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『企画 「いい企画」なんて存在しない』刊行記念 高瀬敦也 × 國友尚 × 小早川幸一郎トークイベント 「オリジナリティ/独自性のある企画のつくり方」(全5記事)

「『新しい企画』に囚われているから胃が痛くなる」 人気番組『逃走中』立案者が語る、企画の「パターン」活用法

代官山蔦屋書店にて、『企画「いい企画」なんて存在しない』刊行記念イベントが開催されました。本セッションでは、TV番組「逃走中」などのコンテンツプロデューサーである著者・高瀬敦也氏と、「Yahoo!知恵袋」仕掛け人のアソビジョン國友尚氏、クロスメディア・パブリッシング小早川幸一郎氏という、企画人生を歩む3名によるクロストークの模様をお届けします。本記事では、「1人の企画とチームの企画の違い」や「コンスタントに一定のレベルのネタ・企画を量産するコツ」、「思いの乗っている企画とそうでない企画の差」など、視聴者からの質問に回答しました。

横串で部門を統括するという役目で得た「新たな学び」

小早川幸一郎氏(以下、小早川):ちょっと話をキャリアのところに戻して、(國友さんは)ヤフーで働かれてから、今度KDDIにいかれたんですよね。

國友尚氏(以下、國友):そうですね。KDDIは、全社CX責任者という立場で入らせてもらいました。CXってカスタマーエクスペリエンスの略なんですけれども、KDDIのインターネットの部門も、メディアも、コールセンターもauショップもそうなんですけど、「リアルにお客さまとつながる接点」を、すべて品質管理していく立場で入りました。

それこそ、テレビの世界であったりインターネットのヤフーの世界でそれなりの実績があったとしても、KDDIでは各部門の部門長を、横串で、横断的な活動を期待される立場だったので。共に仕事をする部門長の方々も全員10歳から15歳上の先輩方なんですよ。それを横断して統括するということで、またこれも違う「新しい学び」を得たというところはありますかね。

小早川:事前にいただいた視聴者の方からのご質問で、「自分1人で企画する場合と、チームで企画する場合との思考法での違いはありますか」という質問がありました。まさに横串ということは、チームで一体感を持ってやらないといけないと思うんです。高瀬さんにもお聞きしたいんですけど、なにか1人の企画とチームの企画の違いってありますかね。まず國友さんから。

それぞれの部門がやっている「レシピ」を、「コース料理」に見立てた

國友:僕はKDDIもそうですし、ヤフーの世界に入った時もそうなんですけれども、圧倒的にその領域の知識がない状態で入ってるんですよ。通信キャリアと言っても、auショップみたいなリアル店舗の運営はやったことがないし、コールセンターと言っても、コールセンターの存在は知ってるけれども、受け答えはしたこともない。

「その道のど素人が入っていってる」というのは、自分でも自覚していました。いろんな部門があって、横断的なチームとしてなかなか意識が育っていないのもわかってます。

とはいえ、まずはそれぞれのその道のプロがどんな知識・どんな経験を持っているのか、今どんな物事に取り組んでいるか、まず猛烈にシャワーのように情報を浴びるんですよ。

例えばauショップで販売促進している人からすると、「いや、インターネットのやつらはぜんぜんわかってない」と。「俺らが営業の利益を積み増してるんだ」みたいなプライドを持ってたりするんです。組織上はついつい敵対構造になるものの、その大上段の、抽象度を高めた目的とかの話をよく聞けば聞くほど、「KDDIが大好きだ」とか、「KDDIをもっとよくしていきたい」とか、「今のままではだめだから改革したい」という思いを持ってるんですよ。

それぞれの部門がやっている、次に向けてのアプローチが違うだけなんですよね。これをまさにレシピで言うと、6個の大きな部門があったら、6通りのレシピが用意されている状態なんです。でも最後はなんかきっと同じようなものができるはずだなと感じるものの、結果6種類の料理ができあがってくるだけなんで、実はバラバラになる可能性があると。

