2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
リンクをコピー
記事をブックマーク
司会者:さて今、YouTubeを始めてちょうど10年目ですね。社会人になって……。
葉一氏(以下、葉一):36歳なので、社会人は14年目くらいですかね(笑)。
司会者:ふり返ってみて、ご自身の中で大きく変わったことなど、何かありますか?
葉一:そうですね。さっきと被っちゃうんですけど、やはり一番思うのは、「自己肯定感」ですね。特にYouTubeはフリーで活動しているので、「自分がたどってきた道が間違っていなかったんだ」という証明を続けているイメージなんですよね。
そのためには自己肯定感が必要です。自分の発言やアクションに、責任が伴うと思うんですよね。そういったものも、胸を張って「これをやっていますよ」と言えるようになったのは、大きく変わったと思います。
YouTubeを始めた頃は、たぶんどこかで「人と違うことをしている」と、負い目のような気持ちがあったんです。今は胸を張って言えるので、そこは大きく変わったかなと思いますね。
司会者:それがまた今の原動力にもなっている。
葉一:なっていますね。今よりたぶん5年後にはもっともっと自己肯定ができるようになっていて、また自己肯定ができる大人が発信することによって、感化される子どもたちもいると思っていて。子どもたちに届けられるエネルギーも、きっと5年後にはもっと増えているはずと思って、ワクワクしながら毎日過ごしていますね。
司会者:そうですね。子どもたちに「続ける」ことを見せていくってすごく大切ですよね。
葉一:そう思っていますね。自分の姿が1つの教材になったらいいなと思っていて、それを励みにやっています。
司会者:小学校3年生だと10歳くらいでしたか?
葉一:9歳ぐらいですね。
司会者:ということは、その子たちが生まれた時から葉一さんはYouTubeでの授業をやっているんですよね。
葉一:そうなんです。あの頃生まれた子はもう9歳なんですよね。いやぁ、怖いですよね、本当に(笑)。
司会者:「生まれた時からやっている先生だ」というのは、それだけで説得力がありますよね。
葉一:継続することって、なんだかんだで一番難しいと思っています。「継続したらこう変わるんだよ」という、1つの成功例というかモデルとして、子どもたちに見せていきたいなと思いますね。
司会者:わかりました。ありがとうございます。さて、今、いろんな方がユーチューバーと呼ばれて成功されています。また、それを目指して一生懸命がんばっている方もいる。そしてさらに今、小学生が将来なりたい職業としてユーチューバーを挙げている。これは、昔と大きく違うところだと思うんです。
葉一:そうですね。
司会者:こういうYouTubeを使ったお仕事で、今一番気をつけているのはどんなところでしょうか?
葉一:いろいろありますが、子どもに見せる「教育」という分野なので、発言する言葉や内容について、「どう受け取られるか」ということには気を付けています。
例えば友だち同士の会話でもそうですが、発信した側と受け取った側があるじゃないですか。やはり受け取った側に解釈の自由があると思っています。こちらがどんなにAという意味で発信しても、Bで受け取られたらBになっちゃうと思うんですよね。
YouTubeは一方通行なので、Bに受け取られたらそれを「違う違う。ごめんごめん」って言えないんですよ。なので、自分が撮ったものがどう受け取られるのか、けっこう気をつけていますね。
司会者:なるほど。相手がどう受け取るのかということは、ご自分の想像ですか? それともいろんなものを見ながら、図りながらやっていらっしゃるんですか?
葉一:もちろん、投稿する前に撮ったものを確認できるので、それをいち視聴者として、第三者目線で見直します。その時に、「あれ? ここの言い方だと勘違いを生むかもな」みたいな箇所があるんだったら、やはり撮り直すべきですし、そのあたりはけっこう気をつけてやっていますね。
司会者:基本的に、あまり編集はされないんですよね?
葉一:編集はしないほうですね。授業に関してはまったくしないですからね。
司会者:ということは、もう1回(最初から)撮り直す。
葉一:撮り直しですね(笑)。
司会者:それは流れを大切にされるからですか?
