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営業マーケティングDXの次のフェーズに挑む! MAを活用した基盤作り(全2記事)

2021.09.09

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「営業マーケティングのDX」で成果を生む、3つの問題解決 デジタル化の促進で生まれた「人・プロセス・テクノロジー」に対する課題

提供:アドビ株式会社

「聞くに聞けない ほんとうに成果につながるデジタル化のすすめ」をテーマに、2021年7月27日〜29日の3日間にわたって開催されたオンライン展示会「ビジネスIT & SaaS EXPO 2021 -営業・マーケティング-」。①「新規顧客を開拓する」、②「見込み顧客を育てる」、③「商談の質を上げる」、④「顧客体験を向上する」、⑤「チームの生産性を上げる」という、営業・マーケターが抱える5つの課題を解決へ導く、多くのセッションが行われました。そんな中から、アドビ株式会社 DXマーケティング本部 マーケティングスペシャリストの虻川稜太氏が登壇された「営業マーケティングDXの次のフェーズに挑む! MAを活用した基盤作り」の模様を公開します。前編となる本記事では「そもそもDXってなに?」「『人・プロセス・テクノロジー』に分類される、ビジネス上の問題」などについて語られました。

「営業マーケティングDXの次のフェーズに挑む! MAを活用した基盤作り」

虻川稜太氏:本セッションにご参加くださいまして、誠にありがとうございます。アドビから「営業マーケティングDXの次のフェーズに挑む! MAを活用した基盤作り」というテーマで、今日はお話しさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

本日お伝えしたいことは、こちらの2点になります。1つ目が、みなさんも経験されてらっしゃるように、2020年は多くの顧客接点がデジタルに移行したことで、営業マーケティングの活動もデジタルへと移行しました。しかしその次のステップとして、デジタル時代の業務の標準化、収益プロセス全体にわたる顧客体験の整備が重要である、ということ。

2つ目は、マーケティングオートメーション(MA)は企業のビジネスを可視化するビジネス基盤であり、デジタル時代のB2Bマーケティングにおける優れた顧客体験を提供する基盤となるツールである、ということ。これらの2点をお伝えしたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。

まずはじめに、簡単に自己紹介をさせてください。アドビ株式会社 DXマーケティング本部にてマーケティングスペシャリストを担当しております、虻川と申します。私は新卒で日系の精密機器メーカーに入社して、プリセールスと外勤営業に従事したのち、2017年にマーケティングオートメーションを提供する株式会社マルケトに入社しまして、3年ほどインサイドセールスに従事しておりました。

その後、アドビとマルケトの統合を経て、マーケティングチームに異動して、今は主に新規向けのデジタルマーケティングを担当しております。この1年の激変する環境下で、役員層、マーケティング、インサイドセールス、営業が一丸となって試行錯誤を繰り返しながら、デジタル時代への対応を進めてきました。今日は、そういった自らの経験も踏まえてお話ができたらなと思っております。

「心、おどる、デジタル」を掲げ、企業のDXを支援するアドビ

次に、アドビについて簡単にご紹介させてください。アドビは「世界を動かすデジタル体験を」をミッションとして、さまざまなソリューションを提供しております。具体的には、大きく分けてこの3つのソリューション群を提供させていただいております。

1つ目が「Photoshop」や、最近ですと仲里依紗さんのCMが流れている動画編集の「Premiere Pro」をはじめとした、Adobe Creative Cloud。そして2つ目が、近年注目を集めている電子署名やPDF、Acrobatなどのソリューションである、Adobe Document Cloud。そして、顧客体験を管理する、いわゆるデジタルマーケティング関連のソリューションであるAdobe Experience Cloudを提供しております。

先ほど「世界を動かすデジタル体験を」というミッションをご紹介しましたけれども、このミッションを成し遂げるために、弊社は新たなビジョンとして「心、おどる、デジタル」を掲げて、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援していきたいと思っております。

というのも、近年、営業マーケティングの分野にとどまらず叫ばれているデジタルトランスフォーメーションが「デジタルが人の業務を代替する。または自動化、効率化する」。そういった枠組みで語られることが多いように感じております。

しかしながら、デジタルのテクノロジーは、これまでにないような創造性を発揮できたり、人とデジタルの組み合わせでより楽しく、より幸せな社会を作っていくことが実現できるものだと信じております。ですので「心、おどる」といったところを意識しながら、いろいろなソリューションを提供していきたいと思っております。

具体的には、先ほどご紹介した3つのソリューション群をもとに、この4つの柱「Digitalize」「Delight」「Amaze」「Foster」で、みなさまに価値を感じてもらえるように取り組んでいきたいと思っておりますので、ぜひご期待いただけたらと思っております。

そもそも「DX」って何?

