2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
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司会者:それでは時間になりましたので、始めさせていただきます。本日は『アフターコロナのニュービジネス大全』の出版記念オンラインセミナーにご参加いただきまして、誠にありがとうございます。進行役を務めます、主催の株式会社TNCの岸本と申します。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
まだまだコロナ禍ということで、感染者数も増えていますし、引き続きニューノーマルな生活が続いていくと思います。ウェビナーも当たり前になりまして、これからどんどん新しい動きやビジネスのチャンスが出てくると思います。引き続きウォッチしていきたいと思っております。
今回のセミナーですけれども、2021年7月16日に株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンさんから出版されました、この『アフターコロナのニュービジネス大全 新しい生活様式×世界15カ国の先進事例』という書籍の出版記念セミナーとなります。著者のお2人にご登場いただき、対談形式でお届けします。どうぞよろしくお願いいたします。
まず本編に入る前に、みなさんにご協力いただきたいんですけれども。この書籍をすでに購入して読んでいただいている方か、まだご購入いただいてない方か、選択式で投票いただけますでしょうか。
(参加者が投票を行う)
ありがとうございます。もう半数以上の方がすでに購入、もしくはこれから読む予定にしていただいていますね。非常にうれしく思います。まだ購入いただいてない方も、このセミナーを聞いていただいて、ご興味を持っていただければ幸いです。
昨年新型コロナウイルスが世界的に広がりだした時に、我々株式会社TNCの持つ世界各国の在住者のネットワーク、「ライフスタイル・リサーチャー」と呼んでいますけれども、このパートナーに全面的に協力いただいて、コロナ禍で生まれたその国の新しいアイデアや、ヒントあふれるビジネス事例を一斉に集めました。
数百にも及ぶ事例を集めて、そこから分析を加え、厳選した69の事例を7つのテーマに分けてこの書籍でご紹介しています。その事例をベースに、今回ご登場いただくマーケティングアナリストであり、若者研究のスペシャリストである原田曜平さんの知見と分析を加えて、書籍化されたものとなっています。
司会者:おかげさまで非常にご好評いただいてまして、売れ行きとともに、有名な中田敦彦さんのYouTube大学でも2回にわたってご紹介いただいております。ご興味ある方はそちらもぜひご覧いただければと思います。
では、さっそく本編に入っていきたいと思います。まず、今回登場いただく著者のお2人をご紹介します。それぞれ自己紹介をしていただきます。まず原田曜平さまからお願いします。
原田曜平氏:原田と申します、よろしくお願いいたします。私はずっと広告業界に属しておりまして、私のことを「日本の若者研究者」として知っていただいてる方もいらっしゃるかもしれません。
テレビ等々でコメンテーターもさせていただいてるので、そっち経由でご存知いただいてる方もいるかもしれませんが、日本の若者を象徴する「さとり世代」とか「マイルドヤンキー」という言葉を広めたり、最近で言うと『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』という書籍も書きまして、こちらもなかなかご好評いただいています。もうずっと若者研究をしております。
どうしても日本のメディアだと海外事例を取り上げてくれないものですから、「日本の若者研究家」という認識で捉えてくださってる方が多いんですが。実はTNCさんと一緒に、もう15年ぐらいにわたって「海外の若者研究」をさせていただいています。
原田:それはどうしてかというと、最近の特に「Z世代」と呼ばれる25、26歳より下の世代は、かなりグローバルで感覚が似てくるようになってます。よく考えれば至極当たり前な話で、InstagramやTikTokを見ている人が多いんです。TikTokなんて見ていただければわかりますが、別に国や地域に関係なく、インドネシアの投稿もアメリカの投稿も、しょっちゅう出てきますからね。