葉一:流れもそうですね。あと今、コロナ禍でいろいろある中、子どもたちが学校で受けるリアルな授業に近い、血の通ったものにしようと。
そこで、授業は途中でカットを入れないほうが届きやすいと思いまして。今の時代、実際はそのほうが届くかどうかはわからないですよ。ですが、そこにはこだわっていて、「編集0、1本で撮りきる」でやっています。
司会者:そうですか。言葉も気を付けていますし、流れやリアル感も大切にしているんですね。細かい部分も気を付けていらっしゃるんですかね。
葉一:そうですね。
司会者:わかりました。「YouTubeを使ってお仕事がしたい」という小学生が見ているかもしれません。私たちの「J Career School」を受けようと思っているお父さん、お母さんと、お子さんが、並んで観ているかもしれない。
葉一:(笑)。なるほど。
司会者:YouTubeを使ってお仕事をされている葉一さんから、そういうお子さんたちに、何かアドバイスはありますか?
葉一:そうですね。どうだろう。YouTubeを使ったクリエイターということだと思いますが、興味があるならやってみたらいいと思います。ただ、YouTubeだけじゃないですが、何かの職業をやりたいと思った時には、その裏にあるリスクも絶対知らなきゃいけない。
YouTubeはわかりやすいですよね。顔出しで撮れば、世の中に自分の顔がバレるというか知られてしまう。変なことをすれば一生、この人間がこういうことをしたという黒歴史というか、烙印を押され続けるわけですよ。
そういったリスクも理解した上で始めるんだったらいいのかなと思います。どんな職業でもそうですが、その裏にあるリスクを、ちゃんと自分で勉強するか、お父さんお母さんに聞くかして、理解した上でやったらいいんじゃないかな。
司会者:ありがとうございます。そうですね。ものごとのプラスの部分とマイナスの部分ですね。お子さんたちはまだわからないかもしれませんが、マーケティングの話ですと、社会人はSWOT分析(強み、弱み、機会、脅威を分析するフレームワーク)を行って、強みと弱みを把握してから商品を売っていく。
あるいは企業の強み・弱みを理解して、企業の方針を決めていくやり方もあります。葉一さんがおっしゃったことはまさにそういうものかと思います。
葉一:はい。
司会者:我々「J Career School」を利用される方は、社会人になっていよいよ部下を持とうとする方、リーダーになるという方、あるいは部長、課長といった管理職の方、また独立を考えている方などが多いんです。
葉一さんの動画の対象年齢は小学校3年生から高校3年生までということですが、そうした社会人の人たちに伝えてみたいことがあれば、ぜひ。
葉一:伝えていい立場かどうか、すごくあやしいですが(笑)。
司会者:いえいえ。
葉一:けっこう変わった人生を歩んできた中で思うのは、例えば……塾講師時代はまさしくリーダーで、部下もいる立場だったんですね。バイトの採用もやっていましたし。
司会者:なるほど。
葉一:そういう昔と比べて今の時代って、キャリアの道が「これじゃなきゃダメ」ではなくなったと思うんですね。すごく多様化していて、しかもそれが容認されやすい時代。
例えば1人だけの力でも、かなり切り開けるところが多くなったじゃないですか。先ほども「興味」というワードを出しましたが、これ、自分が人生ですごく大事にしているワードなんです。社会人になるとどうしても忙殺されちゃって、興味のアンテナが立ちにくくなるんですよね。
でも興味のアンテナって、自分で意図的に立てることもできる。なので、アンテナを立てて興味を持ったことには、まず1歩踏み出していただきたいです。そうすると、今されている仕事よりももっと輝く5年後があるかもしれない。そういった意味で「興味」をすごく大事にしてほしいと思いますね。
司会者:ありがとうございます。
司会者:では、次の「キャリアステップ」から、「早くキャリアステップする方法」といったお話に移っていきたいと思います。
「キャリアステップするための近道」ですね。「果たして近道とはなんぞや」というところもありますが、葉一さんはどう思われますか?
