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乱立する業務改善ツール、社内プラットフォームは“生きた化石”… 創業50年企業を変えたkintone全社導入の舞台裏
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沢渡あまね氏(以下、沢渡):「(9)言葉を選ぶ」も、少しだけ触れてもいいですか?

斉藤知明氏(以下、斉藤):はい。どうぞ。
沢渡:ふだん何気なく使っている言葉が、相手と壁を作ることがあるんですね。例えば“業者”という言い方とか。その瞬間、もう「下請け構造」って思ってしまったりとか、あるいはそういう空気感を作ってしまったりするんですね。
ですから、やはりふだん使っている言葉を見直してみる。それが相手に対するリスペクティングになっているか? こういう振り返りをしていただければな、と思います。
斉藤:さぁ、7問ぐらいしか回答できてない(笑)。少しまとめながら進められばと思います。
沢渡:そうですね。
斉藤:「リスペクティング行動は、いつの時代でも誰でも働く上では非常に大事なことだなと感じています。必ずしも組織の『型』が大事なのではなく、どんな組織であってもマネジャーの行動として大切なものと理解しました。組織の型とは関係ない気がするのですがいかがでしょうか?」。これは今までの延長かなと思います。
沢渡:統制型であっても大事なんですよ、実際。ただ「統制型においてはこういうものが見逃されがちだったよね」。あるいは「同調圧力的だったよね」というところからのアンチテーゼから、そのように言っていますので、統制型でもやっぱり、リスペクティング行動というのはあったほうがいいです。型とは関係ないです。おっしゃるとおりです。ありがとうございます。
斉藤:次の質問も、まさにさっき触れたところに近いのかなと思うのですが。
「何度か参加させていただいていますが、毎回頷くことが多く拝聴しています。残念ながらマネジメントの立場にないのですが、自社のその立場にいる人たち(どちらかというと問題意識さえない)にぜひ聞いてもらいたいような場合、どう声かけしたものかと思いますが、なにかよいアイデアはありますか?」。
何度も参加いただいて、ありがとうございます。マネジメントの立場にない、部下を持っていない。メンバーマネジメントをする立場ではないなら、ご自身がいかに自分のプロジェクトや個人をマネジメントすべきか。先ほどの、沢渡さんからの見解に近いところがあるかなと思います。ぜひ「自分ないし上司をマネジメントしてやるんだ!」ぐらいの気持ちで向き合っていただけるといいのかなと。
沢渡:そうですね。自社のその立場にいる人たち、どちらかというと問題意識さえない人に聞いてもらいたい場合。別に売り込むワケではないですけれども、私とか斉藤さんを呼んで、講演会をやる(笑)。
斉藤:やりますよ(笑)。
沢渡:そうして、社長も含めて聞いてもらう。会社で講演会をやるとか、あるいは『バリューサイクル・マネジメント』のまわし読みでもいいんですけれども。
会社としてそのテーマを取り扱うということって「会社として、そういうことを大切にしている」という、何よりのメッセージなんですよね。
斉藤:いや、本当にそう。
沢渡:それによって「うん、うん」って頷く人が出てくれば「あ、なんかこの人は新しいやり方、今のやり方を問題だと思っていたんだ」と。そこから、その合意形成だとか空気感が変わっていくということもありえますから。
やっぱり会社として巻き込んでいくというのが、一番現実的なのかなと思います。
斉藤:実際、Uniposもご導入いただく時に「なんでこれを導入するのか?」みたいなマネージャー向け研修会みたいなものを、会長、社長、マネージャーの方々に集まっていただいて、ご講演させていただいて。みんなから意見をいただく、という場も作ったりするんですけど。そうすると、すごく会社に姿勢が伝わるんですよね。
沢渡:そうですね。あとはできれば、やっぱり中間管理職・マネージャーの意識を変える研修とかね。そういうものも大事なのかなと思います。今までの統制型オンリーだと勝てないですからね、組織として。組織のリスクになるので。
斉藤:そうですね。いただいているコメントも、まさにそうですね。「講演会で同志をあぶり出す」という表現をされていますけれども。
