オウンドメディアリクルーティングの壁を乗り越えるには

岡安伸悟氏(以下、岡安):みなさん、こんにちは。Indeed Japanの岡安伸悟です。本セッションは私がファシリテーターを務めさせていただきます。本日は貴重なお話をたくさんお伺いすることができまして、非常に有意義なお時間となりました。

私自身Indeedで採用について関わらせていただいている身として、大変勉強となりました。本セッションで素敵な講演をしていただいたみなさまに、もう一度ご登壇いただきます。視聴者のみなさまから事前にいただいたご質問にお答えいただく場となっております。

ではさっそくではございますが、本日の質問等に関しては、この5つの質問を軸にお話をお伺いできればと思います。

今回いただいたアンケート結果では、オウンドメディアリクルーティングを始めるにあたっての壁をどう乗り越えたらいいのかという悩みが中心にありました。本セッションでは、それを各企業さまが実際にどう乗り越えたのかを伺ってみたいと思っております。

いきなりバズを狙わず、作りやすいコンテンツづくりから始める

岡安:まず1つ目は「人事担当者としてオウンドメディアリクルーティングを何から始めるのがいいと考えますか?」という質問でございます。こちらに関しては、例えば採用サイトの立ち上げだったり、その中に入るコンテンツ制作であったり、そのための社内協力であったりと、盛りだくさんかなと思います。

まず最初は、ナイルの渡邉さまにお伺いできればと思います。どのように始められたのでしょうか。

渡邉慎平氏(以下、渡邉):具体的な「作る」というところにコストが掛かっちゃうと思うので、プラットフォームはなんでもいいと思うんですね。noteなら無料でできますし、はてなブログとかでもいい。自社の採用ブログを持ってる場合はそれでもいいです。例えばWantedlyみたいなツールが採用手段として相性がいいんだったら、Wantedlyフィードを使ってもいいと思います。なるべくコストや労力を割かずに、プラットフォームを利用して始めるのがいいんじゃないかなと思います。

私も「採用担当はほぼ1.5人」みたいな中で採用ブログを立ち上げたり、現場の採用業務もやっていたので、前提としてリソースがない状態だったんですね。そこで何をやったかで言うと、広く拡散されるような記事を狙っていくというより、日常のイベントを出していくこと。社長や経営陣がふだんから現場の社員に伝えているメッセージ、理念・ミッションといった共通部分を、インタビューのコンテンツとして取り上げていました。

あとは面接官インタビューなどの現在受けてくださっている求職者の方が必要とするようなコンテンツ。会社のことを正しく理解してもらうとか、「選考でこの人と会うんだよね」となったときの、情報の心理的ハードルが下がるようなコンテンツから始めるのがいいんじゃないかなと思います。

岡安:渡邉さん、ありがとうございます。さまざまなブログサービスや無料のコンテンツ作成といった、人事担当者さんの手元で作成ができること。そして、社内のインタビューコンテンツ制作などが、手始めに取り掛かりやすい内容だと伺いました。

小さく始めてPDCAを回す

岡安:ユーザベースの山田さんはどういった始め方がいいと考えていらっしゃいますでしょうか。

山田聖裕氏(以下、山田):渡邉さんと同じで、まず小さく始めるということかなと思います。私の場合は最初、メンバー2人かな。PRをやりながら片手間というか、本業の傍らやっていました。私はもともと前職でブログの会社をやっていました。その中でバズるコンテンツを作るとか、そういったことを岡安さまと一緒にやらせていただいたりしたので、ある程度経験があったんですよね。

今ならどうやって始めるかというと、noteとかWantedlyといったいろんなプラットフォームがすでにあると思いますので、書けそうな社員を見つけて「書いてみよう!」とか、チームで「日替わりでやってみない?」という感じで、小さく始めるのがいいのかなと思っています。

参考までにお話しすると、私が最初にやってたWantedlyのブログも、まとめ記事とか社員向けの講演を文字起こししただけのものから始めていたんですよね。やり始めることで「なんかこれはいいな」「これは悪いな」と、PDCAを回し始められます。まずは小さく始めるところが大事なのかなと思っています。

