“つながる後押しをするバックオフィス”とは?

古荘彩氏:みなさま、こんにちは。本日のセッションの司会を務めさせていただきます、ウイングアーク1stの古荘です。よろしくお願いいたします。今回は「バックオフィスから創る未来地図」ということで、350以上の企業・自治体で働き方改革や組織変革の講演の傍ら、NHKや全国紙からの取材を多数受けていらっしゃる、あまねキャリア代表の沢渡あまねさんにご登壇いただきます。沢渡さん、よろしくお願いいたします。

沢渡あまね氏(以下、沢渡):よろしくお願いします。私、沢渡あまねから「バックオフィスから創る未来地図」というテーマで、みなさんのお時間をいただきたいと思います。今日のキーフレーズ、こちらです。「つながって価値を創出する時代」。

みなさんの組織が、組織の中と外とつながる。そして“つながる後押しをするバックオフィス”って、どんなバックオフィス・管理部門だろうか? こんなテーマについて、解像度を上げて一緒に考えていきたいと思います。

改めまして「沢が渡る」と書いて、沢渡あまねです。作家、物書きをしています。最新作の『バリューサイクル・マネジメント』を含めて30作、これまで物を書いてきました。テーマはワークスタイル・組織開発です。日産自動車、NTTデータ、大手製薬会社などで16年間勤め人をした後、現在に至ります。

勤め人としては主に2つの柱。「グローバルIT・情報システム」、それから「広報、コミュニケーションを作る仕事」。この2つを軸にキャリアをアップしてきまして、今ではあまねキャリア株式会社代表。金沢に本社があります、株式会社なないろのはな 浜松ワークスタイルLabの取締役。浜松市に本社がありますオンライン育休者向けスクール「育休スクラ」を展開するNOKIOOのアドバイザーなどなど。複数の顔、いわゆるパラレルキャリアでもって活動をしています。

(スライドを指して)「浜松/東京二重生活」と書いておりますが、浜松で事業を展開しておりまして、今日も浜松からオンラインでお話をしております。こういったIT×広報の経験をもとに、コミュニケーションを作る仕事、コミュニケーションを変化させることによって組織の問題を解決していく、イノベーションできるワークスタイルを作っていく。このようなテーマに向き合っています。今日のお話「バックオフィスから創る未来地図」も、新刊の書籍『バリューサイクル・マネジメント』からエッセンスを抽出してお話をしていきたいと思います。

今日のお話を聞いて私に質問したいとか、あるいはもっと議論・ディスカッションしたいと思われた方はぜひ「沢渡あまねマネジメントクラブ」というオンラインコミュニティを提供しておりますので、こちらに登録いただければと思います。

趣味はダム、ダムめぐりが好きです。みんなが大好きなダム。え、好きじゃない? いや、好きになってください(笑)。最近は「ワーケーション」という「ワーク×バケーション」の働き方。こういう景色を変えた働き方が日本でも盛んになってきていますが、私は「ダム際に行って仕事をする」ということを、ワーケーションブームのはるか前からやっていました。「ダム際ワーキング」、こんなコンセプトも提唱しておりますので。よろしければ無料でご覧いただけますので、ダム際ワーキングのサイトをチェックいただけたらと思います。

旧態依然なバックオフィスは、組織の成長を阻害する

沢渡:ダムの話をしているとそれだけで1日終わってしまいますので、本題にいきたいと思います。「バックオフィスの定義」。何事も定義は大事ですので、ここからスタートします。もうみなさん、ここにいらっしゃる方には多くを語る必要はないと思うんですけれども……総務、人事、経理、広報、購買、情シス、法務、監査、財務などなど。いわゆる間接業務を担う職場。縁の下の力持ち、そのような職種と捉えることができると思います。

こういった縁の下の力持ちのバックオフィスが、これからどうあるべきか? どうありたいか? というメッセージがこちらです。旧態依然(レガシー)なバックオフィスは、残念ながら組織の成長を阻害する“足かせ”になってしまう時代です。一方で進化できる・アップデートできるバックオフィスは、組織の健全な成長……組織だけでなくそこで働く個人も含めた私たちの健全な成長を、間違いなく牽引します。ではみなさん、どちらの道を選びますか? という話ですね。

