客観性のある意思決定を生む「データドリブン経営」

平田恵輔氏:みなさま、こんにちは。株式会社クレオの平田と申します。自分の経営スタイルをデータドリブン経営に変えたいけど、「もともと数字が少し苦手で」「忙しくて分析とかしている暇がないよね」ということで、なかなか変わることができない。

今日はそんな問題を抱えている経営者の方に、簡単に今すぐデータドリブン経営に経営スタイルを変えられる方法をご紹介したいと思います。

データドリブン経営ができないとおっしゃる経営者の方をたくさん見てきましたけど、実はみなさん同じものが欠けているんですね。なので、まずは何が欠けているのかをお話したいと思います。

そもそもデータドリブン経営とは簡単に言うと、「客観性のある意思決定ができる経営スタイル」を意味します。

では、なんで客観性が必要なのかというと、経営環境の変化って非常に激しいですよね。当然のことながら、これまでの経験やご自身で持たれている商売の勘。こういったものがまったく通用しなくなってきているので、ちゃんと経営情報を分析して、主観に頼らず、客観性を持って次のアクションである攻めと守りを考えなきゃいけなくなった。

経営者の方の多くの方が、このデータドリブン経営を意識しているんですけれども、この「客観性を持たせるための経営分析」でつまづく方が非常に多いんですね。

特に中小企業の経営者の方は、非常にその傾向が高いように思います。私がよく聞く話でも、例えば、「毎月BIツールを使って一生懸命経営分析しているんだけど、結局経営判断っていつも売上アップかコスト削減の2択になっちゃうよね」「一生懸命手間暇かけてレポートを作ったり、BIツールにお金をかけているんだけど、ぜんぜん意味がないよね」という話をよく聞きます。

この手の話をする経営者の方は、みなさん同じものが欠けています。それが何かというと、このBusiness Analyticsです。じゃあ、Business Analyticsって一体何なの? という話をしたいと思います。

情報を可視化しているだけでは意味がない

これは経営分析のプロセスですね。まず始めに情報を集めますよね。統計を取ったりグラフを作ったり、要するに「パッと見て現状がわかる」ようにします。これがBusiness Intelligence、いわゆるBIですね。

BIの次のステップが、BIの結果から問題点を見つけて、その問題の本質が何なのかを見極めて、最善の解決策を考えること。これがBusiness Analyticsというステップ。最後は、Business Analyticsの結果から何を実行するのか、どれを実行するのか決定する。

基本的に経営分析のプロセスってこういう流れになるんですけれども、「データドリブン経営ができない」とおっしゃる経営者の方って、分析というとよく「BI、BI」という話をします。

ですが、BIはあくまでも分析をするために情報を可視化しているだけなんですね。じゃあ、どこで分析するのかというと、それがBIの次のステップの、Business Analyticsになります。

もうちょっとわかりやすく、カーナビで例えてご説明したいと思います。目的地、これはみなさんが掲げている経営目標ですね。現在地、これが今の経営状況。業績であったり、要するに現状ですね。「今どこにいるの?」という現在地を把握するのがBIなんです。

刻一刻と現在地は変わっていきますので、時には道を間違えたりして、まったく想定外のところにいることもあるかと思います。ただし、カーナビはいつも今いる地点からもともと目指していた目的地までの最短のルートを教えてくれますよね。常に変動する最善策を捉えるのが、Business Analyticsになります。

つまり、Business Analyticsって何なのかというと、常に最適な次のアクションを決めるためのデータに基づいた判断材料を、作り出したり見つけることなんですね。まさにデータドリブン経営の本質ですし、だからこそ客観性のある意思決定ができるようになるんですね。

データドリブンな判断ができなくなる最大の原因

経営判断って非常に幅広いんですけど、顧客、プロセス、成長、財務の4つの視点から分析をするのが基本的な考え方です。どの視点であっても、経営分析をする時はこのBusiness Analyticsがとても重要です。

これもよくある話ですが、Business Analyticsがもし欠けてしまうと、毎月の経営会議が作戦会議になっていない。経営者が集まった「結果確認会議」になっているのが、まさにBusiness Analyticsが欠けてしまった時によくある現象です。

じゃあ、大事なBusiness Analyticsがどうして欠けちゃうのかという話をしたいと思います。これには、Business Analyticsの必要性を気付かせてくれない原因があるんですね。

だいたいこれ、みなさん同じなんです。犯人がいます。犯人は、「分析したつもり」。具体的に言いますと、BIの結果を分析結果だと誤認している状態をいうんですね。

先ほども申し上げたとおり、BIはあくまでも情報を可視化しているだけ。高度に可視化しているだけなので、BIの結果、グラフや集計表とかいろいろありますけど、ここには「何がいけないのか」「じゃあどうすればよかったのか」ということは出てきていないんですね。

なので、BIの結果を「分析結果ですよ」と言ってしまうと、何の判断材料もないのに次のアクション決めなければいけない。

そうすると、「なんだかよくわからないけど、もうちょっとがんばって売り上げ伸ばすしかないな。だから営業がんばってよ」とか、「もうちょっとがんばってコスト下げるしかないな。みんな、経費節減よろしくね」みたいな、経営者としてそんな指示しか出せなくなっちゃうわけですね。

