2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
Owned Media Recruiting AWARD受賞企業の採用舞台裏/ヤフー株式会社(全1記事)
提供:Indeed Japan 株式会社
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干場未来子氏:ヤフー株式会社の干場と申します。本日はよろしくお願いします。私からは、ヤフーが採用まわりで運用している採用ホームページと、ブログ形式の採用オウンドメディア『linotice』を使って、どのようにシナジーを生み、採用に活かしているのかというお話をさせていただきます。
まず簡単に自己紹介をさせていただきます。私が現在所属しているのは、人事のなかにある採用企画部というところです。採用のオウンドメディアを運用する機能が、ヤフーでは人事組織の中にあります。
略歴としては、オーバーチュアに入社し、その後買収に伴いヤフーに転籍しています。広告事業の営業やマーケ関連のいろんな部署を経て、2016年に人事に異動になりました。
異動後は採用ブランディングまわりや、キャリア採用と、いわゆる新卒を含むポテンシャル採用の母集団形成を担当をさせていただいておりまして、現在はオウンドメディア・動画・SNSなど、採用に関するすべてのデジタルコンテンツの企画、運用を担っています。
ヤフーの採用のデジタルコンテンツにはこういったラインナップがありますが、今回はオウンドメディアを活用したリクルーティングがテーマということで、ブログ形式のメディアである『linotice』と採用ホームページの2点について、それぞれお話しさせてください。まず『linotice』です。
概要なんですけれども、リリースしたのはだいたい4年半前ですね。その背景には、当時の既存チャネルだけでは採用の質・量ともに担保することができなくなってきたというところがあります。
ヤフーは7,000人ぐらいの社員がおりまして、常に50から100近いポジションの募集をかけているような状況です。その規模の採用も質も維持することが、既存チャネルだけではまかなえなくなってきたんです。
ヤフーの採用ターゲットとしては、ボリュームゾーンが18~34歳ぐらいのエンジニアです。ヤフーは100以上のサービスを提供していて、サービス開発を行うエンジニアが数千人いるため、「ヤフーの採用はエンジニアに始まりエンジニアに終わる」と言えるぐらいの規模感で、エンジニア採用を行っています。
『linotice』のコンテンツについては、採用部発信のコンテンツと、各部門や他部署からの提案や依頼があって始まるコンテンツとで、大きく分けられます。
その中でも、シーズナルなイベントに基づいた企画や、あとは採用ポジションに紐づいて立ち上がる企画があるんですけれども。例えば採用人数がすごく多くて、そのポジションに何十人も採用しないといけないとか。また、業務理解がちょっと難しいポジションについては、候補者やエージェント担当者のみなさんに、業務理解を深めていただくために記事を作ろうといった発生の仕方もあります。
その他、働き方・福利厚生・人材育成という、ヤフーの強みであるところを前面に押し出すような記事企画も多く発信しています。
『linotice』の運用の中で大切にしていることについてのお話は、挙げればたくさんあるんですが、4つに絞りました。
まず最初に、「始めるからには絶対やめない」という強い意志を持って運用していることです。リソース的にも、採用部の中でオウンドメディア運営に携われる人数というのも限られているので、絶対にやめない意志で、記事の公開本数は特に気にせず、量より質を求めて運用するようにしています。
次に、目的と訴求ポイントをきちんと明確にするようにしています。なぜこれを出すのか、その記事を出すことによって期待する候補者の態度変容はどこに定めるのかを決めて、企画を考えるようにしています。
あとは社内の連携体制ですね。記事を出す時には、どうしてもインタビュイーのアサインを各部門の現場やヤフーでいうBPPD(ビジネスパートナーPD=HRBP)のみなさんにお願いすることになりますので、その関係性をきちんと構築できるよう、常に意識しています。
最後は記事を公開してからの効果測定です。記事がどんな結果をもたらしたのか、ポジティブであれネガティブであれ、きちんと可視化して把握することで、次の企画に活かし、候補者のニーズを捉えていくことを大切にしています。