後者一択だと思うんですね。組織の成長、そこで働く個人の成長を牽引する「バックオフィス2.0」。どういう絵姿かな、どうなっていこうかな? そんな話をしていきたいです。これからの時代は、なんといってもコラボレーション。組織の中、人と人、社員同士、社員と協力会社がつながって。あるいは外、他社、他業界、他業種、他地域。外とつながって、コラボレーションして問題・課題を解決する、ないし“新しき”を生み出していく。それができる組織になっていく必要がある。

組織が正しく外と中とつながって“ことを起こす”ためには、全社共通の動きを決めるバックオフィス業務・バックオフィス部門が、いかにオープンになっていくか? オープンシフト、ひいてはデジタルで……今日も私はデジタルで、浜松から東京のスタジオとつないでコラボレーションを起こしていますが。デジタルでつながって仕事をしていく。デジタルワークシフトが“一丁目一番地”です。ここを牽引していきましょう。こんなキーメッセージをもとに、まずは「これからの時代とはどんな時代か?」について、ひもといていきたいと思います。

過去50、60年の日本の勝ちパターン

沢渡:一言で言うと、過去の勝ちパターンが通用しない時代になってきています。過去の勝ちパターンとは、どういう勝ちパターンか? (スライドを指して)こちらご覧ください。この画は私が最近、経営者向け・自治体向けなどの講演でしつこく出しています。詳しくは『バリューサイクル・マネジメント』を読み解いて、ぜひみなさんの職場で議論いただきたいんですが。

向かって左側の「統制型(ピラミッド型)」「旧来製造業モデル」と書いた黄色の台形の絵。これが過去50年、60年の日本の勝ちパターンと私は説明しています。どういうモデルか? というと「決められたことをきちんとこなせば勝てるモデル」だったんですね。

自動車製造業を例に例えるとわかりやすいと思うんです。社長や企画部門が「この車を作ったら売れる!」と。その指示をもとに、製造現場も営業の現場も開発の現場も企画の現場も、すべてプロセスを“上へならえ”でビシッと作る。あるいは、いわゆるティア2・ティア3、2次請け・3次請けと呼ばれる会社も、親会社の言うことを聞いていれば答えを出せたんですね。車が売れました、正しく利益を得ることができました。

そしてそこで働く個人に目を向けましても、いわゆる終身雇用モデルのもとに、多少は理不尽なこと言われても、上の言うこと・親会社の言うことに従っていれば幸せな生活を送れた。60歳で定年、潤沢な年金と退職金で家族共々幸せな老後が約束されていたんですね。

今の時代「うちは製造業だから現場と一緒」では通用しない

沢渡:ところが今、そういう時代か? こういう話なんですね。組織の中に答えを見出しにくい、過去に答えがない時代になってきました。いわゆる「VUCAの時代」というのはそういうことなんですね。例えばCOVID-19のような災禍を、過去2年前・3年前、我々の誰が想定していたでしょうか? このような、新たなリスクが世の中を脅かす。過去に、組織の中に「どうやって向き合って答えを出したらいいか?」という答えが用意されていないわけです。

IT技術も進化します。それから働く人たちも、育児しながら、介護しながら、勉強しながら、あるいはパラレルキャリアのような複数の組織の顔を持ちながら働く時代。そうすると、組織の中だけで答えを持っている人がいるとは限らない。今までとは違う人たち、場合によっては外の人の能力・知識・ヒントを借りながら、答えを自分たちなりに出していく。

自分たちなりに主体的に問いを立て、自分たちなりに主体的につながり、自分たちなりに主体的に動いて、自分たちなりの答えを出していくやり方。(スライドを指して)右側です。「オープン型」「コラボレーション型」のやり方に、部分的にでも変えていかないと。「うちは製造業だから現場とみんな一緒。朝9時~5時、同じ場所に出社して昼休みも同じ行動を取って、同じメンバーと顔を合わせて」……こういうやり方だけでは通用しない。負けモデルになってきつつあると、この事実に我々は向き合う必要があるんですね。

