2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
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松原嘉哉氏(以下、松原):ありがとうございました。次ですね。「自然と意識が向く方向、向かない方向を理解できてきましたが、意識が向かない方向とはどう付き合えばよいですか?」と。これは、僕の質問なんですけど。
山口揚平氏(以下、山口):これはグッドクエスチョンだと思いました。
松原:ちょっと背景を言うと、僕自身は数学を基軸にして、国語寄りと社会寄りにフラフラしているような天才性を持っていて。もともと生物系のベンチャーに勤めていた時に「見る」という(自身の天才性と)反対側の能力に苦しめられた経験があって。そこから逃げ出したので、それを「よかった」と捉えたらいいのか。それとも「それとどう付き合っていけばいいんだろうか」というところは、ぜひ教えていただきたいなと思ったところですね。
山口:このジーニアス・ファインダーは、隠された裏側の事情がありまして、実は教育論から来ているんです。どういうことかというと、国語、算数、理科、社会というのは「そこを伸ばせばいい」という文脈です。
得意なやり方が誰にでもあるんです。『ドラゴン桜』じゃないですけれども。別に東大合格だって、いろんなやり方があるわけで。向いてないことも含めて、この国語、算数、理科、社会というのを埋めていく。意識の動かせる方向性を増やしていくことですね。これが学ぶということだと思っています。
松原:なるほど。
山口:なので、自分の得意な意識の……僕だったら「非常に概念的な処理が得意な領域」があるんですけど。じゃあそれが、それぞれの領域でどういうメリットがあるの? というのが、本の中に書いてあったと思うんですね。
例えば概念的になにかを描くのが得意な人って、それを現実化する力がやっぱり強いんですよ。人の気持ちを知覚できる人というのは、やっぱりオキシトシンが出るというか、幸せなんです。
でもやっぱり僕は“下の泥んこ遊び”をしなきゃいけないというか、理科の領域で風を感じたりとか、水の中でああやって泳いだりとか、そういうことをしないといけないとも思っています。本質的なエネルギーって、そこからしか入ってこないからです。
エネルギーというのは下からしか入ってこない。上からは絶対来ないというわけで。自分が向いてない方向というのを理解できるというところが“ミソ”かなと思っていて。ギブアップしないように、少しずつ少しずつ、向いてない側にもチャプチャプと入っていくというところが。挫折しないように、とにかく続けることが大事です。
国語・算数・理科・社会それぞれを、ほんの少しずつできる範囲でやるという。
松原:なるほど。じゃあ自然と向いてしまう方向性は当然がんばるにしても、そうじゃない方向性にも少しリソースを割いておいたほうが、結果的に人生ハッピーだというイメージでいいんでしょうか?
山口:そうですね。人生はトゲが全部空っぽになって、意識がいろんな方向に自由にいける状態というのが、一番ハッピーだと思うので。
松原:なるほど。
山口:だから自分の天才性がわかっていると、そこが「コンフォートゾーン」というんですけれども。自分で、その距離感でやっている限りは最強だと……。最強というのは安心なので。お金よりも、たぶん安心だと思うんですよね。
なので、そこのジーニアスポイントは、知っておいたほうがいいかなと思ってはいますね。知らないとちょっと不安なので。常に安心感を持っておきながら、他に関してはちょびちょび軽減していくという感じです。
松原:ありがとうございます。次の質問は「多くの人が自分の天才性に忠実に生きると、社会がよくなるのでしょうか? 自分の天才性がわかってきたような気がしますが『社会に役立たないと価値がない』と思うと実行に踏み切れません」というところですが。実行に踏み切れないみたいなところの、ちょっと補足みたいなところをいただけるとうれしいなと思うんですが。いらっしゃいますか?