分析をアクションに繋げられている割合はわずか8%

以前クレオでは独自に「経営分析の実態調査」というリサーチをしたことがあります。この結果からも、「分析したつもり」の状態になっている方がすごく顕著に出ている例がありますので、ちょっとご紹介したいと思います。

このリサーチ、経営者の方にまず質問したのが、「経営分析できていると思いますか?」という質問です。その結果がこちらなんですけれども、「思う」と答えた人はまずいませんでした。ただし、「思う」「思わない」という数がポイントじゃないんですね。ポイントはこの水色の部分。「できているのかできていないのかわからない」と答えた人が4割いますという、「4割」という数字がポイントです。

次の質問。これも実は、質問の意味は先ほどとまったく同じなんですが、ちょっと聞き方を変えています。経営分析の本来の目的って、次のアクションを導き出すことなので、次の質問の聞き方は、「分析結果は次のアクションに反映できていますか?」という事実確認をしたんですね。「思う」か「思わないか」じゃなくて、「できているか」「できていないか」の事実確認をしました。

この質問をぶつけたところ、「わからない」と答えた人が一気に減るんですね。32パーセントの人が、「反映できていない」ほうに答えています。この、答えが変わってしまった32パーセントの人が、まさに分析の本来の目的を間違えていたということですね。

本来は次のアクションを決めなきゃいけないんだけど、「BIが分析だと思っていた」という人ですね。それを事実確認をしたら、できていないことを認識できたという結果が出ています。

「分析したつもり」を改めてBusiness Analyticsを行うことが、データドリブン経営に変わっていく方法ですよ、とここまでお話させていただきました。

経営分析でまず手を付けるべき視点とは

先ほど、経営分析にはすごい幅広い4つの視点があるという話をしましたけど、最も効果的、効率的にデータドリブンに変わっていくために、どの視点から始めるのがいいのかという話をしたいと思います。データドリブン経営への近道ですね。

分析したつもりになっていたりとか、Business Analyticsの必要性に気付けていない経営者の方って、往々にしてそもそも数字が苦手であったり、分析が不得意な方が多いです。

そういった人ほど、この4つの視点でいうと「顧客の視点」や「成長の視点」からBusiness Analyticsをやろうとするんですね。イメージが付きやすいので気持ちはわかるんですが、数字が苦手な人こそ「財務の視点」。要するに、財務分析から始めていただきたいんですね。

なぜかというと、例えば顧客、プロセス、成長という視点。この視点で分析しようとすると、分析方法って何通りもあります。業種によっても違いますし、企業の規模によっても違う。タイミングやその時抱えている課題によっても求めなきゃいけない答えがいろいろありますから、そのぶん分析の仕方も何通りもあります。

もっと言うと、「ここまで分析すればいいですよ。このデータさえ見ればいいですよ」という明確な手段がないんですね。顧客やプロセス、成長の視点で分析するのは、実は一番難しい視点だったりします。

「財務の視点」、財務分析もやらなきゃいけない分析がたくさんあるんですけれども、実はどの分析も、見るべきポイント、異常値があったらその異常値を改善する方法、どの異常値から改善するのが有効なのか。この辺の観点は相関性がちゃんとあります。

要するに、課題を解決するための共通したロジックがあるんですね。ですから、正解を得られやすい分析が財務分析なんですね。

数字が苦手でもITで分析は実現可能

ここで問題なのが、このロジック。これがわからないとどうしようもないですよね。いくらデータドリブンの近道が財務分析だと言っても、ロジックがわからなければやりようがないじゃんと。

「じゃあ財務分析を今から勉強しましょうよ」と話をするつもりはまったくなくて、「忙しくてそんな暇もないよ」という方も非常に多いと思います。ただ、「ロジックがわからないとどうしようもないよ」という話は、ITで解決できます。

ということで、最後。ロジックがわからなければどうしようもないという問題を、ITでどう解決するのか。クレオのサービスを例にちょっと紹介したいと思います。

これは「Success Mark」という分析アプリなんですね。このアプリは、財務分析のBusiness Analyticsを行うツールです。Business Analyticsツールを使って、どうやって財務分析をするのかというと、実はやることは何にもないです。

毎月数字が閉まったら、会計データの実績データをアップロードするだけ。あとはアプリの中で、予実差異、昨対比、着地予測。あとは、収益性、安全性、企業価値、生産性、資本効率性といったKPIの分析。これをアプリが全部自動で行います。

例えば、BIツールだとグラフとかがポッと出てきて、「あとは自分で考えてね」ということになりますけど、これはBIツールじゃないのでそういうことにならないです。なぜならば、Business Analyticsを自動で行っていますので、「問題はこれとこれとこれですよ。この問題から解決するといいですよ。こうやったら解決できますよ」という、Business Analyticsの結果が出てきます。

これなら、課題解決のロジックをわからなくても知らなくても、そもそも数字が苦手でも分析が得意じゃなくても、正しく財務分析が行えますよね。ちなみに、この「Success Mark」というアプリは無料なので、お金もかけないで気軽に手軽に財務分析、Business Analyticsを試していただくことができます。

今日は「分析力に課題のある中小企業がデータドリブン経営に変わる方法」ということで、変われない経営者の方に何が足りないのか、何で足りないのか、じゃあどうすればいいのかというお話をさせていただきました。「なかなか変われない」ということで問題を抱えている経営者の方の、変わるためのヒントになれば幸いでございます。ご視聴ありがとうございました。