書籍は7万部突破、Twitterやnoteで活動するF太氏

小鳥遊氏(以下、小鳥遊):続きまして、F太さんよろしくお願いいたします。

F太氏(以下、F太):小鳥遊さんありがとうございました。では引き続き、僕のほうで始めさせていただきます。

今回「Notion」というアプリを使っております。Notionは最近一部でめちゃくちゃ流行っているんですが、ご存じの方はどれぐらいいらっしゃいますか? ……さっそく(Zoomの)「手を挙げる機能」を使わせていただいたんですが、けっこう多いほうだと思いますね、ありがとうございます。さすがサンクチュアリ出版のみなさん、意識の高い方が多い。

Notionにすごくハマっていまして、これを使って話す内容をまとめてきたので、ご紹介させていただきました。すごく便利なので、僕の最近のタスク管理にも使っています。

今回、Notionの使い方をお話するわけではありませんが、このまとめをご覧いただくことで「Notionってこういうふうに使うこともできるんだ」というのも少し拾っていただけると、プラスアルファで役に立つかなと思います。

まず簡単に僕の自己紹介をさせていただきますと、「ひらめきメモ」と「F太」というTwitterのアカウントを運営しています。小鳥遊さんと書いた『要領が良くないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』はおかげさまで7万部突破で、サンクチュアリ出版さん、本当にありがとうございます。

実際、僕は何をして生活をしているかというと、本やnoteを書いたり、ツイートをしたりして生きている感じです。コロナが流行る以前から、ほとんど家から出ないでパソコンの前で仕事をする生活をしていました。それでも本を書いたり、ちゃんと散歩や運動や筋トレをしたり、わりと健康的でストレスフリーな生活を送れているつもりです。

テレワークでの「家事と仕事の両立」は面倒くさい

F太:これから紹介する僕のテレワークスタイルは「大丈夫かコイツ」と思われそうなところがありますが、それでも、6年間わりと問題なくやれているということを、あらかじめお伝えしておきたいと思います。

今日はクローズドなイベントということで、普段あんまり紹介しないような……というか、普通こんなところは見せないんですが、僕がパソコンでどういうふうに仕事をしているかを、ほぼ全部お見せしちゃおうかなと思います。映っちゃまずいものは一応消しているんですが、もし映ってしまったらそれは内緒でお願いします。

僕は完全に家で仕事をしています。昔はカフェに行って仕事をしたりもしていたんですけど、カフェに行くために着替える時間や移動する時間が、本当に無駄だなと思って。結局今は、家で全部仕事をするようにしています。

今回のイベントに先駆けて、noteを1つ書かせていただきました。けっこうたくさんの方にお読みいただけているんですが、僕がどういうふうに家事をこなしているのかをご紹介させていただいています。

今回、サンクチュアリ出版さんからも「家事と仕事を両立しなくちゃいけないのが、テレワークで大変なところだよね」というお話があったんですけど、まさに僕もそれは独立してから6年間ずっと考えていたことです。そして最近ようやく家事の「面倒くささ」みたいなものを、ほぼゼロにすることに成功しました。

この方法をぜひ紹介したいということで書いたのが、このnoteなんですが、無料公開なので気になる方はぜひこちらをご覧いただきたいです。今回の話に関わってくるので、簡単にnoteの内容をご紹介したいと思います。

自分が「面倒くさい」と感じるラインを見極める

F太:例えば「皿洗い」という仕事があったとします。洗い物はけっこうやることがいろいろあるんですよね。油汚れを水で洗い流して、その後に洗剤で洗う。そうしないと、皿の油汚れがコップに移っちゃったりしますから。

油汚れを洗い流して、次に洗剤で洗って、そして洗剤を洗い流すという一連の作業の合間合間に、僕は別の作業を入れているんですね。

まず油汚れを水で洗い流したら、パソコンに戻ってきて執筆の作業を再開して、執筆に飽きたらまたシンクに戻って今度は洗剤をつけて洗って、今度は筋トレをしたりするんですね。それで、筋トレに飽きたらまたシンクに戻って洗剤を洗い流すみたいな、けっこうめちゃくちゃなことをしています。

「ここで中断しちゃっていいの?」というところで作業を中断するのが、1つポイントになります。こういうやり方をするようになって、家事について「面倒くさい」と感じることがほとんどなくなったんですね。

その理由について説明します。まずイメージをしていただきたいんですが、「今から身近にあるゴミを1つ拾って捨ててください」と言われたら、けっこう簡単に実行できると思うんですね。ただ「今から部屋を完全にきれいに片付けてもらえますか」と言われたら「いやいや、ちょっと今からは」と感じるじゃないですか。

実はこの感覚の違いがけっこう重要で、部屋の片付けは「ゴミを1つ捨てる」という小さいタスクの積み上げでしかないんだけれども、これを「面倒くさい」と感じるのは、直感的にもっとたくさんのことをやろうとしているからなんですね。

「面倒くさい」と感じた時に、その「面倒くさい」を分析してみてほしいんです。「面倒くさい」と感じた時はチャンスで、ここで「どれぐらいの作業だったら、今のテンションで面倒くさいと感じずにやれるんだろうか」「今の自分でも今すぐやろうと思えるのは、どれぐらいなんだろう」と考えてみるんですね。