葉一:自分の人生は、他の人から見ればかなり遠回りに映るかもしれない(笑)。自分は「近道」は大事にしていないんですよね。近道の定義も難しいので。
キャリアに関しても、自分が歩んできた道程があるじゃないですか。例えば、3本に道が分かれている時に、「これがベストだ」と事前にはわかりませんよね。だから、自分が選んだ道が「ベストだったな。正解だったな」と証明するように歩みを進めればいいと思うんです。
近道より、いろいろ考えて「これだ」と選択した道を、自分を信じて突き進んでいくことを大事にしてきましたね。
司会者:なるほどね。先ほどの話でも、ところどころに「自分がやってきたことを証明するために」というお話が出てきましたよね。
葉一:そうですね。そこは大事にしていますね。
司会者:それがある意味、近道ではないけれど、自分の道を信じてきちんと進んでいけることが1つのポイントなのかもしれませんね。
葉一:そうですね。自分はYouTubeを始めたのもかなり遅くて、27歳の時なんです。周りはどうこう言うかもしれないですが、自分が歩んできた道は、自分にとってはたぶん一番近道だったと思っているんですよ。「誰がなんと言おうと」と思えるんだったらそれでいいと。
司会者:そうですね。ありがとうございます。「キャリアイノベーションをしよう」「これからの人生を作っていこう」という時にみなさんおっしゃるのが、「時間がない」なんですよ。
葉一:ないんですよ。間違いないです。
司会者:時間がない中で、上手に学び、キャリアメイクをしていくポイントがあればお聞かせください。
葉一:社会人の方で、資格を取るために新しい分野の学びを始める方っていらっしゃるじゃないですか。本当にすごいと思うんですよ。社会人って、あるように見えて時間がないんですよね。家に帰って仕事0かというと、「明日必要なものを作らなきゃ」「あれを考えなきゃ」といろいろあるわけで。やはり限られた時間を、どう効率化させるのかが大事だと思うんですよ。
例えば、学生だと数学の授業を受けている時に、資格試験の勉強なんてできないじゃないですか。やろうと思えばできますけど。でもお仕事の場合は、8時間勤務の中で頑張らなきゃいけないシーンと、ちょっと気を緩める時がありますよね。その時に反復をする。復習できるタイミングは、自分でつかみやすいので、反復して、より定着率を上げる。
時間がない分、どこを反復するかはそれぞれだとして、このようにやって上手くいくケースが自分の周りには多かったですね。
司会者:なるほどね。「反復」と「定着」はかなりのキーワードですね。
葉一:定着は大事ですね。
司会者:大事だと思いますね。ただ、こうして日々を送っていく中で、うまく行かない時もあると思います。そんな時、葉一さんはどうやって乗り越えていかれますか?
葉一:自分は性格上「完璧主義」なところがあるので、あえて「毎日100点なんて無理」というのを掲げています。「これをやる」とタスクを決めたのに、こなせなかった時は自分を責めてしまうんです。
でも、それをやっちゃうと結局自信がなくなる。翌日のモチベーションにも関わり、負のスパイラルに落ちてしまう。だったら「今日はちょっとうまくいかない日だった」と割り切る力は大事だと思っていて。
なので、「1日終わったらキャンセル。はい、次」みたいな感じで、毎日毎日100点じゃなくてもいい。ただ自分は、1歩も進めない日ってダメなんですよね。これは人によると思います。「今日は完全オフ」にするのが合う方もいると思うんですよ。
自分はダメで、0はなし。1でいいから、少しでいいから仕事をする。毎日、「前に進んでいこう」と続けていくと、自分は良い状態でモチベーションを保てますね。
司会者:なるほどね。画面の右上に「早くキャリアステップする方法」と出ていると思いますが、「歩みを止めない」「進むことを止めない」ことが、結果的に自分の思うところへ、早く到達することにつながっているんですね。
葉一:足を止めていると景色も変わらないですし。自分も毎日悩んでいますが、人って悩むじゃないですか。でも、足を止めて悩む時間を作るよりは、自分は歩みを進めながら悩むほうが良い。そのほうが早いと思うんですよね。
だから、ものすごい近道を生み出すことはなかなか難しいけれど、長いスパンでみると、「毎日歩みを進めること」≒「近道」になっていると思いますね。
司会者:ありがとうございます。
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2024.11.15
好きなことで起業、赤字を膨らませても引くに引けない理由 倒産リスクが一気に高まる、起業でありがちな失敗