そういうものに触れているので、非常に価値観とか考えが似てきてるんですね。日本の若者で言えば、韓国の影響も大きくなってるし、アメリカの影響も大きいし、それから最近では中国やタイの影響も大きくなってきていています。やはりグローバルで若者を見ていかないと日本の若者研究もできないし、逆に言うと日本の若者でウケたものが作れたら、海外の若者にも届くんです。
そんな時代になっているので、TNCさんと組んで、海外でいろいろな若者調査や家庭訪問調査をしたり、いろんな商材に関する調査をさせていただいたりを、長らくやってきました。今日はその長らく一緒にやらせていただいた小祝さんと、いろいろお話しさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
司会者:原田さん、ありがとうございます。続いて、TNC代表の小祝です、よろしくお願いします。
小祝誉士夫氏(以下、小祝):みなさん、こんにちは。今日はお忙しい中、たくさんの方に集まっていただきましてありがとうございます。原田さんとは、海外のZ世代の研究をずっとやっていまして、15ヶ国以上に行って、現地の若者といろいろコミュニケーションを取りながら、トレンドの分析などをやりました。
今回は「ライフスタイル・リサーチャー」という、弊社が創業してから20年近く同じスキームでやってますが、このネットワークをフル活用しまして、コロナにおける海外の事例を探してみました。
実際、我々TNCという会社は「パスポートを持って出勤する」くらいの会社でして。私も最低月2回は海外に行って、お客さまを連れて現地調査をしたり視察をしたり、飛び回っていたんですが、去年の3月に、そういった動きが一気に遮断されたわけなんですね。
身動きが取れなくなってどうするのかと一瞬たじろいだことはあったんですが、得意の好奇心もありまして、時間もあったので「海外ではどんな新しい動きになっているんだろう」ということを大々的に調査しようと。その調査からヒントを得てみなさんにご提供するのもよし、TNCとして実践するのもよしということです。
例えばオンライン調査も、コロナ禍で新しくスキームができました。オンラインの視察もそうです。あとは教育の分野で、オンラインワークショップを大学と連携してやったりしました。そういった一気に現れた新しいスキームは、コロナを前向きに考えて、今日のキーワードではある「フレキシビリティ」、つまり「臨機応変力」をフル稼働して、今に至っているわけです。
この「ライフスタイル・リサーチャー」は非常にオリジナリティのあるネットワークですので、まずは「特に海外の情報を積極的に取る」ということを、みなさんにお伝えしていきたいなと思っています。それによって日本の未来を創造するという、そんなお手伝いができたらいいなと思っています。以上です。
司会者:ありがとうございました。書籍をすでにご覧になった方はわかってらっしゃると思いますけれども、数百に及ぶ事例を集めた上で感じたこととして、やっぱりこれコロナパンデミックは、私たちが生まれてから初めての、世界共通の課題だったり困難な状況だったと思うんですね。
そこから生まれてくる事例というのは、確実に日本でもヒントになります。特にポジティブな変化に焦点を当てて事例を収集しましたので、どんどん日本でも応用したり、日本なりに解釈をして変化させたり、ということが生まれていくといいんじゃないかなと思っています。
7つのテーマというところで、まず1つめが「Beyond DISTANCE」、「距離を超える」ということです。これは今まさにウェビナーをやってることもそうですけれども、距離の枠を超えていろんな動きが生まれてきています。オンラインツールの普及によって、さまざまな新しい動きが出てきているということです。
2つめが「Beyond SHOPPING」、購買体験が新しくなっているというところですね。
3つめが「Beyond ENTERTAINMENT」。エンターテイメント業界は非常に日本でも打撃を受けた分野ですけれども、やっぱり人を楽しませる分野ですので、非常に新しいアイデアが生まれている分野でございます。
そして4つめ、「Beyond LUXURY」。これは「贅沢の概念が変わる」と書いてますけれども、今までの贅沢消費は残りつつも、やっぱり新しい方向の、「Beyond LUXURY」の方向が生まれてきているということです。
5つめが「Beyond DATA」ですね。データを社会のためにどう活用していくか、時代をどう拓いていくか、というところにフォーカスをしたテーマになっています。