岡安:思い起こせば8年前ぐらいですね。私と山田さんは「アルバイトの制服を着て山登りをする」というコンテンツをやったことがったんですけど。そんなことから自ら率先して、コンテンツ作りに励んでみると。手を動かして、まずはブログを作ってみる。そんな始め方が1つあるかな、と改めてイメージをいたしました。ありがとうございます。

そういった文脈において、GMOペパボの五十島さまはいかがでしょうか。

五十島啓人氏(以下、五十島):もうまったく、お二人の回答そのままです。強いて挙げるとしたら、「自分たちはどのあたりが強いのか」「何だったらやりやすいのか」を検討されてもいいのかなというぐらいです。あとはもう、本当にみなさんと一緒です。

岡安:ありがとうございます。HRブログとテックブログの棲み分けであったり、どのターゲットを狙ったファネル構成をしていくのか。今手元で作っているものがどこまで伝わっているのか、リーチしているのか、まだ足りていないものは何なのか。穴埋めをしていく作業をまず手始めにやると、どなたに伝わってほしいのかがより明確になるかなと思いました。

社内の協力を得るための巻き込み方

岡安:それでは次の質問に移っていきたいと思います。「社内の協力を取り付けるための施策やコツはありますか?」ということです。

私もいろいろと経験をしていますけれども、オウンドメディアリクルーティングを実践するうえで、社内の協力は欠かせないと思います。その協力を得るために実際にされていること、また有効な施策などについてお聞かせいただければと思います。

では五十島さまからお願いできますでしょうか。

五十島:主に2つあるかなと思っております。1つはHRブログで拡散力あるメンバーを取り上げること。会社さんにもいろいろある中で、「名物となる人」がいらっしゃると思うんです。そういう方を取り上げると、その部署以外の人にもけっこう情報が拡散していきます。

もう1つは「運営の見える化」ということで、我々は運営メンバーを公募しています。そうすると(社内の)みなさんにも知ってもらえるので。その2つがいいのかなと思っています。

岡安:公募が埋まらなかったことはありましたか?

五十島:幸いなことに、カメラマンにしても編集にしても立候補があって、今のところは大丈夫です。

岡安:すばらしいです。多くのグループ企業がある中で、しっかりとポジショニングをとられている、かつ公募においてもしっかりと手が挙がってくるのは、社内でも周知されているからだと思いました。ありがとうございます。

コンテンツが伝わるかを左右する「熱量の高さ」

岡安:では、マクドナルドの宮沢さまはいかがでしょうか。

宮沢泰成氏(以下、宮沢):先ほどナイルの渡邉さんのプレゼンでもあったかと思うんですけども、ペイドメディアに比べるとオウンドメディアリクルーティングは、結果が出るのに少々時間かかるところがあります。私のところでも、ROIという観点ですぐに結果を見たい経営陣の理解を得るのは、なかなか難しいという印象がありました。

とはいえ、採用と経営はやはり同じ土俵で語るべきことだと思います。熱意を持ってきちんと伝えていくことが、やはり最終的には重要になってきます。そのためにはやはり、私を含め担当者が「オウンドメディアリクルーティングで質の良い人材を採っていくんだ」と熱意を持って説得していくことが、最終的には重要になっていくかなと思います。

岡安:宮沢さま、ありがとうございます。そこまでの内容を、社内ではお二人でやられていましたよね。

宮沢:そうですね、二人でやっています(笑)。

岡安:各プロモーターさんと、間にパートナーさんが入られて全体設計をされているかなと思います。それぞれのステークホルダーがいる中で、どのように1本軸を通らせて、関わる人材とコミュニケーションをとられていらっしゃるでしょうか。

宮沢:再現性というところでは非常に頼りない意見なんですけども、担当者自身のパッションと言ってしまえばそれまでで……(笑)。

やっぱり我々の売り物は自社の仕事、職場ということになりますが、それが本当に素敵な仕事なんだということに、まず確信を持つところが重要だと思います。そういった確信が背骨にあることで、いろんな人を巻き込んでいくところにつながっていくかなと思います。すみません、あまり再現性がない話かもしれないんですけど。

岡安:いえいえ、ありがとうございます。私も以前このようなセミナーで、コンテンツを作っていく上での熱量がないと、そのコンテンツはなかなか伝播していかないという話をしたことがあります。やはりそういったものがあって初めて、しっかり前に進んでいくものがある、というところですね。

