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社内連携を強くする新しい働き方 / PHONE APPLI(全2記事)

2021.01.05

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フリーアドレスの導入で生産性が大きく下がった職種とは? 今考えるべき新しいオフィスの在り方

提供:Sansan株式会社

2020年12月8日、クラウド名刺管理サービス及び、オンライン名刺を提供するSansan株式会社と、Web電話帳クラウドサービスを提供する株式会社PHONE APPLIの業務提携が発表されました。シェアNo.1のクラウド名刺管理サービスとWeb電話帳アプリケーションが連携することで、より強固なユーザーメリットを提供し、ユーザーのデジタルトランスフォーメーションや、それを元にした働き方変革の後押しを図っていきます。本記事では「PHONE APPLI PEOPLE」が取り組むサービス内容を中心にお届けします。

コロナで激変したオフィスに対する価値観

中川紘司氏(以下、中川):まずは『社内連携を強くする新しい働き方』というテーマでお話ししていきたいと思います。

簡単に、自己紹介をさせていただきます。株式会社PHONE APPLIの取締役副社長をしております中川紘司と申します。2003年にNTTコミュニケーションズに入社いたしまして、その後はシスコシステムズという会社で、主にコラボレーション製品、いわゆるIPフォンやビデオ会議システムの専門の営業をさせていただいておりました。

2013年から現職で、基本的には営業組織の統括をさせていただいています。フォンアプリという会社は、おかげさまでWeb電話帳でシェアNo.1を取らせていただいております。約85パーセント強のシェアを占め、約150万ユーザーにご利用いただいております。社員は290名弱という規模でございます。多くの大企業を中心にご活用いただいております。

社内電話帳と言いましても、最近はさまざまなセンサーと連携し、コロナ禍で出社されるビジネスマンが減っていく中で、「誰が会社に来ているんだろう?」といった疑問を調べていただくための社内ポータルとして、ご活用いただいている例も増えてきております。

昨今では、固定電話を削減してオフィス面積と業務量を減らしていく取り組みが盛んになってきていますが、そういった方々にも多くご利用いただいております。

大津裕史氏(以下、大津):大企業でもそういった動きがあるんですね。

中川:具体的な数は申し上げられないんですが、非常に多くのお問い合わせが来ております。2年以内にオフィスを50パーセント以上削減すると決まったお客さまがほとんどですね。

実際、かなりの企業がオフィスを減らすとおっしゃっています。しかし、ただオフィスを減らすご相談ではなく、今まで社員が集まっていたような働き方を、Webやバーチャル空間上で実現したいというご相談が非常に多いなと思っています。

大津:なるほどですね。

中川:実は弊社も、オフィス削減を始めていまして。実際の出社率は、もう10パーセントくらい。ほとんど社員は在宅でのテレワークを中心に業務をしています。御社はどうですか?

大津:弊社は比較的出社する人間もいますね。3割4割程ですかね。

中川:そうなんですね。ぜひ機会があればオフィス削減のご相談もさせてください。

社内のスペシャリストの発見性を高めていく

中川:さてここからは、現在私が感じていることについてお話ししていこうと思うのですが、まずサービス名称の変更についてお話ししたいと思います。

と言うのも、旧来のサービス名は「連絡とれるくん」と言うかわいい名前だったんです。ではなぜサービス名を変更したかと言うと、連絡を取るって目的じゃなく手段だなと改めて気付いたからなんですね。

連絡を取ることは目的ではなくて、連絡を取った後に社内で相談をして、課題を解決していくことが我々の目指すゴールです。なので、より一層人中心のサービスに変えていきたいという意味を込めて「PHONE APPLI PEOPLE」という名称に変更させていただきました。

大津:かわいらしくて覚えやすかったですけどね。

中川:ありがとうございます(笑)。ただ変更してみるとこのサービス名のほうがよかったというお客さんも多くてですね。

大津:愛着があるんでしょうね。

中川:そうなんです(笑)。非常に難しいところではあるんですが、PHONE APPLI PEOPLEに変更させていただきましたので、改めてよろしくお願いします。

大津:ブランドとしてはすごくスマートで統一感が出ましたよね。

中川:ありがとうございます。PEOPLEに変えた一番大きな目的は、Know-who(誰が何を知っているか)の強化です。今まで、社員を名前や部署名で検索していたお客さまに、社員のスキルで検索するようにしませんか? というご提案を差し上げています。

例えば「Microsoft」というキーワードでMicrosoftに詳しい人を見つけたり、「chat」というキーワードを入れるとchatに詳しい人が見つかるような、社内のさまざまなスペシャリストとつながって仕事をどんどん進めていける。そういった働き方の基盤としてご推奨しています。

やはりオフィスに社員が出社していた時は、「○○さん■■に詳しい人知ってますか?」みたいな雑談から生まれる出会いがあったじゃないですか。でも、オフィスに社員が集まらなくなると、雑談が物理的に減ってしまうんですね。

大津:確かにそうですよね。

中川:それをこの基盤上で、少しでも補えるようにしたいと思っています。また、社内のスペシャリティを見つける機能や、ありがとうカードのような機能も持っています。

そのカードの文脈を解析して、より操作性や発見性を高める連携や改善を行っていく予定になっておりますので、ご期待いただければと思っています。

感謝の文章から取得できる驚きのデータ

大津:なるほど。“褒め合う”と“スキル”が入っているサービス設計になっているんですね。

中川:そうですね。ありがとうの気持ちを送る時って、かならず「〇〇してくれてありがとうございます」という紹介文が付くと思うんです。そして、その中には高確率でその人のスペシャリティが埋まっているんじゃないかと思うんです。