なので、これを1つのコース料理として見立てて、それを私が今度はデザインする側になって、それぞれの個性を活かして、場合によっては嫌い合っていた部門の人同士の間に入ることによって、どうやって「一緒にやろう」と言わせるかとか、融合させるかというところ。素人でわからないからこそ、そこをプロデュースできるという価値で仕事をさせていただくことが多いですね。

社員の思いと社会の思いを融合させた「みんながみんな英雄」

小早川:プロデュースとか編集に近い感じですね。

國友:そうですね。

小早川:人がいっぱいいると必要ですよね。そうですか。

國友:新聞で言うと、1面になにを持ってくるか。6部門もあるので、単純に1面をきれいに6分割して発表しても、世間の人からすると何を言ってるかわからない状態なので。それらを1つに束ねるワンワードって何だろうって考えるんです。

例えばですけれども、KDDIの場合だと「フィロソフィ」というのがあるんですよ。稲盛和夫さんの経営哲学で、JALとか京セラとかもそうですけど。

小早川:よく見る。

國友:わかりやすいワードで、例えば「一人ひとりがKDDI」とか、「一人ひとりがJAL」とか。それが実はフィロソフィの第1章にあるんですね。社員は全員知っているんですけれども、とはいえ社会に対してのメッセージとしては何の価値も生まない言葉なんですよ。

KDDIの社員じゃない人が「一人ひとりがKDDIだ」って言われても、なんもおもしろみがないし。それを言われても「?」みたいになるんですけれども。なので三太郎のCMみたいに、KDDIの社員の思いと社会の思いをどうやって融合させるか、キャッチコピーで世間にどうやって理解してもらうかというところですね。

「一人ひとり」を「みんながみんな」って言葉に変えて、KDDIというのを“英雄”で。ダジャレですよね。auと三太郎の“英雄”に換えて、「みんながみんな英雄」というメッセージを社会に出したら、「一人ひとり、自分が英雄になれる可能性があるんだ」ということを感じさせるワンワードで、社員だけじゃなくて社会を巻き込んだムーブメントを一気に作れるコピーになる。

まったくの真新しいものじゃなくて、KDDIの思い・それぞれの社員の思いを組み込んだメッセージを作るところは、すごく大切にしてましたね。

企画は「1人」で考えて「チーム」でやりきるもの

小早川:なるほどね。ありがとうございます。高瀬さんの本の中では「巻き込み力」ってありましたけど、やっぱり1人と大勢でといったら、「巻き込み力」が大事なんですか?

高瀬敦也氏(以下、高瀬):まずその2択じゃないというか。そもそも企画は1人でするものというか、発意は1人でするものだけど、最終的にはチームじゃないと成り立たないのが企画ですかね。

小早川:なるほどね。順序というか。

高瀬:順序の問題かなと思います。だから「チームで企画を立案する場合の思考法」という意味で言うと、そもそもチームで企画する前に、企画者が1人いる状態のほうが理想的です。

最初から複数人でなにか企画考えようぜでやっていくと、ちょっと難しいです。よっぽど強烈なリーダーシップを執る人がいれば別ですけど、一般的にはやっぱり遠慮もあるし、お互いに気を使ったりもするし、推進力としては弱くなるし、極論「誰の企画なんだっけ」という責任の所在の曖昧さにもつながるので、そこは順序の問題ですね。

1人で考えた企画とチームで考えた企画のどちらのほうがクオリティの高い企画になるのかと言われれば、強いて言えば1人ですけど、1人でやりきるにはけっこうなエネルギーが必要だから、けっこう難しい作業ではありますね。

小早川:なるほどね。國友さん、今の高瀬さんのお話で何かございますか? 

國友:そうですよね。僕がもう1つ付け加えるとすると、配役というか、「このタイミングでこの人に動いてほしい」っていう順番があると思っていて。

例えば巻き込んだ時に、一気にみんなやる気満々な状態になって、すぐに一歩を踏み出そうとしちゃうんですけども。「いや、お前はまだ出番じゃないぞ」という人たちってやっぱりいるんです。

なので、チームの中でも一気に全体で突き進むだけじゃなくって、いったん後方で待機をしておいて、いざという勝負どころで出てくれとか、ここでこのような活躍をしてもらいたいみたいな。適切なタイミングがあるなというのを聞いていて感じましたね。

コンスタントに一定のレベルのネタ・企画を量産するコツ

小早川:ありがとうございます。質問がたくさん来ているので、お2人の企画人生に照らし合わせながらQ&Aにも答えていきたいなと思います。

まず「コンスタントに一定のレベルのネタ・企画を量産するコツ、心構えなどございましたら、ぜひご教授いただけないでしょうか」という質問です。質問者の方は、7月からメーカーのEC部門に配属された方で、元は開発部門に所属していたということなんですけど。教授、いかがでしょうか? 

