運営側が「スタート・ゴール」を決めるべきでなかった

井上雅登氏(以下、井上):創業当初で、顧客の「こういったニーズがあるんじゃないか」という仮説から始められた中で、一つ、授業という方法でサービス提供されたという。今振り返ってみると、その時にうまくいかなかった要因はどういったところだと感じますか。

牧野成将氏(以下、牧野):私たちが用意したプログラムという形式みたいなものは、私たち自身がスタート地点とゴール地点を決めていくわけですよね。で、その中でいろいろなコンテンツを提供していく。「私たち目線」だと(運営するのに)効率がいいわけですよね。

実際たぶん、そうしたほうがいい部分もあると思うんですけども。でも、それを実際にサービスを受けるベンチャー企業の方々からしてみたら「自分たちはこの課題を解決したいと思ってるのに、それをいますぐやりたいと思っているのに、プログラムがスタートしないとそれがなかなかできない」ということが(ネックになった)。

もしくは板金とか別にいらないのに「授業受けてくれ」って言われる、みたいな。そうするとすごく時間が無駄になってしまう。要はお客さんが本当に必要としてるところを、まだつかみ切れてなかったのかなというのが一つの学びですね。

井上:今、すごくいいお話が出た感じでした。お客さんが本当に必要としてくれてるのかどうかまで、そこまでの意識を持ってのサービス展開ができていなかったというところは、まさに「創業初期あるある」な話かなとも思いまして。でもそれって実は、そこまで思いつくといいますか、考えに至るのもかなり難しいかなと。特にそういう初期ですと。

「なんか良さげだけど、誰にも刺さらない」

井上:そこでいくと、次は中村さんにお話を移させていただいて。中村さんは創業初期にいろいろな、先ほど「ハコを作ったら」というお話もあったと思うんですけれども。最初はどういったかたちで事業をスタートさせていかれたのか。

中村多伽氏(以下、中村):人生でこんなに「板金」って聞くことないだろうなって、個人的にめっちゃウケてたんですけど(笑)。

(会場笑)

私たちの場合もけっこう同じで、最初にプログラムを作ってそこに参加してもらうみたいな感じで。ただ私たちは(ものづくりの)プロフェッショナルというか専門領域みたいなのじゃなくて、社会課題という縛りがあったので。板金の講座とかなかったんですけど。

参加してくれる会社、起業家側には会ったこともたくさんあったので、あんまり「的を外したもの」みたいなのにはならなかったんですけど。

ハコがあって、そこに若い子たちが集まってて、しかもみんな社会課題解決したいって。そんな素敵な施設は他にはないだろうと。いろんな企業がそこに「スポンサーをしたい」とか「一緒になにかやりたい」って言ってくるに違いないって思ってたんですよ。作ったときは、絶対にそうだって(笑)。

だからキャッシュフローとしては、そういう企業からのスポンサーとか、そこに対するコンサルティングとかで食ってこうって思ってたんですけど。参加してくれる会社が、ぜんっぜん集まんなくて。

だから自分たちから会いに行って「こういう場所があるんですけど、スポンサーどうですか?」みたいに言うと「すごい素敵だと思うけど、それって京大生が毎月何千人とか集まるの?」とか「その子たちって起業しちゃって就職しないから、別にうちの会社と接点持ってもどうしようもないよね」とか。言われてみたら確かに……みたいなのがめっちゃあって(笑)。

さっきの牧野さんの話じゃないですけど、今振り返ってその失敗要因みたいなのを考えると……なんか良さげじゃないですか「社会課題で集まる若い人たちと接点持てるよ」って。なんか良さげなんですけど、意外と誰にも刺さらないみたいなことって、すごくあるんだなと思って(笑)。初期は本当にそれを味わったという感じです。

陥りがちな、自分に不利な情報のシャットアウト

井上:ありがとうございます。確かに私もこういったイベントスペースを運営してると、いろんなスポンサーの話をすることがけっこうあって。やっぱりここで「年間100件イベントやってる」って聞くと、なんか「すごい数やってるな」と思ったりされる方が多いかもなんですけど。そういう話を企業さんに言っても「別に100件なんていう数字はあまり興味ない」と。逆に「どういった人が集まってるんですか?」とか「じゃあそこでうちって、どういう関わり持てるんですか?」みたいなことを言われるのは、けっこうあったりもして。

