会社の雰囲気や世界観が、サービスやプロダクトにつながっていく

蓑輪光浩氏(以下、蓑輪):オールバーズの社員の行動規範ですが、会社の雰囲気や世界観がサービスやプロダクトにつながっていくと思っています。

1番目は「好奇心旺盛」に。子ども時代のように、いろんな夢を持っていたり、好奇心によって新しい道が開かれたり、多様性を理解しているような、子どものような時代。オープンな気持ちを育んでいく、新しいチャレンジをしていくという、そのメンタリティは忘れないようにしています。

2番目は「シンプルにナチュラルに」。Less is moreという言葉がありますけど、例えば我々も商品を作る時に「この商品は本当に必要なんですか」「このパーツは本当に必要なんですか」「このサービスは本当に必要なんですか」と、いろいろ乗せたい気持ちを鬼にして切っていき、シンプルにナチュラルにしていく。難しいことを難しく言うのは簡単なので、やはり難しいことを簡単に言うことをなるべく心がけています

3番目は「強い意志で行動」します。一番はじめにも書いたように、社会課題に対して強い意志を持っておく必要があると思います。Joeyさんはよく僕らに「孫の世代に誇れる仕事をしなさい」と言うんですけど。

自分たちがおじいちゃんやおばあちゃんになった時に、孫やひ孫に「おじいちゃんの世代がこんなことをしてくれたから地球がこうなっちゃったんだよ」とは絶対言われたくない。そのためには、我々は正しい行動をしていきましょうと。いろんな人を待っている時間はないので、どんどん自分たちで道を切り開いて、パートナーシップを持って推進していくことを大事にしています。

サステナビリティを中心に置いた、オールバーズの「モノ」の考え方

蓑輪:これはオールバーズの「モノ」の考え方だったり作り方なんですけど、サステナビリティを中心に置いています。いろいろ環境負荷の低減とか再生型農業とか、エネルギーとか書いてありますけど、そういうものを一番大事にして、その後にCOMFORT(快適)ですとか、デザインとかプライスとか、生産とかが入っています。

ファッションとか消費財のお仕事をされている方はわかると思うんですけど、例えばオールバーズでも、「来年の春夏にこういう商品を出します」という時に、はじめにデザイナーの方が来て「お客さんのインサイトはこれで、トレンドはこうで」、それで2番目にマーケティングの人が来て「コミュニケーションはこうで、メディアはこうで、こういうお客さんに販売したい」と。3番目にビジネス系の人が出てきて「いくらで、どこで、いつ販売する」という話が出てくる。

だいたいその3つだと思うんですけど、オールバーズは1番目と2番目の間にサステナビリティのチームが出てくるんですね。サステナビリティのチームの人が、「今回の素材はこれくらいの環境負荷があって、こういう課題があって、ここにオポチュニテ(機会)があります」と説明するんです。社内のプロダクトのライフサイクルの中に、このエンジンが組み込まれています。

なのでサステナビリティチームはすごくリスペクトされていま。実はハナ・カジムラさんという、30代の日系人女性がトップを張っているんです。日本語は喋れないのですが、彼女が我々の中心になって進めていて、社内で“サステナマフィア”と言われています(笑)。

近藤:(笑)。

靴だけでも年間200億足が作られて、処分されている現実

蓑輪:次は課題と背景の認識になります。みなさん感じていると思いますけど、革靴とかスーツで会社に行く方はだいぶ少なくなってきたと思います。女性もスニーカーや楽なぺたんこな靴を履いて会社に行くような流れに、どんどん舵が切られています。

かたや一方、我々のファッション業界は全体の約10パーセントの温室効果ガスを排出していると言われています。製造業が一番多いんですけど、生産する時に大量のエネルギーを燃やしている現実があります。これは地球市民としての課題だと思っていますから、先進国も途上国もすべての問題です。

この間、COP26という気候変動のサミットが行われました。あまり日本でニュースになっていないですが、ぜひパラオの大統領のスピーチを見てください。2分くらいしかないですが、本当にジーンときます。

パラオは我々にとっても非常に近しい南の島ですけど、その国の人たちがすごい苦しんでいます。「我々はこの死を待つ必要はない、いっそのこと私の国に爆弾を落としてくれ」と大統領が言うわけです。本当に痛ましい、実際に気候変動に直面している方々のメッセージだと思います。