そうすると、当初は「洗い物、面倒くさいな」と思っていても、「洗い物を見に行くぐらいだったらできるな」と思える動きが見つかる。それぐらいしかできなくてもぜんぜん良くて、一度段取りを細かく刻んだほうが、次にもう1回やろうとした時にものすごくスムーズに取り掛かれたりするんですね。

この感覚がけっこう大事なんですよ。自分で「面倒くさい」と感じない作業単位を見極めていくのが、テレワークにおいてすごく重要だと思います。

フットワークの軽さが身につく、「飽きたらやめる」の積み重ね

F太:もう1つ重要なのが、「飽きたらすぐやめる」というテクニックですね。よく心理テクニックで「一旦始めてしまえば終わるんだ」と語られることがあるんですが、実はこれ、けっこう役に立たないアドバイスです。

「面倒くさいのは最初だけだ」と自分にいくら言い聞かせても、残念ながら「面倒くさい」という感覚はなくならないんですよね。「一度取り掛かったら、どうせ最後までやらなきゃいけないんでしょ」と頭の中でわかっているから、結局そのハードルは下がらないんですよ。

このハードルを下げる方法があって、「飽きたらやめる」というルールを自分に課すんですね。飽きたらやめてもいいことにして、実際に洗濯機の場所に行って洗濯を始めます。洗濯機の中に入っている、洗濯槽の屑取りネットがあるじゃないですか。あれを取って捨てるのって、ちょっと気持ち悪かったりもするし、けっこう面倒くさいんですよ。「うわ、面倒くさいな」と思ったら、そこでやめちゃっていいんですよ。

(屑取りネットを洗濯槽から外して)一旦パソコンの作業に戻って、もう一度洗濯槽のところに行ってゴミを捨ててまたパソコン作業に戻ってくるというように、「飽きたらやめていい」と決めて、実際に飽きたところでやめると、自分の潜在意識が「飽きたらやめていいんだ」と納得するんですね。

この経験を積み重ねることによって、「いや、面倒くさいな」と思っても「飽きるところまでやればいいんだ」という感覚が醸成されていくので、フットワークの軽さが身についてくるんですね。フットワークを軽くいろんなことに取り組む。実はこの“軽さ”が、テレワークにおいて特に重要になるんですね。

いろんな仕事を先送りにしてしまう人は、フットワークの軽さを自分の技術として身につけるのに、このやり方はすごく便利だと思うので、意識的に使ってみてほしいなと思います。

ショートカットキーで、作業を効率化

F太:ということで他にもいろいろと書いてあるんですが、もしご興味があればこのnoteを後ほどお読みいただければと思います。今回は、noteには書けないような内容をクローズドな場面でご紹介したいと思います。

「飽きたらやめる、一気にやらない」という考え方は、僕は家事だけじゃなくてすべての仕事にも応用しているんですね。ただ「それって具体的にどうやっているの?」というところを、「実際にこういうふうにパソコンで操作してやっていますよ」とお見せしようと思います。

まず前段階として、今、僕が抱えているやりたい仕事や片付けや筋トレとかの手順書をNotionやGoogleスプレッドシートで作成し、それらの画面をぜんぶ開いてあるんですね。この画面を切り替えながら仕事を進めていきます。

僕はWindows10を使っているので、Windows10のショートカットキーを例に使いますが、Macにも同じようなショートカットキーは用意されているはずなので、それを応用して使ってみてほしいです。

「Alt」「Shift」「Tab」を同時押しすることによって、画面が切り替わります。画面を切り替えて何をやっているかというと、山積みになったトランプの一番下のカードを一番上に持ってくる、みたいな動作をしている感じですね。基本的にこれを繰り返しながら、一番後ろの画面を最前面に持ってきて、その画面の仕事に取り組むということを延々とやっているんですね。

例えばこの「jyy」というNotionは、小鳥遊さんと一緒にやっているプロジェクトの通称なんですが、この画面を見たら作業メモを読んで「じゃあ続きをやるか」というふうに、この仕事に取り掛かるモードに入るわけですね。

“思考の履歴”を残すと、作業中に迷子にならない

F太:手順書を作るにあたって、1つおすすめのやり方があります。新しく始めるプロジェクトとかって、何から手を付けたらいいかわからないじゃないですか。我々の書いた『仕事術図鑑』という本も、「まずはとにかく手順書を作るのが大事です」ということを、けっこう細かく口を酸っぱくして書いてはいるんです。

ただ裏話ですが、手順書を書くところに至るまでにも、けっこういろいろと考えたり悩んだりしなくちゃいけないことがあったりするんですよね。なかなか手順書作りにすらたどり着かない方におすすめしたいのが、“思考の履歴”を残すというやり方なんですね。

僕は思考の履歴を残すためにNotionを使っているんですが、別にこれはNotionじゃなくてもいいです。メモ帳アプリとかでもなんでもいいので、書きたいと思ったらすぐに開くメモ帳を用意しておきます。

今からやる仕事について、考えていることをここにつらつらと書いていくんですね。「さあやるぞ、なにからやるか」「動画のチェックからやるか」と、こんな感じで自分が考えてやろうとしていることを記録に残していくだけでも、だいぶ仕事の整理がついて、次回に取り掛かりやすくなっていきます。

こんなふうに、今までの思考の履歴を残してあって、思考の履歴をざっと見れば、何をしている途中だったかがすぐにわかります。細かく作業を切り替えながらでも、思考の履歴があれば簡単に「今、何をやっていたか」がわかり、迷子にならずに済むので、このやり方を試してみてほしいです。