編集長とビジネスプロデューサーを分ける

岡安:ではこの軸において、またユーザベースの山田さん、よろしいでしょうか。社内の協力を取り付けるための施策やコツはありますでしょうか。

山田:まず「協力してくれるカルチャーがあるか」で言うと、弊社はやりやすかったのかなと思うんですね。外部の方に入ってもらっても、「ちょっと取材させてください」と言われたら二つ返事でOKしてくれるカルチャーがあります。

もう1つ、みなさまがおっしゃっている「熱量」もそうです。始めるのは簡単なんですけど、やっぱり続けるのが難しいんですよね。続けて結果を出すためには、「採用の現場で必要なものを作る」に尽きるかなと思っています。

そのために採用チームとも連携をするし、実際にそのチームはどんな人が欲しいのか、どんな思いでジョブディスクリプションを作ったのかなど、取材をとにかく重ねて、彼らに喜んでもらう。面接の場で「これがあったからすごく良い議論できたよ」と言わせたら勝ちじゃないですか。そこまで言われたら会社としてもやらない理由がないわけなので、そういうものを作ると。

それを実現するために立ち上げ時にやったことに、「編集長とビジネスプロデューサーを分ける」という選択があります。だいたい兼ねているところが多いかと思います。私は創刊編集長でしたが、あくまでプロデューサーでした。

社内で必要とされるオウンドメディアにするために、社長から「このメディアいらなくない?」と言われても「いや、いるんです。なぜなら採用に効くからです」と言える役割をする。その代わりコンテンツに関しては、筒井という編集長を採用して、コンテンツにひたすらこだわってもらう体制に分けたのが大きかったかなと思っています。

実際、僕よりも筒井のほうが人当たりが良いので(笑)。いろいろ頼られてるらしいんですけど、筒井さんはどうですかね。

筒井:そうですね、山田から私に編集長が変わって「リクエストしやすくなった」と言われています(笑)。先ほどお話ししたnoteのインタビューを読んで、候補者の方から「このインタビューに載ってた社員に会いたい」という話が最近も実際にあって、カジュアル面談をセットしたところ、その後入社の意思決定につながったという実績も出てきています。

山田:あと施策を始めるところで言うと、事業を1個に特定したんですよ。たぶんみなさんもいろんな事業をされていると思うんですけど、我々は当初「SPEEDA事業だけしかやらない」と決めたんですね。そこでコンテンツ計画を立てると。

ほかの事業から「やりたい」と言われても一旦断りながら、結果を出してきたんです。それが今では、全事業から筒井が頼られてる状況で、人が足りないくらいになっています。

岡安:山田さん、筒井さん、ありがとうございます。

組織のリソース不足とプライオリティのバランス

岡安:話をお聞きしていると、みなさまは「やめたほうがいいよ」と反対されずに進められていたんですかね。それとも「ちょっと考えたほうがいいんじゃないか」ということがあったのか。始めるにあたって、そういったブロッカーってございました?

五十島:ブロッカーはいなかったんですけれども、やっぱり要求水準がけっこう高かったなというのはありまして。「メルカリさんはこんな感じでやってるから」と言われても、やっぱりリソースは限られているので、ちょっと調整を入れていたというところですね。

岡安:なるほど。目標やゴールが高いと、やはり始めるにあたって臆する部分が出てきてしまうのかなと思いました。次のご質問は、今まさに五十島さんからもあったような「社内リソースが足りない場合、施策の優先順位をどう決めますか?」になっております。それではこちらに進んでいきたいと思います。

リソースにも、人的なのか、予算・時間などいろいろあるかと思うんですけれども。オウンドメディアリクルーティングがうまく実施できない場合には、何を基準に優先順位づけをするのか。また、何をやって何をやらないのか。自社のお考えをぜひともお聞かせいただければと思います。