実際、確かにそういった接点みたいなところってすごく大事だなと思ったりもする一方で、特に創業初期の段階で自分たちが「これやったらいいんじゃないか」と思って始めてみても、なかなかうまくいかないっていうところが、やっぱり「あるある」な。どうしても、そういうことが起きてしまうと思います。

その起きてしまう要因がいったいどこにあるのかなというのも、少しご意見いただきたいなと思いまして。例えばそれが、事前に知識として知っておいたら防げたことなのか。マインドセット的にどうしても陥りがちになってしまうから、気をつけておかなきゃいけないことなのか。どういったことを持ちながら創業に取り組んでいったら、大きな失敗に至らないのかというところ。ご意見いただけたらなと思います。

中村:どうしてます、牧野さん? なにか新しいことを思いついて、やろうってなった時。

牧野:基本的にはたぶんみんな一緒だと思うんですけど。まずはみんな「やってると思い込んでる」んですよ。思い込まないと、たぶん前に進めないのも事実だと思うので。そういう意味で言うと、事業をやる時に最初から「失敗する」と思ってやってる人は誰もいないだろうし。「絶対、これ成功する」と思ってるからみんな進むんですよね。ある意味そういう思い込みって、僕はすごく大事だと。そういうものがまずあります。

でもその時に、思い込んだままで進み続けてしまうと良くないってことがあるだろうと思ってて。なのでそこからフィードバックを得ながら、学びを深めてどんどん変更する、変えていくことができたとすれば、すごくいいんじゃないかなと思うので。まずは「思い込む自分」というのはすごく大事だと思うので、それは大事にしてもらって。一方で人の意見も聞くっていうことも、すごく大事なのかなと思いますね。

中村:そうですね。他人の意見を聞く時に、関係ない人の意見を聞きがちなんですよね。お客さんじゃない友達とか、よくわからん学校の先生とか。たぶんみなさんが接点を持っているのがそこだからなんだと思うんですけど。でもお客さんじゃないし、ビジネスの専門家でもないから、みんな絶対「いいね」って言うんですよね。すると「お、いいんだ」ってなって、自分に不利な情報をシャットアウトしがち。

止める人とか足引っ張る人の情報はどうでもいいんですけど「これ失敗しそうだけど、たぶん自分は大丈夫」みたいに、変に視野が狭くなっちゃうみたいなことは、私自身がすごいたくさんあって。自分を信じつつ、適度にネガティブシンキングするみたいな(笑)。

(会場笑)

そういうことは大事だなって、やっと最近わかりました(笑)。

井上:確かにそのマインドセット、すごい大事だなと思います(笑)。私も、シード期のスタートアップのお手伝いとかさせていただいてると、初期ってどうしてもそこまでお金もないし、短期間の間にある程度のところまで進めなきゃいけないという、焦りじゃないですけど「やらなきゃ」というところもあるので。

どうしてもそこの部分で(他人の意見に)引っ張られすぎてしまって、自分に都合のいい情報しか取らなくなったりとか。ネガティブな情報を言われると「それはそれだから」みたいなかたちで外に置いてしまうといいますか(笑)。

中村:そうそう(笑)。

井上:ということが、けっこうあるかなと。

中村:今ので1個だけ足すと、やっぱり「やってみなきゃわかんない」みたいなのはどうしてもあるから。今のご時世、あんまりお金使わずに試せると思うんですよ。それこそもしモノづくりだったら、学生さんの場合は牧野さんのスペースに遊びに行って相談したら「こうしたらいいよ」って言ってくれるし、もしかしたら一緒に作ってくれるかもしれないし。逆に社会課題を解決したかったらここに来るとか、KRPさんに行くとかして相談して。

「小さく試す」みたいなことは、一切お金かけずにできると思うんで。そういうのをやってみるのも、マインドセット以外だといいかもしれないですね。そろそろ質問いきますか。

プレシード、シード、アーリーの違い

井上:確かにSlidoもけっこう溜まってきてるので、質問を受けていきたいなと思います。まず1番上に来てる「プレシードやアーリーの違いを教えてほしいです」ということで。これは中村さんが一番お近いと思うので、さくっとお願いします。

中村:プレシード、シード、アーリーっていう段階があった時に、プレシードはシードのプレなんで。シードって英語で「種(seed)」を意味するシードなんですけど。「アイデアはあるけど、まだちゃんとは実現してない。パートナーもない」と。

シードはそのアイデアのプロトタイピングをしてる最中とか、人によって定義が違うんですけど、だいたいそのぐらい。ユーザーヒアリング、ユーザーテストをやってる状態ぐらいで。

アーリーは、そこで一旦事業にはできたけど、マネタイズがまだ安定してできてないとか、その事業自体もまだニーズに完全にフィットしてる状態じゃない、みたいな。……っていう感じで合ってます?