我々がいかに切迫した状況にあるか、日本にいるとあまり感じないかもしれないですが、実際に感じている方はいっぱいいます。なので我々が生活する上で、なるべく環境負荷を低くしていく必要があると思っています。

靴だけでも年間200億足が作られて、処分されている現実があります。我々はその素材の源から役割を果たすまで、どのようなことをすればいいのかをすごく考えています。オールバーズの靴は時々シーズン限定のものも出しますけど、基本的には定番の商品をずっと出して、長く使ってもらえるようにしています。気に入った靴が次買おうと思ったらないということがなるべくないようにしています。

あと、シューズも全部洗濯機で洗えるようになっているので長く使えます。汚れても手入れが簡単です。そんなかたちで、すぐに捨てられないような努力もしています。

気候変動を逆転させる理由は、孫の世代に誇れる仕事をしたいから

蓑輪:次に共感するビジョンを描く。これはどんなビジョンをリーダーが持つべきなのか、チームが持つべきなのかを、言葉にすることが大事だと思っています。

私がNIKEにいる時に、世界的に有名なワイデンアンドケネディという広告会社の人たちとよく仕事をしていました。NIKEのいい広告には、いいコピーライターがいるんです。これは本当に大事で、「この商品のコピーを書いてください」ではなくて、その商品ができるはじめから、そのコピーライターが(チームに)いるし、広告ができるはじめからそのコピーライターがいるんです。

「孫の世代まで誇れる仕事がしたい」とか、「よりよいものはよりよい方法で」とか、そういうビジョンを明確に言葉にするのは大事です。

今、我々がパーパスとして思っているのが、「ビジネスの力で気候変動を逆転したい」。異常気象とか海面上昇とか台風とか、マラリアが日本に来るんじゃないかとか、そういう話もありますけど、やはりこれからは「常識と行動」を変えていく必要があると思っています。

30年前はネットもスマホもないですし、ペットボトルもなかったですし、そこら中でみんな町の中でたばこを吸っていた時代がありました。今やそんな時代が変わってきました。人々の行動様式を変えていく(ことは可能です)。

環境問題は慈善事業ではないので、ちゃんとビジネスが回らないとサステナブルになりません。そこはちゃんと大事にしながら(やることで)、イノベーションがどんどん起きてきて、参入障壁もどんどん下がってくると思います。この「逆転する」というのが大事です。止めるだけじゃなくて逆転したいと我々は今思っています。

まとめると、気候変動を逆転させる理由は孫の世代に誇れる仕事をしたいと思っているからです。自分たちは完璧じゃないから、SDGsのパートナーシップを大事に思っています。

大きいパートナーシップもそうなんですけど、お店の隣の店長さんと仲良くなるとか、周りのコミュニティの人たちと一緒にゴミ拾いをするとか、そういうのも含めてパートナーシップだと思っています。よりよい解決策と実践をするために、こういう問題はすごい難しいので、まずは会話のきっかけを作る。みなさんが気づくことが必要です。

小学生や中学生は、今SDGsをめちゃくちゃ勉強していますから、僕らより詳しく知っています。彼らたちが今後、10年から20年を経て社会に出てきた時に、我々は遅れを取ってはいけないし、逆に引っ張っていかなければいけない存在だと思います。

環境問題は1日で変えられないからこそ、必要となる「長期的な目標」

蓑輪:4番目に、目標設定を大事にしています。もちろんマーケティングは売れる工夫をして、売上や認知度を上げる必要な投資だと思っています。先ほどKPIの話をしましたが、もちろんそういう指標は大事にしていますけど、やはりマーケティングもビジネスも、数字で人の心は量れないです。これはアートとサイエンスの融合だと思っています。

それから、長く目標を持つこと。もちろん3ヶ月後の売上とか1年後の売上とかは大事なんですけど、5年後や10年後、20年後、50年語を見据えたビジョンを、チームやリーダーが描く必要があると思っています。僕がNIKEで働いていた2002年は、ちょうど日本と韓国のワールドカップがあった時で、その時はNIKEのスパイクは業界4位とかでした。今は1位です。

これはその時に、中学生や高校生の若い世代にターゲットとしてコミュニケーションしていきましょうと。彼らが10年後や20年後に親になった時に、子どもが大きくなってきたら絶対にNIKEのスパイクを買ってくれる。それまでにイノベーションも起きることを信じてマーケットに投資をしてきた観点もあります。