続いて『linotice』を運用している中で感じたメリットですね。いろんなメリットがある中で、大きなメリットとして感じているのが、ヤフーの採用ホームページには来てくれない候補者、いわゆる潜在候補者に対する効果ですね。
一般的に採用ホームページは、もう「その会社で働くこと、仕事に興味が少しでもある、もしくはその会社に転職したい」と考えている人が訪れてくださる場所かと思うんですけれども、『linotice』にはヤフーで働くことにまだ興味がない方にも興味を持っていただけるようなコンテンツを用意することで、リーチしていただけるようになっております。
例えば、一般的にエンジニアが興味のあるキャリアの話ですとか、「PayPayモール」といった技術者が興味を持つようなサービスを取り上げたり、副業・働き方について記事にすることによって、ヤフーという会社やヤフーで働くことにはまだ関心がない潜在候補者に対し、ヤフーを知ってもらうきっかけを作れることが大きなメリットだと思います。
逆に、採用ホームページを訪れてくださる、顕在候補者のみなさんに『linotice』を見ていただくことで、企業カルチャーをきちんと理解したり、業務理解を深めていただけるようなメリットもあると考えています。
なので、採用ホームページとlinoticeという2つのメディアを訪れた方が相互流入することで、潜在候補者の方にはヤフーに興味を持っていただくきっかけとなり、顕在候補者の方にはヤフーへの理解を深めていただくツールになると思っています。
あとはもう1つ、インナーブランディングツールとしての役割です。ヤフーは100以上のサービスがあって、隣の部署で何をやっているか、何に取り組んでいるかをぜんぜん知らなかったりすることがあります。
ヤフーの社員自身にも改めてヤフーのことを理解していただいて、ファンになっていただくことが離職率の低下につながったり、リファラル採用につながったりするようなメリットを感じています。
あとは採用関連以外で連携しているメディアというのが社内でありまして、『Yahoo! JAPAN Tech Blog』とコーポレートブログがあります。それぞれ運用目的とターゲットは異なるんですけれども、例えば同じイベントの取材記事を出すとすると、切り口を変えて相互リンクを張ったりといったような連携の仕方をしています。
次に採用ホームページについてのお話です。ヤフーの採用についてご存じない方もいらっしゃるかと思うので、まずヤフーの新卒採用の基本的なお話をさせていただきます。
ヤフーは4年半前から新卒の一括採用をやめまして、新卒・既卒・第二新卒など経歴に関係なく、入社時に18歳以上、応募時に30歳以下の方であれば誰でもご応募可能なポテンシャル採用を通年で行っています。それにプラスして、キャリア採用として即戦力となる方を募集するいわゆる中途採用があり、この2つの軸があります。
なので、一般的な新卒採用ではなく、ポテンシャル採用として実施しているのがヤフーの採用です。それを踏まえて採用ホームページのご説明をさせていただくと、現在のサイトをリリースしたのは、今からだいたい1年前になる2020年2月20日です。
ヤフーの採用ホームページはポテンシャル採用・キャリア採用の候補者両方をターゲットとしておりまして、採用ホームページの基本方針としては、よく他の会社さんにあるような、新卒向けのサイトと中途向けとを分けて運用しているようなサイト設計にはなっていません。
その理由の1つとして、先ほどお話したとおり、「新卒採用」ではなくて「ポテンシャル採用」を行っているということ、また通年採用をしているので、4月だけではなく10月にも入社時期を設けているため、ポテンシャル採用だと入社時期、就職活動時期が異なる方がターゲットに含まれるという点がありします。
学生の就活時期に合わせて毎年お金をかけてページを新しく作っていく理由がなく、新卒の候補者にも中途の候補者にも、ヤフーを理解していただくために必要な情報に差異はないと考えていますので、ターゲットを分けずに1つのサイトで運用を行っています。
採用ホームページの運用において大切にしていることについてなんですけれども、リニューアル時と運用フェーズの大きく2つに分けてご説明させていただきます。
まず、毎年の新卒候補者のためにページをリニューアルするという運用を行っていないというのは、先ほどお話ししたとおりなんですけれども、ではなぜリニューアルを行うのか。これはコストがかかる話なので、リニューアル頻度に関わらず、リニューアルする目的をしっかりと定める必要があると思っています。間違っても、リニューアルをすることが目的にはならないようにという点が非常に大切です。