牧野:(うなずく)

中村:はい、だそうです。

“情報インプット”の大切さと実践法

井上:ありがとうございます。2つ目の質問は「学生でありながら起業家のエコシステムまで考えるに至ったきっかけは何ですか」。これは中村さんのお話だと思うんですけど。

中村:さっき牧野さんがおっしゃってくれた「情報をひたすらインプットする」が、すべてな気がしますね。そういう情報に詳しい環境に身を置くもそうだし、もし周りになかったらこういうイベントに行ってみるもそうだし。私は例えば、スタートアップ系で有名なメディアって海外・日本合わせて10個ぐらいあるんですけど、それをTwitterで全部フォローして、専用のタイムラインを作るとかして情報をインプットしてます。

情報のインプット、どうされてます? ふだん。

牧野:私も一緒ですね。フォローしたりとか、あとはフィードで購読っていうか、雑な情報で流れてくるように一応したりとか。でもそういった、みんなが取れる情報ってほぼ一緒な状況になっちゃうんで。そこにプラスアルファがすごく大事だと思っていて。

ふだんあんまり興味がないところの分野の人たちと接するのが、すごく大事だなと思っていて。そういった環境に身を置いたほうが、実はすごくいいと思っています。例えば京都なんかでいけば、歴史とか伝統産業みたいなのもあったりするかもしれないし、例えば学生さんだったら社会人たちと会うとか。もしくはふだんだったら直接接点のないところに、あえてそういう環境に身を置いてみるとかっていうのは、すごく大事かなと思います。

井上:確かに。そういった環境に身を置いてみると、必然的に情報も集まったりしますし。逆にそこのネットワークからいわゆる創業初期のメンバーであったりとか、もしくはユーザーを探したりとかっていうところにも(いける)。

創業初期のメンバーの集め方

井上:その中で今、質問が上がってきたんですけども。「どのメンバーで創業するかはけっこう重要だと思うんですが、足りない部分を補う仲間はどのように探しますか? メンバーが増えると、それだけマネージや分担が難しいと思うんですが」という話。創業初期って牧野さんと中村さん、それぞれどういったメンバーといいますか、どういったかたちで創業されたのかということと。それから仲間とどのように過ごされたのか、少しお話いただけたらなと。牧野さんから。

牧野:こういう「たまり場」みたいなコワーキングオフィスとかが、最近あると思うんで。そういった所で、実は創業メンバーのほとんどを集めてきています。今いくつかそういった所に所属もしたりしていると、それぞれのコミュニティがあるわけじゃないですか。たまり場にはたまり場のコミュニティがあるし、違う所だったら違うコミュニティがあったりする。

そういう所に入っておくと、場に情報って集まってくるんで。そうすると「こういう人がいるよ」「ああいう人がいるよ」って紹介受けたりして、自分たちがやりたい方向性というところから、チームを作っていける。

先ほど話したように、私はモノづくりやったことがないので。実は私自身がモノづくりのアドバイスはできないので、じゃあモノづくりに詳しい人っていうことで、私の場合は京都試作ネットさんの所に行くんですけど。モノづくりの方々の所に行って、そこに創業メンバーで加わっていただく。

それから私自身はベンチャーキャピタルであったので、ファイナンス的なところは少しわかると。そしてまずはIT系のところも絶対必要だったので、今違う会社をやってる方に来てもらって。その3人のメンバーで最初のチームを立ち上げて、創業していったと。

そのあとのメンバーもほとんど、そういうコワーキングとかシェアオフィスって所からメンバーを人選していって。ようやく去年ぐらいから初めて外で告知するようになって集めるようになったぐらいで、ほとんど内輪で集めてきたっていう感じですね(笑)。

井上:そういった所のほうが、信用が置けるメンバーじゃないですけど、感覚が合うといいますか。そういう場が一番なんですかね。

牧野:それはありますよね。別に友達だからというわけではないんですけども、やっぱり最初からネットで募集したとしてもなかなかね、集まらなかったりするケースがあると思うんですけども。そういうところでいろいろなコミュニティに所属をしてると、そこで自分たちがやりたいことに対する適正な人材ってそろってくるのかなと思います。

井上:ありがとうございます。中村さんはいかがですか?