各論、統制型・ピラミッド型とオープン型の特徴、コミュニケーションの特徴、学習スタイルの特徴ありますけれども、これはぜひ『バリューサイクル・マネジメント』を読んでいただいて(笑)。あるいは「沢渡あまねマネジメントクラブ」で、各論をディスカッションしていけたらと思います。

私は統制型一辺倒の仕事のやり方……統制型・旧来製造業型モデルを否定するつもりは、まったくありません。否定してるわけではないんです。統制型のやり方にはメリットあります。例えば意思決定プロセスがしっかりしている限りにおいては、大きな意思決定がしやすかったり。なんでもかんでもオープンにつながって協議すると、なかなか結論出ないこともありますから。大きな意思決定をやる時には、統制型モデルのほうが合理的。

あるいは答えが決まった領域。組織の中に答えがあって、答えが決まった領域においては、統制型の管理の仕方って極めて合理的です。まず管理する側・マネジメントする側は、考える余地が少ないんです。決められたことをやらせていれば、監視型のマネジメントをしていけば答え出せますから。管理する側はコストかからないですね。プレイヤーも一緒です。指示を受けたことをやっていればいいわけですから、それも大事な価値なんですよ。それで答えが出せますから、考えなくていいんです。

一方で「変化」というパラメーターが入った瞬間に、たちまち思考停止・行動停止しがちなんですね。当然です。管理する側は、自ら問いを立てて答えを探す経験をしたことがないです。プレイヤーも然りです。管理する側・される側ともに、たちまち思考停止になり行動停止に陥るリスクがある。このリスクにどう向き合っていくか? 経営として、バックオフィスとして、人事部門として、それぞれ考えていかなければいけないわけですね。

統制型一辺倒の仕事のやり方、マネジメント、環境、カルチャーが、トランスフォーメーション……DXの「X」。組織変革の「変革」。トランスフォーメーションを遠ざける、という話です。

固定的な環境では「問題・課題解決のサイクル」が回りにくい

沢渡:別の観点でもこの問題を料理していきたいと思います。いわゆるイノベーション、あるいはトランスフォーメーションが求められる時代。ひいては、そこまで大げさでなくても今までの仕事のやり方を改善・改良する場合においては、固定的な環境ではアイデアが生まれにくい、発想が生まれにくい、答えが生み出しにくい。それを示したのが(スライドを指して)この図です。

感覚的にわかっていただけると思うんですけれども、なにか新しいことを考える時、新しいテーマに向き合う時、あるいは既存の業務を改善したい時。その事象に向き合うためのフレームワーク・考え方とか、観点・論点。こういうものを日々、担当者は意識して、頭の中にアンテナ立てて過ごす。そうすると、ある時ひらめくわけですね。切り口だとか、あるいは考えるヒントだとか。

それは仕事をしていてかもしれない、雑談していてかもしれない、遊んでいてかもしれない、家事しながらかもしれない、朝起きてぼーっとしていた時かもしれない、サウナに浸かっている時かもしれない。私の場合はダム際に行く車を運転する道すがらとか、ダム湖を眺めていると、もう、発想がはかどって頭忙しいんですけども。そういうものだと思うんですね。

そこから調べる、深く考える、まとめる。そのための余白や時間も大事ですね。余力・余白がなければ発想なんて浮かばないわけです。そして行動する、解決する。それは同僚とつながってかもしれない、組織外の人とつながってかもしれない、社外の人とわいわいディスカッションしてかもしれない。そうやって次のテーマを見つけていく、あるいは答えを出していく、そのテーマに対する解像度を上げていく。それにより知的の一体感、エンゲージメントを高めて、より知的なサイクルが回っていく。

