2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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武田双雲氏(以下、武田):キーワードとして、千葉(功太郎)さんからもつながったけど、長く続けられるためにはそういう素敵なビジョンというかね。社会的意義を本気で腹の真ん中から感じられている経営者か、という話があったんだけど。
さっきミゾ(溝口氏)がちょっと言ったけど、どうしても投資家は「3年以内に」とか短期的な成果もほしいし、ベンチャー界では10年、50年、100年単位だとなかなか矛盾するような部分もあるとは思うんだけど。そのあたりの短期的な期待に答えることと、長期的な社会的意義をどう考えているのかな?
溝口勇児氏(以下、溝口):そうですよね。でも、短期・長期って、結局、集まるお金の金額と支援してくれる仲間の量が少なかったりすると、長期にならざるを得ないですし。短期的にすごい量の仲間とお金の支援が得られるんであれば、おそらくもっと時間軸を短くできると思うんですよね。綺麗なことを言えばですよ。
そういうかたちで、社会に意味のある、何か大きなインパクトを与えようとしている方には、グッと多くの支援が集まるような社会になるといいなと思いますけどね。
溝口:ちなみに、今日もご参加されている方にもすごい方がたくさんいらしていて、例えば女性の話もちょっと聞きたいんですけど、ウォンテッドリーの仲さん、聞こえます?
仲暁子氏(以下、仲):カメラが付いていないんですけど大丈夫ですか?
溝口:いきなり振っちゃってごめんなさい。仲さんは女性起業家で、今、最年少ですよね。最年少女性起業家で上場記録持っているの、仲さんですよね。
仲:そうかもしれないですね。
溝口:もともとゴールドマン・サックス、Facebookからウォンテッドリー作って、僕の抱いている仲さんのイメージって、けっこう先の未来が見えている。社会に対しても自分に対しても、そういう客観的な認識が深い人だなと思うんですけど。
女性の観点から見て、今日のテーマに関係するポストコロナの未来とかって、どんな社会になると思いますか?
仲:うーん(笑)。女性というのは置いといて、今の議論をずっと聞いていたんですけれど、ウォンテッドリーでやってきたことや、やろうとしてきたこと、自分の原体験として「世の中にこうしたい」と思ってきたことにも通じる部分があるなと思って聞いていました。
私も新卒で外資系の金融、都市銀行に入って、お金はすごく得られる環境だったんですけど、それだけじゃやりがいとかが得られなくて。学生の頃に経験した、15万円くらいしか稼げない起業のほうがすごくおもしろかったので。お金だけじゃなくて、何のためにやるのかというミッションを大事にして働く人を増やしたいということでやってきて、もう8年くらいなんですよね。
意外とずっと言い続けてきたので、世の中も変わってきたんじゃないかなと思いつつ、今もそういう議論が続いているので。けっこう普遍的に変えていかなきゃいけない価値観だったりとか、新しい世代が抱えている課題なのかなというのは、今日も改めてディスカッションを聞いていて感じました。
溝口:ウォンテッドリーのビジョンって「心踊る。未来をつくる」でしたっけ?
仲:近い(笑)。「シゴトでココロオドルひとをふやす」というのをずっと掲げてやっています。
溝口:そうですよね。今思えば、まさに8年経ってドンピシャリなテーマですよね。
仲:そうですね。意外と時代が変わっていくのがゆっくりなんだなというのは、10年くらいやって思いましたね。当時もすごく共感してくださる方もいましたし。一方で、とはいえお金も大事なので(笑)。
そこはバランスで少しずつ振り子のように振れながら。こういった10年に1回の危機みたいなのが起きると、人の意識が変わる時もありつつ、またお金も大事みたいな振り子のように振れながら、少しずつ社会が変わっていくのかなと思いますね。
溝口:僕が感じた仲さんは、年齢言っちゃうとアレだけど同い年なんですけど。お三方にご安心いただきたいのは、こういう僕たち世代以下に、夢や志が社会に向いている人は比較的多いなと思います。
あとはそれをあらゆる側面で支援するエコシステムとかプラットフォームがあれば、もっと社会は良くなってくる。なので、若干楽観的です。そういうところに人とお金が集まってくると信じているんです。
武田:素晴らしいですね。海外の投資家と話しても、そういうビジョンを持っていないところにはもうお金は集まらないし、社員も集まらない。
僕も中学生の息子がいるんですけど「どんな会社がいい?」と聞いたら「ワクワクするような社会にとっての変革を起こそうとしてて、しかもそれにみんな楽しい雰囲気で向かっているチームの会社に入りたい」という、中学生の周りの子たちもみんな言っている時代が来たので。そもそもお金も人もそういうところに集まるというのは、いい流れだなと思っています。
溝口:気づけば、もう終わりの時間になっていて、それぞれお一人ずつ、何かしら抱負、あるいはコメントをいただけたらなと。吉岡先生、最初お願いしてもいいですか?