斉藤:いきなり次の質問にもつながってくるんですけれども。「教育、入試、入社試験、採用面接……現在、変化への取り組みはありますが、8割が『答えのある』環境で育ってきていると思います。新卒のような頭の柔らかい層は変化に柔軟だと思いますが、ピラミッド型にはまりきってきた、従来の教育する側・採用する側に変化するような促しは、どのような取り組みが効果的でしょうか」。
たぶん100人が100人、いきなり「全員がオープン型の組織になりましょう」って難しいですよ。さっきのティールの話にも出てましたけれども「いかに動いていくか?」というところ「変わっていくか?」というところで。「8割が答えのある環境で育っても、2割も答えのない環境で育ってこられているのなら、なんて(変化を)起こしやすいんだ!」っていう、思考の転換をしていくのもありかなと思います。
沢渡:そうですね。レガシーな組織であればあるほど、質問者さんがおっしゃるとおり、もう統制型にはまりきっているんですよね。その人たちを変えるのは、ものすごくエネルギーがいるんです。
そうすると、やはりそんな中でも「変わりたい2割」をいかに安全に守るか。それは人事制度の部分だったり、場合によっては組織を分けてしまうというやり方をやっているところもありますし。
とはいえ、型にはまりきった人の「2:6:2の法則」でいうと、6割のうちの2割って、何かしら機会を与えたり教育をすれば変わりうると思うんですね。だからマネージャー教育とか、あるいは現場の教育だとか、そういった「新しいことをやること」を評価する。
評価制度を変えていくのも大事なんですけれども、人事として育成の機会を与える。評価制度も変えていくことによって2:6:2でいうと「6の中の、そのさらにトップ2を生んでいく」。たぶんこれをやっていくと、組織風土って変わっていく。あるいはうまく共存ができるのではないかな。
具体名は避けますけれども、大手のSIerとかでも、そういう舵切りをし始めて、人事制度を刷新し始めたところもあります。成果を出し始めているところもあります。
斉藤:よくコミュニティ理論とかでも言われるんですよね。パレートの法則で「2:8の法則」とかってあったりしますけど。その2:8の8のほうを「使わない8」。よくTwitterとかSNSとかのハックの時にも言われるのが「使わない8のほうを、いかに使わせるか?」って考えると、ものすごく労力がかかる割に、見返りが少ない。
沢渡:そうです。わかる。
斉藤:ロイヤリティが高い、ないし意志の強い2割の人を、ものすごく使いやすい構造にして「2割の人の行動が、8割の人に影響を与えるような仕組み」を作ってしまうのが、一番コミュニティとして醸成するわかりやすい手段の2つであると言われている、と。
沢渡:そうですね。
斉藤:これが組織にも適応できる話だと思うので。
沢渡:今の統制型一辺倒の大きな反省は「トップの2割がトップの2割の足を引っ張る構造」になってしまっているんですよね。ボトムに合わせて制度設計してしまうものだから、トップが活躍できなくて。それで辞めていくか、おとなしい人になるかになってしまうんですよね。やっぱりそこを安全に分けてあげるというのが、すごく大事なのかなと思いますね。
斉藤:よく組織の方が「とはいえうちは、こういう(変化を求めない)人たちがマジョリティだから、まだそのフェーズにないと思います」って言われるんですけれども。
2割の人が変化に対してポジティブなんでしたら、2割の人がすごく変化を持たらせるような制度に変えていくフェーズなんじゃないですか? という差だと思うんですよ。
沢渡:おっしゃるとおり。最終ゴールは「ビジネスモデル変革」なんですよね。たぶん、ビジネスモデル変革に「ノー」と言う社長はいなくて。しかも「DX」とか「変革」って社内で言っていればこそ、今までの(変化に対する)抵抗勢力は、はっきり言って“悪”なんですよ。
そこはやっぱりビジョンに基づいて「変化する人を正しく評価する」という評価制度とかに変えていかないと。「変わるチャンスのある人に対しては、きちんと人事として育成の機会は提供します。それでも変わらない人、あるいは『変わらない』を決めこんでいる人は、まぁそういう処遇しかないですよ」というやり方に変えていかないと、そもそも組織のゴールが達成できないワケですよね。
ということも『バリューサイクル・マネジメント』の本でとくとくと書いています。
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