宜親と申します。僕もTwitterをやっているので、ぜひみなさんメンションをつけてつぶやいていただけたら、リアクションが取れると思います。よろしくお願いします。
小島:そして今日は沖さんもいらっしゃってます。あとでちょっと聞きますけれども、かわいいTシャツを着ていらっしゃいますね。
沖:(笑)。ありがとうございます。私も足立と同じくサイボウズの営業本部におります。もともとSIerで、SEをやっていました。今日は、個人でメールすることが当たり前だった環境から、サイボウズへ転職して信条が変わったところなどもお話しできればと思っております。よろしくお願いいたします。
小島:よろしくお願いします。女性の方、より一層の拍手をお願いします(笑)。
(会場拍手)
沖:ありがとうございます(笑)。
小島:これでだいぶ緊張がほぐれた感じで(笑)。サイボウズの社員が二人出ているので、普通のプロダクトセッションかと思われるかもしれませんけど。お二人は今日は製品を紹介するというよりは、実践者として忌憚ないお話をされるというスタンスで来ていただいています。
「メールを共有していない文化」から「メールを共有した文化」に来て、すごく気づきがあったということなので、私もグイグイ突っ込んでお話を聞いていきたいなと思います。どうぞよろしくお願いします。
小島:今日は「メールの属人化を防ぐための仕事術」というテーマですが、「今さらメール?」と思った人はどれぐらいいますかね。本当はいらっしゃるんじゃないですか?
(会場挙手)
時代はチャットだろうと。「ビジネスチャットじゃないの?」「今さらチャットじゃなくてメールで業務改善なの?」と思っている方は、けっこう多いんじゃないかなと思います。本当にメールは時代遅れなのか、ファクトチェックをしていきたいと思います。最近はフェイクニュースが多いので、ファクトチェックが大事ですよね。
会場で「今、仕事でメールを使っていない」。ぜんぜんメールなしで生活できている方は、手を挙げていただいていいですか?
(会場挙手)
ステージが明るくて、実は奥はあまりよく見えてないんですけど、誰か手を挙げている人は見えますか?
足立:挙げていらっしゃらなそうですね。
沖:ちょっと見えないですね。
小島:ということで、「古い、古い」と言いながらも、実際のお仕事はけっこうメールで回っているというのがファクトなんだとおわかりいただけると思います。でも、チャットもけっこうあるよねと。私のiPhoneもチャットツールが5つぐらい入っていて、これはこれでけっこう大変なんですけども。
チャットは便利ですが、メールとはちょっと位置づけが違うんです。わかりやすく言うと、チャットは「いつものメンバーといつもの話をするのには非常に向いている」。特に社内とか、社外でも特定の提携先など同じプロジェクトにいる方と使うにはすごくいいんですけれども。
社外、それも一見さんが含まれるようなところとか、いろんなITの環境がある方と電子的にやり取りをしようとすると、圧倒的にメールが多いとおわかりいただけると思います。
小島:営業の方で発信する方もいれば、サポートで受ける方もいると思うんですけど、メールを受ける側にしても発信側でもそうですよね。アウトバウンドになってもインバウンドになっても、社外とお仕事をしようと思ったらメールは欠かせないと思います。お二人も、お仕事をしている時にメールアドレスがない時ってありました?
沖:1回もないですね。
足立:そうですね、ずっとありますね。
小島:ないですよね。なので社外コミュニケーションにメールは不可欠だというのは、みなさんも同意していただけるんじゃないかなと思います。じゃあどこが課題なのか。そもそもメールの仕事ってけっこう大変じゃないですか、ということですよね。
今日フォーカスしたいのが「属人性」というボトルネックです。メールの処理が人についてしまう。外との仕事のやり取りでメールをするのに、それが人についてしまうことによるボトルネックについて、お話をしたいなと思っています。
お二人は今までずっとメールを使ってお仕事されてきて、特にサイボウズに来るまでは、いわゆる個人メールですべてを処理する世界にいらっしゃったと思います。お二人がリアルに体験した属人性の高い状況について、まず足立さんから聞いてみましょうか。
足立:僕は前職がIT系の商社なので、仕入先のメーカーさんと、販売先のお客さまや販売店さんの対応をしていました。仕事はアシスタントのメンバーと二人一組で、タッグを組んで進めていくことが多かったです。
例えば一番属人性が高い状況は、有給休暇を取った翌日などで、出社すると大量のメールが届いています。その当時はOutlookを使っていて、だいたい件名でソートをかけると、僕が見ているメールの上に返信したメールが来るので、返信しているとわかります。なければ、返信がまだなのでそれに対して返信していくと。送った後にアシスタントのメンバーと会話すると、「足立さん、それ送りましたよ」と言われるわけですね。
小島:あぁ、それはお客さまからすると「また来たよ?」みたいなことになっちゃう。
足立:そうなんですよ。なぜかというと、同じお客さまに別のメールで回答を……。
小島:「併せてご回答します」みたいに、親切な感じで回答しちゃう。
足立:そうなんですよ。僕は休んでいたので気づかずに返信をしてしまって……しかもちょっと具合の悪いことに、メールの返信内容が若干違っていたことがありました。
小島:なるほどね、いろんな違いがありますよね。特に数字が違ってたらドキドキしますよね。
足立:僕は営業なので見積もりを返すんですけど、その金額が違ったりすると、お客さまから「これどっちやねん」ということで、若干クレームめいた感じになってくるので。僕の場合は、こういうかなり困った感じの属人性の高い状況がありましたね。
小島:せっかくチームでやっているのに、特に休み明けになると、同じ作業を知らずに二重でやっちゃうことが頻発していたということですよね。
足立:休み明けとか金曜日の夜は、やっぱり飲みにいきたいじゃないですか。だから、ちょっと早めに上がると、次の月曜日の朝も同じような状況になってしまうことがけっこうよくありました。
小島:なるほど。同じ質問を沖さんにしてみようと思うんですけども、どんな「属人性が高いなぁ」という状況がありましたか?
