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いま、地方の挑戦者がアツい。~ニッポンのものづくり~(全2記事)

「特徴のなさ」を全部さらけだした、木村石鹸工業のシャンプー 本当にいいものを突き詰めて作った“売り文句のない”新商品

2021年9月11〜12日に開催された「Makuakeミライマルシェ@オンライン」。本記事ではその中から「いま、地方の挑戦者がアツい。~ニッポンのものづくり~」の模様を公開します。

「これは作る」「これは作らない」の切り分け

松岡宏治氏(以下、松岡):なるほど。売り方というか、今の「伝え方」のところにも思想がやっぱり大事なんだろうなぁというか。山谷さんの「燕三条に対しての思い」が強いから「いや、社名は出したほうがいいし、隠さないほうが他の発注も来るからいいよね」っていうところ。そこがすごく純粋な思いとしておありなのかな、と思ったんですよね。

山谷武範氏(以下、山谷):そこらへんは大きいかなって。

松岡:そうですよね。いわゆる「メーカー」という言葉の定義って広いじゃないですか。自分たちで作ってなくてもメーカーって呼ばれるし。

山谷:「販売元のメーカー」みたいな感じですよね。「製造元」ではなくて。

松岡:そうですよね。製造元と販売元、どっちもメーカーって呼ばれるのが、けっこう日本語の難しいところだなって僕も思ったりはするんですけど。

山谷:難しいですよね(笑)。

松岡:その中で山谷さんのアウトドア用品のブランド「TSBBQ」。自社ブランドって、どういう立ち位置やきっかけで立ち上げていったんですか? 

山谷:あれは中川政七商店と三条市との、半年にわたる勉強会があって。そこに参加していたことがきっかけでした。デザイナーさんと組んだプレゼンを最後の回にやるんですけど、そこでMVPを取って。そこから「商品化につなげていきましょう」というかたちでスタートしたプロジェクトですね。

松岡:なるほど、そこからスタートして。売る側としてはちょっと聞きづらいことを聞いちゃうかもしれないんですけど、いわゆる「作る人の物」も売りながら、自分たちもブランドを持ってるわけじゃないですか。「こういうものをうちは作らないけど、こういうものは作るよ」っていう切り分けって、どうされてるんですか? 

山谷:そうですね。そのブランドのコンセプトをどう一本化していくかという。「TSBBQ」でいくと燕三条のバーベキュー(Tsubame Sanjo BBQ)という意味がまず入っていて。さらにTry Stylish BBQがあって、という2つの意味があるんですけど。その「バーベキュー」というコンセプトを決めているんで、それに沿った商品しか作らないという感じですね。

松岡:そのコンセプトに関することはやるけど、その他に関することはもう他のところからお願いすると。

山谷:「仕入れ」っていう感じでやっている。

松岡:今だともうアウトドアのみならず、けっこう日本中からいろんなものを仕入れられていますもんね。

山谷:日本中からもありますし。それこそ海外からも入れてます。

松岡:海外からもあるんですね、なるほどなぁ。

お互いがさらけ出せてストレスのない、良好な関係

松岡:そこで先ほどのユーザーと近いという距離感をうまく活かしながら「ユーザーは『こんな物が欲しい』って言ってるから『じゃあ燕三条でそれを作れないかな?』」というコミュニケーションで、ものづくりをされているという感じですね。

山谷:ですね。お客さんからフィードバックがあれば、すぐメーカーとか職人さんに言って「こういうところを改良したほうがいいよ」とか「こういうのでクレームあったよ」とか共有します。

松岡:逆にそっちもあるんですね。

山谷:「これで感謝されてるよ」みたいなフィードバックは、すごい多いですね。

松岡:というと、稲垣さんからいただいたお話とも近いかもしれないですね。いわゆる「作り手と売り手の関係性」。「役割分担」というか「売り手が売ってもフィードバックが返ってこなかった部分が、間に媒介者が入ることによって適切なフィードバックが返ってくる」ということによって、作り手の人たちも「次はこんなものが作りたいなぁ」みたいなところにつながっていく。そういった構図は、けっこうありそうな感じはしましたね。

