3ヶ月前の対談時は、本は「頭の中」にあるだけだった

田中:一応僕今日ね、スライドみたいなのを。時間稼ぎのために、すぐ終わるスライドを作ってきたんですよ。

阿部:ありがとうございます。泰延さんのスライドが大好きなので、ぜひとも見せていただきたいです。

田中:大したスライドじゃないんですけど。えー、これどうやんのかな。なんか、プレイボタン的なサムシングを押すと、ジャーンと、出てくる。

田中:今日は「田中泰延×阿部広太郎」。掛けるの?(笑)。掛け算なのか。

阿部:ありがとうございます、うれしいです。チャット欄で拍手のパチパチマークをいただいていますね。本当にありがとうございます。

田中:ありがとうございます。スパチャとかどんどん入れていただければ。

阿部:今日は課金はないんですけど(笑)、本をぜひ買っていただけたらうれしいです。

田中:どんどん投げ銭をしていただいてですね、あと僕はお金を預かって運用とかをやっていますので、1,000万円、2,000万円単位で預けていただければと思います。

阿部:(笑)。

田中:さまざまな運用とかファンド、投資コース、あとビットコインですね。それから、ジンバブエドルなんかに投資もやっていますから、ぜひ預けていただいて。スイス銀行は、僕はちょっと狙撃の時だけ使います。

阿部:文筆家であり、投資家の泰延さんから。

田中:多宝塔の販売は、これ最後にフリーダイヤル出ますから。

阿部:出ますから。

田中:今日はこの2人で。

田中:これびっくりするのは、この前、ここでこの本の刊行記念で対談させていただいた時に、僕の本は1ミリもできていなかったってことです。

阿部:その時に、ちょうど執筆を進められてるっていう話をうかがってたんですけど、よくよく話を聞くとあんまり書き上がってなかったと。

田中:全然できてへん。

阿部:ほとんど頭の中で発酵させているような状態だったと。

田中:ていう、嘘を編集者の今野さんについていたんです。「頭の中では全部書けてます。もうあとは写経するようなもんだから」っていう嘘を信じさせている時が、この対談の時でしたね。だから阿部さんと対談してる場合じゃなかったんですよ。

阿部:時折真剣な表情をされる泰延さんを見て、ちょっと追い詰められてはいるんだろうなと。

田中:あと、腕時計を見ていましたからね。

阿部:そうそう(笑)。刊行の時期は決まってるから書かなきゃいけないんだけど、みたいな感じでしたよね。

よく晴れた中秋の名月の日に果たされた約束

田中:でも、本当に出ましたからね。

阿部:出ましたよ。感動ですよ。よく書けたって、感動の一作なんですよ。

田中:阿部さんも前の対談の時に「泰延さんの本が、万が一、もし、まさか、本当に出たら、ここでまた話をしましょう」と。

阿部:そうなんですよ。秋頃に出るという話だったのでお声がけさせていただいて、ぜひ3ヶ月後、夏から秋頃にぜひという話をさせていただきましたね。

田中:この今日のよき日、9月21日。中秋の名月。仏滅ですけども。なんか、中秋の名月は必ず仏滅になるらしいね、知らんけど(笑)。今、適当なことを言っているからね。ここの会場に入ってくる前に月がすっごくきれいだったんですよ。

阿部:めちゃくちゃきれいでしたね。

田中:ちょうどこの配信が終わる頃が見頃らしいので、晴れてるお空の下の人は見ていただきたいなと思います。

で、この2人のスライド。僕たち2人ここにいるのに、この写真を出してなんになるっていう(笑)。まさに時間稼ぎということですね。稼いでなんになるのか。

今日が大晦日だったら幸せ

田中:またスライドが出てきましたけども、こういうことを2人で今日はやらせていただくということです。本日は足元の悪い中……いや晴れてるでしょって。今日はだいぶ晴れてるよ(笑)。

阿部:よく晴れましたね。

田中:本日は本当に、年末のお忙しい折。

阿部:年末までもう少しありますね。

田中:もう少しある? もう疲れたので今年も今日で終わりにしたいなと。今日が大晦日だったらすごくいいですよね。

阿部:もう幸せですね。

田中:明日お年玉がもらえるわけですよ。俺、52歳でもお年玉をもらえる可能性は0じゃない。

今日は、実はあんまり知られてないですけど「第2オリンピック」の開会式だったんですよ。これはさっき画面をキャプチャしたら第2オリンピックの会場でこんな感じでやっててね。

阿部:ええ~っ。

田中:ブルーインパルスも飛んでいました。これ、今日の空ですよ。

阿部:おお!