國友:これは僕、テレビの時の経験がすごく参考になるのかなと思って、ちょっとお伝えできればと思うんだけども。まずこの質問者さんは、初めてのEC部門でいきなり特集を作れと言われても、まぁ作れないと思うんですよ。

その時になにをやるかというと、この質問者さんが世の中のEC特集ページをいろいろ見まくると。画面も含めてキャプチャを撮りまくって、自分が好きだと思うもの、これはいい特集ページだなって思うもの、まず100個見ること。

僕がテレビの時にやったのは、コントであったり漫才であったり、過去の偉人たちのコントを実は全部書き起こしていたんですよ。書き起こしした上で、まさに主語と述語を変えるとか、主語の部分を今の旬なネタにすると、新しいものに見えるんです。

まずは自分が「良い」と思うものとは何かを捉えて、それを自社の製品とかサービスに当て込んだらどう変わるか。そのためにまずは集めるところが、すごく大切なポイントかなと思います。

つらいのは「新しい企画」という考え方に囚われているから

小早川:そうですね。高瀬さんも「やっぱり量が大事」って常に言われていますし、パッと思いつきで企画しているようでも、実は自分でストックをたくさん持ってるんだって言われてますけど、高瀬さんはこの質問に対していかがでしょうかね? 

高瀬:本当に國友さんがおっしゃるとおりです。そもそも、なにか新しい企画を考えようとする必要がないなぁと思っているので。その考え方に囚われているから、ちょっと胃が痛いんじゃないかなぁと思いますね。

ECサイトの特集ページ案で言えば、國友さんがおっしゃったようにパターンが限られているはずなので、そのパターンがなんなのかをまず網羅的に知ることがすごく大事かなぁと思いますね。

小早川:企画が出ないことに胃が痛いんじゃなくて、企画を考えるパターンという「型」を見つけ出せていないことに胃が痛いのかもしれないですよね。

高瀬:そうですね。まずはそれについてのインプットを増やしてみたほうがいいかもしれないですね。

小早川:なるほどね。

國友:おそらくメーカーのEC部門って、どの会社もめっちゃ悩まれてるんですよ。なぜなら他のプラットフォームが強くて、そこでの売上がすごくあったりするので。だから自社のECってどこも悩まれてると思うんですけれど。

そんな中でも、まず「何か新しいことを出す」というよりも、外部のECのすばらしい特集があれば、それをまとめて分析してレポートにするだけでも、このECの部門にとってはすごく価値がある企画書になるんです。

「100あるサイトをこの短期間で分析しました。自分にはこういうふうに見えます」というのを、例えばECの他のメンバーであったり上司であったり、場合によっては経営者に対して見せることで、「じゃあうちは方針としてこの方向性でいこうか」みたいな、次の道が見えてくると思うので。

数を増やすには「よくある手法」×「狭いジャンル」

國友:まさに入ったばかりだからこそ、EC部門の悪いところもいいところも含めて、いろんなところに気づかれてると思うので。初めて身を置いたからこそ物申すことができるとか、分析してこんな提案ができるという、「フレッシュであること」も活かしてもらえるといいなと思いますね。

小早川:なるほどね。じゃあテクニックである程度解決するような質問かもしれないですね。

國友:はい、そうですね。

高瀬:本にも書いていますけれども、例えばランキングとか、当たり前によくある手法を狭いジャンルごとに当てて全部に横展開していくと、数が増えるんです。

例えば商品だったりターゲットだったり環境だったりで細分化していって、全部ランキングの特集にしていけば、永遠にできるじゃないですか。システムは普遍的にして、ターゲットとか相手とか商品とかで細かく切っていくと数は出せますよというのは1つありますかね。