中村:私の場合は、最初は自分一人で。インターン生とか学生団体時代の子たちみたいなのとやってたんですけど。本当おっしゃるように、人が多すぎるとマネージメントコストがめちゃめちゃかかるんですよね。なので一回「解散!」みたいな感じにして、私一人でやってた時期がすごく長くて。で、去年度くらいにちょうどいろんな人をまた採用し始めた、みたいな感じなんですけど。

足りない部分を補える人かどうかは、私、原田岳は絶対採用しようとずっと思ってて。彼「起業したい」って言ってたんですよ。で「あぁいいよいいよ、応援するわ」って言って、さりげなくその会社の取締役に入れてもらってたんですけど。でも彼、直前までいって結局会社を作るスケジュールが延期になって。「じゃあtalikiでやったら?」って言って入れたんですけど(笑)。

(会場笑)

それも、ぜんぜん別の会社に彼がいる時に一緒にイベントとかやって「この子、こういう能力すごい高いんだな。私は持ってないな」とか「この子のこういう働き、めちゃくちゃいいな」みたいなのを見極める期間があったなと。いきなりはさすがにムリなので。

もしこれからチームに入れたい人がいたら、いきなり「チームに入ろうぜ!」って言うよりも、なにか一緒にやってみるみたいな。1回イベントでもいいし、プロトタイプを1ヶ月かけて作る会やってみよう、とかでもいいと思うし。そういうかたちで、気の合う仲間を探していくのがいいんじゃないかなと。

ただ、今はtaliki自体がわりと関西の若い子の中で、知名度がちょっとずつ、やっと上がってきたので。インターン生は基本的にTwitterで募集してます(笑)。

井上:ありがとうございます。本当に価値観が合うとか、一緒にやってみて「自分の足りない部分をこの人だったら補ってくれる」とかって見極めるの、すごく大事だなと思ってまして。特に創業初期って、お金がないじゃないですか。どうしても満足いく報酬というところになってくると、難しい部分も多いですし。

お金で一緒にやりたいってことも一つはあるとは思うんですけど、やっぱり自分たちがやりたいことに対して賛同してくれるかどうかであったりとか、一緒にやりたいと思ってくれてるかどうかというところが、特に創業初期のメンバーだと大事なのかなと。

見つけようと思うと、さっき牧野さんがおっしゃってたように、いろんなコミュニティのほうに行ってみるであったり。中村さんがおっしゃったように、一緒になにか少しやってみるっていうところがすごく大事なのかなと、お話聞いてて感じました。

仮説検証の役割とは

井上:最後、もうそろそろ時間なので、ラップアップに入っていきたいなと思うんですけれども。先ほど牧野さんにお話してもらったように、やっぱり創業初期、こういう課題があってそういうところに事業展開したらいいかなと思っていて。その事業展開のサービスの手段として1個、プログラムというところを走らせてみたと。

実際じゃあそのプログラムを走らせてみたところ、うまくいった部分とうまくいかなかった部分があったということで。先ほど牧野さんの話の中でも「ユーザー、スタートアップの人たちからのヒアリングが大事だったよね」というお話もあったと思います。

じゃあそこで大事なのは、やっぱり仮説検証だと思うんですけれども。お二方にとって創業初期の仮説検証において、いったいどういうことを大事にすべきか。例えばそれがユーザーのことなのか、それともサービスのことなのか。どういった部分を大事にしていけばいいかというところを、まとめ的にご意見いただけたらなと思います。じゃあ、牧野さんからいただいてもよろしいですか。

牧野:仮説検証の役割って、さっきの中村さんのお話にすごく近いかもしれないと思うんですけど、お客さんの声を聞いてるようで聞いてないとかってあるんですよね。自分自身ある意味、勝手に解釈していくっていうか。お客さんが言ってることに対して、自分の都合のいいとこだけ汲み取ってしまって。それでロジックを作っていくっていうケースが、すごくあるんじゃないかなと思って。やっぱりその時は「定期的にしっかり聞く」ということが、すごく大事だろうと思いますし。