さぁこれ、同じ職場に毎朝9時に強制的に出社させられて、同じメンバーと同じ景色で顔合わせて、このサイクルが生まれますか? という話なんです。固定的な環境ではイノベーションのサイクル、問題・課題解決のサイクルって回りにくいですね。私たちは、みなさんバックオフィスも含めていかに私たち自身を、社員を、協力会社の人たちを、固定的な環境から解き放っていくか? 固定的な環境から自由にしていくか? ここがこれから求められます。

悪気なく、社内外の“邪魔者”になっている可能性

沢渡:別の視点で話をしましょう。DX、イノベーション、業務の改善・改良という話をしましたけれども。いわゆる「両利きの経営」が大切と、最近よく言われています。両利きとは何か? 既存事業と新規事業をいかにバランスよく回していくか。これは経営のテーマなわけですね。でも、経営層だけのテーマではないと思うんです。部門長、課長、チームリーダー、など組織のリーダーも「自分の組織の経営者」として向き合っていかなければならない。

自組織の中で今までやっている当たり前の仕事を守りつつ、いかにそれを改善・改良していくか? あるいは今までとは違う……例えば営業部門であれば、今までの営業スタイルとは違う新しいマーケティング手法、新しいマーケット開拓のやり方にチャレンジすることによって、今までにない勝ちパターンを生んでいくか? これはいかなる組織においても経営課題なわけですね。

(スライドを指して)「既存事業(オペレーション業務)」と「イノベーションを起こす事業(クリエーション業務)」と書きましたけれども、オペレーション業務とクリエーション業務をどう使い分けていくか? を、図にしたのがこちらです。重要度・緊急度のマトリクスで言うと、既存事業が「重要度:高、緊急度:高」ですね。それをやらなければ目先のキャッシュ生めないですから、あるいは目先のコスト削減できないわけですから。既存事業はもちろん回しつつ。

新しい事業・新しい領域へのチャレンジというのは、重要度・緊急度で言うと重要度は高いが、緊急度は低い。いつかやらなければいけないけど、今やらないと会社が潰れるわけではないので、悪気なく後回しにしがちになってしまいますね。ここに両利きを回しにくいジレンマがあるのかな、と私も日々感じていまして。

既存事業=オペレーション業務と、DX・イノベーション、改善・改良のようなクリエーション業務とでは、求められる頭の筋肉も違えば、スキルやメンタリティ、マネジメントの環境も違うという話ですね。既存事業は、どうしても目先の成果に目が向きがちです。日次の管理、月次の管理、週次の管理で「どれだけ数字出たんだ、どれだけ効率上がったんだ」という世界の中で切った張ったするわけですね。

一方でDX・イノベーション、改善・改良のようなものは、今日すぐ成果が出るものではないですね。1年、3年、5年、10年かかるかもしれない、かからないかもしれない。長いスパンで見た時に、日次のマイクロマネジメントではなく、中長期の未来を考えた上で投資をしていく。知識を投入していく、景色を変えていく。こういうマネジメント、こういう制度が間違いなく必要になってくるわけです。

さらに既存事業というものはできあがった業務ですから、既存の登場人物で、あなたの部署だけで答えが出しやすい。「Stand-alone」と書きましたけども、スタンドアロンで成り立ちやすいんですね。

一方で今までにないやり方にチャレンジしていく、あるいは今までにない観点で既存の問題・課題を解決していく。トランスフォーメーション・イノベーション、改善・改良を行うためには「Cross-function」。今までにない人たちとつながって、外に出て新たなヒント、新たな答えを得ていく、問いを立てていく、解決していく。こういうやり方・環境に変えていく必要がある。こんな説明です。

そして、つながってクロスファンクションで問題を解決していく、越境して問題・課題を解決していく、新たな価値を生み出していく組織になるためには、全社の動きをつかさどるバックオフィス・管理部門も、統制型・ピラミッド型を支えるだけではなく、オープン型に進化する。オープン型を推進できるようなみなさんになる必要があるよ、という話です。

さぁ、いかがでしょう。みなさんの部署は社内外の「邪魔者・いらない子」「正しくつながって成長するのを邪魔にする人たち」に、悪気なくなっていないですか? ぜひドキッとしてください。社員同士、外の人たち、他地域、社内、社外でつながるための、垣根を下げる。垣根を低くしていく。そのためにはどんな行動、どんな考え方を用いる必要があるでしょうか? と。

