2024.11.26
セキュリティ担当者への「現状把握」と「積極的諦め」のススメ “サイバーリスク=経営リスク”の時代の処方箋
The Northern Hemisphere’s Very Own Giant Penguins (Sort Of)(全1記事)
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ステファン・チン氏:ペンギンは不思議な鳥です。空を飛べないよちよち歩きの鳥で、羽は飛ぶためではなく泳ぐためについています。現代の地球上では、きわめてユニークな生き物だと言えるでしょう。しかし太古においては、どうやらそうでもなかったようです。
実は北アメリカ大陸には、固有の「Plotopterid」という、飛べない泳ぐ鳥が生息していたことが、化石からわかっています。Plotopteridは、見た目や歩き方、泳ぐさまもペンギンそっくりでしたが、ペンギンではありません。彼らの進化の過程を調べることにより、Plotopteridとペンギンがこのような形態に至った理由がわかるかもしれません。
Plotopteridもペンギンも、どちらも飛べず、長いくちばしとヒレのような羽を持っています。しかし、その生息地も生きた時代もまったく異なります。化石の記録として残る最古のペンギンは、現代のニュージーランドで発見され、約5千500万年以上前のものです。種の歴史を通して、ペンギンの生息地は南半球に限定されています。
その一方で、Plotopteridの進化はやや時代を下り、約3千500万年前です。Plotopteridの化石はアメリカ合衆国、カナダ、日本などの北半球で発見されています。
このような違いはありますが、生態は似ており、それに適した体形も似ています。しかも、どちらも太古の種は巨大であり、立った時には1.5メートルもあります。そうなのです。実はペンギンは、現代のコウテイペンギンよりも、昔はずっと大きかったのです。こんなに大きな鳥がどちらもいなくなってしまったなんて、残念ですね。
双方の鳥のグループに共通するユニークな習性は、泳ぐことに羽を使っている点でしょう。ほとんどの鳥は、泳ぐ際には、アヒルのように足を使います。しかしペンギンは、ヒレ状の羽を使って水中を進みます。
2020年の研究によりますと、これはPlotopteridも同様のようです。この研究では、ペンギンの化石とPlotopterid種で解剖学上の比較を行ったところ、どちらのグループも羽を使って泳ぐため、骨の関接の柔軟性と筋力を利用できるように、肩と腕が似たような適応を遂げていたことがわかりました。
しかし、これらの鳥は特に近親というわけではないのです。それぞれが別個に、羽で泳ぐための進化を遂げた「収斂進化」の結果だと考えられています。
以前の研究者たちは、このような類似点は生息地に関連性があると主張していましたが、今回の研究は、答えの一部が、これらの鳥たちの祖先にある可能性を示唆しています。なぜなら、どちらの鳥のグループにも、近親に羽を使い海に潜って獲物を捕らえる、現生のいとこがいるからです。
ペンギンはミズナギドリの近親であり、Plotopteridはカツオドリの近親です。ひょっとすると双方のグループには、海に潜るのに適した羽をすでに持つ共通の祖先がいて、彼らの習性や羽の構造が、後に海で泳ぐヒレ状の羽に発達する基盤となるには、うってつけだったのかもしれません。
Plotopteridは、大きな物も含めて、2千万年前に絶滅しています。これは、巨大なペンギンの化石が見られなくなる頃と同じくらいの時代です。彼らの消滅は、ハクジラやアザラシ、アシカなどの肉食の海生哺乳類が台頭し、数を増やしていった時期と一致するようです。
これらの哺乳類は海で狩りを行い、巨大な泳ぐ鳥とエサを奪い合ったことでしょう。さらに、その生息地の多くは、北半球でも南半球でも、Plotopteridやペンギンと重なりました。このような泳ぐ哺乳類の台頭により、羽で泳ぐ2種の巨鳥は、海を追われてしまったに違いありません。
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