ここまで、弊社のミッションとビジョンをお伝えしましたが、ここからは本題に移っていきたいと思います。今日は「営業マーケティングのDX」という話をしたいと思うのですが、そもそも「このDX、デジタルトランスフォーメーションって何?」というところの共通認識を、あらためて持てればと思っております。

ここで経済産業省と総務省が公開されている文書から「デジタルトランスフォーメーションとはどういうものか?」を引用させていただきたいと思います。定義としては上の文章になるんですけれども、大事なのはこの太字になっている部分「データとデジタル技術を活用して」「業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革する」になるかなと思います。

下に書かれている総務省の定義ですと「非連続的な進化」が大事なのかなと思っております。つまり、これまでとは違うやり方でビジネスを成長させていくという考え方なのかな、と思っております。

営業マーケティングでもDXが叫ばれていると思うんですけれども、この観点で、弊社が昨年に実施した調査から読み取れるものがありましたので、ご紹介させていただきます。

一番上のグラフでは、半数以上の方が「デジタルでの顧客が急激に増加した」と回答しておりますし、3つ目のグラフでは「既存顧客に従来と異なる顧客行動が表れた」ということが半数以上で明らかになっています。つまり、これまでとは違うお客さまの動きを把握した上で、それに合わせた関係作りが今求められていると言えるのではないかと思っております。

デジタルチャネルの重要性という観点でもう1つ、興味深いデータをご紹介します。こちらはIDCさんのレポートから引用させていただいているんですけれども、すべての段階でデジタルの重要性が非常に高まっていることが挙げられます。

例えば情報収集の段階で、非対面のチャネルであるマーケティングからの情報の重要性を、ある程度はご評価・ご理解いただいてるかと思うんですけれども。その後の評価・検討段階や購入段階でも、マーケティングからの情報を信頼し、意思決定の参考にする方が増えてきていることが明らかになっています。

つまり、営業マーケティングのデジタルトランスフォーメーションとは「単に営業のタッチポイントをデジタルに移行する」ということではなくて。お客さまが信頼する情報源としてのマーケティング活動を強化して、情報収集から購入段階に至るすべてのステップでデジタルを活用。優れた顧客体験を提供していく、顧客体験を作っていく。そういうことなんじゃないかなと考えております。

営業ツールとしてのメールと電話の比率は、今や16対1

具体的に、この1年で広まったと思われること、特にB2Bビジネスに携わる方であればイメージがつくかと思うんですけれども。こちらについて、私も感じていることを話させていただきたいと思います。

昔、2020年以前は、主に対面営業が中心だったかと思うんですけれども、2020年以降はWeb会議が主流になっていると思います。電話営業というのも、新規獲得タイミングでは非常に多かったと思うんですけれども、今はメールもうまく活用しながら新規のアポイント取得をやってらっしゃる企業さんも多いんじゃないかなと思います。

そして、かつては会議室などで行っていたセミナーが、今はウェビナーに移行してますし、広告もこれまでは紙面や看板、つり革広告といったものが多かったと思うんですけれども、今はB2Bにおいてもますますデジタル広告への重視・注力が進んできているんじゃないかなと思います。

それ以外にも、例えば見積もりや請求書も、押印処理を回して紙でやっていたところが多かったかとは思うんですけれども。今は電子署名や、発注書のやりとりではなくて自社のECサイトで注文できるような仕組みを作っていらっしゃる企業さんも増えてきているように、私は感じております。

アドビ自身もデジタルへの対応を進めてきましたので、こちらもご紹介させていただきたいと思います。弊社は昨年3月にオフィスを閉鎖して以来、フルリモートで業務を続けてきました。Adobe Marketo Engageのチーム、マーケティング&インサイドセールスでも、いろいろな対応をしてきたんですけれども。