田中:で、マークがこれですよ。

阿部:なんか懐かしいですね(笑)。

田中:そんな日にも関わらずこの配信を見ていただいて、非常にアレですが。

9月21日、今日はなんの日?

田中:「今日はなんの日」。

田中:今日は中秋の名月です。旧暦の8月15日が今日なんですよ。だから感覚がずれているよね。七夕とか8月15日とか、今のカレンダーで判断したらぜんぜん季節がずれている。あとは今だとシルバーウィークで、いっぱいお休みがありますよね。あれでよく「お休みは?」って聞いたら「暦どおりです」って言う人いるやん。

阿部:いますね。

田中:「暦」使ってるかお前?

阿部:(笑)。

田中:「カレンダー」じゃないそれは? 今日は友引? 仏滅? 答えてみろって言いたいですね。

阿部:「カレンダー通り」ですね。

田中:僕は暦は使ってません! 

田中:それから今日の月は「望月」ね。望月の欠けたる……うーん、

阿部:欠けたる……ところ……。

田中:なんか、藤原道長が、知らんけど。

田中:あと、今日は「国際平和デー」。コスタリカの発案により1981年に制定されて、ニューヨークの国連本部ビルで平和の鐘が鳴らされるのが今日らしいんですよ。その国連本部の平和の鐘ってどんなんや? って調べてみたら。

えらい和風やなって。

阿部:めちゃくちゃ和風。お寺みたいな感じ。

田中:これが国連の中にあるのが不思議ですけど、そうらしいです。鐘って「カランカラン」じゃなくて、「ゴーン」ってやつですよ。

阿部:大晦日臭がしますね。

田中:大晦日臭。

それから今日、アース・ウインド&ファイアーの『セプテンバー』で歌われてる日。あの「バーディヤ、バーディヤ、バーディヤバーディヤ」って歌ですよ。

この歌の歌詞の出だしが、「ドゥーユーリメンバー?」で、「9月21日の夜を覚えていますか?」っていう歌なんですよ。

阿部:えっ、すごい。今日じゃないですか。

田中:ズバリ今日。

でも歌詞を最後まで聞くと、「今は12月で、あの9月の夜はよかったね」って話をしてます。だから12月に振り返っている歌なんです。でも僕は9月21日にこれをいつも思い出しますね。

Tシャツに記された「もうあかん やめます!」の正体

田中:あと今日は「靴市の日」なんですよ。名古屋の靴メーカー「マドラス」が制定しました。どういうことかといったら、9(く)、2(つ)、1(いち)で靴市らしいですね。

そして今着ているTシャツが、大阪で有名な靴屋のTシャツなんだよね。「もうあかん やめます!」。

阿部:おお!(笑)。ようやくたどり着きましたね。

田中:ようやく。話が長かったね(笑)。

阿部:すごい。感動しました。この伏線というか、日付のことを伝えていたのはここへ。

田中:このTシャツの話をしたかっただけでした。長かったね。

ということで、やってきました下北沢!

阿部:やってきましたよ。

田中:本屋B&Bって、Book&Beerで合ってるんですかね?

阿部:そうですね。

田中:「B&B」っていろんな意味があって、Bread&Butterとかね。あと、BED&BREAKFASTとかBrigitte Bardot(ブリジット・バルドー)とか、これは人の名前やけどね。「B&B」って語呂がいいんやろね。わざわざ英語圏の人はB&Bを探す癖があって。あとは、広島県と岡山県の漫才コンビB&B。

