漫画をSNSでプロモーションする方法
小林琢磨氏(以下、小林):本日の主役のお二人をご紹介したいと思います。まずは株式会社ナンバーナイン、執行役員の工藤さんです!
(一同拍手)
工藤雄大氏(以下、工藤):ありがとうございます、よろしくお願いします。
小林:そして、漫画家の根田さんです。
(一同拍手)
根田啓史氏(以下、根田):どうも、よろしくお願いします。
小林:じゃあ工藤さんのほうから、なにか軽くボケてもらってもいいですか。
工藤:ボケはちょっと難しいです、社長(笑)。
根田:(笑)。
工藤:怖いですし(笑)。デジタル配信サービス・ナンバーナインの事業責任者をさせていただいております、工藤と申します。よろしくお願いいたします。
(一同拍手)
小林:そして根田さん。
根田:2年ぐらい前からTwitterで漫画を描き始めて、最近ナンバーナインさんのほうに連載というか、枠を大きくしてもらっています。根田啓史と申します。
小林:よろしくお願いします。
工藤:よろしくお願いします。
(一同拍手)
小林:本日のセッションは「SNSの選び方」「Twitter上での漫画『異世界妹。』の連載について」「漫画のプロモーション方法」「インフルエンサーによるTwitter活用法」の、4本立てでお話をしていきたいなと思っております。
漫画家として、どのSNSを選ぶのがいいのか?
小林:ではさっそくですが、最初のテーマに移っていきたいと思います。
最初のテーマは「SNSの選び方」なんですけれども。
根田さん、やっぱり漫画家としてはどのSNSを選ぶのがいいんですかね?
根田:いろいろ基準はあると思うんですけど「ユーザー数が多い」とか「漫画が載せやすい」みたいな。それとやっぱりリツイート機能があったりして「拡散しやすくて出回る機会がある」とか。いろいろ要素はあると思うんですけど、個人的にはやっぱり「続けられる」。(本イベントで)本当にいろんな作家さんが「継続」の話をされてたんですけど。
小林:そうですね、先ほどのセッションでもありましたね「継続」って。
根田:やっぱり義務感とかじゃなくて、暇がある時に確認して休憩に使えるぐらいの、本当にふだん使いできるような馴染むやつを使うべきだっていうのが、自分の中の(基準)。この2年間いろいろ試してきて、Twitterが一番続けられる結果にはなったんですけど、そこがないと本当につらくなってしまうというか。
周りのユーザーの人たちも気づくというか「馴染んでるな」っていう人は安心して見られるし「一生懸命じゃないな」って思うと、ちょっとこう……距離ができてしまうっていうのはあると思うので。とにかく慣れてるものを選ぶっていうのが(大切)。ユーザー数が仮に少なくて100人しかいなくても、100人の方に熱烈に好いてもらってたら、ぜんぜん生活できるとかもあり得ると思うので。
逆にTwitterみたいな2,500万人とか、今4,000万人ぐらい? わかんないですけど、本当に「日本人の3人に1人がやってる」みたいなSNS使ってても、(続けられなければ)ぜんぜん生活に結びつかないようになってしまうと思うので。
小林:なるほど。ちなみに根田さんにとって、苦がなく続けられたのがTwitterだったっていうことなんだけど。
根田:いや、まぁ……(笑)。
小林:人によってはそれがFacebookだったり、pixivだったりnoteだったり。
根田:そうです、それはあると思います。
大事なのは「自分に合ってる」かどうか
小林:要は、必ずしもTwitterじゃなくてもいいって感じなんですか?