それでは先ほど「継続するんだ」という意思が大事だとおっしゃっていたヤフーの干場さま、いかがでしょうか。

干場未来子氏(以下、干場):リソースで言うと、ヤフーもlinotice立ち上げの頃から常に足りてないような状態なんですけども(笑)。

出したい企画がたくさんある中で、本当にリソースが逼迫しているような時は、まずシーズナルで「絶対にこのタイミングで出さなきゃいけない」「出さないと意味がない」というもの。例えばインターンシップ系の記事ですとか、あんまり寝かせると旬を過ぎてしまうイベント企画系の記事ですとか、そういう「今じゃないといけないもの」を最優先で出すようにしています。

あと採用ポジションに紐付くものは採用戦略に関わってくるので、「絶対にこれは必要」というものをピックアップして、優先的に出すようにしてます。

岡安:ありがとうございます。露出の時期に合わせて記事をしっかり調整していく。また採用ポジションの優先度に合わせて、まずはプライオリティを上げていくというようなところですね。

見た目のかっこよさよりも、社内で運用できる仕組みになっているか

岡安:その中で五十島さんに再度お話を戻したいと思います。2020年は51本の記事を、基本的には毎週出されていたというお話だったんですけども。どのようにリソース配分されていたんでしょうか。

五十島:ユーザベースさんと一緒で、「継続するしかない」という気持ちが一番大きかったですね。3ヶ月先のスケジュールをしっかりと埋めていくと、やらなきゃいけないことが明確になるので動きやすいのかなと思います。最初のリサーチからスタートしてしまうと、比較的時間がとられてしまうので。作る人は本当に、作るところに集中できるようなかたちでの調整は意識してやっていました。

岡安:なるほど、ありがとうございます。社内リソースの不足について、ライターなのかコンテンツの編集なのか、インタビュアーなのかという軸と、みなさまがそこまで大きく関わっていないサイト制作部分においても、やはり各社さんから出てくると思います。

そういった側面において、どうやってサイト制作や施策の優先順位を決めていくのか。Webマーケティングの軸からナイルの渡邉さんにお伺いします。記事の優先順位においても、例えばSEOの観点から言うと「新しい記事をできる限り、タイミング良く上げていったほうがいい」といったお考え等がございましたら、お話しいただけますでしょうか。

渡邉:それで言うと私も、今は10パーセントぐらいのリソースでなんとかやってる感じです。シーズナルの記事は逆に上げられていないのが現状で、さっきお話ししたポジションありきですね。「求職者の方に見てもらいたい」とか「面接官の記事として」とか、「このポジションの記事として」というのを最優先でやっていて。逆にSEOなどは、今のところ一切考えてないですね。

サイト制作のお話をすると、採用サイトやコーポレートサイトがかなりスタティック(静的)に作られてしまっていたというのがあります。見た目はすごくかっこいいとか、おしゃれな感じなんだけど、更新性が非常に悪かったり、社内で運用できない体制になっていました。この2年間ぐらいの間に、コーポレートや採用サイトの一部をWordPress化して、人事内で運用や更新ができるように、採用ブログとは別にやってきましたね。

岡安:基本的にはブログ型のメディアをみなさんお持ちになられているかと思うんですけれど、社内でCMSを構築してWordPress等を使って制作されている会社が多いんですかね。ありがとうございました。

採用「量」を担保するためのKPI設計

岡安:次の質問にまいります。運用していく中で「効果測定をする際に重要視しているもの」は何になりますでしょうか。オウンドメディアリクルーティングを実施していく上で、本当にその施策が効果的なのか。施策の改善を行う上で、そういった定量的・定性的な目標を立てることは、なかなかに難しいんじゃないかなと思います。

各社、効果測定についてどのように改善をされていたのか。KPIを「まずは一旦そこに振り切った」という言葉が先ほどもありましたけども、振り切った理由は何だったんでしょうか。まずはマクドナルドの宮沢さまより、この部分をお伺いできればと思います。お願いいたします。

宮沢泰成氏(以下、宮沢):マクドナルドの場合はアルバイトの採用というところで、私がオウンドメディアリクルーティングをやらせてもらっています。(登壇者の)みなさんは社員採用であったりしますし、特に中途の採用とはちょっと様子が違う部分があると思っています。

お話を聞きながら思っていたのは、何が一番違うかというと、まず採用しないといけない人数が非常に多いというところ。多いからすごいと言いたいわけではなくて、やはりマスに対してアプローチしないといけないというところで、意味合いややりようが違ってくるかなと思っています。