阿部:そうですね、「もみじまんじゅう」ですね。

田中:そう、もみじまんじゅう! 懐かしい。若い人はぜったいに知らないですね(笑)。

阿部:そうですね(笑)。

田中:本屋B&Bさん、お招きいただきありがとうございます。本当にお世話になっていて、さっきちょっと贈賄をしましたんで。なんだっけあのお菓子……。

阿部:「面白い恋人」ですね。泰延さんがお土産で持って来られてましたね。

田中:あれ渡しとけば、どうにでもなりますよ。

阿部:よきにはからって。

田中:籠絡しておきましたから。

「青年失業家」から「地球始皇帝」に即位

田中:はい。はじめまして。はじめましてじゃない、今さら(笑)。

阿部:(笑)。もうかなり泰延さんのことを認知されてる方が多いと思いますね。

田中:今さら僕の写真を見てもしょうがない。ここにいるからね。

阿部:いますからね。

田中:今さらジロー、サブロー・シローですよ。

田中:最近は地球始皇帝に即位しました。

阿部:あっ、『情熱大陸』にも。

田中:これね、よく見ると『大情熱陸』ですね。文字の並びが似てるけど、ぜんぜん違う番組です。

阿部:なんか……かっこいいですね。

田中:世界を支配してますから、どうにでもなりますから。

阿部:手中に収めてますね。

田中:あと、僕のこの(阿部さんの本の出版社である)ディスカヴァー・トゥエンティワンを買収する計画は着々と進んでますから。

阿部:大きな声ではなかなか言えないですけど。

田中:橋本社員なんかはこれから僕の部下になっていくということで。あとで、どう新しい経営者と付き合っていくか、折り合っていくかっていう話をします。

阿部:なるほど、ヘッドハンティングを。

田中:で、この間取材がありまして。ちょっと原宿の街角、裏原で写真を撮ってもらったんです。

阿部:著者近影ですね。

田中:この時たまたま来ていった服が、みんなに「なんか見覚えがある」って言われて。なんか見覚えがあるらしいんですよ。

阿部:そうですね、風格がそっくりですね。

田中:違う角度からも写真撮ったんですけど、やっぱり見覚えがあるらしい。

ということで、影武者もこれからは務めていきたいなと思っています。

IZ *ONEは「解釈」次第で存在し続ける

田中:はい、「今日のテーマ」。ようやく今日のテーマです。

「IZ*ONE」。

阿部:あー、IZ*ONEですね。

田中:あー、て。

田中:今年の3月に解散してしまったIZ*ONEですけれども、あれは解散じゃない。

IZ*ONEは解散したように思うけれども、そうじゃない。

解釈次第でIZ*ONEは平行宇宙に存在し続けるっていうことを……

ごめんなさい。別のイベントと間違えました。

これは家にあるIZ*ONEのクッションですね。

阿部:大ファンですね。

田中:「IZ*ONEは解釈次第で存在し続けるんだ、解散じゃない」ということを、阿部さんに教わったのよ。

それがこの本(『それ、勝手な決めつけかもよ?』)の「解釈は人間のいろんな可能性を開いてくれる」と。

過去の後悔したこととか、未来に不安のあることとか、今現在の自分は間違っているんじゃないかとか、捉えようがないようなわからないことも、頭と心を使って解釈をしたら変えていける、よくなるんだということをここで教わりました。その時点で僕本が書けていなかったんだから、だいぶこの本が影響を及ぼしてるんですよ。

阿部:本当ですか?

田中:聞いた良いことはどんどん入っていくわけですよ。

あと、この本の内容も入っていくわけですよ(笑)。

阿部:(笑)。泰延さんの、たくさんのいろんな人との出会いだったり、そういう会話で感じたことがギュッと詰まってますよね。

著者の名前よりも10倍大きい、糸井重里氏の名前

田中:阿部さんの本はすごくいい本で、今日こうして2冊並ぶのがめっちゃうれしいです。

阿部:うれしいですよ。(僕の本には)泰延さんのコメントもいただいて。本当にありがとうございます。

田中:ありがとうございます。この本の「著名人からコメントをいただきました!」ってところに、糸井重里さん、水野良樹さん、田中泰延さん。「最後の1人誰?」って。

阿部:いやいやいや!

田中:みんな糸井さんは知っているし、いきものがかかりも知ってるけど、田中泰延、「誰?」みたいな。突如挟まれる無名人の叫びが載ってますけれども。

阿部:いやいや、もう著名人ですよ。

田中:前の本(『読みたいことを、書けばいい。』)が16万部突破という、新しい帯が出来ました。

阿部:おめでとうございます。すごいことですよ。

田中:ただ、相変わらずダイヤモンド社の僕への扱いの問題があって。前の時のこのPOP広告を見てください。

僕の名前より、糸井さんのほうが10倍ぐらいの大きさがありますよね。

阿部:フォントの級数がちょっと(笑)。

田中:10倍はあると思う。この級数のせいで、いまだに「糸井重里さんの本、読了」って書いてる人いますからね。

阿部:たまに泰延さんもリツイートされてますけど、「そういう方がいらっしゃるな」と僕も感じていました。

田中:でしょ? ほんで、僕がダイヤモンド社に「いくらなんでもこれ大きいですよ」って言ったら、次にダイヤモンド社さんが作ってくれたポスターがこれ。

まだ5倍はある。まだ5倍はある。だって「田中泰延」を探すのが難しいもん。真ん中に「糸井重里」やもん。そう簡単にはいかないね。

書店でも「田中泰延選書フェア」を展開

田中:で、今度新しい本が出ました。さすがにこれは僕の本だから。一応僕もダイヤモンド社の著者として(書いているので)、新しい広告を作ってくれました。はい、これ。

林修先生と奥田民生さんがでかすぎる。やっぱり5倍はあると思う。これ、もう奥田民生さんと林先生の共著だと思うよ。異色の会話術、この2人が会話してると思うよ?