「組織変革3つのレイヤー」

沢渡:ここで「組織変革3つのレイヤー」というお話をしたいと思います。変化できる組織・変化できない組織を、3つの階層に分けて問題を論じていきたい。で、観点を投げ込んでいきたいと思います。

(スライドを指して)こちらの画をご覧ください。この画も書籍『バリューサイクル・マネジメント』で詳しく解説しています。「事業部門」。そして「バックオフィス」……管理部門、あるいはバックオフィスが決める全社共通業務。例えば外とのメールを使ったコミュニケーションとか、あるいは稟議のワークフローとか事務手続き。こういうものが全社の事業部門の動きを決めるわけですね。さらにそれを支える「組織カルチャー」。3階層に分けた時に、すべてをアップデートしないと正しく機能しないと考えていただきたいです。

ITに例えるとわかりやすいですね。「アプリケーション」「ミドルウェア」「OS」、3つの層からなっています。OS、オペレーティングシステム。WindowsとかMacintoshとかありますけれども、こういうものは「その組織でどういう行動が良しとされるのか?」。カルチャーの基盤になるものだと思うんですね。

その上で一番上、直接に価値・機能を提供するものをアプリケーションと呼びますから、これが事業部門ですよね。事業の最前線で直接に価値を提供する、あるいは研究部門、開発部門がアプリケーションです。

例えば事業部門が新しいマーケティングのやり方にチャレンジしたい。他者とコラボレーションをして、ベンチャー企業と大企業がコラボレーションをして、今までとは違う売り方、あるいは人の採用の仕方にチャレンジしたいと、どんなにアプリケーションが最新化されていても……真ん中のミドルウェアがイケていないとアプリケーションは威力を発揮できません。

ミドルウェアとは、全社の人たちのコミュニケーションの取り方、契約の仕方、お金の流れの管理の仕方など。これらを司るルールや仕組みが旧態依然だと、アプリケーションは動作しないんですね。そういう認識を持っていただきたい。すなわち、組織のミドルウェアであるバックオフィスのみなさん自身を正しくアップデートしていかないと、組織全体が活性化しない、アップデートできないという話なんですね。

全プレイヤーが正しくアップデートしないと、変革は成し遂げられない」

沢渡:よく、(スライドを指して)こんな画で示しています。「トップ」「中間管理職」「メンバー」。真ん中の水色の線から上は事業部門、あるいはみなさんの部門そのものと考えてください、全社だと考えてください。トップ・中間管理職・メンバー、それぞれがアップデートしていかなければいけない。そして組織の中に答えを求めにくい時代、過去に答えを求めにくい時代。外の力を借りながらコラボレーションすることによって、問題・課題を解決していく。

そのためには水色から下。人事、総務、広報、情シス、経理、購買、その他の部門もありますが、いわゆる管理部門・バックオフィスが正しくアップデートしていかないと、このモデルは成り立ちません。「変革・改革」は「改善・改良」ではありませんから、組織変革・働き方改革にしても、DX・トランスフォーメーションにしても、すべてのプレイヤーが正しく成長する。すべてのプレイヤーが正しくアップデートしないと、変革は成し遂げられないんです。

もっと言ってしまえば法律・法制度も変わらないといけないわけですね。今までの労働法がもはや“バグ”になっている部分もあります。そういう部分はやっぱり現場で声を上げていったり、世論を作っていく。私は最近、気鋭の弁護士と対談することも多いんですけども。そういった法の最前線にいる人たちと「今の世の中おかしい」「おかしい」「おかしい」って言い続けて変えていく。

変えられるものも、すぐに変えられないものもあると思うんですけども。いずれにしても、それぞれ聖域はありません。それぞれの人たち、登場人物が正しくアップデートしていかないと、この世の中は良くならない。日本は衰退からの停滞、停滞からの衰退にいく道しかないということですね。