環境問題は1日で変えられるような問題じゃない。サステナブルもそうですけど、短期的なゴールばかり見ないで、大きい大局的な長い目を持つのが必要かなと思っています。

オールバーズはこの間株式公開して、もちろんビジネスの目標もちゃんと設定していますが、カーボンニュートラルの目標も掲げて、2019年にカーボンニュートラルを達成しました。商品のカーボンフットプリントの排出だけじゃなくて、オフィスの電力ですとか、社員の行動ですとか、そういうところにも気を使っています。

「カーボンフットプリント」への意識

蓑輪:B Corporationという認証があります。あまり日本には馴染みがないかもしれませんが、けっこう厳しい認証で、従業員、環境、サプライヤー、お客さんのコミュニティなど、会社のスコアカードに200項目くらいの指標があります。そこで一定のスコアを取ると、B Corporationという認証をいただくことができます。日本で有名なところだとパタゴニアさんとか。最近いろんな会社が注目しています。

この認証はとても大事です。自分たちのトレーサビリティは全部見られないので、そういう意味では認証する素材を使ったりするのはけっこう大事なんです。例えば紙はFSC認証という、木材を守って作る紙を必ず使っています。配布物や名刺、パッケージもFSCの認証の紙を必ず使っています。

「カーボンフットプリント」というワードが先ほどから出ていると思うんですけど、これはカロリーみたいなものです。右側に「7.1」と書いてあると思うんですけど、この靴が生まれるまでに7.1キログラムのCO2eを排出しているということです。

人間が1日に呼吸で排出する二酸化炭素は1キログラムと言われています。素材とか、製造とか、洗濯とか、最後捨てる時に焼却しなきゃいけないので、その時にカーボンフットプリントを出しています。みんなピンとこないと思うんですけど、僕もはじめはぜんぜんピンとこなくて。

このハンバーガーは何キロカロリーだとか、今はコンビニに行くと全部の食品にカロリーが書いてあるんですけど、昔は書いていなかったですよね。今はみんなピンとくると思います。ダイエットと一緒です。これは「7.1」と書いてあるんですけど、次のプロダクトをアップデートする時に「7.1」以上は許されないわけです。

自分のダイエットの時も「僕は65キロから60キロに落としたい」となったら、カロリーを調べて(自分の食べたものを)量らないと減らせない。そういう意識の問題にも通じているんです。社外に対する告知と同時に、社内に対してもそういうメッセージがあります。

このカーボンフットプリントの計算も、我々のホームページで、エクセルのマクロの入ったシートを公開しています。Formulaを入れると計算できる仕組みになっているます。そのFormulaはそのまま使えなくて、我々と同じ仕事をしている産業の人は使えるんですが、ただ考え方はわかると思います。どこの国で、どういうものを使って、どういうことをするとこのくらいできますというのが理解できるものをオープンにしています。

カーボンフットプリント排出量を、2030年までに95パーセント削減を目指す

蓑輪:サステナビリティのプランについて、左側にある「2025年のベースライン」と書いてあるのは、今のビジネスの仕方で、今のボリュームで成長していくと、1ユニットあたり14キログラムくらいのカーボンフットプリントを排出しますという表です。

素材、製造、輸送などのいくつかの項目に分けているんですけど、右から2番目にあるように、2025年までにこれを半分にしたいと我々は思っています。2030年には、さらに95パーセントにまで減らしたいと思っています。

それを逆算して作成したのを「フライトプラン」と呼んでいるんですけど。重点項目はまず再生型農業。土の大切さですね。土をどうやって、カーボンニュートラルなものに育んでいくか。2番目に再生可能な素材。どうやったらより環境負荷の低い素材、つまり長持ちして薄くて、なるべく用尺(素材の長さ)を使わない素材を開発していくか。

3番目はけっこうでかいところですけどエネルギーです。海上輸送を95パーセントにするとか、常温の水で洗濯ができるようになるとか、パートナーの工場を再エネ100パーセントにするとか。そういうことを逆算して、この50パーセントを達成しようとしています。

大事なことは、長い目で見て自分たちの必要なところのプライオリティを置いて計算していくこと。これはサステナビリティレポートで開示しているんですけど、ふつうの人はピンとこないんですよ。

