2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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房野史典氏(以下、房野):(ビジネスにおける)優先順位でいえば、(スピード感は)だいぶ上という。なるほどね~。じゃあ秀吉もあったのかな? 「これは!」っていう。
須藤憲司氏(以下、須藤):だってあの人、商売人としてやってたら、絶対めちゃくちゃ成功してますよ。
房野:とんでもないですよね(笑)。
須藤:絶対に成功してる。
房野:状況としては確かに。明智光秀は、自分とライバル関係なわけですよ。ここ(自身の本)にも書きましたけど、まあまあこれは(「本能寺の変」の)原因の1つにあっただろうなっていう「四国説」っていうのがあって。
それは光秀と秀吉が形的にですけど争って、企業でいえば「(光秀が)プロジェクトで負けた」となった。その結果として光秀は、自分には明るい未来が待ってないことを悟って謀反を起こした、という説なんですが。それによって秀吉は「光秀、なんかあるな」みたいな匂いを、たぶん感じ取ってたっぽいんですよ。それもあるんでしょうね。
須藤:……いや、わかんないですよ。確率かどうかよりも「そうであってほしい」と思って、動き出している可能性もありますよね。
房野:え?
須藤:だって、その当時の織田家でいくと、光秀ってエリートなわけだし。一方で叩き上げ、一気に成り上がってきてた秀吉。「あれ、このストーリーあり得るぞ?」と。
房野:え、怖。そこも描いているってことですか?
須藤:もしそうなったとして「自分がもしここで行ったら、私、ワンチャンあります」みたいな。
(会場笑)
ワンチャン狙ってる可能性、あるじゃないですか。
房野:じゃあ結果的に言うと、ワンチャン狙って、うまくいったパターンみたいな?
須藤:いや、可能性はあると思いますよ。
房野:うわぁ、おもしろ。
須藤:仮にそこで秀吉が「どうしよう、叱られちゃう」とか考えてる奴だったら、こんなに成功してないですよ。
房野:もし「信長が死んでる」っていう情報が嘘だったら、帰ったときに、激叱られっていうか、処罰もとんでもないでしょうけど……。
須藤:でもね、その時も相当うまい言い訳を考えてると思います。
(会場笑)
房野:考えながらやってるんだろうなぁ(笑)。
須藤:走ってて「これどうしよう!?」みたいな。万が一あったら。
房野:なるほどね。それはあるかもですわ。すごいなぁ。
須藤:草履、暖める人ですよ?
(会場笑)
房野:そのエピソード、本当かどうかわかんないですけどね(笑)。
房野:でも、その秀吉の情報スピードっていうか、さっきの兵站にもつながるんですけど。『麒麟がくる』の時代考証をされている小和田(哲男)先生が「秀吉のターニングポイントは、1発目に信長にもらった土地が滋賀県だったところだと思う」って。
須藤:お~。
房野:近江って、近江商人がいる。要は古代から要衝地、交通の要衝でもあり、京都に近くて、経済がガーッと回っていて、商人が育っていたところだったんです。そこに所領をもらったから、要は商才がある部下たちがいるわけなんですよね。
具体的にいえば、のちの石田三成が近江の出身ですから。あそこをゲットできて、官僚的・奉行的に優れているやつがいきなり家臣になったから、つながっていったと思うって(小和田先生が)おっしゃっていて。確かにこれ(近江を与えられたこと)は大きいなと思いました。
須藤:いや、大きいですよ。めちゃくちゃ大きい。
房野:人材って『ハック思考』にも書かれていましたけど、集める時、当たり前ですけど重要ですよね。
須藤:重要ですよ。重要というか、そもそも人材の良し悪しってどうやったらわかるかというと、優秀な人と仕事することですね。
房野:え?
須藤:優れた人たちと仕事をすると、良し悪しが初めてわかるんですよ。
房野:ほう! 相対的なものっていうことですか?