6つめが「Beyond COMPANY」。こういう困難下で、企業活動はどうアップグレードしていったかということで、世界にはヒントが非常にたくさんありました。
最後に「Beyond LOCAL」ですね。「地域はネクストステージへ」というところで、地域の価値を改めて見直して、助け合って高めていくところにフォーカスされたテーマになっております。
司会者:今回1時間と時間が限られていますので、この「Beyond DISTANCE」「LUXURY」「LOCAL」の3つ。こちらに関して、特にお二人が印象的だった事例とか、日本への提言、ヒントになるようなものをピックアップしてご紹介したいと思ってます。
まず「Beyond DISTANCE」ですね、これはもう言葉のとおりなんですけれども。コロナになってから非常に制限が生まれた中で、やっぱりオンラインツールの普及によって非常に恩恵を受けた分野だと思います。5年とか10年かかる変化が、一足飛びに進んだっていうような意見もありますし、会議とかビジネスアポイント1つ取っても、今みなさんが実践されているとおり劇的な変化が生まれてきています。
というところで、ますますポジティブな動きが生まれてくる分野ですので、ちょっと事例をご紹介したいと思います。まず小祝さんから、特に印象的だった事例についてご紹介いただけますでしょうか。
小祝:今日もZoomでこうやってセミナーをやってますけれども、たぶんみなさんにとってもっとも身近な事例と言いますか、最も「距離を超えた」ことは、こういったミーティングとかセミナーとかですね。通勤も含めて、一気にオンライン化したことが非常に大きいんじゃないのかなと思っています。
これがさらにどう進化していくかという事例を書籍でも取り上げてますが、「VRを活用したバーチャル会議の黎明期」と紹介しております。この「黎明期」というところが一番大事なところで、まだまだ進化していくと思うんですね。
事例としてはFacebookもつい先日(8月19日)の報道でありましたように、チームミーティング用のVRワークスペース「ホライズン・ワークルーム」をすでに実装して、運用され始めてる状況です。Facebookのバーチャル会議のシステムのようなものが出てくると一気に広がっていくんじゃないのかなと思います。
あと5Gや6Gのように通信環境が良くなると、この辺の技術やスムーズさは格段に違ってくると思うので。ワークスタイルが変わるだけではなくて、実際にいろいろなビジネスに運用していくようなことが起こります。ここから気付いて、新しいビジネスを考えていくとか、新しいサービスを考えていくかたちにつながればいいかなと思っております。
小祝:次の事例まで紹介してしまいますね。鏡をインターネットとつないだ「スマートミラー」です。このアメリカの「Mirror」も、バーチャル会議と同じように、自宅が世界とつながっていくとか、自宅にあった鏡やキッチンが外の世界とオンラインでつながっていくというかたちになっています。
またオンラインの診療とか、オンラインの学校で教育を受けるようなところとか、家庭での生活が変わっていきますね。この辺、原田さんはどんなふうに見てますでしょうか。
原田:冒頭にお話ししたほうがよかったかもしれませんが、そもそも小祝さんと一緒に「この本書こうよ」と言わせていただいた理由の1つが……ひょっとするとすごく偉そうな発言に聞こえてしまうかもしれないんですけど、お互いにいろいろな企業と接している中で、「なんか日本って、大きな変化が起きていないよね」ということが、2人の問題意識としてあったんです。
昔から日本は「地震雷火事親父」じゃないですけど、災難・災害が振りかかってきた時に「じっとしていればそのうち通り過ぎてくれる」という意識がもともと強い国だと思うんです。コロナでもやっぱりじっとしている傾向があって、野村総研の2020年7月の調査によると、コロナ以前からテレワークをしていた人は9%で、コロナ後に始めた人22%と合わせて30%ぐらいしかいないんですよね。
テレワークがいいかどうかはさておき、意外と本質的な変化がそんなに起こっていない可能性があるよねと。やっぱりいまだに「会ってミーティングしようよ」という方もいらっしゃいます。会ってするミーティングが悪いと言ってるわけではなくて、会わないとわからない言語外情報もあるとは思うんですが、なんとなく「変わりにくい国だな」という感覚が僕と小祝さんのお互いにありました。
原田:それで、日本よりも感染者数がものすごく増えていたり、苦しんだり追い込まれているような国がどう変わっているのかを知って、それをお伝えすることが日本の企業のためになるだろうということで、今回の書籍化に至ったわけです。