もう1つすごく大事だなと思うのは「本当にそれに対して、お金を払ってまで解決したいポイントかどうか」っていうのが、けっこう大事かなと。例えば「タダでやってもらえるんだったらいいよ」っていうのって、けっこうあると思うんですけども。それに対して、100円でも1,000円でもいいので「お金を払ってまでその課題を解決したいか」っていうことを同時に聞くことが、僕はすごく大事だと思っています。

井上:ありがとうございます。確かに「あったらいいよね」っていうところが、まさに無料というもの、ある意味、壁になるのかなと思います。

あえてするべき「マイナスポイントだけ教えて」の質問

井上:じゃあ最後、中村さんからも。

中村:本当におっしゃってくださったように、ちゃんと話を聞く。耳が痛いことは言われたくないからつい、いいことばっかり聞きたくなっちゃうんで。あえて言うんですよ、「マイナスポイントだけ教えてください」みたいな。そういうふうに聞くのと、本当にそれに対してお金を払うか。

で「いくら払いますか?」という質問をたぶんすると思うんですけど。「いくら払いますか?」で「2,000円」って言ってる人、2,000円払わないんですよね、意外と(笑)。だから本当に払ったという事実を作るのは、めっちゃ大事だなと思ってます。

もし牧野さんが言ってくださったもの以外でいくと、うーん……検証すべきことが、1つの手段で100個ぐらい検証しようとするパターンがけっこうあって。これで課題解決されたか、5,000円払ったか、この効果が得られたか……みたいな要素がありすぎて。もしその検証が失敗した時に「お金払いたくなかったから失敗した」のか「そもそもその人のニーズに合ってなかったから失敗した」のかとか、そうやってわかんなくなっちゃうんですよね。

だから検証したいものを明確にして、その明確にしたいものの手段をちゃんと用意するみたいなのは、めっちゃ考えなきゃできないんですけど、めっちゃ考えるようにしてます。

井上:確かに。本当、最後に中村さんがおっしゃったように、何を検証したいのかっていうのをちゃんと絞るって、すごく大事かなと思いまして。結局サービス自体のことなのか、価格が悪いのか、それともサービスの内容が良くないのか。それともターゲットが合ってないのかみたいな、いろんな複合的要素がある中で、どれかを見極めてちゃんと仮説検証していく。それを一つひとつ潰していくっていうことが、事業をグロースさせていくためには避けて通れない道なのかと思って聞いておりました。

牧野:でもなんだかんだ言っても最後は自分自身がやりたいこと、実現したいことをやるべきだと、すごく思います。結局、お客さんが答えを持ってるわけではなくて、最後は自分なんですよね。だから自分が「どうしてもこの課題を解決したい」と思うんだったら、徹底的にそこをやり続けていけばいいんじゃないかなと思いますし。そこにお客さんが気づいてない課題っていうのが、もしかして出てくるかもしれないんじゃないかなと思うので。

言いたいこととしては、今いろんなやり方ってあるかもしれないんですけど、決して一つの正解の方法があるわけじゃなくて。それもさっき言ったいろんなやり方がある話で「どうしても自分がこの課題を解決したい」と思えば、そこを徹底的に。人の意見なんか無視して聞かなくてもいい時もあるかもしれないし、突き進んでいけばいいんじゃないかなと思うんで。

本当に自分自身の人生だと思いますので、何が自分自身がやりたいことかっていうのを、徹底的に考えていくといいんじゃないかなと。

井上:ありがとうございます。本当に、ユーザーにとらわれ過ぎて自分のやりたいことを逆に見失ってしまうということも、進めていくうちにある部分なので。やっぱり起業して事業をしている方たちは本当にすごいなと、私自身、支援者の立場で思ってまして。

みなさん、人生かけてやりたいことを実現するためにがんばっておられるかと思うので。そういった方たちを応援するような取り組みを今後も、KRPとしてもみなさんと一緒にやっていけたらなと思います。

すいません、時間を少し超過してしまったんですけども、トークセッションはこの時間で終わらせていただければと思います。質問に全部答えきれなくてすみませんでした。

中村:また答えておきます(笑)。

井上:はい、すみません(笑)。それでは登壇いただいた中村さん・牧野さんに盛大な拍手をお願いいたします。

(会場拍手)