こちらに3つの数字を挙げさせていただいております。1つ目が、営業の場面において新規商談創出を担うインサイドセールスというチームがあるんですけれども、このチームの活動を営業メール中心に大きく切り替えていきました。以前は半々ぐらいだったメールと電話の比率が、今や16対1になっているという、数値的なデータがございます。

また、オンラインでも情報を届けられるように、ウェビナーとコンテンツ制作の両輪として、デマンドジェネレーションに取り組んできております。その結果、商談創出数は前年を上回る数を記録しています。

弊社もこの施策を量産して一定の成果を残してきたんですけれども、本当の意味でのDXは、ただ施策を量産するのではなくて。先ほどもあったような「非連続的な進化を遂げる」ということなのではないかなと思っております。

私もこの1年、Adobe Marketo Engageを活用したマーケティングを実践してきましたが、非連続的な進化を遂げるという上では、Adobe Marketo Engageは非常に役立つツールであると感じております。

「人・プロセス・テクノロジー」に分類される、ビジネス上の問題

ここでもう少し、あらためて大きな話に戻せたらなと思っております。DXが必要とされるのは、もちろん「デジタルの移行」ということもありますけれども、それに伴ってなにかしらのビジネス上の問題が発生しているからではないかな? と思います。

ビジネス上の問題は大きく分けるとこちらの3つで、「人」「プロセス」「テクノロジー」に分類されるんじゃないかなと思っております。営業マーケティングのDXについても、これらの問題を解決することで成果が見込まれると私は考えております。

では、どのように営業マーケティングのDXを解決していくか? について、私なりに「人」「プロセス」「テクノロジー」の3つの側面で、少し考えてみました。

「人」という観点では、まずデジタルに対応するためのマインドセットやスキルを身につけていくことが大事になるかなと思います。こういったものは、なかなか社内にはノウハウがなかったりすると思うので、やはり外に目を向けて、向上心を高められる場を見つけるであるとか。またはスキルを身につけられる環境に自ら身を置いていくということもありますし、もしかすると外部人材の登用もあったりするのかなと思います。

次に「プロセス」なんですけれども、プロセスもやはり属人化をなくして、業務の標準化、部門間の連携を図っていくことが、デジタルに対応するという意味では併せて実施していくことが必要かなと思っています。そちらに対処するところでは、効果測定可能な形で売上までのプロセスを設定していきながら、その成果を数値も含めて客観的に評価していくことが大事になってくるのかなと思います。

そして3つ目の「テクノロジー」ですけれども。デジタルで優れた顧客体験を提供していくという意味では、もう人だけでは難しくて、テクノロジーを使うことはごく当たり前になってくるのかなと思います。対処していくためには、デジタルチャネルの接点を強化しつつ、コミュニケーションもなるべく自動化・システム化して、属人化をなくしていくことが大事になってくるのかなと思います。

この3つの側面を解決するために、Adobe Marketo Engageはただのツールとしてではなくて、ビジネス基盤となって貢献できるものだと私は考えております。Adobe Marketo Engageは、いわゆるマーケティングオートメーションのカテゴリに属する製品ではあるんですけれども。

我々の特徴として、優れた顧客体験の提供を通して、収益に至るプロセスを短縮して、受注や契約までのサイクルを加速していくという特徴がございます。この特徴が大きな支持を集めて、世界中の企業のみなさまに幅広く選んでいただいております。

もちろん、マーケティングオートメーションというのは、ツールではありますので「これを導入することで、たちまち営業マーケティングのDXが実現される」というわけではないんですけれども。マーケティングオートメーションの導入と活用のステップを通じてDXを進められる。そういったスキーム、仕組み作りが進められたらいいなと思っております。

顧客の「心理的な態度の変容」をベースに、まずは考えていく

ここからは、少し順番を変えますけれども、具体的にこの「プロセス」「テクノロジー」「人」。この3つトピックについて順番に、弊社がどのようにご支援できるかをお話ししていけたらと思っております。

まず1つ目の「プロセス」という観点です。こちらは、DXを通じて企業がモノを売りやすくすることも大事なんですけれども。いかにお客さまにモノを買ってもらいやすい環境や仕組みを作っていくか? という、顧客視点の考え方がより大事になってくるんじゃないなと思っておりますので、この観点で少しご紹介していきたいと思います。

