2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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寺田有希氏(以下、寺田):おもしろい! すごく盛り上がってしまったので、ちょっと時間が……。(3つのテーマのうちの)最後の「目上の人」に行きますね。
この回を始める前に、質問でもいただいていて。23歳、社会人1年目の女性の方から「仕事は好きなのに職場の人間関係で、自分より二回り前後年上の方が多く、気疲れに悩んでいます。お二人ならどう対処されるか、お聞きしたいです」と。
石倉秀明氏(以下、石倉):そうですね。この質問めちゃくちゃ多くて。僕もこの本を出させていただく際に、Twitterとかで「どういう時にコミュニケーションに困るんですか?」という質問をしたら、100通ぐらい集まったんです。
一番多かったのは「目上の方とか上司とのコミュニケーションの場面でうまくしゃべれない、うまく関係が築けない」だったんですよね。
寺田:私もこの本を出した時、誰に対しても堂々としゃべれるとか、目上の方や大物の方としゃべれるということが、(読者に)こんなに刺さるんだって気づいてなくて。
私は15歳でデビューしてるので、目上の方としゃべる環境しかなかったんです。
石倉:そうですよね。今も年齢は別としても、(仕事相手に)けっこう大物的な方が多いじゃないですか。
寺田:だから私15年間……。あ、嘘ついたな。自分の年齢、サバ読みました。
(一同笑)
寺田:17年目です(笑)。もう目上の方や大物の方としかしゃべってきてなくて、それが普通だったから。「そっか、みんなは『仕事をする』ってなったタイミングで、初めてそういう方たちとしゃべらなきゃいけないのか。みなさん悩むのか。そうか」って。
石倉:逆もしかりかもしれないですけどね。目上の方から部下への接し方がわからないみたいなこともあるかもしれないですけど。ちなみに寺田さんはどうしているんですか?
寺田:めっちゃシンプルなこと言いますけど、まず目上の方も「人間だ」って思います。例えば成功していらっしゃる方、仕事の上司、それこそ面接官の方とか、自分には想像できないすごい道を通ってきて、すごいスキルを持っていて、今その場にいるような感じがしてしまう。
だから5歳とか10歳の頃に思い描いていた20歳とか30歳の自分と同じで、めっちゃすごい人になってて。でも実際に自分が30歳を迎えると「30歳ってこんなもん?」ってなる。ぜんぜん違うことってあるじゃないですか。私、目上の方とか、上司、大物の人もみんなそうだってまず思うようにしていて。
石倉:なるほど。
寺田:自分の理想や想像で絶対に成り立っていないので。堀江さんは特殊で、大きな失敗をされていることもみなさんはご存じだけど、そうじゃない方ですごい人たち(もいます)。
それこそ例えば前田(裕二)さんだ、西野(亮廣)さんだ、中田(敦彦)さんだとか、もう苦手なことが一切なくて、スーパーマンみたいな“超すごい人”って思うんですけど、そういう人だって苦手なこともあるし、弱みもあるし、山ほど失敗してきている。
たぶん30歳になった時に「30歳ってこんなもんだ」って思っただろうし。当たり前のことなんですけど、まずそう思うようにしています。
石倉:勝手にその人を“すごくし過ぎない”という。
寺田:そうなんです。どうしても神格化しちゃうんですよ。特に面接とかそうなのかなって思っていて。面接官と受験者の間にすごく深い溝があって、見上げているようなイメージをしちゃうんですけど、そこにいくには地続きだから、そんな(神格化する)ことないと。
石倉:確かに。喫煙所とかに行ったら「会社の〇〇がよくねぇな」みたいな愚痴とかも、きっと言ってたりするんですよね。
寺田:言ってると思いますし「腰が痛いな」とか言ってるワケですよ、絶対。そういうのをまず感じるようにしています。
石倉:そう感じた上で、コミュニケーションをとる上で気をつけることはなにかあるんですか?。
寺田:まず一度、その方のやってきた実績や仕事に対することを受け入れて「すごいですね!」と言うようにはしているかもしれないです。
石倉:それはどういう意図ですか?
寺田:褒めてもらいたいだろうなと思うから……(笑)。
石倉:それは間違いない。褒められて嫌なことはないですもんね。
寺田:たぶん上にいけば上にいくほど、褒められたり怒られたり意見される場が格段に減るんですよ。
石倉:ないですよね。できて当たり前と思われているから。
寺田:そうなんです。だからちっちゃいことでも「え、それってどうやったんですか? えぇ~! すごいですね!」って、その方がやってきたことを素直に聞いて、素直に受け入れて。本当にすごいと思ったことに関して「すごいですね」って言う。その単純なコミュニケーションを図るだけです。
石倉:めちゃくちゃ、その場でなんとかしてるんですね。
寺田:でも、その場ですね。私のイメージですけど、例えば上司や会社とかって、老害みたいに思ってしまったり、ちょっと指示だけ出してくるウザい人とか、そういう感覚ってどうしても生まれちゃうと思うんですけど。
その人なりにがんばってきたことがあって、がんばってきたやり方があるから、なんか褒められること、すごいことって1つ以上は絶対にあるはずなんですよ。
石倉:なるほど。それは絶対ありますよね。
寺田:いくら話が通じない人であれ、いくらウザい人であれ、絶対に何かしらはやってきているはずなんですよ。
そのやってきたことを受け入れて、いいと思ったことを素直に言うと「あぁ、なんかがんばってきたことが間違いじゃないんだな」って思えて、ちょっと柔らかくなるんですよね。
石倉:「この人は味方だ」みたいな感じ。
寺田:そう。でもその上で「これはこうだと私は思うんですよね」って。例えば老害と思っていることを「でも周りのみんなは『ちょっと怖い』って言ってましたよ」とか、言葉を換えて、(相手を)受け入れた後に言うんですよ。すると、1回和らいでいるので、刺さるんですよね。聞いてくれるんですよね。
石倉:なるほど。『ホリエモンチャンネル』で、たまにタメ口になる時があるじゃないですか。関係性が長いからかもしれないですけど、それがそういう時なのかなぁって勝手に思ってる。
寺田:(笑)。まぁ堀江さんに関してはもう7年もやってるので、ちょっと特殊なんですけど。でも、そういうことです。自分のことをわかってくれているなと思えるからこそ、相手の意見ってたぶん聞けるので。それは年齢に関係ないのかなって。逆に上の方も下の方に対してそうなんだと思うんですよ。
確かに、その(上の)人から見れば、経歴とか経験値が少ないとは思うんですね。だけど、何か絶対すごいことがあるというのを1回聞いて、この人のことを褒めようと思うと、たぶん下の方も「この人はわかってくれているから、この人になら話は通じる」と思うはずなんですよね。
年齢が離れると、ついついその信頼関係というか、単純に認めてもらえるとか、認めようと思うことが欠落してしまうような気がして。
石倉:それでもやや上下関係がありますよね。
寺田:でも実は、その人本来を認める・認めないって、年齢関係なくない? って思うので。私は年齢に関係なく、それ(相手を認めること)をするようにはしています。
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