クルー採用の場合でいきますと、やはりサイトに訪問していただく数が非常に重要です。質だけでなく、その量もしっかり担保することが、1つ大きなミッションになっています。まずはどれだけセッション数を稼げるかというところと、訪問していただいた方の中からどれだけの方に応募していただけるか。シンプルに「セッション数」と「コンバージョン率」は、非常に大きなKPIとして考えています。

2015年にやり始めた当初、明確なKPIがあったかというと、まったくなくて(笑)。結局、着地した時の数字からどれだけ改善できるかを、毎月毎月PDCAを回しながら追求しています。

やっていて思うのは、セッション数をやたらと追っていくよりも、いかに応募意向の高い方に訪問していただいて、そこでコンバージョン率を上げていくか。それが応募数に寄与するんだろうなと感じています。

コンバージョン率でいくと、当初は0.8パーセント。1パーセント未満から始めたんですけども、去年のコロナ禍では3パーセントを超えるようなところまできています。どこが適正なのかは私にもまだ見えていないですが、ここを追求して、もっともっと上げていきたいなと思っています。

ROIの高いチャネルにリソースを投下する

宮沢:もう1つの視点として、当社のクルー採用の場合はマスを意識しています。例えばテレビコマーシャルやデジタル広告、LINEや電話などのいろんなチャネルから応募をいただくということで、応募のチャネルが複雑化しています。なので、チャネルごとのROIをきちんと評価することがすごく重要になってきています。

さっきのリソースの話ですが、予算を適切に配分していくという意味では、やはりROIの高いチャネルにきちんと投下していく必要があります。そう考えていくと、やっぱりシンプルに「応募単価」という指標を出しまして、それぞれのチャネルのROIを評価するかたちをとっています。

Googleアナリティクスなど外部の計測ツールを使って、Webサイトの数字をきちんと定量化していくということ。あとはもう1つ、社内のデータですね。マクドナルドの場合は全国にいっぱいお店があって、そのお店ごとに何人採用して、何人応募があってというデータを持っております。インターネットのデータと店舗のリアルな応募・採用のデータをうまく突き合わせながら、すべてのお店に対して公平に、我々がサポートできるようにしています。

すいません、ちょっと長くなっちゃってますけど(笑)。去年からは本当にインターネットからの応募が存在感を増していて、オウンド経由で応募を店舗に送り届けるところが、すごくビジブルに増えてきています。それでHRの評価がちょっと上がってきているというか(笑)。「こんなふうにがんばって応募を送り届けてくれてたんだね」ということで、ちょっと存在感が増して、我々としては達成感のある1年だったかなと思っています。

軸足を移すきっかけとなったのは、Googleアナリティクスでの定点観測

岡安:詳細をありがとうございました。先ほども伺っていた数字で、1月は18,000応募で6,000名の採用という、すごい規模のお話がありましたけれども(笑)。

宮沢さんがおっしゃっていたように、当初コンバージョンレートが0.8パーセントだったものを3パーセントまでに上げていくにあたって、たぶん最初はインプレッションないしはトラフィックに重きを置かれていて、そのあと応募率のほうに軸足を移されたんだと思います。

なぜそのタイミングで「応募率だね」とスイッチングをされたんでしょう。なにかがあったんでしょうか。

宮沢:2015、16、17年あたりはひたすらセッション数を上げていくんだということで、要はリーチが取れるようないろんなメディアへの出稿などに注力してたんですけども。Googleアナリティクスのデータを定点で見ていった時に、セッション数の増加と比較して応募数の増加がリニアに相関しているわけではなかったんですね。ちょっとそこで「おかしいぞ」と気づいたのがきっかけでした。

マクドナルドにある程度好意を持っていただいていて、ロイヤリティがすでにあって、応募に近しい人を選んで連れてくる方針に切り替えてから、やはり応募数が非常に増えていったということが私の経験でありました。

岡安:特に応募率が上がった内容としては、先ほどプレゼンでも触れられていたEVP(Employee Value Proposition:職場の価値)を各店舗ごとに設定されていったところが、コンテンツとしては大きな工夫点だったんですかね。

宮沢:そうですね。

岡安:ありがとうございました。