PR2025.11.27
数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
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斉藤知明氏(以下、斉藤):では石黒さん、自律型人材が生まれる組織とは? について、お話しいただければと思います。よろしくお願いします。

石黒卓弥氏(以下、石黒):はい。改めてよろしくお願いします。「デジタル時代の『自律人材』が活躍し続ける組織OS」ということで、私から10分ぐらいお話しできればと思っております。

自律という話って、かなり難しいなと思ったんですけども。“組織OS”みたいなところで考えたいなと。要は育つ、勝手に育っていく。そういう方がどうやったら行動をし続けられる、もしくは自律し続けられるような組織が作れるのか? について、私の経験を元に問題提起を含めて、お話しさせていただければと思っております。
石黒:改めて、先ほどご紹介いただきましたが、今はLayerXという会社で人事と広報をやっていて。私としては、その前にメルカリという会社が本当に小さい頃から5年半人事に携わらせていただいたのは、すごくいい経験になっています。

今は民間企業だけではなくて、行政のほうにも携わらせていただく機会をいただきまして。まさにデジタル庁の採用のところとか。今、採用のみならず「どういった組織でやっていくか?」というようなお話もさせていただいたりしています。
LayerXの3つの事業をご案内しますと「DX」とか「ブロックチェーン」というところ、デジタル化のtoBの事業に注力をしていて。特に左の「LayerXインボイス」というSaaS事業に注力しております。

企業のデジタル化を後押しする会社でございまして。「LayerXインボイス」という、請求処理を簡単にするプロダクトを提供しております。もしご興味あればご覧いただければと思います。
石黒:どんなことをやってきた人間か? というのを、ざざっと見ていただくと、こんなかたちになります。メルカリの時は、人事採用組織を立ち上げ。グローバル採用、エンジニア採用、新卒採用、海外採用ですね。子会社(社内子会社立ち上げ)。

もしくは採用広報。採用広報って、最近よく言われますけれども、ここ5年ぐらいにできた言葉かなと思っていて。そういったところをメルカリでやっていました。
あとは組織カルチャー、ミッション・バリュー、OKRだったりですとか。メルカリは40以上の国と地域の方々が集まるような組織に、ここ3年半ぐらいでなっていて。その後も多様な会社にしていこうという営みが、引き続きコミットしているような組織です。

また人材開発、組織開発のところですね。今日も少し折りに触れてお話しさせていただきますけれども、ピープルアナリティクスみたいなところも担当させていただいています。
石黒:じゃあ実際、自律人材が活躍し続ける組織OSは何か? というお話なんですけれども。

こういうと言うと怒られますけど、ウェビナーってなんとなく1時間とか50分とか30分とか参加して「今日もよかったなぁ」という感じになってしまいがちかなと。
それ自身は悪いことではないんですが、今日は持ち帰っていただくものを、非常にシンプルにして。2つだけ持ち帰っていただければいいかなと思っています。
その前に、そもそもデジタル時代。この2020年代の組織に何が必要なのかな? という話。これはまさに私、デジタル庁さん関連ミーティング時に、最初にお出しさせていただいた資料になるんですが。ここにけっこういろんなものが詰まっているかなと思い、今日、この1枚をお持ちしています。

これは自律人材ができあがる組織の、そのまた前の話かと思うんですけども。「そもそも組織ってどうなんだっけ?」とか「未来志向の組織ってどうなんだっけ?」という話ですね。
なによりも「トップがちゃんとコミットメントを持つ」と。さっきもいろんなコメントがありましたが、透明性だったりとかチームを信頼するみたいなところです。
そして「共通の目的と判断軸」いわゆるミッションとバリューがある。そのうえでみんな採用にこだわりがちなんですが、採用は組織を作る、あくまでスタートなので。その後どんな組織を作りたいんですか? というお話を、ちゃんと考えたほうがいいよねと。
4点目が「応援されるチームであり続ける」と。これは非常に、僕が個人的に前職のメルカリや今のLayerXでも意識していることなんですが。会社もしくはチームとして、応援されるというような雰囲気を作っていったり、空気感を醸成していく。
最後は「行動がすべて」。結局、実行しないと学びもないし、失敗して学んでいきましょうよというところを今日はお伝えできればなと思い、今日このスライドをお持ちしています。
石黒:ではメルカリの事例、お話しできればと思います。メルカリ、みなさんご存知かと思いますし、使っていただいているんじゃないかと思うんですけど。2013年創業で今は創業8年、マザーズ上場の会社。時価総額が非常に大きくなっています。
メルカリの組織を一言で言うと「ミッションとバリュー」。本当、この2つで成り立っています。

ミッションとバリューって、もはや「ミッション・バリュー経営」という言葉になっていて。急成長組織、例えば(スライドの左側を指して)こちらのBASEさんですね。ECのプラットフォームを作っているBASEさん。(スライドの右側を指して)こちら私が所属しているLayerXのものなんですけど。

ミッションとバリューというのは、現代におけるスタートアップ型もしくはデジタル組織……スタートアップって要は簡単に言うと「少人数の自律した人材が立ち上げていく組織」だと思っていて、そういった企業のフレームワークに、もはや、なっているなと思います。
石黒:ミッションというのはつまり「会社の向かう方向」です。バリューというのは「行動指針であり判断の軸」というようなところです。


ミッションとバリューというのはすごく難しいんですが、やり切ったらすごく意味があるものだと私自身は思っていて。仮にミッションやバリューからズレた意思決定を、経営陣もしくはマネージャー、もしくは今日ご参加いただいている人事のみなさんですね。
ここがズレた意思決定とか行動をしちゃうと“しらけ”というのが先に生まれてしまう。これはすごく危険だし、ここを意識して行動したいよねということを思っています。
石黒:なので、一貫した意思決定とか信念に基づいた行動が必要です。一貫した意思決定とか信念に基づく行動を、一人ひとりが実現できると組織はすごく強くなっていくんですよ。“組織のOS”という言葉を、私は最初に使わせていただいたんですが。ミッションとバリューというOSさえしっかりしていけば、そのOSの上で動いていく組織の一人ひとりの人材、もしくはメンバーというのは、そんなに意思決定とズレない行動ができるようになっていくんですね。
なので、逆説的なんですけど、一貫した意思決定基準さえあれば社員は自律して行動ができる。つまりどこに向かえばいいの? で、向かっていく中でいろいろ右左を迷うことがあるんですが「右に行くのか、左に行くのか」という時の行動を決めるものが、バリュー。つまり行動指針だったりするので。
目指すものがはっきりすること。意思決定の基準が決まっていること。そういうことで、社員がどんどん自律して。あとは、例えば私であれば採用とか広報だし、営業といえばお客様への判断だし、エンジニアリングであれば使う技術の選定だし。
すべて行動指針に基づいて意思決定されていけば、また透明な組織でさえあれば。情報が同じ、意思決定基準が同じであれば、一人ひとりが基本的には自律して同じ意思決定ができるようになっていく組織が作れるということで、こちら、今日はスライドをお持ちしております。
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