2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
There Are Mountains Deep Within the Earth(全1記事)
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ステファン・チン氏:学校では、地球内部は地殻、上部マントル、下部マントルなどにきれいに分かれ、スムーズな層になっていると習ったことでしょう。しかし調査が進むにつれ、決してそのような状態ではないことがわかってきました。上部マントルと下部マントルの堺に、巨大な山脈があることがわかったのです。
この山脈は、地質学上最大のミステリーを解決する鍵となるかもしれません。「地球の失われた元素事件」です。
隕石や太陽系内の近くの天体と比較しても、地球には、シリコンなどのいくつかの元素が少ないのです。これまでわかっている太陽系の成り立ちから考えると不思議です。これらの天体は、同じ原始惑星系円盤から誕生しているはずだからです。
そのため地質学者たちは、地球内部にこれらの元素が隠されているものと考え、探し求めてきました。
調査が不可能であった広大なエリアである「下部マントル」が、その下層にある「核」と共に、これまで最有力候補の“被疑者”でした。問題は、下部マントルの上端が地下660キロメートルにあり、掘削が不可能な深度である点です。
しかし、地球深部の調査は不可能ではありません。大きな地震が発生するのを待てばよいのです。
地震が起こると、地球内部を地震波が伝播します。地震波は、通る岩石の種類などに影響を受けて伝わり方が変化します。地震波を計測することにより、マントル下部や、今回の場合のような、下部マントルと上部マントルとの境界部など、地球内部の調査が可能となります。
この境界では、高圧高温により鉱物は高圧相へと変化し、上層に比較して30倍も原子の密度が上がります。この変化により、地震波は境界で跳ね返り、地震計により検知されます。
反射波の解析は複雑な作業です。マントルの境界がスムーズな面であれば、跳ね返った複数の地震波は同時に検出されるはずです。反対に境界がでこぼこであれば、反射波は乱れて地震計に検出されるタイミングがわずかにズレるはずです。
2019年、研究者たちは地震波の反射を利用して、下部マントルの境界の視覚化を試みました。13回分の地震データを使用し、下部マントルの天井部をマッピングしたのです。その結果、ここは平面ではなく、高さが30キロから40キロもある山々で覆われていることが判明しました。エベレスト山でさえ、標高は9キロメートルです。
このような大きな特徴が示すのは、マントルに高温部と低温部がある可能性です。鉱物が高圧相に変化するポイントも微妙に異なるため、マントルの境界がでこぼこになるのかもしれません。
ところが、研究者たちはこれを完全に否定しています。なぜなら、この山脈は高いだけではなく、1キロから3キロメートル高程度の突起がたくさん付いており、起伏が激しかったからです。この程度の起伏であれば、時間を経て平らに「ならされる」はずなので、温度差では説明がつきません。
研究者たちは、この突起は化学的な違いを表すものであり、下部マントルの山脈の構成成分が、上部マントルとは異なるためだとしています。さらにこの山脈は、大昔に海洋プレートが表層から地下へと沈み込んだ「スラブ」であり、これが沈降したものだという仮説を立てています。このスラブが、溶解してマントルに再統合することなく、そのまま沈殿しているというのです。
もしこの仮説が正しければ、このスラブがマントルの対流を阻害して、原始地球時代から封じ込められてきた「地球の失われた元素」の宝庫となっている可能性があります。また、例え「失われた元素」の隠し場所がここではなかったとしても、地球は人間が思っているほど、わかりやすく整った存在ではないことを示唆しています。これは、自然界のすべてに共通して言えることです。
地球がきれいに整った面の球体の層ではない証拠として、マントルには巨大な丸いコブがついていることも発見されています。このコブとその働きについてもっとよく知りたい方は、次回配信される動画をご視聴ください。
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