質問者4:はい。
山口:人間というのは「社会的存在」であると同時に「個人的存在」でもあるんですよね。同時に存在しているという理解をしたほうがよくって。「社会のために」と言っていて、自分がハッピーじゃない人って、やっぱりいるんですけども。そういう人は、一番信用しちゃいけない(笑)。
松原、質問者4:(笑)。
山口:人間って多次元的に存在しているというか。個人的な自分であり、社会的な距離、空間軸といいますけれども。ここにも同時に存在しているので。
個人的に存在するのと同時に、社会的に存在しているので。そんな中で「社会の役に立たない」とか、そんなことは気にする必要がないな? と思いますね。むしろ、みんなが自分の偏見にとらわれなくて、固定観念を減らしていって、自由に暮らしていくということで、社会がハッピーになります。ハッピーな人が増えれば当然、ハッピーな社会になりますので。
ただ「個人がたくさん集まるから社会」ということでもないし「社会を分断すると個人になる」というわけでもないんです。同時並行で存在している。足したり引いたりするものではないんですね、社会って。同時的な存在だと思います。
質問者さんは質問者さんという個人であると同時に、社会的な存在でもあるので。まず、質問者さん自身が(社会の)役に立つとか立たないとかということは、あまり考えないほうがいいかなと思う。
質問者4:(笑)。なんかちょっと勇気づけられました。
山口:「役に立たないから何?」という感じですよね。
松原、質問者4:(笑)。
山口:役に立とうとして苦しんでいる人がいるんだとしたら、役に立つ相手はハッピーになるかもしれないけど、自分が苦しいわけじゃないですか。そうしたらやっぱり、プラスマイナスゼロなんですよ、結局は。1人がマイナス、1人がプラスになってる。
そうではなくて、1人が100人を幸せにできるかというと、そんなことはできないわけで。ということは質問者さん自身、1人でハッピーであれば、もう社会の中でそれで「プラス1」なんですよ。そっちのほうが大事かなとまず思いますので。とにかくストレスはないほうがいいです。
自分の幸せとか……別にしたいことをやらなくてもよくて。「ありたい状態」ってやっぱりあると思うんですね。そっち側に少しずつ整えていくということが、結果的に社会をハッピーにすると思うので。それで十分かなと思いますね。
山口:なにかの行動は、大して役に立たないですよ(笑)。
質問者4:(笑)。
山口:行動なんかいらないです。
質問者4:自分の状態がまず大事ってことですね。
山口:そうです、そう思います。ただ逆に、自分の在り方がそのままマイナスになる可能性があるので、そこは要注意。社会にタダ乗りをしないとか、社会の秩序を乱さないとかは最低限意識をする必要があると思います。
質問者4:そうですね。
山口:結局、自分が自分に忠実に生きることは、人に対して迷惑をかけることではないんです。嫉妬は生むかもしれないですけど。人から搾取する……自分の快楽とかハッピーのために人から搾取することってできるんです。
今のビジネスって、そういう傾向が強いと思うんですけど。そういうのはやめたほうがいいかなと思います。
質問者4:なんかすごくすっきりしました。ありがとうございます。
松原:よかったです。では終わりの時間も近づいてきたので、最後のクロージングに入っていきたいなと思っているんですけど。
山口:はい。
松原:今回の「ペアドク」は“本を主語にしてない”というのが、けっこうポイントです。山口さんも、本の中でおっしゃられていたと思うんですけど「他者と自分の関係」みたいなところが、どちらかと言うと(「ペアドク」の)主語になっているので。そういう意味ではすごく、この本におけるコミュニティとか、ピアバリューみたいなところとけっこう近いところにあるのかな? と僕は思っています。
みなさんも今日のイベントで、本が真ん中にあるからこそ、今日初めてオンラインで会った人ともシェアできたんじゃないかなと思っていますし。もしかしたら「共感する」みたいな人もいれば「いや、なんか価値観あわなかったな」という人もいると思うんですけど。それも含めて、他者を鏡として自分のことを少しでも知れたと思ったら、今日のイベントはよかったんじゃないかなと思っております。
今日は「天才性」というものを軸に取り上げましたけど、「ペアドク」ではこれまでも多様性とか働き方とか人間関係とか、いわゆる「正解がないもの」を中心に取り上げています。もし興味を持たれたら、「ペアドク」のFacebookグループで今後のイベントなどを告知しますので、ぜひ入っていただければなと思います。
では最後に山口さん。今日来ていただいた感想を、少しだけいただければうれしいなと思ったんですけど。どうでしたか?
山口:そうですね。さっき(イベント前半の「参加者同士対話パート」を)みなさんの議論を片耳で聞いていたんですけれども、非常にいろんな角度から本を読んでくださっていて。「ここはわからんけど、ここは共感できる」とか、そういう話を受けられて。すごく著者としてうれしいことだなと、1つ思いました。
一方で、やっぱりわからないことがすごく多かったりとか。「ターゲットがわからない」とか、そういう話もあって。それはそのとおりだなと思っていたので、著者というか、僕は案内人として、ジーニアス・ファインダーの場合はその後「GeniusFinder.me」でみなさん検査してくれたと思うんです。
そこで、引き続き回答を用意していったりとかしていきますので。本を、きっかけとして、コンテンツでなくメディアとして捉えていただいて。末永く、このコンセプトと付き合ってもらえればいいかなと思いました。
松原:わかりました、ありがとうございました!
山口:ありがとうございました。
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