2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法~「そこまでやるか!?」結果を出すために考え抜かれた驚きの【情報整理・記憶定着・理解定着・進捗管理・勉強法】(全6記事)
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西岡壱誠氏(以下、西岡):ありがとうございます。理解定着もけっこうお話ししたので、「進捗管理」にいきますか?
片山湧斗氏(以下、片山):そうですね、その前に1つ、僕からみなさんにこの場を借りてお伝えしたいことがありまして。
西岡:なんだ、なんだ?
片山:僕自身がノートをテーマとした本を書いているんですけど、みなさんの中で「本当に賢い人はノートをとらないんじゃないか」説を信じている方がいるのかなって思うんですよね。
西岡:その説、なんかよく聞きますよね。
片山:「本当の天才は授業を聞くだけですべてを理解しちゃって、ノートなんか別にいらないよ」みたいな。
西岡:この前、東洋経済の片山さんの記事(『ノートの使い方が全然違う「東大生」凄い思考術』)がバズっていたじゃないですか。あの記事のコメントに、それがめちゃくちゃ多かったですよね(笑)。「東大生なのにノートなんかとってんの?」みたいにきてて。「僕も東大生だけど、なんでこういう意見がきてるのかよくわかんねえな」と思って見てたんですけど。確かに、こういう本を出している著者としては、どうなんですか。
片山:確かにごくごく一部ですけど、授業を聞くだけで理解しちゃう、超人的な東大生はいます。
西岡:いるんですね。でもまあごく一部ですよね。それも、3,000人に1人とか、そんなもんですよね。
片山:僕が在籍してる理科三類も含めて、本当に学年に1人とか、そのレベルだと思います。
西岡:東大は理科三類が一番頭がいいんだけどね。
片山:そこの中でも、話を聞くだけでぜんぶ理解できる方はいないと思います。
西岡:となると、もうこれはいないんだね。
片山:ここで声高に言いたいんですけど、ノートをとらなくても理解できる人はいないと思います。
西岡:「声高に」っていうわりに、ちょっと声が小さかったかなって思ったけど(笑)。
片山:(笑)。
西岡:でもそうだよね、いないですよね。片山さんもやっぱりいないと。でも、なんでそういう言説が生まれてるんでしょうね。
片山:例えばですけど、東大生になる方々が、小学校の頃とか簡単なレベルだと、別に授業を聞かなくてもそのくらいは理解できるよっていうことがあると思うんですね。
西岡:片山さん、さっき自分もそうだったみたいな話されてましたもんね。
片山:そうですね。だいたい小学生の内容って、最初はけっこう簡単じゃないですか。
西岡:1たす1は2、とかですからね。
片山:塾に通ってる方だと先取り学習して、もうすでに知ってますよっていう方もたくさんいるんですよね。学校の授業ってやっぱり義務教育で、みんなが理解できるようなカリキュラムで進めているので、上位層にいくと退屈なものになってしまうのは仕方がないんですね。だから小学校の授業は別に聞いてるだけでも理解できるよって現象が起きちゃうんです。
西岡:そういう子たちは、どうなんですかね、大人になるにつれて、けっこうきつくなっていくものですかね。
片山:そうだと思いますね。実際、僕は中学後半、高校から厳しくなっていましたし、ノートを小学生の頃にとらなかった方でも、大きくなるにつれて厳しくなる時期がいずれくると思うんですね。
西岡:東大の入試問題にノートを作らないで対応するって、まあ無理だよなあ。
片山:社会人になった時に「メモをとれ」ってよく言われると思うんですけど、メモをとらないでぜんぶ覚えるって無理ですよね。
西岡:ぜったいに無理ですね。そう考えると、やっぱりノートはみんな、どんな人でも多かれ少なかれ絶対にとっているよねと。
片山:具体的にきれいなきちっとしたノートをとってるか否かは、もちろん議論の余地があります。
西岡:『東大合格生のノートはかならず美しい』という本がありましたけど、それが正しいかどうかはわからないというか、僕は字が汚い東大生なんで、あまり人のことは言えないですね。
その言説を崩してしまうのは、もしかしたら西岡壱誠なのかもしれないなって思って、すごく負い目というか、罪悪感を感じているんですけれど。そういうことってありますもんね。
片山:例えば大学の授業でも、あまり聞いていないのに成績のいい人って、たぶん一定数はいると思うんですけど、それはあくまで自学自習をした結果、その成績が出ているんですよね。そこのプロセスにおいて使ってるものが電子媒体とか、教科書に書き込むとか、それなりの勉強法の違いはあるんですけど、書かずしてできる人はまずいないです。
なので、「授業中はあまり聞いていないけど、なんであいつは勉強ができるんだ?」っていうのは、授業の一側面を切り取ってできた通説だと思うんですね。
西岡:端的に、やっぱりノートはとらなきゃだめですよね。東大生でもそうなんだから……ってなんか炎上しそうなことを言いそうになったんですけれど、やっぱりみんな通らなきゃいけない道なんじゃなかなって思いますよね。本当に頭のいい人はぜんぜん違うと思うんですけれど、そんなに頭のいい人はなかなかいない。
片山:そうですね。きれいにとるのももちろん大事なんですけど、自分オリジナルで、自分がきちんと理解するためのノートをとるのがすごく大事なんですね。
西岡:「目的に合わせて」という話があったと思うんですけど、そこの意識を持つのは非常に重要ですよね。ありがとうございます。そうか。けっこうノートはみんなとるんだなと、わかったんですが。
西岡:どうしますか? 進捗管理にいきますか?