例えばお店に行くと、浮世絵タイプの、2メートルくらいの大きなポスターがあります。オールバーズのモノがどうやってできているかというのを絵にしています。この間、小山さんがお店に行かれて感動したとおっしゃっていましたけど。

小山:はい(笑)。

蓑輪:こういうことをすることによって、先ほどの難しい表が理解しづらい人も、これなら「こういうことになっているんだ」と理解できるし、これを見ながらスタッフの方とお客さんとの会話が生まれたりもします。左の図は、9.9kgCO2eのカーボンフットプリントがどういうところでスコアになって計測されているかをわかりやすくしています。

オールバーズのベースとなる「3つの素材」を選んだ理由

蓑輪:次は自己認識ですね。ポジショニングを明確にしていきます。自分たちがどんな特徴を持っているかがわからないと、ゲームでは勝てません。団体スポーツを見るとわかると思いますけど、そのポジションに合った人がいてチームが機能します。

我々も自分の産業の中でどういうポジションを置くのかをすごく大事にしています。難しい課題を少しでも柔らかく、伝わりやすく、インスパイアさせるのが我々の使命かなとも思っています。ちょうどよいバランスを持ったお客さんに買っていただいて、履いていただいて、それが会話に結びついて、結果的に気候変動に対する気づきですとかアクションになってほしいと思っています。

我々のベースになる素材は3つありまして、ニュージーランドのメリノウール、南アフリカのユーカリ、ブラジルから来るサトウキビです。なるべく天然素材を使っています。

ウールに関しては、羊さんがゲップをするとメタンを排出してしまうんですけど、その分を吸収できるような土の作り方をちゃんと研究して、農家の方々に支援をしています。

ユーカリとかサトウキビは雨水ですくすく育っていくんですね。なので灌漑の施設が必要ではありません。雨がないところだと貯水池を作って灌漑設備を作らなきゃいけなくて、結果的に環境に負荷をかけてしまう。そういうものではなくて自然に、なるべく農薬を使わないで育まれる素材を使っています。このサトウキビから作られた素材はオープンソースにしています。

これはディカプリオさんが言っていたことですね。全部素材の大切さ、なにがどうやってできているのかというのをちゃんと見極めて、自分たちで調べる必要がある。そういうアクションをする必要があるんじゃないかと、ディカプリオさんがおっしゃっていました。

共通言語をつくる「チャーリー」の存在

蓑輪:次に、ターゲットとするお客さまを明確にしていきます。誰がお客さまなのか、誰に届けるのか、どうやって届けるのか、顧客像を明確にしていきます。よくペルソナとかインフルエンサーと言うと思いますけど、我々は「ミューズ」と呼んでいます。ファッションっぽいイメージがありますけれども。

その「ミューズ」に、固有名詞を作っています。「チャーリーさん」と呼んでいるんですね。これは男性でも女性でもいける名前で、世界中のマーケティングの担当者が、「自分の国のチャーリーとはこういうものだ」と話し合ったんですよ。「こういう人に買ってほしい」「こういう人が買うんじゃないか」と。

だからアメリカのチャーリー、イギリスのチャーリー、フランスのチャーリー、日本のチャーリー、中国のチャーリーは全員違うんです。でもだいたい似ていて、年齢がだいたい25歳から40歳くらいのスポットで、非常にアクティブな方だったりソーシャルな方々だったり、こういう社会問題に対して興味があったり、家族がいたりできる前だったり。

もちろんニューヨークの人と東京の人はライフスタイルは違うんですけど、「チャーリー」と付けるとかわいいし、かっこいいし、おもしろいじゃないですか。大事なのはそういう遊び心を持ってみんなが話し合うこと。「ペルソナが」と言うよりは「チャーリーが」と言っていたほうが、議論が楽しくなるんです。そういう遊びの要素も設けています。

日本のチャーリーとして100パーセントのお客さまはほぼいないですが、ただ大事なのは、口にして言葉にして、みんなが共通認識や共通言語を持つこと。それにおもしろい要素を入れる大事さを、今日はお伝えしたかったなと思っています。

