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「働きがい改革」のリアル~専門家と実践者が語る働きがい向上への道~(全5記事)

責任と権限のアンバランスが減少させる、我々の“やりがい” 専門家&実践者と考える「働きがい改革」のリアル

働き方や働く人の価値観が大きく変動する現代において、組織には「働きやすさ」だけでなく「働きがい」をいかに高めるか? が求められています。しかし「働きがい向上」に関する課題は企業ごとに千差万別で、「自社にあった『働きがい向上』をどう実現していくか?」について試行錯誤を繰り返している企業も少なくありません。そこで、働きがいの専門家であるGreat Place to Work® Institute Japan 代表 荒川陽子氏と、組織づくりの実践者であるサントリーパブリシティサービス 清水雅理氏が登壇されたウェビナーの模様を公開します。

専門家&実践者と考える「働きがい改革」のリアル

斉藤知明氏(以下、斉藤):みなさん、おはようございます。Uniposの斉藤です。本日は「働きがい改革のリアル」と題して、3人でお話ししていきます。

プログラムはこちらです。まずは「働きがいってなんだろうか?」「どうしたら上がるの、下がるの?」について、参加者のみなさんで考える時間を設けさせていただき、その後「働きがい改革ってなんだろう?」という「働きがい改革の現在地」についてお話しいただいてから、ディスカッションに入っていきます。

改めまして、Fringe81株式会社で執行役員CPOの斉藤です。在学中にスタートアップを起業したり、今の会社に第2新卒で入って子会社としてUniposを立ち上げたり。その後に今の会社の役員に就任しました。

自身もチーム作りをさせていただいた経験と、Uniposを通してさまざまな日本企業のみなさまをご支援させていただいた経験から、今日はいろんな実践者・有識者のみなさまのファシリテートをさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

それでは、本日ご一緒させていただくお二方です。まず、お一人目はGreat Place to Work® Institute Japan代表の荒川陽子さんです。よろしくお願いします。

荒川陽子氏(以下、荒川):よろしくお願いします。みなさま、おはようございます。Great Place to Work®の荒川でございます。リクルートグループに、人材の研修やSPI適性検査などをやっているリクルートマネジメントソリューションズという会社があります。

荒川:そちらに新卒で入り、営業としてキャリアを重ねていたのですが、2019年からリクルートマネジメントソリューションズのグループ会社にあたるGPTWに出向し、今は代表をやっています。

ずっと営業職として「人」や「組織」にこだわって、自分の中で極めたいテーマを突き詰めていったり、産休・育休を取る間に自分のキャリアについて考えたりしてきました。「『働きがい』を私の生業にしたい・突き詰めたい」ということで手を挙げて、GPTWで代表をやらせていただいます。今日は、よろしくお願いいたします。

斉藤:あらためて、よろしくお願いします。

そしてお二人目が、サントリーパブリシティサービス株式会社 PRコミュニケーション第2事業 人づくり課長の清水雅理さんです。よろしくお願いします。

清水雅理氏(以下、清水):よろしくお願いいたします。みなさま、おはようございます。サントリーパブリシティサービス株式会社のPRコミュニケーション第2事業 人づくりで課長をしております、清水雅理と申します。

清水:本日は実践者の立場で参加をさせていただいておりますが、「『働きがい』を向上・実践させていく」というのは、非常に難しい問題だと捉えております。私自身、過去も今も試行錯誤と工夫を重ねている毎日ですので、そういった観点から今日はいろいろとご紹介できればと思っております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

斉藤:よろしくお願いします。今日は3人なので、盛りだくさんでお送りしていきたいと思います。

「働きがい」が減少するのはどんな時?

斉藤:では「働きがい」について、参加者全員で考えるコーナーから入っていきます。みなさん、「働きがい」ってどうでしょうか? この数年で、耳にする機会が明確に増えましたよね。

斉藤:ただ、まだまだ定義がしっかりしたワードになりきれてなかったりして「これって『働きがい』なんだろうか?」と悩まれる方も多いんじゃないかなと思います。また、もしかしたら僕自身も、はっきりと理解しきれていないかもしれません。

ですので、2つの問いを通して「働きがい」について考えていきたいと思います。まず1つ目の問い。みなさまの会社や身の回りで、どんな時に「『働きがい』が減少する」と思われますか?