片山:そうですね。進捗管理は、逆に西岡さんに質問をします。
西岡:どうぞ、どうぞ。
片山:西岡さんもこの本(『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』)を読んでくださったと思うんですけど。
西岡:読んでいますよ。
片山:進捗管理の中で、西岡さんが一番お気に入りというか、「これ使えそうだな」と思ったのは何がありますか。
西岡:よく聞いてくださいました、ありがとうございます。進捗管理のノートって、非常にいろいろなものが載っていたなと思うんですけれど。東大生って、紙の手帳を使っている人が多いんですよね。僕らの共通の友人の相生昌悟くんという子がいまして。その子が『東大式目標達成思考』という本を作っていて、手帳の本なんですよね。
「紙の手帳で、こう振り返りをしていくといいよ」ということを書いていて。やっぱりノートと同じように、「え、手帳を使うの? そんなの全部記憶できているんじゃないの?」というご意見をいただいていると、相生くんから聞いたことがあるんですけれど。
やっぱり、「ちゃんと振り返りをしていかなければならない」というのがあるんだろうなと思うんですね。
今回のノートも見させていただいた時に、振り返りを行うノートって、けっこう多かったんですよね。できたこととできなかったことだったり、その悩みが制御可能か不可能かって分けるものだったりとか。
あとは達成できるものと達成できないものがあった時に、「乗り換え案内のように考えよう」という別ルートで考えるための乗り換え案内ノートとか、けっこういろいろあったんですけれど。
共通して言えることとして、自分が行っていること、やったこと、うまくいったこと、いかなかったことを全部、あとから自分の言葉でノートに振り返りをしていく過程。これってすごく重要なんだろうなと思いましたね。
片山:そうですね。例えば勉強でもダイエットでもいいんですけど、なにか目標に向かってコツコツがんばろうとなった時に、具体的にここまでがんばろうとか、ここまでできるという目標がないと、なかなかできないじゃないですか。
西岡:まさにそうですね。東大受験なんて、5教科7科目もありますから大変ですよね。
片山:そうですよね。例えば「ダイエットしよう」と思っても、「毎日1日10キロ走ります」というのはなかなか現実的な目標じゃないですよね。
西岡:ないですね。
片山:特に働いている方とか社会人の方はそうだと思うんですけど、1週間のうち土日は比較的時間に融通が利く日であっても、平日はテストや仕事もあって疲れてくるので、毎日同じペースでやるのってなかなか難しいんですよね。
西岡:難しいというか、無理ですね。
片山:そうなった時に、「最低限500メートルは走ろう」とか最低限の目標と、「休日だったらもっと5キロ3キロと走ってみようかな」とか、2段階設定で目標を定めることが、継続するためのポイントになってくると思うんですね。
西岡:なるほど。二重目標というやつですね。
片山:そうですね。二重目標をノートにあらかじめ記しておくことによって、「最低限ここはがんばろう」という小さいハードルを設定しつつ、「今日はできそうだからもっとがんばろう」という、もう少し高めのハードル。これを設定することで、自分がやりたい目標を達成できるんじゃないのかなと思って、こちらのノートを作ったんですね。
西岡:なるほどね。実は『ドラゴン桜』でも二重目標って出てくるんですよ。2つの目標を設定することによって、1つ目の理想的な目標を達成できないと人間は気分が落ち込んでしまうと。それはよくないし、かといって達成可能な目標だけだとやっぱりどうしても「超えたけど......」みたいな。
自分のできる範囲内だけになってしまうことがあると思うので、やっぱり最低の目標と最高の目標。下の目標と上の目標の両方を作っておいて、その間くらいを攻めるみたいな感じがいいんじゃないかなと思うところです。
思考回路をコピーする意味で、この「2つで考えていく」みたいなものもふだんから習慣化するために、こういうノートを作っておくのはいいのかなと個人的には思いました。あれも良いノートでしたね。
片山:ありがとうございます。
西岡:進捗管理もこんな感じでございますかね。
片山:そうですね。
西岡:ありがとうございます。けっこういい時間になってきましたけれど、質問にいっちゃいますか?
