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数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
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植松努氏(以下、植松):僕は小さい頃からちょっと変わった子どもだったので、学校の先生とうまくいかず、いつも怒られていました。ある日先生がうちにやってきて、母さんと話をしていたら、母さんは泣いていました。先生の声は大きいから僕にも聞こえて、「あの子はおかしいから迷惑だ」と言っていました。
「そうか。僕がおかしいせいで、母さんが怒られて泣くのか」と思いましたが、僕にはどうすることもできなくて、「なんで生まれてきちゃったんだろう」と泣くしかなかったんです。

でも、そんな僕が今では会社を作り、ロケットを作っています。こうなることを、小学生の僕はまったく想像していませんでしたし、同じように小学校の頃の僕の担任の先生も、僕が将来こうなるなんて1ミリも思っていないんです。実は、自分にも未来はわからないし、未来がわかる人は誰もいません。わからないんだから、未来を諦める理由がないんです。
わからない未来のことを「自分の人生、しょせんこんなもんだろう」と諦める必要ないでしょう。だって、わからないんだもん。人生は、人と出会うことによっていくらでも変わってしまうので、奇跡の出会いが明日待ってるかもしれません。今日がその日なのかもしれないですし、人生はいくらでも変わるんです。変わってしまう、わからない未来のことを諦める理由はまったくないですよね。
植松:(未来は)わからないんだけど、1つだけわかってることがあります。それは、みんなにはすごい可能性があるということです。子どもたちだけじゃなくて、大人もそうだよ。みんなは、これから人類の歴史を変えてしまうかもしれない、すごい人たちなんだよ。本当だよ。
だって、歴史は一人が変えるんです。坂本龍馬もエジソンもマザー・テレサもイチロー選手も、一人しかいないですね。それはそうです、人間は全員違うからこの世に一人しかいませんし、みなさんも同じ“一人”なんです。じゃあこの人たちはどうしてこうなったのかというと、好きなことをやめなかっただけなんです。
「好き」ってすごいんです。好きなことはがんばれるし、好きなことには燃えちゃうんです。これはみんなも経験あるでしょう。これこそが、学校の成績に関係ない、社会に出てからの本当の力だからね。
そして、好きなことは共通話題だから仲間を増やします。アメリカの会社に行くと、デスクの周りに家族や好きなものの写真がいっぱい貼ってあるので、それを見るだけで話しかけやすくなっちゃうんです。
好きなことって共通の話題なので、人が仲良くなって仲間が増えるんですよ。仲間が増えたら助け合えるから力が増えて、できなかったことができるようになります。もし僕と仲良くなってくれたら、僕は僕の仲間を紹介します。みなさんも、みなさんの仲間を紹介してくれるでしょう。本来なら出会うはずがなかった人と人とのつながりは、どこまでもどこまでも広がっていくんです。
植松:これから先、みなさんが直接奇跡を起こす可能性も十分あるんですが、みなさんが出会って関わった人が奇跡を起こす可能性もあるんです。でもその奇跡は、みなさんと会わなかったら起きなかった奇跡かもしれません。みなさんの中には、もう自分では想像もつかないくらいの不思議な奇跡がいっぱい詰まっています。
みなさんの命は大切だから、人を殺しちゃいけません。なんで殺しちゃいけないのかというと、「人の可能性を奪ってしまう」からですね。だとしたら、言葉で人の可能性を奪うのも殺人と同じです。
どんな言葉が人の可能性を奪うのかというと、「どうせ無理」という、とっても簡単な言葉です。この言葉は、使った瞬間からなにも考えなくてよくなるし、なにもやらなくてよくなっちゃうので、めちゃめちゃ楽になります。