アンバサダーは「フォロワーの数」ではなく「人となり」で選ぶ

蓑輪:チャーリーの代表格として、ALLGOOD COLLECTIVEと呼んでいるアンバサダーの活動をされている方です。サステナビリティとか、自然とか、ウェルネスとかそういうところの専門家の方々を集めて一緒に商品開発もしますし、マーケティングもしますし、アドバイスもいただいたりしています。

フォロワーの数とかはぜんぜん関係なくて、その人がどういう人となりなのか、どういうことをされているのか、どうやって共感してくれるのかを見ています。「アンバサダーになってください」「はい、明日からよろしくお願いします」でいきなり愛が育まれるわけじゃなくて、やっぱり熟成していくものなので、長い間一緒にできる人たちを探していきます。

この中には、福内櫻子さんというランニングをされている方で、もともと大学生の時にユニバーシアード(学生のためのオリンピック)で優勝している実績を持っているんですけど、別に100万人のフォロワーがいるわけではないです。ただすごくチャーミングで、我々の意志もすごいわかってくれる方です。

一番右に西辻一真さんという、マイファームという会社の創業者の方がいらっしゃいます。農業を始めたい方や家庭菜園をされている方に向けた、どうやったらおいしい野菜ができるのかという専門知識をを教育する機関を持っていたり、都市で使われていない場所をみなさんに開放して家庭菜園をしていくようなことをしていたり。我々の再生型農業の分野のアドバイザリーをやっていただいたりしています。

真ん中にいる永井たくみさんは南魚沼の議員さんなんですけど、山岳ガイドもやられていて、バックカントリーのスキーもやっています。議員さんなので政治のこともわかりますし、新潟の自然で生活していますから、気候変動の問題を一番ダイレクトに感じている方です。

鎌田安里紗さんはファッションの分野で有名な方なんですけど、今は環境省のもと、いろんなアパレル会社とユニットを組んで、どうやってファッションがサステナブルになっていくかというアクションをしています。

左から2番目の山中海輝君は関西出身のサーファーの子で、もちろんサーフィンの腕も一流なんですけど、カメラマンとしても活躍しています。どうやってビーチをきれいにしていくかというところを一緒にやっています。

今世界中には130人くらいのALLGOOD COLLECTIVEがいて、このコミュニティの方々はすごく大事にしています。

リテールスタッフが自発的に勉強会を実施

蓑輪:1つ、例として櫻子さんがやっているランニングのコミュニティがあって、原宿と丸の内のどちらかで毎週水曜日にお店が終わった後、基本的には20人から30人くらい集まって一緒にランニングしています。、今日は雨なのでオンラインの筋トレになると思いますけど、彼女がどうやったら効率的に走れるかとかそういうのを話しながら、自然も感じながら、お店で終わった後にみんなでお話しして帰る。

そこで300円いただいて、それは社会課題に対するドネーションにしたりとか。そういう20人から30人のグループなのですごく小さいですけれど、濃いグループを作ってお店とみなさんとの接点を持ちながら活動しています。

小山:参加したい......。

蓑輪:ぜひ来てください(笑)。今ちょっと寒いけど、皇居とかを一緒にちょうど5キロで、そんなに速いペースでは走らないので、ゆっくり楽しみながら走れると思います。

小山:ありがとうございます。意外と体育会系なので楽しみです。

蓑輪:ぜひお願いします。別にオールバーズの靴じゃなくて大丈夫なので(笑)。

それから、リテールスタッフ主導の勉強会をしています。僕もそうですけど、サステナブルなこととか環境問題とかはぜんぜんわからないし、専門家の話も聞きたい。なので、お店のスタッフが中心になっていろんな方をお呼びして、講義をしてもらっているんですね。

これはスタッフの方が自発的にやっていて、はじめはスタッフだけだったんだけど、だんだんボーイフレンドやガールフレンドだったり、お友達だったりとかが集まってきて、いろんな事例を話したりています。それこそ元パタゴニアの辻井さんですとか、エシカル協会の方ですとか、クリーンエナジーの方ですとか、いろんな方に勝手に声掛けて、勉強会をしています。

自ら進んで学習しようとする意欲をみんなに焚き付けていますね。もちろんコーヒー代とかちょっとした経費は本社が払いますけど、それ以外はかなり自由にみんながやりたいことをやってほしいと思っています。

最近は朝に映画鑑賞をしているみたいですね。ドキュメンタリーでいろいろおもしろいのがありますから、みんなで集まってお店で観ているようです。