稲垣博章氏(以下、稲垣):そうですね。先ほどの山谷さんのお話を聞いていると両者がWin-Winというか、本当に相乗効果を生み出していて、すごく良好な関係ですよね。お互いがさらけ出せる関係というのは、本当は一番ストレスを感じるところなんですけど。それがないっていうか、いい関係性でもってやれるというのは、本当なかなかないケースだと思うんですよね。

山谷:なかなかないですよね。

木村祥一郎氏(以下、木村):普通、どっちも隠しますもんね。

(一同笑)

松岡:そう、さっきの木村さんの話に戻ってきますよね。

木村:製造側もなんか隠して、勝手に変えられないようにしないといけないし。発売元も「どこで製造してるか隠したいし」みたいな。

松岡:いわゆる「情報の非対称性」をうまく使ってやっていくというのがあった中で、今の山谷さんのお話をうかがっても、やっぱり透明性と「それが何につながっているのか?」という想いの部分がけっこう重要なのかなと思いましたね。

山谷:そうですね。想いと、重要なのは透明性もそうだし、あとはエビデンス。結局、野菜とかも「誰が作ってる」っていうのがけっこうブランドになってたりするので。要は商品も「どこが作ってる」っていうのが、絶対にブランドになるんですよ。そこのエビデンスを洗いざらい見せることによって、お客さんから支持を得られる。

松岡:「正直に」ということですね。

山谷:「正直に」。

“すごく説明がいる商品”がいきなり店頭に並んでも売れない

松岡:そのへんは木村石鹸さんの「12/JU-NI(ジューニ)」のシャンプーも、けっこう気にされて作ってたと思うんですよね。

木村:ただあのシャンプーに関しては、例えば従来のシャンプーを作る時のプロセスとは、やっぱりだいぶ違っていて。

松岡:もともと石鹸メーカーですもんね。

木村:そうですね。別に「シャンプーを作ろう」と思って作ったわけじゃなかったんですよね。例えば普通であれば「石鹸メーカーがシャンプー作るんだったら、石鹸シャンプーを作るだろう」という話なんですよ。

松岡:なるほど。

木村:それがわかりやすいから。

松岡:確かに「石鹸屋さんが作ったシャンプー」ですよね。

木村:だから僕は「石鹸シャンプーを作ったらいいかな?」って思ってたんですけど。ただ、石鹸シャンプーでいいものはまったくできなくて。でも開発者がずっと「本当にいいものってなんだろう?」って突き詰めて作っていったら、石鹸シャンプーでもなんでもないシャンプーだけど、めっちゃいいのができたと。

ただこれは、通常だったらあるような、商品のいろんな語り口がぜんぜんないんですよね。

「植物由来何パーセント」だとか「ノンシリコン」だとか、そういうキャッチーな語り口がまったくない状態でできあがっちゃって、すごく説明がいると。“すごく説明がいる商品”がいきなり店頭に並んでも、売れないじゃないですか。

なので「Makuakeみたいな、説明をきちんとして読んでもらえるところからスタートしよう」と思ってやったんです。

なので、すべてをさらけ出す。「なんの特徴もないですよ」と。ただ本当に、真剣に作って正直にいいと思ってる商品だということを伝えようと思って。その熱だけでMakuakeをやったという感じですね。

松岡:それで500万円も集まりましたもんね……! すごいなと思って。なるほどなぁ。

「日本有数の産地」としての、メリットと課題

松岡:ここからちょっと別軸の観点からお話ししていきたいと思います。「地方ならではの良さ」について、例えば燕三条とかは「産地」と呼ばれるじゃないですか。

日本有数の産地の1つとしてのメリットを感じる部分だったりとか、逆に課題だなって思う部分ってありますか? 

山谷:メリットは燕三条という地域が本当そうなんですけど、企業城下町ではなかったので、みなさん一人ひとりが独立している。ちっちゃい企業だけど独立してて、あんまり「この大企業に頼る」というのがなかった。

松岡:なるほど。

山谷:みなさん、いろいろがんばって独自で技術を磨かれて。それこそ金属から、木工、紙やプラスチックまであるんで。いろんな物を組み合わせたものができるというのが、燕三条の特徴だと思います。

松岡:確かに。いわゆる燕三条の中で一貫したサプライチェーンを組めちゃうということですよね。

山谷:みんながタッグ組めば、本当にいろんなものが作れるというのですね。悪かった点は、それこそ商人に……うちも卸売りなんですけど、卸売りに頼り切ってて、結局は「うちはモノを作るだけ」という会社がすごく多い。