だからこの言葉を、「楽をするため」に使っちゃう人がたくさんいるんですが、実はこの言葉は使った本人と周りの人の自信と可能性を奪ってしまう、最悪な言葉です。自分の自信も奪っちゃうんだからね。
自信がなくなったら、なにをしていいのか・なにができるのかがわからないんです。これで苦しんでいる中学生・高校生・大学生は山ほどいて、ものすごく成績のいい学校に行っていてもこうなっちゃってる人は、たくさんいるからね。
これは「自信がないから自分の考えることを信じることができない」という、とっても苦しくて恐ろしい状態なんです。ここから抜け出すためには、自信を増やすのが一番なんですが、大人の中には間違ったことをやっちゃう人がいます。競争させて自信を持たせようとする人がいるんですが、「比べないと自信を持てない人」がどんどん生まれちゃうから、こんなことをやったら大変だよ。
植松:この人たちは、自分の自信を守ろうとして、お金で自信を買おうとします。人からどう見られるかばかり気になるから、身を飾らなければいけないんです。でも、お金じゃ自信は買えません。しょうがないから、自慢をするようになります。自慢をする時には「自分以下」を作ったほうが早いから、人を見下し、評論し、差別をするようになります。
そして、ほかの人ががんばって置いていかれるのが悔しいから、人が一生懸命努力していることや、大好きな趣味のことを「ようやるわ」「何それ、自慢?」「余裕あるやつはいいよね」「どうせうまくいかねぇのに」「どうせ失敗するのに」と潰すようになるんです。

こんな悲しいことになるのは、僕らが「間違った自信」を教えられてきたからです。「比べる自信」は間違った自信なので、追いかけるほど自信を失います。「人より上手にできるから」「人より点数が取れるから」ということを自信にしてしまったら、必ずどんどん自信を失ってしまいます。本当の自信というのは、比べなくても成り立つんだよ。
そして悲しいことに、自信がない人は自分より弱い人の自信を奪ってしまうことがあります。それは時には暴力になったり、陰口になったり、仲間外れになったり、差別になったり、いろんなかたちになります。
それを会社でやったらパワハラになり、学校でやったらいじめになります。こんな人に出会ったら大変です。この人たちは、いじめやパワハラしたいんじゃなくて、自信がないから「自分以下を作りたい」だけのことなんです。
こういった人に共通する現象があって、間違いなく先輩や偉い人にはペコペコするんです。その代わりに、後輩や部下にはめちゃめちゃ上から目線です。どんどん否定され、どんどん自信が奪われてしまいます。こんな人に出会ってしまったら、もうめちゃめちゃつらくなるんです。しかも、相手が言っていることも「まぁ確かにそうだよね」ということでガンガンくるので、本当に返す言葉もなくてつらくなるんです。
植松:そこでさらに、「つらいことを我慢するのが強さだ! 我慢できないのは弱い人間なんだ!」と、恐ろしいことを言う人がいるんですよ。でも「我慢できないのがつらいのに、それを我慢しろって言われても困るんだよなぁ……」という感じなんですよね。
しかも、具体的にどう我慢すればいいかを教えてくれないんです。ただ口でだけ「我慢しろ」「気にするな」と言うんです。これは「こんなことも我慢できないお前が悪いんだよ」「こんなことを気にするお前が悪いんだよ」と言っているだけじゃないですか。
だから今、日本では、諦めたりやめたりして問題解決をしようとする人がどんどん増えちゃったんです。でも、諦めたりやめたりして良くなる未来はないです。自分のいる場所を譲ってるだけで、最後にはこの世にいる場所がなくなっちゃうからね。
だから今、このたった15年間で日本の若者の自殺率は世界一になってしまったんです。世界一ですよ、こんな現象が起きているのは日本だけだからね。テレビやニュースであんまり報道されないけれども、ものすごく悲しくて恐ろしいことが起きています。
だから僕は、本当の我慢を知ってほしいんです。我慢っていうのは、諦めたりやめたり、自分の心を無視することじゃないです。こんなことをやってたら心が壊れちゃうから、「我慢だ」と教える人間の言うことを信じちゃいけないよ。本当の我慢っていうのは「問題を解決する方法を考えること」です。「考えること」が唯一できる抵抗だから、考えてほしいんです。
でも、一人で考えていると、同じところでぐるぐるするだけで抜け出せないから、“夢の叶え方”と一緒です。困ったことは、乗り越えた人と仲良くなれば解決できるんです。だからみんながすることはとっても簡単で、勇気を出して夢と悩みをしゃべることです。お願いだから、人間を諦めないでください。どこかに必ず助けてくれる人はいるから、勇気を出して夢と悩みをしゃべってほしいと思っています。
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