斉藤:続々とコメントいただいてますね。「認知されていないと感じる時」、見られてない、認められてない。「仕事の先にある勝景が薄れる時」、何につながるかが見えなくなって“目の前の仕事”になっちゃってる時って、確かに働きがいが薄れるかもしれないですね。

「フィードバックがない時」「内向きの仕事ばかりの時」。「権限と責任のバランスが悪い時」、責任は重いけど何も権限ないから動けないみたいなことって、往々にしてありますよね。「心理的安全性が感じられない」「仕事をやってもフィードバックがない」。

「自分のやったことが誰の何のためになってるかわからない」、これは仕事のやりがい、働きがいが削がれるんじゃないかなと。「給料ダウン」、それもそうですよね(笑)。自分の価値が下がったんじゃないかなって思っちゃいますもんね。「決めつけを感じた時」。ありがとうございます。

荒川さん、清水さん、気になるとことはありますか?

荒川:そうですね、「社長の一存ですべてが決まる」というコメントが目についてしまいました(笑)。そうですよね。やっぱり自分に責任と権限がないと、仕事って楽しくないですよね。

斉藤:荒川さん、これは僕らが耳が痛いやつですかね(笑)。

荒川:そうです(笑)。

斉藤:清水さん、ありますか?

清水:「『給料泥棒』と言われた時」とありますね。、すごくドキッとしました。

斉藤:(コメント投稿者が)言われた時があるんですね、大変だ。

清水:「意味が見出だせない時」というコメントも。そうですよね(わかります)。

斉藤:「意味」というワードがけっこう出てるように感じますね。「代わりは他にいると感じる時」、これもすごく(わかります)。

ありがとうございます。やっぱり「働きがい」の感覚1つとっても、みなさんが感じられることはさまざまなんだな、ということがわかりました。

やりがいが高まると感じられるのは、どんなタイミング?

斉藤:では今後は、逆の質問です。「どのような時に『働きがい』が高まりますか?」「やりがいが高まると感じられるのは、どんなタイミングでしょうか?」。

徐々にコメントいただいてますね。「貢献意欲が生み出された時」。「自分の存在価値が認知されていると実感した時」、他の人でもいいんじゃないかと思った、というのと逆ですよね。

「お客さまから『ありがとう』と言われた時」「自分の仕事が世のためになってると実感した」「役に立ってると感じた」。

「プライベートが充実してる時は働くのも楽しいですよね」、これもまさに要素の1つですよね。お2人はいかがでしょうか。

荒川:「意味づけができる」というコメントがありましたけど、そうですよね。やっぱりいろんなお客さまとお話ししていると、顧客からの感謝に「働きがい」を感じる方は非常に多いです。これはやはり一番コアな部分だと思います。

それを通じて「自分の仕事に価値があると感じられる・意味づけがされる」ということだと思っています。そういう時にすごく「働きがい」を感じると、私も思いますね。

斉藤:まさにですよね。チームや生産ライン自体が複雑になってくればくるほど、顧客の声って感じづらくなりますもんね。

荒川:そうですね、本当に。

斉藤:「みんなが同じ方向を向いて働いているなと感じる時」「自分がやるべきと思ったことを認められて、やらせてもらえた時」。「まったく感じる機会がないんで独立します」っていう声もありますね(笑)。

これもいいですね。「社員がいい会社になったと感じてくれた時」っていうのは、これはもう本当に、組織を作る側からすると冥利に尽きますよね。

ありがとうございます。まずは2つの問いを通して「『働きがい』ってなんなんだろう?」について考えるきっかけを、みなさんと分かち合えたかなと思います。「他者との関係性」や「顧客との関係性」という観点もあれば、プライベートの関係性や自分自身のことなど、さまざまな観点があったかなと思います。

今日はその専門家と実践者の観点から「働きがい」の向上について、どうしていくことができるのか? そもそも「働きがい」ってなんなのか? についても読み解いていければと思います。

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