吉岡秀人氏(以下、吉岡):はい。おそらく僕の感覚では、僕のやっていることなんて25年前は誰も相手してくれなかったんですけど、時代が追いついてきて今みたいになって。たくさんの人が無償で、あるいはたくさんお金を払って参加してくるんですけど。「やらなくてはいけなくなった」んですね。
たぶん、このまま時代はそっちの方向へどんどん進むと思いますし、僕もやることをこのまま続けるんだろうなと思いますけど。ぜひ経営者の人たち、投資家の人たちも含めて、前だけじゃなくて後ろを見るような作業とか、そういうのも少し意識していただければ、僕はありがたいと思いますね。
今までの大きな企業とかそういうのが残るでしょうけど、特別な価値を持つ個人というんですかね。そういう人たちがこれからどんどん出てくると思いますので、ぜひその人たちも応援してあげてほしいなと思います。以上です。
溝口:ありがとうございます。続いて双雲さん。
武田:僕はもうメッセージは1つで「楽しい」と「楽」をずっと書き続けた男なので、こだわっているんですけど、毎日とにかくいろんなことがあると思うんですけど、楽しんでほしい。
毎日の生活から通勤も含め、あらゆることを楽しんで、感じて、またその還元して周りを楽しませて。プロセスも含めて、がんばってほしいなというか。結果だけじゃなくて、毎日ワクワクして楽しんでほしいという思いがすごく強い男なので。ぜひこのIVSに参加した方々は、毎日、より良質なモチベーションを生活からプライベートから仕事まで全部に、さらに楽しさを増やしてほしいと思います。
溝口:ありがとうございます。亮潤さん、最後よろしくお願いします。
塩沼亮潤氏:はい。私が一番好きな言葉は「何事も地道にやっていく」ということですね。例えば、今回こういうコロナの影響が「どうでしたか?」と聞かれても、私は田舎に住んでそんなに派手な発信をせずに、地道に地道にお寺を運営してきました。
実際、心でつながっている人たちが多いので、影響はあまりなかったんですよね。一人ひとり、向き合った人を大事にしていくという和尚さんの教えを、これからも地道につなげたいと思います。
先ほども言いましたけれども「一人ひとりがみんな仲良くなろうよ」というそんな簡単なアイデアで、笑顔がどんどん世界に増えていったらいいなと思います。綺麗ごとと言われてしまうかもしれませんけれども、綺麗ごとも実践して貫いていくと、世界が綺麗になっていくと思います。以上です。
溝口:ありがとうございます。最後になりますけれども、これからおそらくポストコロナ、withコロナ、アフターコロナとかいろんな言い方がありますけれども、新しい生活様式、新しい働き方が続々と生まれていますが、この流れは止められないと思っています。
一方で、新しい何かを踏み出す時というのは、多くの人が不安感に苛まれたりとか、いろんな心配を抱えたりとかすると思うんですね。そういう不安や孤独や退屈が蔓延しやすくなる社会においては、今日のお三方。僕が知っている中で、最も真っ当な共創力の高い三人だと思うんですね。僕自身もお三方の信者、三人を信ずる者なワケですが。
こういった経済人であるスタートアップの起業家・投資家の方たちも、実はこれからの時代は、まったく異分野のお三方のような方たちから学ぶというのが、非常に多いんじゃないかと思いまして、このようなセッションを用意させていただきました。
何か少しでも気付きがあれば、非常にうれしいなと思っております。今回は、大変至らない点もあったんですけれども、最後までご視聴いただきまして本当にありがとうございました。また機会があればどうぞIVSをよろしくお願いします。今日はありがとうございました。
武田:「信者」と書いて「儲かる」です。
溝口:すごい(笑)。信者と書いて儲かる。確かに。
武田:ビジネスを信じる者は儲かりますので、みなさん本当の意味での儲け方をしてください。
溝口:おあとがよろしいようで。
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