須藤:相対的なもの。
房野:なるほど、おもしろいな。確かにそれはあってるかも。僕、秀吉のすごいところは、一番はやっぱり「なんにもないところから出世した」ってところだと思うんですよ。なんにもないっていうのは、まあ3人で比べるとですよ。織田信長、徳川家康と。
織田信長はさっきも言ったように、パパの地盤がちゃんとあった。もちろん譜代の家臣もいる。家康はちっちゃい頃に超苦労してるけど、やっぱプリンスなんですよ。仕えている家臣がいる。でも、秀吉は誰もいないんですよ。最初の家臣は身内ですからね。
のちにずっと豊臣政権を支える、豊臣秀長っていう弟なんかが最初です。あとは嫁さんのお父さんとか、そういうところから始まってるから。そりゃ確かに近江商人というか、滋賀県のそういう人たちを見た時「あ!」ってなったでしょうね。相対的に見ていて。
もちろん身内が家臣であるのもよかったけど「こんな才能ある?」みたいな家臣が欲しかっただろうなと。
須藤:やっぱりそういう優秀な人たちと出会って、人って変わっていきますよ。僕もそうですけど、最初にリクルートっていう会社に入って、周りが優秀だったんですよね。
房野:絶対そうですよね。いっぱいいますよね。
須藤:同じ部署に何人の起業家がいるか? ってとこですね。
房野:うわぁ、そんな感じなんだ。
須藤:僕が教育担当した、今はマンガのサイトやってる『アル』のけんすう(古川健介氏)とか。
房野:そうだ、言ってた! けんすうさんの教育担当されていたんですね。
須藤:そう、なんの教育もしないっていう教育担当。
(会場笑)
房野:しろや!(笑)。
須藤:「飲み会だけしっかりやってくれ」っていう教育しかしてなかったんですけど。それで、すごく僕はあとで人事から怒られるんですけど。それはしょうがない。当時の僕は、新人にとって飲み会より大事な仕事を思いつかなかったから。
房野:あはは(笑)。
須藤:あと彼の同期で、工藤くんっているんですけど。彼も、上場したベンチャー企業、スタートアップの社長ですね。その1個上の平尾丈くんっていうのは、じげんという上場させてる会社の社長をやっていて。そんな人たちが同じ部署にいるんですよ。
房野:会社の、しかも同じグループにいる。
須藤:そう。けんすうなんか「ホリエモンさんに会社を1億で売って入ってきた新人」です。「(彼に)何教えるんだろう?」と思って。
房野:そんな鳴り物入りの奴を(笑)。
須藤:なんも教えることもないし。飲み会の仕方だけ、ちゃんと。
房野:だから、それ何!?(笑)。さっきからそれ何?(笑)。
須藤:店のセレクトとか。「先輩からすごく怒られるから、ちょっと頼むわ」みたいな。
房野:それだけは頼むわと(笑)。
須藤:新人歓迎会の店を新人が予約するっていうので、(その新人が)すごく安い居酒屋を予約して、教育係の僕が上司から激怒されるっていう事件があったんですよ。
房野:事件って言うな(笑)。
須藤:「お前の教育がなってないんだ」っていって。それは確かにそのとおりですけど。
房野:めちゃくちゃ歴史の話しててその事件聞くと、ちっちゃく感じる。
須藤:どうでもいい話になりますけど(笑)。
房野:ちっちゃい事件だなぁ(笑)。
(会場笑)
須藤:でもそういう環境にいると「なんだこれは?」と思うわけですね。こんな才能を持った人たちがいるんだと。そうすると初めて「じゃあ自分は何ができるんだろう?」って。
房野:はい、はい。
須藤:わかります? 最初は「(自分が)無限になんでもできる」と思ってるんですよ。
房野:そうですね。似てるかも、芸人も。
須藤:天才だと。なんでもできると。でも本当の天才たちに会っていくと「あれ、ちょっと待ってくださいね? 僕、違うかも」って、やっぱなるわけですよ! 人間って。
房野:(笑)。それはリクルート入った時、須藤さんの周りを見たら、この状態だったんですか? 「あれ、これ違うな?」って言って。
須藤:「違うな」どころか「困ったな」と思ったんです。
房野:困ったな!(笑)。
須藤:困ったぞと。
房野:周りにマジやべぇ奴いるぞと。
須藤:そうそう。だから「まず飲み会を教えよう」とか、本当、そういうふうになってくるわけですよ。「今の俺が優れているのは、飲みのセッティングだな」と。そこからやなと。
(会場笑)
房野:そういうことなんだ。
須藤:これ、すごく大切なことで。たぶん歴史上の戦国武将たちも、人との出会いで絶対に変わってきたと思うんですよ。
房野:そうだと思いますね。
須藤:「自分の得意なこととか、できることとかって何なんだろう?」ってやっていって。それでこうなっているのかなと思っているので。
房野:家康はそうでしょうね、絶対。信長と付き合ってて、秀吉の家臣になって、2人を見ているから。そりゃあ考えるところは多かったでしょうね。
須藤:その学びがあるから、徳川幕府はめっちゃ続いてるわけじゃないですか。
房野:そうかも。おかげっていうのは変ですけど、信長、秀吉がいなかったら家康はいないような気がしますもんね。
須藤:そう。短期政権になっていた可能性が高いと思う。
房野:うんうん。あとやっぱり日本人の特質が入っているんでしょうけど、信長、秀吉っていうのはちょっとスター性がありすぎたっていうのもあると思うんですよね。
須藤:わかる。「カリスマ経営者の次」とか無理だもん。無理無理。つらいよ。
房野:あはは(笑)。
須藤:絶対つらいと思う。
房野:やっぱり日本は“和”が好きじゃないですか。家康はちょうどよかったんでしょうね。もちろん家康って超カリスマだけど、そこを感じさせないというか。根回しがすごかったんだろうなと思いますよね。
須藤:そうですよね。たぶん人をすごくうまく配置したりとか。采配がうまかったんだと思います。
房野:そこですわ。
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