弊社がAdobe Marketo Engageの提供を通じてご支援をさせていただく際にはまず、「お客さまがどうすれば買いやすくなるか? どうすれば検討を進めやすくなるか?」というものを、お客さまの心理的な態度の変容(パーセプションチェンジ)をベースにして、一緒に考えております。

これは「カスタマージャーニーマップを作る」という作業に近いんですけれども、この態度変容をできるだけ測定可能な形にする、標準化するという意味では、ステージの遷移条件を明確に決めて、このパーセプションを決めていくことが欠かせないかなと思っております。

こちら、Adobe Marketo Engageを検討していただく時の例を私なりに考えてみたものがありまして。「こんな感じで作っている」というイメージをご紹介します。

まずは「デジタル時代に売上を増加させるための解決策を知りたいな」と思っていらっしゃるとすると、そこになにかしらの情報を提供することで、お客さま情報を獲得してナーチャリングをすることで、成果が上がっていきそうだなというイメージを認識していただく。

その上で「どんなツールを使えばいいんだろうか?」に興味を持ってもらうようなパーセプションに移っていただきます。ここに対して、またなにかしらの情報を提供することで「マーケティングオートメーションがあるらしい」ということを認知してもらって「これは自社のビジネスに合うのか?」「費用対効果は出るものなのだろうか?」について、さらに詳しく知っていただくようなパーセプションに移ってもらいます。

こちらでまたさらに情報をご案内することで「マーケティングオートメーションでDXを進められるイメージがついた。じゃあ実際に導入して進めていこう!」というパーセプションに移っていただくことで、導入・購入・契約に移っていく。こういったイメージになります。

求められる「定義のチューニング」を柔軟にしていくこと

この「パーセプションの態度の変容」を測定可能な形で定義して、評価するためには、次にこの遷移条件に合致するKPIを設定していくステップが必要になってきます。

もちろん、この遷移条件とKPIを決めるのはなかなか難しくて。ここではユーザーヒアリングも大事ですし、あとは社内でも営業やポストセールスといったお客さまと直接の接点を持つ人からのフィードバックをもとに、マーケティングと営業が連携して作りあげていくものになるかなと思っております。

ただ、最後は決めの問題で定義をしていくことが大事で、ぜんぜんうまくいかないのであれば、あらためて「定義のチューニング」を柔軟にしていくことが必要になるかなと思います。

このKPIが決まったら、そこに対してどのようなチャネルで情報を提供するのか? 逆にどのようなチャネルで各フェーズで情報が提供できるのか? というのを考えていく。そして、そのチャネルではどのようなコンテンツをお届けするのがいいのか? というのも合わせて考えていく。そういったステップになります。

ここまで、パーセプションというものを中心に据えてプロセスを作ることの定義を考えてきましたけれども、パーセプションを一般化して、ステージとすることで、より管理しやすくなるかなと思っています。

ステージ設計をかなり一般化したものを置かせてもらっていますけれども、例えば、認知拡大から獲得、育成、絞り込みをして、案件化、商談、そして受注。そういったステージになっていくかなと思います。

マーケティング段階は、この見込みのお客さまの行動情報をもとに判別していくことになりますけれども、営業段階も合わせて、このステージを設計していくことも重要になってきます。

この段階では、例えばアポイントが取れるとか、営業さんがネクストステップを明確に置けているなど、セールスプレイブックと呼ばれているような、商談の進め方も合わせて作成していくことが欠かせないと思っております。

お客さまの典型的な動きを、ある程度は定義できた上で、次に「じゃあどこから注力して手をつけていくべきなのか?」という話になるかなと思っております。この段階では、必ず現在のビジネス課題を明確にして「プロセスにおいてどこにボトルネックがあるのか?」についての共通認識を持つ必要があるんじゃないかなと思っております。

弊社も、いろいろな企業さまをご支援させていただく中で、いろいろな課題をお聞きすることがあるんですけれども。例えばB2B、計測機器メーカーのお客さんですと「獲得したリードの育成ができていないので、営業さんが能動的にフォローしてくれない」であったりとか。

海外展開をしている企業さんであれば「海外はリソースが少ない中で、効率的に営業マーケティングを回していきたい。なるべくシステム化していきたい」といったところを、課題として挙げていらっしゃったりされていました。

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