沖:大きく分けて2点あったかなと思っています。1つ目は、前職で退職した人がいて、その人がずっとやり取りをされていたお客さまからお問い合わせがあった時です。
小島:「あれ、どうなってるの?」問題ですよね。
沖:「あれ、どうなんだっけ? 前任の方とここまで話してたんですけど」と言われて、メールの履歴がどこにも残ってないけど、どこで会話したんだろう……とお客さまにお伺いすると、「ちゃんと引き継ぎができてなかったんですか?」と言われてしまったり。退職者が情報を持っていなくなってしまったというのが、やっぱり属人性が高かったところかなと思っています。
2つ目は、足立さんのお話にもあったように、なかなかお休みが取りづらいところもあるかなと思います。休み明けに溜まったメールの対応に追われて、いっぱいいっぱいになってしまったり。
あとは休み中に至急の対応があった時に、ほかの人にお願いしようとしても、過去の経緯がわからないので、今さらフォローに入ってもらえないとか。結局、自分でやらなきゃいけなくて抱えてしまうことはけっこうあったかなと思います。
小島:今の話で興味深いのは、メールがどんどん溜まってるんだけど、ほかの人に任せようというマインドはあまり見えないですよね。その時って、「溜まってる自分すげぇ」みたいな感覚ってあったんですか?
沖:(笑)。「自分が仕事を持っている」というムダな自負もあったのかなと思います。
小島:特に新人が仕事を任されてオーバーフローしている時って、変な話なんですけど……なんだか「やれてる感」がありますよね。
沖:そうですね。2~3年目になると、やっと自分1人で案件を回せるようになって、ちょっと溜まってる仕事がうれしいようなところもあったかなと思います(笑)。
小島:わかります、わかります。「仕事がそんなに溜まっちゃうなら、早く周りに任せたらいいじゃない」と思うかもしれないけど。みなさんも絶対、特に今日いらっしゃっている僕に近い年齢の方は、思い当たる節があるはずです。
仕事がどんどん溜まってくると「これが俺の特権だ」というか、「自分ができている証拠だ」という感覚があると、人ってけっこう手放さないんですよね。でも、このままだと属人化が進んでしまう。実際にそうだったということですよね。
沖:そうですね、結局ぜんぜんお休みが取れなくて、「でも、いっか」というふうになっていたところもあると思います。
小島:お休みが取れないとやっぱり、QOL的にはすごく良くないことだと思いますけれども。仕事的にも、1人にハマってしまうのは良くないんですよね。みなさんもよく「ボトルネック」という言葉を聞いたことがあると思います。
図式するとこんなイメージで、処理したいものはたくさんあって、真ん中にこの迷路がなければザーっと流れるんですよね。ぜんぜん問題ない。だけど、真ん中に何かゆっくりプロセスするものが入ってしまうと、流れなくなるということです。
ちょっと古いんですが、『ザ・ゴール』という、ボトルネックについて書かれた非常に良い書籍があります。そこには「仕事は一番遅いところのスピードに依存する」と書かれているんですよね。
ほかがどんなに優秀でも、どんなにメールを受け付けても、どんなに見積もり書を送付できる仕組みがあっても、処理する人がゆっくりしていると、それで仕事のスピードが決まってしまう。メールでたくさんの仕事をしているということは、その人のメールの処理スピードがボトルネックになりやすいということなんです。
小島:いろいろなボトルネックについては、サイボウズさんに非常に良いサイトがあります。これは「ビジネスのボトルネック研究所」というんでしたっけ。よく「擬人化」という言葉がありますけれども、ボトルネックの種類を「モンスター化」したもので、現在は33のモンスターがいます。「こういうのよくあるよね」というのをわかりやすく図式化したものです。
ここで初めて、僕らが今日着ているTシャツの柄がリンクしてくるんですけれども。実はこのモンスターから取ってきています。ピンクの一番イカしたシャツを着てる……。
足立:私ですね?