小早川:なるほどね。

國友:あとまさに初めて配属されているのにすでにネタが枯渇しそうで怖いですってなってますけどメーカーで言うと、なにかしらの周期で発表であったり新製品が出たりがあると思います。例えば1年前の9月の季節だと秋の行楽シーズンで、どんな特集が組まれていたのかとか、自社だけじゃなくて過去の1年前の他社の事例も調べてみると、実はもうネタは枯渇しないぐらい貯まっているはずなんです。

ECが始まって20年ぐらいで世間に普及して、いまだにそのECサイトというものが続いているということは、ネタはどこかしらにあるということなんです。めちゃくちゃ新しいネタでなくても、季節ごとの定番のネタって必ずあるので、そういったところを捉えられるといいなと感じます。

「思いがこもっていない企画」はなぜバレるのか?

小早川:なるほど。ありがとうございます。次の質問にいっちゃいたいと思うんですけど、これはお2人が同じ回答になるのか違う回答になるのか、すごく興味深いですね。

「思いがこもってる企画と思いがこもってない企画はなんでバレてしまうのでしょうか」。これ、高瀬さんどうですか? 私も今朝の編集会議の話で言うと、やっぱり担当者が思い入ってる、入ってないはわかりますよね。

高瀬:顔? 

小早川:顔ね。顔とか声の大きさとか。

高瀬:バレるかなぁ? どっちかと言うと、「バレるバレない」なのかなぁとも思ってるんですけど。バレるかなぁ……? 

國友:たぶん質問者さんはバレた経験があるのかもしれないですね。私はそこで言うと、これ「日本人は下手だな」って思うところがあって。主語が誰かわかんない表現で話す人が多いんですよ。「私はこう思います」と言えば良いのに、誰がどう思ってるのかわかんないような言い回しにすることがあるじゃないですか。

例えば組織でよくあるようなことだと、「○○の部門ではこう言ってます」とか「世の中のトレンドではこうです」とか。「いや、トレンドはいいけども、あなたはどうなの?」って。私や僕が主語になっていない表現をすると、思いがこもってないって思われることが多々あると思うんです。

主語が「私」じゃない企画

國友:これは表現の方法、コミュニケーションの仕方ですね。やっぱり日本のプレゼンテーションを見てると主語が自分になってない人が思っている以上に多いですね。主語がどこにあるのか。ページごとでも主語が変わるんです。ある時はトレンドのことを言って、次はこの部門のこの事情でみたいなことを言っているという。

高瀬:それにも付随することなんですけど、主語が「I」で「私」がついていると、責任の所在が私になるじゃないですか。たぶん出資者なり上司なりクライアントだったりすると、「それがだめだった時、お前はどういうつもりで責任取るんだ」と問いたいわけじゃないですか。問えない立場だったとしても。

だから「責任の主体が私なんです」ということが、思いがこもってないとつい逃げ気味になっているから言えないのかもしれないですね。今考えながら、思ったことですけど。

小早川:なるほどね。おもしろいですね。主語が「私」だと、そういう責任を持ってやっていることがわかりますよね。

國友:そうですね。私も大企業で働いていた経験がありますけれども、日本の会社で責任を問われることってほぼほぼないですよね。なにか企画をミスったからとか、すごい大きな損失を出したとかがあっても、よほどの不祥事じゃない限りはクビになることはないと思います。

多くの場合、「次のチャレンジができる人だ」って思われることって今はすごく価値のあることだと思うので。企画できる人、ある程度の形にまで持っていける人は、今すごく価値がありますよね。責任を取るよりかは、失敗した時にまた次のチャレンジを続けられるような、ちゃんと改善したりまた違う切り口を考えたりして新しい企画を持っていけるようなところが、すごく大切なポイントかなと思います。

高瀬:たぶん「私」という主語をつけない人って、「失敗したら次のチャンスがないんじゃないか」と思うからだと思うんですけれども。失敗した時の不明なリスクを最初から回避しようとしてるからだと思うんです。

今國友さんが言ったとおり、今はもうもはや逆ですよね。失敗してもいいから自分の責任で企画を通して、企画を推進したという経験のほうが、よっぽど次の企画を任せる信頼につながる時代になったし、そう評価されるような環境なんじゃないかなと思いますけど。

「パターンで作る企画」に自分の思いをのせるには?