根田:まさにそういうふうに、自分は思ってます。諸説あるとは思うんですけど、今、Twitterでやってる漫画家の人たちが多くなってきてるのは、プロモーションのしやすさとか、そういう部分での親和性が高いっていうのももちろんあると思うんですけど。でもやっぱり「続けられる」ところ。例えば商業でやってる人は、ずっと商業で「続けやすい」から、たぶんやってるんだと思うんです。
小林:あぁなるほど、それはあるかもしれないですね。
根田:だから選択肢が広がったというふうに考えるべきで。例えば名前出していいかわからないけど、DaiGoさんとか。
小林:メンタリストのDaiGoさんですか。
根田:ニコニコ動画でやってるじゃないですか。
工藤:そうですね、有料会員。
小林:今は「Dラボ」っていうのを始めましたね。ニコニコからYouTubeに行って、今さらにDラボっていうのになって。この間“年商”じゃなく“月商”で「9億突破」って出てました。
根田:(笑)。DaiGoさんの場合は、そういうふうに自分でやりやすい方法をどんどん探してると思うんですけど。最初にニコニコを選んだ理由が確か「もともと、あんまりトップ(配信者)がいなかった」というか。「自分が行って活躍できるだろう、自分に合ってるだろう」って作戦を決めてやって。そういうふうに成功した人もいるので。やっぱりどこが良いっていうのは「自分に合ってる」って思うところを選ぶのが、とにかく一番。
工藤:なるほど。ユーザー数っていうよりは、自分の作品だったり自分のステータスだったりが。
根田:今、確かにあんまり聞かないですけど「Facebook発で」とか。インスタだったらたまにいると思うんですけど。
小林:インスタとかはアリかもしれないですね、ラブコメ系とかはインスタとの相性も良いですからね。
根田:だからもしかしたら、Facebookもまだ開拓されてない。本当に身内だけというか、家族漫画……だって資産家の人が1億円くれたら、1億円になるわけじゃないですか(笑)。
小林:そうですね、Facebookで「おもしろい! これ1億あげるよ!」ってなったら。
根田:そういう「資産家狙いのFacebook専用漫画」とか、あってもいいかもしれませんね。
小林:なるほど、なるほど。
工藤:あとはTikTokとかですよね。
根田:そうです、そうです。今伸びてるところだと。そこのローカライズは必要なんですけど、まずはやっぱり続けやすいところ。そのあとに漫画をどう馴染ませられるか? みたいなところに、考えを向けていけばいいのかなと。
いま増えている、TikTokで漫画をオススメする人たち
小林:なるほど。ちなみに若者代表として、ふだん工藤さんはどんなSNSを使ってるんですか?
工藤:若者っていう年でもないと、自分では思ってるんですけども(笑)。今、言われてたインスタ、Facebook、TikTok、Twitterは使ってますね。でもTikTokは、やっぱり時間を吸われるんで。
小林:時間吸われるんですか?
工藤:気づいたら30分~1時間経ってたりするんですよ、本当に。ずーっとオススメが出てくるから。脳死状態ですよもう。で、時間が過ぎていくみたいな。
小林:どうなんですか、TikTokとか最近は漫画増えてます?
工藤:でもちょっとずつ増えて、それでうまくいき始めてる人がいて。あともう1つおもしろいのが、TikTok内で漫画をオススメする人が若干増えてるんですよ。
小林:へぇー! 「今のオススメ漫画はこれだ!」みたいな?
工藤:そうです。書店員さんとかそういった方々が、TikTokで1分30秒以内に漫画を紹介するっていうのが、けっこう増えてて。
小林:へぇー、おもしろい。
工藤:だからライブコマースみたいな感じに近くなっていって。もしTikTokで「すぐにここで漫画が購入できる機能」とかが出たら、それで食っていく人とかも出てくるんじゃないかなと思いますし。そういった人が出てくるのは、漫画業界にとってめちゃめちゃ良いことだと思うんですよね。
小林:めちゃくちゃ良いことですよね。
工藤:映画だと、それでもうすごい先行ってるみたいな人がいるんで。漫画もそういうふうになっていくのかなって感じしますよね。
小林:なるほど。でも確かにTikTokで漫画見られるとか、1分半でなにか紹介とかは、けっこう相性が良さそうですね。
高校生全員に、授業でnoteのアカウントを作成させてもいい?
小林:なにか根田さんのほうで、Twitter以外で注目してるSNSとかってあったりするんですか?
根田:noteが好きですね。
小林:あぁ、やっぱりnote。
根田:とにかく日本のプラットフォームだっていうのが、すごく頼もしく思ってるのと。あとはそれこそ、さっきECの話を工藤さんがしてましたけど、払うっていうか、インフラがすごい整ってて。Twitterはさっきカメントツ先生とかもおっしゃってましたけど、お金につなげるのに、やっぱり外に1回出さないと。
工藤:違うサービス使わなきゃいけないですね。
根田:note内でお金がすぐやり取りできるっていうのが、やっぱりスムーズ。2年ぐらい前に独立しようと思った時に「みんながホームページを作る時代がくるんじゃないかな?」って思ってたんですけど、それは「noteでできるじゃん」って思ってて。しかもnoteだったらECも本当にすごくスムーズに、もうできあがってる。しかもnote使ってる人が、今めちゃくちゃ多いんで。
小林:note、SEOがめちゃくちゃ強いんです。
根田:すごいですよね、本当。検索するとめちゃめちゃ、なぜか(ヒットする)。どういう理屈かは知らないですけど。諸々のことで、本当に「高校生に全員授業でアカウント作らせてもいいんじゃないか」って思ってるぐらい好きです(笑)。
小林:(笑)。noteめちゃくちゃ好き、いいですね。ぜひ来年の「漫画家ミライ会議」はnoteさんに協力していただければ。noteさん、協賛待ってますので!
工藤:noteさんお願いします!
根田:(笑)。
小林:よろしくお願いします、いろいろと大変な時期だと思うんですけど。
根田:誰も見てないかもしれない(笑)。
工藤:(笑)。