例えば「名刺管理について教えてくれてありがとうございます」とか「ウェビナーのやり方について教えてくれてありがとうございます」と感謝しますよね。

このように、その人のスペシャリティが感謝に紛れ込むことが多いので、AIを使って自動的に抽出する実験を行っています。

大津:なるほど。

中川:そして今回のテーマでもありますが、社内連携や社内のコミュニケーションについてですね。これは総量を測るのがすごく難しいのですが、我々は社員のモチベーションを1つの指標にしています。

弊社は、リンクアンドモチベーションさんのモチベーションサーベイを使っています。このサービスのおかげで、コロナになって全社員が離れ離れで働くようになっても、どんどん社員のモチベーションが上がっています。

大津:すごい傾きですね。

中川:いろんな施策をこの1年、2年取り組んでいるので、どんどん社員のモチベーションが向上していると数字に出てきています。やはり、モチベーションが上がる環境を作っていくことは、今非常に重要なんじゃないかなと考えています。

そのためには「ルールとツールとプレイスの順番で考えませんか?」と、お客さまによくご推奨しています。これはどういう意味かと言うと、我々はITベンダー(注:システムの機器やソフトウェアなどの販売元や供給元を指す)なので、ツールのお話が多くなりがちです。

でもそうではなくて、まずその会社がどういう働き方やルールで業務を進めていくのかが、あって然るべきだと思っています。ですので、まずルールを一緒に考える。その上でルールをうまく補うツールを考えると。

今はツールに関しても、トライアンドエラーがしやすくなりましたよ。昔はメール基盤を1つ作るにも、1年がかりのプロジェクトだったんですが、今はそれこそ1日でメール基盤を変えられる世界になったので。もしダメだったら変えてくださいと。トライアンドエラーを一緒にしていきましょうと考えています。

フリーアドレスで生産性が下がった職種は?

中川:ただ、時間とお金が必要になるのが、最後のプレイスなんです。オフィスを1週間後に引っ越す等は絶対に不可能ですし、レイアウトを変更しようと思っても、お金も時間も必要ですので。

ルールとツールはトライアンドエラーを繰り返しながら、プレイスはじっくりと考える。そして、ルールとツールを補うようなプレイスを作りませんか、という一気通貫でお客さまと一緒に働き方改革を進めさせていただくことをご推奨させていただいています。

そのために、我々は「CaMP」というオフィスを作らせていただきました。これは、Communication and Motivation make Perfomanceの略称になっております。コミュニケーションが良くなって、モチベーションが上がるようなオフィスを一生懸命考えております。

オフィスツアーについては、コロナ禍ですのでかなり抑制しているんですが、限定的にお客さまをお迎えする準備をしております。もしご希望の方がいらっしゃいましたら、ご案内を差し上げますので、ぜひご連絡をいただければと思います。

ちなみに今はスノーピークさんとコラボレーションさせていただいておりまして。非常にブランド力のある、新潟県に本社があるアウトドアメーカーさまです。

スノーピークさまの椅子やテーブルやテントなどを、うまくオフィスの中に取り入れまして、柔軟性とフレキシビリティの高いオフィスを作らせていただいております。

オフィスは1フロアが約900平米程になっておりまして、基本的にすべてフリーアドレスになっています。こちらに移転したあとに、さまざまなアンケートを取りまして、その判断をしました。

例えば、「フリーアドレスってあなたにとってどれくらいの生産性でしたか?」とアンケートを取ると、平均的に賛成が多くなったんですが、エンジニア職に限ってアンケートを行うと、フリーアドレスの評価は大きく低下したんです。

大津:確かにそれはあるかもしれません。弊社の関西の支社も、最近フリーアドレス化を導入したんですが、エンジニアだけは生産性が下がったと報告が上がっていました。

中川:やっぱりそうですか。その声はどうやって取られたんですか?

大津:オフィスが変わったあとにアンケートを取りまして。その結果の中に、エンジニアからの意見が多かったと言っていましたね。

中川:なるほどですね。そういったものをちゃんと取られるというのはすごくいいサイクルを回されていらっしゃいますよね。

大津:ありがとうございます。

中川:我々も、「ぜひ一緒に社内アンケートを取りましょう」とご推奨しているんです。実際にやってみると、さまざまな結果を手にすることができます。一概にフリーアドレスがダメとはならないんですけどね。

やはり職種や業態によって、フリーアドレスが合わない職種もあります。その職種のメンバーに対して、固定席を増やしていくみたいなチューニングを日々行いながら、継続的にPDCAを回しています。

環境を特化してエンジニアの育成に挑戦

中川:CaMPについてですが、エンジニアの声を採用しまして、より最高の開発体験ができるオフィスも作らせていただきました。

例えば、スクラム開発を行うために最適なモニターを置いて、みんなでコードレビューしながら仕事が進められるようなオフィスを作らせていただいています。あとは今、エンジニアを採用するのが都心部では非常に難しいですよね。

大津:そうですね。

中川:ですので我々は、山口県の萩市にサテライト拠点を作りました。ここでアプリ開発ができるエンジニアを新卒から育てようと、今年の春から拠点を作らせていただいて、高校を卒業した6名を採用し、プログラマーとしてのトレーニングを一生懸命させていただいています。

大津:なるほどですね。

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