小島:(笑)。足立さん、それはなんていうモンスターですか?
足立:僕、会場に入る前にこのTシャツを着てきたら、チームのメンバーから「ピンク似合いません」と言われましてですね。
小島:(笑)。
足立:ちょっと恥ずかしい感じで着てるんですけど(笑)。
小島:みなさんにどんどん写真を撮ってもらって、拡散いただくといいんじゃないかなと思いますけども。
(一同笑)
足立:私が着ているのは「アフレサス」というモンスターで、メールが溢れてしまうということなんですけど。
小島:アニサキスみたいな、けっこう怖い名前。
足立:怖い名前ですよね(笑)。
足立:僕は前職がIT系の商社で、メールがめちゃくちゃ多かったんです。効率の良いやり方をいろいろ考えて一番初めにやったのは、フォルダをたくさん作ることですね。
お客さまごとにフォルダを作っておけば、メールが勝手にフォルダに入って整理された状態ですぐ仕事に着手できるかなと。フォルダの横に1、2、3と数字が出ているんですけど、どんどんメールが来るので、あちこちのフォルダに入って、結局開けるのに時間がかかるという……。
小島:向こうはそんな分け方をされてると思ってないけど、こちらでは1のフォルダにある話が3のフォルダにある話と一緒になってしまったりしますよね。
足立:そうなんですよ。手間がかかり過ぎるので、メールボックスはやっぱり1つにしました。今度はフラグをつけてみたんですけど、フラグを消し忘れたり、1回メールを読むと既読になって見えなくなるので、フラグをつけ忘れるともうなかなか探し出せなくて。
小島:既読になると処理したフラグになっちゃう。
足立:そうなんですよ。それで結局、時間で解決というか、ひたすらがんばってメールボックスを見て処理していました。ここにもあるんですけども、もう疲れ切りましたね。「メールの仕事は、本当に疲れるなぁ」みたいな。
小島:僕も時間でなんとかするタイプだったので、すごくわかります。「夜寝なければいいじゃない」ってやるんだけど、処理すればするほどそれ以上に来るんですよ。みなさんも、メールを返したらそれ以上のメールが来る状況ってあるじゃないですか。
処理すればするほどたくさん返ってきて、1日24時間がオーバーフローしちゃうんですよね。「アフレサス」は、けっこう思い当たる人がいると思います。でも、これって「むしろ普通じゃない?」と思っている方がけっこういらっしゃるんじゃないかなと思います。
小島:もう1つ、もっと衝撃的なモンスターを。「アフレサス」は典型的なボトルネックの話なんですけど、これはボトルネックどころかプロセスがいなくなってしまうというものですよね。「バイバイエース」は、どんなお話ですか?
沖:今、私が着ているのが「バイバイエース」というキャラクターです。先ほどのお話にもあったとおり、退職する人の引き継ぎが全部できていない。お客さまにあとで話を聞かれた時に「その情報をわかってない、知らない」という経験が、私自身もありました。
会社の優秀な先輩がいなくなってしまった時に、情報が先輩とともにくっついていってしまう……というコンセプトのモンスターになっています。
小島:これはけっこうヤバいです。さっきお話ししたとおり、足立さんの場合(アフレサス)はご自身がボトルネックになっているので、まだ改善のしようがあるんですよね。
「バイバイエース」は、仕事の話も前後の関係も全部、なんなら仕事のやり方も含めて、前任者がいなくなってしまうと、メールがきても処理する人もいなければプロセスもわからない。プロセスごと吹っ飛んでしまうので、ボトルネックどころが壁ができてしまう。それで、ビジネスがまったく進まなくなるというものなんですよ。
これはかなり痛い状態ですけれども、「俺やったことあるよ」という人もいるかもしれないし(笑)、「そういう人を見たことあるよ」というのも、絶対あるあるだと思うんですよね。この2つが典型的じゃないかなと思います。
サイボウズのサイトには、いろいろなボトルネックの型が33個あるので、あとでぜひご覧いただきたいんですけれども。こんな状況をどうやって脱すればいいのかが、今日の話の大きなテーマになるわけです。「難しいよ、でもやり方はあるよ」というのが、これからのお話です。
サイボウズ株式会社
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