小早川:なるほどね。この流れでまた質問がありまして。「パターンで企画を作るとあまり思いがない企画になるのですが、どうすればよいでしょうか」と。

先ほどの方の質問の「一定レベルのネタを出す」ことともつながっているかもしれないですけど、どうですかね? パターンで作る……。それは手法なだけで、思いは別なような気がしますけどね。

高瀬:おっしゃるとおりだと思いますけど。別のところに思いは乗せられるかなぁという気もしますね。相手なのか、それに関わってる人なのか。あと、極論、思いはあったほうがいいとは思うんですけど、日常的には、別になくてもいいかなという気もしますけど。

小早川:なるほどね。

國友:なんかこの質問のメッセージ、ちょっと読み解き方が変わると、たぶんこの方は自分の中で「思いがある企画」が別であるんでしょうね。その思いが、今のパターンのフレームに乗っかりきれないと感じているんだとしたら、あれですよね。

日本の武道で「守破離」ってあるじゃないですか。まずは型を守るというところから。そこでは思いが乗り切らないぞってなってるので、次はそれを1回破ると。まずそのパターンを破って、最終的な自分の型とか自分なりのセオリーを作れるといいなぁと感じましたね。

自分の思いと、いわゆるパターンとかフレームの活用。社会とのいい接続ポイントってどこか。私も、テレビの時の初期の頃は、ほぼすべて没ネタだったんですけれども。ある時、「社会が求めているポイントってここか!」って感じる瞬間があったんですよ。その感じた瞬間があった時に、そこからは自分なりの思いをのせたパターンを作っていくことができました。

やっぱり視点が変わったタイミングがあるので、まさにこの質問をしていただいた方は、パターンからいったん離れて、自分なりのオリジナリティのあるパターンを作るという一歩を踏み出すタイミングなんじゃないかなぁと思いますね。

小早川:なるほどね。

大企業にありがちな、なぜやり続けているかわからない企画のパターン

高瀬:加えて言うと、状況がわからないので正しいか適してるかどうかわかんないですけど、「思い」って時間に比例する部分もあるじゃないですか。パターンで企画を作っているけど、それを繰り返していくうちに自分の愛情や情が乗ってくることはよくあるんですけどね。「めんどくせえな、これ」と思っても、やってるうちに思いが積み重ねられることはよくありますね。

國友:そうですね。それで言うとテレビって、24時間の枠を取る競争が各番組プロデューサーの中でも行われてるじゃないですか。新陳代謝が早いと思うんです。

大企業では「なんでこれをやり続けてるんだろう?」みたいな、代々受け継がれてる仕事のパターンがあって。自分の代でも、誰の思いが載ってるパターンかわかんないパターンってやっぱりあると思うんですよね。

よくよく確認してみると、「俺らなんのためにこのパターンを守り続けてるんだろう」ということがあって。周囲の人たちにもヒアリングをして、「このパターン、ぶっちゃけやり続けたい? それともやっぱりちょっと違和感感じる?」と聞くと、多くの人が違和感を覚えていたりするんです。

そこはまさにパターン化された仕事に風穴を開けるような、破るようなタイミングでもあるかなと思いますね。周囲の方に聞いていただいて、このパターンで自分たちの思いって本当に乗るんだっけって確認して。周りの人も「いや、確かにこれ、なんでやってんだろうね?」みたいな感じになったら、チームとして新しいパターンを作る。1人で作るだけじゃなくて、みんなで作るという新しい型ができあがるかもしれないですね。

大企業だと、確かにこういうのよく見てきたなっていうのがあったので、もし参考になればと思って発言をさせていただきました。

小早川:この質問は企画の本を読んだ方がこの質問をされてるのか、まだ読んでない方がされてるのかでも、内容がちょっと違うかもしれないですよね。この本の中に、けっこう質問をいただいてることを解決できるテクニックとか心構えは書いてると思います。

高瀬:確かに、参考になることもあるかもしれないですね。

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