医師の研究に光を当てた支援策

ヤンデル先生(以下、ヤンデル):Zoomで全員でいっぺんにしゃべると音が切れるんで。今から僕がランダムにあてますから。みなさんいいですか? 覚悟してくださいね。まずけいゆう先生、どうぞ! 何か言いたいことあったら、回していいよ。

けいゆう先生(以下、けいゆう):とりあえず、言いたいことはいっぱい途中で思い浮かびましたけど……。

ヤンデル:わかる、わかる。あるねぇ。

けいゆう先生(以下、けいゆう):とりあえず、MD Anderson Cancer Centerの上野先生は、超有名人です。腫瘍内科の先生ですけれども、CancerX(キャンサーX)の立役者でもあって、新しいことをやる方を裏ですごくサポートしている先生なんですよ。

今回も、その話はぜんぜん知らなかったんで、すごすぎて衝撃を受けたんですけれども。

ヤンデル:わかる!

けいゆう先生(以下、けいゆう):というのと、やっぱり今回のdeleteCにすごく意義があるなと思ったのは、さっきナオさんがおっしゃったように、こういう研究を応援するような企画って「ないな」って思われているけれども、実はけっこうクローズドであったりするんですよね。

「グラント」、いわゆる助成金ですね。そういう、団体から研究機関に応募して、お金をいただいて研究するという仕組みそのものは普通にやられていたんだけれども、非常に狭い世界で、ずっとやりとりをしている。

専門家とか詳しい人同士でやりとりをしていて、これが世の中に発信されることはほとんどない。研究ってすごくお金がいるもので、こうやってなんとかお金を取ってがんばってやっているんだということが、ぜんぜん知られていないという。

deleteCという仕組みは、一般にみんながよく知っている方々が応援している、よく知っている企業が応援しているかたちに昇華したところが、すごく新しいですし、すごく重要だよな、という。

結局のところ、医学研究者や、医師がやっている研究というのは、最終的には患者さんに還元されるもの。つまり一般の方に還元されるもので、我々が我々のためにやることじゃないので。

そういう、我々が見失いかけていた部分に光をあててくれたというか。そこに僕自身はかなり共感して、全面的に応援したいなと思った、という経緯があるんですよね。

ヤンデル:いいね。ちなみに今、先生の話は図らずもメニューの2番目に入りつつあるよ(笑)。「がんと研究について医師が思うこと」になってる感があっておもしろい。そこはだから地続きなんですよね。

医療従事者間だけで行われていた取り組みを“爆発”させたきっかけ

ヤンデル:だから、中島さんがさらっとおっしゃってたんですけど。

いろんなことを考えて「あれができるか、これができるか?」という中で、1つ掴み取った上野先生との縁であるとか、MDアンダーソンのCancerに線を引くということからつながっている道って、医師とか医療者が一応は内々ではやっていたけど爆発しなかった部分というのを、外から穴を開けにいっているような感覚がすごくありますね。

俳優の大谷亮平さんに似ている小国さん、どうですか。そのあたり。最初からご覧になっていて。

(一同笑)

藤松翔太郎氏(以下、藤松):(笑)。ちょっと似てる! 

小国士朗氏(以下、小国):そんなん、言われたことないですけど(笑)。

ヤンデル:今、僕も初めてこんなこと言いましたけど(笑)。どうですか? 

小国:本当、ご縁だなとは思っていて。

ヤンデル:ご縁ね。

小国:その、上野先生とナオちゃんが会った次の日に、僕はたまたま会っていて。

中島ナオ氏(以下、中島):そう。

ヤンデル:えぇーっ! 中島さん、それは、小国さんと会われたのはなんでですか? 予定でたまたま? 

中島:そうなんです。小国さんにもその気持ちを伝えたいなと思って、お茶の約束をしてたんですよ(笑)。

ヤンデル:また、お茶だぁ(笑)。

中島:でもすごく久しぶりだったんですよね。半年ぶりとか、ぜんぜん頻繁に会えていなくって。久しぶりに「決めたことを伝えよう。なんて反応するかな?」と思って、渋谷でお茶をする約束をしていたっていう。

ヤンデル:その話、小国さんにさらに続きをお伺いしますけど、その前にせっかくなので。もともと小国さんと中島さんがその前からお会いしていたのは、その帽子がらみなんでしたっけ? 