ただし、ヤフーは通年採用を行っているものの、リニューアルリリースするタイミングはきちんと見定めて決めていくことを意識しています。
リニューアルすることを決めて、とても大切になるのが、まず現状のサイト運営における課題をきちんと可視化することですね。課題がなんなのか、ということをもれなく拾うようにしています。その際に気を付けているのが、解析ツールの数値から課題を拾うだけでなく、採用部内や各拠点オフィスなども含め、社内関係者から広く声を拾い上げるようにしています。
時間がそんなにないので細かくはご説明しないんですが、たとえば採用部ですと、ポテンシャル採用とキャリア採用それぞれの担当者からヒアリングしたり、前回のリニューアル時には、直近で採用ホームページをご覧いただいていたはずの19年新卒のみなさんからも課題感を拾ったうえで、リニューアルを行いました。
採用ホームページのリニューアルによって課題改善した中で、定量で結果をお伝えできる施策の例として、linoticeへの導線強化があります。採用トップページにlinoticeへの導線を新しく設置したことによって、中途入社した方のlinotice入社前既読率が2.2倍になりました。
あとは運用フェーズでのお話です。採用ホームページも、リリースした後は放置するのではなく、アクセス解析ツールを使って数値を確認して課題を可視化し、改善するということを繰り返しています。
これまでどういった改善をしたかというと、例えばこちらはオフィス紹介のトップページですが、少しわかりづらいんですけれども「紀尾井町オフィス」というページタイトル横に、「その他のオフィス紹介」というリンクを追加しました。
これはアンカータグで、リンクをクリックするとページ下部にある各拠点オフィスページへのバナー部分へ飛ぶようにしました。
この改善を行うことによって、紀尾井町オフィス紹介のトップページから他の拠点オフィスページに進んでくださった方の割合が207パーセント向上しました。
あとは、エントリーステップについても改善を行いました。弊社の場合はエントリーボタンを押してからエントリー完了するまで4ステップぐらいあるんですけれども、ステップの途中で離脱している割合が多いことが気になっており、どうやって改善をしようか考えた時に、エントリーボタンを押した際に別ウインドウでエントリーステップが開くように設計を変えたところ、途中で離脱してしまう方の割合が半減しました。
これは、エントリーステップの入力途中で、応募しようとしているポジションの募集要項を再確認するためにページを戻ろうとした方が多くいたところ、別ウィンドウで募集要項を確認することが可能になったことで、エントリーステップの途中離脱を減らすことができたということですね。
このように、採用ホームページも1つのサービスと捉えて改善を繰り返すことによって、より候補者のみなさんが見やすく、使いやすいサイトにできると思いますので、そこはきちんと続けるようにしています。
次に募集要項の最適化ですね。候補者に業務理解を深めていただいたり、入社してからの働くイメージを明確にしてもらうためのコンテンツをきちんと盛り込んでいくように意識しています。
例えばこれは、とある2つのポジションのエントリー数が3.5倍になった施策なんですけれども。11月に”社員の声”を募集要項に追加したところ、9月から10月と比較して、エントリー数がいきなりアップしました。
次に、その2ポジションの業務理解を深められる記事をlinoticeで用意して、募集要項ページにリンクを張ったところ、2ポジションともにエントリー数が増え、最終的にはその施策を行う前後でエントリー数が3.5倍になりました。
以上のような、募集要項に社員の声を入れたり、記事リンクを張ったりしたことの他に、ポジション名はきちんと一般的なものになっているか見直したり、私自身が面接に出ながら、候補者が業務理解できているかを確認し、募集要項をリッチ化したり、ポジションの必須要件の記載が高すぎるなと感じたら減らしたり、書き方を変えたり、そういった調整も行っています。
このように、ヤフーのオウンドメディアリクルーティングにおけるメディア運営においては、『linotice』と採用ホームページのシナジーがきちんと出るよう、戦略的に考えて運用を行うことを大切にしています。私からのお話は以上になります。ご清聴、どうもありがとうございました。
Indeed Japan 株式会社
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