あとは、百貨店さんだとか大きいホームセンターさんとかスーパーだったりとか、そういった商業施設に納めるのが成功だと思っていて。結局、数が売れなきゃと思うこととかそういったところですよね。

松岡:いわゆる売り上げを上げていくというのが……。

山谷:それが「成功の近道」みたいな認識でいたのが、やっぱりまずい点かなぁという。

松岡:なるほど。いわゆる「数作ってなんぼ」みたいな、そういう雰囲気があったという感じ。

山谷:というところが……ありますね。どんぶり勘定のちっちゃい工場とか、すごく多いんで。

「1対n」ではなく「n対n」の考え方

松岡:なるほど。福山のほうはどうですか? デニムでいうと備後地区って呼ばれるところで、けっこう盛んかなと思うんですけど。

稲垣:そうですね。産地としては備中備後というところで、デニムの生地の織物を作ってる産地ではあります。ただやはり産地としてはかなり縮小してまして、今がんばっておられる企業さんというのは、減ってはきてますね。

ただ、私も最近すごく思うんですけど、やはり地元ですよね。その産地の中で「うちはなにができるのか?」っていう。やはりカイハラっていうのは、それなりの規模感の会社にもなってますし、役割ってあると思うんですよね。

先ほどの山谷さんのお話を聞いててすごく思うのが、やはり今まではどちらかというと、自社の事業のことが当然、最優先ではあったんですけど。ですが、産地含めての盛り上がりがないと日本全体のデニムの生産がどんどん下がっていく。

松岡:なるほど。

稲垣:これはカイハラだけの問題じゃないなぁと。だから高齢化の進んでる企業さんも出てきていて。その中で我々がサポートできることはなんなのかな? とか、そういうことを新しく作っていくというか、ちょっと考えていきたいなと思ってますね。

松岡:山谷さんと共通して言えるのは「1対n」じゃなくて、「n対n」の考え方。それこそ木村石鹸さんも参加されている銀座の「The Crafted」で、展示会をやってると思うんですけど。「KAPOK KNOT(カポックノット)」というコートを作ってる会社の深井(喜翔)さんとか、マスク(「We'll(ウィール)」)の藤井(篤彦)さんとかが言ってる話で。

これまでは「一企業がnの多い人たちに売っていく、マスに売っていく」という時代だったと思うんですけど。「n対n」で、複数の会社・複数のステークホルダーが一緒になって、たくさんの人たちに売っていく、この「村」というか「コミュニティ」というか。そういう感覚がけっこうあるのかな? と思ったりしていて。

燕三条では、それが作り手とそもそもサプライチェーンが燕三条の中で完結できるので。そこはn、複数だし。カイハラさんのところは、「自社だけじゃなくてデニム業界をどうやって盛り上げていくの?」というのを、他の会社と一緒に考えないといけないし。みたいなところのイメージが、すごく僕の中ではつながったなぁとうんですけど。

「1社総取り」ではなく「みんなで協力して、良くしていこう」

松岡:木村さんのところだと、実際に「The Crafted」も参加されてみて、「みんなで一緒に売っていく」というあたりはどんな風に思われます? 

木村:そうですね。みんなそれぞれ個性が光る小さいブランドが集まってて。けっこうユニークなブランドって、どうしてもターゲットが絞られる部分もあるじゃないですか。なのでそういうブランドたちが集まって、一緒にプロモーションとかマーケティングしていくのは、すごく今の時代的にはいいんじゃないかなって僕は思ってて。

なんか「1社が総取りする」んじゃなくて「みんなで協力して、みんなで良くしていこう」みたいなことじゃないと、スモールビジネスってなかなか成り立たないんじゃないかと思ってますね。

松岡:今日の冒頭のマクアケ中山(亮太郎)の話でもあったんですけど。ニッチディープというか、ニッチなんだけど深く刺しにいくみたいなのを1社だけでやってると、ニッチだから狭くて大変。それをみんなで共有しあって……。

やっぱり人って、これに重なるところはあるので「みんなで集まって、パイを大きくしていこう」というのが、たぶん今は一番いいんじゃないかなと思っています。簡単な話「『僕が好きなブランドを作ってる人』が好きなブランドって、僕も好きな可能性高いよね」っていう。