今のオンライン会議のシステムだと、まだ限界があると思うんですよ。やっぱり会ってみたり、お互い近くで顔の表情を見てみたりしないとわからないこととか。空いてる時間にお互いがどんな表情してるのか、どんなことしてるのかってわからなかったりするんでね。
だからこのオンラインミーティングというジャンルはもっと進化していくだろうと思います。まだ日本は進んでいないこともあって、今の状態が未整備だから進んでないところがあるんじゃないかなと、個人的には思っています。
小祝:そうですね。コロナ前から「働き方改革」って言ってなかなか改革できなかったけど、このコロナで一気に変わりましたもんね(笑)。
原田:すごく重要なのは、ワクチン接種が進んで……ひょっとしたら数年かかっちゃうかもしれないけど、仮にコロナが収まったとしても、このZoomで1回味わった感覚は、そんな普及してないとはいえ消えないと思うんですよ。日本の場合は通勤時間も、短い人でも30分、下手したら1時間かかるっていう国なので。営業マンもお得意先への営業とか、今まで移動だけですごく時間を割かれちゃってたんですね。やっぱり働き方改革も含めて、この「バーチャル」は残ると思うんですね。
ただ、今の状態だとまだ足りない。だから「会おう」みたいな人が多いんです。きっと会議にしてもバーチャル化が進んでいくでしょうし、それからジムにしてもやっぱり「行くのはちょっと億劫だな」と思ってる人もいっぱいいて。だから任天堂の『リングフィット』が流行ったわけですけどね。だからこういうのは間違いなく進化していくだろうなと思いますね。
小祝:ここにビジネスチャンスが必ずありますよね。
原田:もっともっと進化していくしね。「何キロ以上離れた社員は給料ちょっと低くするよ」みたいなことも、シリコンバレーのどこかの会社が打ち出してて。それはつまり、まだ今のZoomシステムだと足りないということですよね。遠くに行かれちゃって、本当に出勤できない状況だと不足すると。IT企業でさえ、今の状態ではその判断をしてるわけで。まだ進化せざるを得ない状況だと思いますね。
小祝:次は家の環境が変わることだけではなくて、冠婚葬祭とかですよね。結婚式、お葬式は当然なんですけど、ルーティンのように毎週日曜日に礼拝に行くとか。なかなか外に出づらくなったので、こういうライフスタイルとか日常の生活習慣みたいなものも、オンライン化していったんですよね。例えば外国だと礼拝ですけど、「日本にとってこれってどういうことなんだ」と想像していくと、そこにビジネスチャンスが見えてくるんじゃないのかなと思いますね。
原田:実際にコロナ流行の初期に、今もひょっとしたらそうかもしれませんけど、韓国の宗教礼拝の時にクラスター感染が起こっちゃったり、イスラム圏でもそうだったりしましたね。どうしても密になるので、まだコロナが続いていくことを考えても、ここの意識はもっと高まっていくでしょうね。
日本なんて65歳以上の高齢者が3,600万人いる高齢者大国ですけど、そういう人たちが遠方になかなか行けないことを逆手に考えれば、こういうシステムがもっと発展すれば、そういう高齢者の方たちも行けるようになるわけですよね。そういう意味でも、日本でもおそらく広がっていくと思います。
原田:それから、そのうち世界ではもうあと何年かしたら、イスラム教徒が世界最大の宗教になるわけですよね。そういう意味で言うと、コロナが終わったら、インバウンドで日本にも(イスラム教圏からの旅行者が)すごく増えてくると思います。そういう方たちにとっても非常に必要になるので、進化していくでしょうね。
小祝:そうですね。まさに今インバウンドの話が出ましたけど、ツーリズムもたぶん変わるんです。実際リアルで体験できることと、バーチャルで体験できることのメリハリがすごく大事になると思います。
原田:確かにね、その組み合わせというかね。
司会者:ありがとうございます。私も友人の結婚式がコロナ禍でリアルでありました。延期をした上での開催だったんですけど、制限の中で工夫が施されていました。ただ、オンラインにすることで来られない人が参加できるようになりますし、演出を工夫することでさらに良い体験が生み出せるような時代になってくると思うので。この「日常的」な分野は、みなさんがおっしゃるようにどんどん進化していくんだろうなと思って、私も聞いていました。
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