中島:違うんですよ。

小国:もともとは僕が、ちっちゃいコミュニティの勉強会みたいなものの講師を頼まれて、話してたんですよ。

ヤンデル:なんか(中島氏が)いい顔で笑ってますけど、大丈夫ですか?(笑)。

小国:大丈夫。俺もなんか若干、不安になってきたんですけど。確かそうなんですよ。勉強会の講師をやっていた時に、ナオちゃんが受講生としてその場にいて。終わってから自分のところに来て「名刺交換してください!」って言って。それが最初で。

「私、いろんなことやっているんで、話を聞いてほしいんです!」って言われて。「めっちゃ圧の強い人だな」とか思って。僕はその時NHKのディレクターをやっていたんで……。

ヤンデル:(笑)。NHKのディレクターに言われたくないと思うけどな(笑)。

小国:(笑)。

「がんのステージ4になりまして」から始動したプロジェクト

中島:ちなみにその時、私は大学院生だったんですよ。がんがわかってから、大学院に進んでて、本当にただの学生だった時に小国さんの話を聞いて。

ヤンデル:へぇー、おもしろいなぁ。

小国:「じゃあ、どこかで話しましょう」とか言ったんですけど、ちょっと忙しくて1ヶ月ぐらい空いちゃったんですよね。

1ヶ月後ぐらいにNHKに来てくれて、NHKの食堂で話してたんですけど。「実は、1週間前に私、がんのステージ4になりまして」って話を、1時間ぐらい話してから聞いて。「あ、そうなんだ」って。「それで、いろいろやりたいことがある」っていう話で、帽子の話はまだ構想ぐらいでしたけれども「もっといろんなことをやりたい」という「QOLデザイナーみたいなことでやりたいんだ」という話をいろいろされていて。

それがおもしろいなと思って、僕はそこの支援をできるから「どうやったらメディアに取り上げられるか?」とか「クラウドファンディングをやって広げていこう」とか、そういうのをお手伝いしてた感じで、2年ぐらい経ってたんですよね。

ヤンデル:すごい。

小国:それで本当に久しぶりに呼ばれて。渋谷のカフェで「ちょっと話がある」って言われたのも。

ヤンデル:ちょっと話がある(笑)。

中島:(笑)。

小国:ちょっとの話じゃないんですけど、それで「がんを治せる病気にしたいんだ!」って言うから、またなんか……「すごいこと言ってきたな」と思って。

それで(中島氏が)前日に会ったのが上野先生で「昨日こんな先生に会ったんです」って、話し始めて1時間後ぐらいに上野先生の名刺を出してきてくれて。それで思いついたのが、deleteC。

ヤンデル:すげぇパワー。ちょっとこのまま、藤松さんに話聞こう。ほむほむ先生にも聞きたいけど。ほむほむ先生、後でしゃべってもらいたいことが実はあって。

「がんと研究について医師が思うことのくだりで、がんに決めなくていいので、医師側から、例えば患者さんがどういう活動をしているとかに関する思いはどうですか」って聞こうとしていたんですけど、今の展開がいいので、ちょっと待ってて。無視しないから。大丈夫。僕はね、先生のこと好きだよ。大丈夫。

(一同笑)

deleteCが生まれた「11月2日」に重なる縁

ヤンデル:じゃあ、無駄に仮面ライダーの中の人みたいにかっこいい藤松さん、どうぞ。画面上だと櫻井(翔)くんって感じがします。

藤松:ちなみに11月2日が、deleteCができあがった日という。11月1日に上野さんに(中島氏が)会って、11月2日に小国さんとdeleteCの構想ができたというので、11月2日なんですけど。僕、誕生日が11月2日で。

ヤンデル:(笑)。

藤松:もう1個(エピソードがある)! これは、どうでもいいんですよ!

ヤンデル:よくはない(笑)。

藤松:「いいねの募金」に協力してくれた、AIさんの誕生日も11月2日なんですよ。

ヤンデル:えぇー。

小国:おおー。

中島:AIさん、11月2日なんだ! 

藤松:僕は、ナオさんの番組の時に、ナレーションをAIさんに頼んで。AIさんとMAルーム(編集室)に向かう時に、11月2日の話ですごい盛り上がって。「deleteCの生まれた日って、確か11月2日じゃなかったっけ?」みたいな。

僕は「誕生日、誰と一緒?」っていう時に、いつも「AIさん」って言ってたんですよ。

ヤンデル:(笑)。

藤松:それで、AIさんとちょっとでもしゃべりたいからその話をしてたら「deleteCの生まれた日と一緒だね」って話とかで、すごい盛り上がってて。

ヤンデル:なるほど~。

藤松:ある意味いろんな「やるべき」というか、これは進めるべくして進んでる。いろんな縁がつながってるなというのは、感じていました。僕、何、話してましたっけ(笑)。

ヤンデル:(笑)。いや、とりあえず小括しますけど。3人の縁を掘ろうなんて、さっきまでまったく思ってなかったんで、事前に打ち合わせもしてないんですけど。まさかこんなにゴリゴリ出てくると思わなかったし。

(一同笑)

ヤンデル:藤松さんの話をまとめると「俺、AIさんと誕生日一緒だぜ」になってるやんけ、っていうね(笑)。

藤松:その話を引き出したみたいな(笑)。

ヤンデル:(笑)。いやぁ、おもしろい。このままガンガンいってもいいけど、最初のテーマだけで35分経ってるんで、そろそろ先に進みましょうか。

といっても、中島さんとか小国さんとか藤松さんは、ガンガンしゃべっていいですからね。「はい!(挙手)」とかやればいい。