木村:スイミーみたいな感じですね。

松岡:そうですよね。たぶん、木村石鹸さんが履かれてるスニーカーもそうですよね。

木村:そうです。これ、大阪の上田誠一郎くんのところの(brightway)。

松岡:そうですよね。

「みんなで作ったものをみんなで売っていこう」という世界観

松岡:最後のトピックとなる「これからの地方企業とは?」というところにつながってきたなぁ、と思ったりするんですけど。

山谷さん。その「n対n」というか「みんなで自分の好きなブランドを売っていこう」みたいなのって、山谷さんが実際にMakuakeをやっていただくお客さんをご紹介いただいて、そのプロモーションも山谷さんからされていたり。山谷さんって“山谷砲”って呼ばれるようなFacebookの力を持ってるんですよ。

山谷:(笑)。

松岡:自発的に拡散してくださって。それによって数字が伸びるというのは、けっこうあるんですけど。そのへんの「みんなで作ったものをみんなで売っていこうよ」という世界観ってどう思われます? 

山谷:そうですね。燕三条は、イベントで工場の祭典があったので。

松岡:「オープンファクトリー」ですね。

山谷:みんなで4日間は全部開けようという。それが100社ぐらい集まってやってたりとか。そうすることによって、みんな仲良くなって、それこそ横のつながりがすごくできてくるので。

そういったかたちで本当にみんなが「なんかイベントをやる」「じゃあ手伝う」とか「じゃあキッチンカー出す」とか、みんなそんな感じで相互補完しあいながら今やってるというのが、燕三条の地域なんで。

それこそ本当、みんな1人ではすごいちっちゃいんですけど「4社5社固まれば、すごく大きな発信力がある」みたいなかたちで、今はやってるので。それを含めて「他のところがMakuakeやるんだったら、それを紹介するか」というかたちで手伝ってますね。

松岡:なるほど。本当に山谷さんはそれを体現されているな、とすごく思っていて。

山谷:「やったら成功した」というだけのことで(笑)。

松岡:いやいや。すごいなぁと思うんです。

これから大事になる“川上から川中”の発信

松岡:デニム協会とかアパレルというのは、そのへんってどうですかね? コロナで、けっこうアパレル業界ってしんどくなった部分かなぁと思ってはいるんですけど。

そのへんの「これからのデニム業界もしくはアパレル業界」って、稲垣さん的にはどう見られてます? 

稲垣:そうですね。やはり「大量消費の世の中」というのは、やっぱり変わっていくんじゃないかなと思っています。やはり価値観があるものが残っていく。着たいもの・欲しいもの。ベースにあるのは当然、かっこいいものであったりとか、着心地がいいものというのが非常に大事で。

ただその中に、やはり持続可能なサスティナブルの要素をどう盛り込んでいくか? 特にファッション業界というのは(過剰な在庫が)処分されたりとか、弊社の中でも染色したりする時に水を大量に使ったり薬品を使ったりしていて、世の中でも一番取り上げられる業界ではありますよね。

そのあたりをうまく融合させていくことが、これからは大事なのかなと。だから「サスティナブルありきのものづくり」になっちゃうと、また違った方向にいくと思うので。

どういったものが、消費者のみなさん含めていいのか。そういったことが大前提にありながら、我々の中でできるエコな活動・サスティナブルな活動をする。こういうことを続けていって、本当に喜んでもらえる商品をお届けしていくところが、今後の当社の使命でもありますし。一番この業界にとっても大事なところなのかなと思います。

松岡:なるほど。やっぱりアパレルは「縦割りの分業」ってよく言われますけど。「自分はここに特化して、これだけをやる」というのが業界全体にあって。「“川下”にいる最終商品を売る人がマネージして流していく」みたいな構図が、けっこう強くあるかなと思いますが、これって今でもありますよね? 