片山:質問にいっちゃいますか。
司会者:では、視聴者の方から来ている質問がいくつかありますので、こちらで読み上げたいと思います。
西岡:ありがとうございます。
司会者:まずノートについて、「使うノートはどんなものでもいいですか? 無地や、小学生が使うようなマスが大きいノートのほうがいいとかはありますか。サイズについてもB5が主流だと思うんですが、A4サイズなど、ほかのサイズに関しても教えて欲しいです」というご質問がきています。
西岡:なるほどね。僕はそんなにこだわりがあるわけではないんですけれど、やっぱり初めのほうはマス目がちゃんと付いているノートを使うことが重要なのかなと思いますね。片山さんはどうですか?
片山:ノートを書く目的を一番初めに話したと思うんですけど。
西岡:言っていましたね。
片山:やっぱり目的に応じたノートを使い分けることが非常に大事だと思うんですね。
西岡:確かに、確かに。
片山:例えば僕ですと、単語とか間違えたものを記録するノートをとっていたんですけど、それは隙間時間に自分が覚えられるように、A6サイズのポケットに入るような小さいノートに記録してました。隙間時間を使って、繰り返し暗記していたんですね。
一方、理科とかのノートは、図がたくさん出てくるので、大きなノートに図をデカデカと書いたほうが見やすかったんですね。
なので、やっぱり目的に応じてノートを使い分けるのが大事かなと思います。なかなかそこまで器用に使い分けるのが難しいという方でしたら、一番基本的なオーソドックスなノートを使っていきながら、「あれ? ちょっとこういうノートのほうがいいのかな」と感じた時に、別のノートを検討するのがいいのかなと思いますね。
西岡:なるほどね。この方はノートの種類、サイズを挙げていらっしゃるんですけど、よく受験生から聞かれることとして、紙のノートでも2つあるじゃないですか。ルーズリーフとそうじゃない普通のノート、どっちがいいとかってあります?
片山:どっちがいいって決めるのはなかなか難しいんですけど。やっぱりこれも使い分けていましたね。
西岡:やっぱりそうなんだ。目的によって使い分けていると。
片山:そうですね。ルーズリーフのメリットって、1枚2枚とか軽いじゃないですか。ノートを全部持ち歩かなくて済むんですね。例えば大学に行くとか、ほかの予備校で授業を受けるとなった時に、全部のノートを持っているとすごい量になっちゃうんですね。
西岡:確かに確かに。
片山:このルーズリーフは出先とかそういった時にすごく活用できて、それをファイリングしてしまえばノートにできるんですけど。ただ、自分のお気に入りのノートとかってやっぱり愛着とか、今まで累積した過去のノートの記録とか、見たい時もあるじゃないですか。そういう場合は、やっぱり「自分は特にこの勉強に力を入れたい」というものは、ルーズリーフではなくてきちんと1冊のノートにまとめたほうがいいのかなと思いますね。
西岡:確かに、それはすごく思うなぁ。あと僕の事例なんですけど、確かにおっしゃるとおり、けっこう力を入れる1冊のノートをやっていました。例えば「数学Ⅰ 本当にがんばるぞノート」みたいなのとか、あと「ダメ集」を作っていたんですよね。「ダメだった問題集」みたいにノートをまとめることをしていたなと思うんですけれど。
僕は過去問はわりとルーズリーフだったんですよ。なんでかというと、やっぱり過去問ノートって組み替えたいんですよね。できたやつとできなかったやつとか、こういう系統の問題とこういう系統の問題みたいに。
難しかったやつ、簡単だったやつもそうですし、あとはフランス革命の問題とかで、「合わせて見たい」「組み替えたい」というのがけっこうあったりしました。そういう時はルーズリーフが非常に便利だなと思いますね。そういうふうに使い分けていくべきってことなんですかね。
片山:そうですね。ただ僕は、漠然とノートをとる行為は一番して欲しくないんですね。やっぱりその目的に応じて、「この教科を勉強するんだったらこのノートがふさわしい」というのを見つけてもらう。それが一番大事なことで、まさに勉強の本質ですよね。
西岡:確かにね。本当にそうなんだろうな。「自分自身に合ったものを」という前提があるんだろうと思うので、僕らからは「絶対こうしたらいいよ」ということはないですよね。
片山:そうですね。
西岡:ありがとうございます。そうですね、初めの質問は大丈夫でしょうか。
司会者:ありがとうございます。
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