(会場笑)

阿部:確かにそうですね。2人の異色の会話本に見えますもんね。

田中:ダイヤモンド社さんには、もうちょっと田中泰延に自信を持ってほしいなと思いました。

青山ブックセンターでは、「田中泰延選書フェア」をやってもらって、僕が好きな対話・会話に関するテーマの本を全部入れています。

今日行ってきたら、このように「ひろのぶガールズ喜び組」と言われる女性たちが集まってくれました。

阿部:求心力がすごい。

田中:もうすごかったですよ。このポーズがすべてを物語ってますね。

阿部:本当ですね。もう「世界をこの手に」っていう感じですね。

田中:これは丸善日本橋さんですが、もちろんここにも贈賄をしておきました。やっぱり金を渡す、物を渡す、こんなに大事なことはないです。みなさんも僕に金や物を送っていただければ、悪いようにはしないですよ。

阿部:書店員の方も、こぼれる笑顔ですよね。

田中:こんな超高級お菓子「面白い恋人」をもらったら、これはどうにでもなりますよ。

奥田民生氏との1年間にわたる会話を、新しく書籍に

田中:これはちょっと予告ですけど、この本の帯を書いてくださった奥田民生さんと1年にわたっていろいろお話をしたので、そのうちまた新しい書籍のお知らせができるかもしれないです。その時はまたここで阿部さんとお話ができるかと思います。

阿部:本当ですか? 今さりげなくビッグニュースをみなさんにお知らせしましたね。1年かけてお話しされてたんですね。ちょっと今、コメント・チャット欄もざわつきましたね。

田中:帯に「インタビューがそんなに好きでない私が、何度もいろんなことを話せたのは、それこそがまさに田中さんの会話術なのでしょう。おもろい人です。 奥田民生」とお言葉をいただいたのが、この1年間の2人の話についての総括なんです。だから、この本はまだ読んではれへんと思うんですけど。

阿部:すごい。今「楽しみです」ってみなさんに書き込んでいただいて。でも、前々から泰延さんは民生さんと面識があったんですか?

田中:ぜんぜん。1年前にお話があってからです。ただ、この『会って、話すこと。』の話の内容は、1年間奥田さんと話を重ねてきて感じたこととかもいろいろ入ってますね。

阿部:そうか。民生さんとお話しされている最中で「いよいよ書かなきゃいけないぞ」というタイミングが夏だったってことですよね。

田中:そうなんです。なんとか年内にと思っているので、またみなさんよろしくお願いします。

友だち同士会えない中で作ろうと思った1冊

田中:もうスライドはだいたいこれで終わりで、あとは阿部さんの本の内容の話ですね。すごいよ阿部さん、3冊も本を出してるんやな。

阿部:いやいや、泰延さんもすごいですよ。泰延さんも2冊ですよね。

田中:いま、僕が「阿部さん3冊」って言ったら、「泰延さん2冊ですよ」って、明らかに数字の優劣をつけられましたね。

阿部:ごめんなさい(笑)。

田中:覆しようのない数学的な攻撃を受けました。

阿部:大事なのは数字じゃないんですよね。

田中:言うたやん(笑)。

阿部:大事なのは気持ちですよね(笑)。

田中:適当やろ(笑)。

阿部:心です、心。大事なのは心でした。

田中:何でも最後は心やろ(笑)。あと「試合に負けて勝負に勝った」とか、よくわかんない。よく僕ら2人、飲みもしないし観客もいないのに、よくしゃべってるよね。

阿部:そうなんですよ。ふと思うと、怖い状況だなと思いますけどね。みなさんチャット欄にいろいろ書いてくださってるんで。

田中:ええ、お金とか、お金とか、お金とか振り込んでくださいね。でも今日は飲んでないじゃん。阿部さんは前、ビール飲みながらやってたよね。

阿部:そうなんです。やっぱり水のほうがいいなって(笑)。ちょっと冷静に、今日は熱を込めて話そうと思ってます。

田中:よく酒を飲んでいるイメージがある。

阿部:お酒は好きなんですけどね。ちょっと今、飲食店さんがずごく厳しい状況だったりしますね。

田中:そう、ふだんお酒を出しているところが、食事だけで営業してることが多いからね。世の中大変。急に真面目な話をしちゃうけど、ふだん飲み屋さんも閉まっていたり、開いていてもお酒を出さないとか。友だち同士会えない中で、この本を作ろうと思ったんですよね。