稲垣:強いですね。強いですけど、やはり我々みたいな“川上から川中”の発信というのが、これからはやはり大事かなと思いますね。だから弊社が今回、Makuakeのプロジェクトをやって川下のことが少し体現できた、というのは非常にいいケースだったかなぁと思います。

地方にあるほうが輝きやすい

松岡:なるほど。ありがとうございます。すごく盛り上がって、気づいたらあと3分というところになってました(笑)。本日の話としては共通項がたくさんあったかなと思っていて。

やっぱり“川上・川中・川下”といわれるこの縦割りの部分を「みんなで一緒に」じゃないですけど、近づいている。消費者ももうちょっと近づいて、みんなでものづくりをしていくと、そもそも無駄なものってそんなに作らなくていい。消費者が欲しいものが作れるから、そこをつないでいく存在として僕たちマクアケもありたいなと、お話をうかがってすごく思いました。

では最後にお一言ずつコメントをいただければなと思っております。順番を逆にして、山谷さんからコメントいただけすか? 

山谷:どんなコメントがいい?(笑)。

松岡:締めの言葉で「これからこんなことをやっていって、こんなふうに地方を盛り上げていけたらいいな」とか「こんな挑戦を考えています」みたいなポイントで。今回のイベントの特殊な部分として、お金を出していただいているサポーターのみなさまもけっこう聞いていただいているので。そのあたりも絡めながらお話しいただけるとありがたいなと思っています。

山谷:そうですね。将来的にやりたいことは、燕三条に人をもっと呼びたい。そのためにどうするのがいいか? といったら、今も燕三条の商品を売ってるんですけれども、工場の祭典は1年間に4日間しかできないので、その他の361日をどうしようか? ということで。うちがツアー会社を作って、うちの商品を作ってもらってる工場さんをオープンするようなかたちで、そこを回ってもらう。その商品を、逆にうちのお店で買ってもらうということをやりたいな、というのはずーっと考えてますね。

コロナで来られる方はまだ限られてますけれども、来年・再来年以降にそういったかたちのツアーができるような会社を作って、実現させていきたいなというのが今後の目標ですね。

木村:めちゃくちゃいいです。

松岡:なるほど。それもやっぱり、この「買ってもらった人に、さらに作り手と近づいてもらう」というところの1つでもありますよね。

山谷:というのもありますね。はい。

松岡:ありがとうございます。では木村さんお願いしてもよろしいでしょうか。

木村:「地方の挑戦者がアツい」というタイトルがあったんでそのあたりについて。僕らは大阪なんで「地方」というわけでもないかもしれないですけど「地方ってなにもない」みたいな、デメリットのほうが強調されることも多いですけど、なんか「地方にあるほうが輝きやすいかなぁ」と思っているんですよね。都心にあったら、競争が大変じゃないですか。

地方の魅力とか地域の魅力とかをうまく活用したほうが、魅力を引き出せるんじゃないかなと思ってて。これは強みになると思って、僕ら自身も取り組んでいきたいなと思っています。

松岡:なるほど。「(地方にメリットは)あるよ」ということですよね。「ないものねだりじゃなくてあるから、しっかりそれを見つめてやっていこう」ということですね。

木村:ないことが、逆にメリットになるんじゃないかと。

松岡:なるほど、ありがとうございます。最後は稲垣さん、締めていただいてもいいでしょうか。

稲垣:やはり弊社は、ブランドを通してやっていくというのが当然、軸ではあります。その期待に応えていくような企業になっていくために、やっぱりハイブランドの世界観というのは大事にしていきたい。

ただ一方、やはり地方ですね。地元の人たち。特に我々は工場の運営を広島県の山間部でしております。だから地元の人たちに愛される会社じゃないといけないですよね。やはり「カイハラさんがいるから」と言ってもらえるような、その両輪をしっかり回していける会社を、これからも目指してやっていきたいなと思っています。

松岡:ありがとうございます。地方はやっぱりコミュニティにはしやすいですよね。「福山発」とかってなると親近感がすごく湧いてくるんで。そのへんをうまく活かしながら、グローバルにもってことですね。

稲垣:そうですね。身近なカイハラでもありたいし、ファッショナブルな世界にいくと「ちょっと遠い世界にいってる」というふうに、どうしても見られがちになっちゃうんですよね。これってやっぱりバランスが、非常に大事かなと。「業界の中でのカイハラ」と、やはり「地方・広島県のカイハラ」。この両方の立ち位置は絶対忘れちゃいけないし、これからますます大事なのかなと思いますね。

松岡:ありがとうございます。あっという間に1時間経ってしまって、盛り上がってちょっとオーバーしてるんですが。ここまでで本セッションは終わらせていただければと思います。ご視聴いただいたみなさま、ありがとうございました。

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