民間から見て戦後75年は、非常に恵まれていた

神保謙氏(以下、神保):次は髙島さんにぜひ「経済人と平和との関係」という大きなテーマで(笑)、お伺いしたいと思います。私自身も大変興味を持っているんですけれども、一方でグローバル経済の中では平和が前提で、それが経済を活発にさせるんだ、みたいな。こういう土台論というんですかね、そういう考えの中で平和と経済との考えを語るというのも、一般的にはあると思うんですけれども。

最近では経済界から秩序への働きかけとか、逆にパブリックセクターのほうから経済との関係で、経済安全保障なんてことが言われたり。エコノミック・ステイトクラフトなんてことが言われたりして。関係性がかなり深まっているようなイメージも持つんですけれども。この戦後の歴史を振り返って髙島さん、どのようなことを感じておられるか。ぜひ伺いたいと思います。

髙島誠氏(以下、髙島):ありがとうございます。非常に大きなテーマなんですけども、やはり経済人としてといいますか、民間から見てこの戦後75年、あるいは被爆75年という期間は、ある意味では非常に恵まれていた期間と言っていいんじゃないかと思います。

冒頭、神保先生が非常にうまくこの75年を、25年ごとに総括をされて。その中でも触れておられましたけど、基本的にこの75年というのは、国際的なフレームワークの中で経済が、ある意味では一律的にいろんなことをグローバルに展開できるという、非常に恵まれた環境にあったと思います。

したがって、ついつい従来は経済人というと「平和だとか、そういう話は政治の話だ」と。政治がそれはしっかりお願いしますよ、と。その枠組みの中でいかに経済をやっていくかということを考えさせてくださいと、ある意味では非常に一方的な認識が、残念ながら一般的だったんじゃないかと思います。

例えばさっき川口順子先生からあった日米の話もそうですね。過去には政治的には非常に、いわゆる冷たい関係と言われていたことがあったんですが。その間、経済的には非常に熱いものがあったと。したがって日本政府に対して、日本の経済界も「お願いしますよ、しっかりしてくださいね」というようなことを言えていたと。こういう期間だったと言っていいんじゃないかと思います。

それがこの足元10~15年ぐらいですかね、各企業としてのソーシャルレスポンシビリティ、CSRという概念で語られたり。もともと日本企業が近江商人の「三方よし」という概念でもって、持続的なビジネスを展開しようとしたところに回帰しようとか。それが足元の、まさしくSDGsであるし。

これだけ資本主義を標榜してきた、アメリカを中心にしたグローバル企業の間でのビジネスラウンドテーブルが、マルチステークホルダーの話をしてきたし。そして今年1月のダボス会議は、まさにステークホルダーキャピタリズム、あるいはエコノミーという議論をし始めてると。こういう変化がまさに、我々、一企業としても問われる時代に、ついになってきたということでございますので。

今後25年、戦後100年を展望するこの25年は、いよいよもって民間も、あるいは経済人も、平和の問題は政治だけの問題じゃないんだということが問われている。いよいよもって問われてくる時代になってくる、と言っていいんじゃないのかなと感じています。

まさに足元、いろんな動きがある中において。これはおそらく、よく言う格差の問題を主因としまして、ポピュリズムの広がり。それから神保先生もおっしゃったとおり、自国第一主義的な動きがむしろ今は強くなっているということでありまして。これはとりもなおさず、グローバルにビジネスを展開しようとしている民間の経済人にとっても、極めて大きな影響が出てきていると。これもまた事実なわけですね。

したがって、これは神保先生が最後にまとめられると思うんですけど(笑)。まさにCOVID-19のラストプッシュと、それからこの大きなトレンドの変化の中で、ますますもってSDGsという観点で、民間のビジネス展開をやっていかなきゃいかん時代になったと。そう考えるべき今後の25年、ということなんじゃないのかなと思います。

神保:髙島さん、ありがとうございました。経済と平和との関係性というものが、おそらく接近をし始めて。そして経済人も、またパブリックセクターにいる人たちも、手を携えて秩序の話というものを考えていかなきゃいけない、ということなんだと思います。

テクノロジーと平和の関係

神保:で、安宅さん。実は安宅さんにいろんなところで話を伺う機会があって、本も愛読者として読んでおりますけれども。やはりいろんな時代区分を語られていて。人類史だったり、あるいはテクノロジーの歴史だったりするわけですけれども、安宅さんにとって戦後75年という話はあまり聞いたことはなくてですね(笑)。あるいはテクノロジーと平和との関係とか、安宅さん自身が歴史をどう捉えられているのかというのは、ぜひ伺いたいところなんですけど。いかがでしょうか。

安宅和人氏(以下、安宅):なかなか難しいテーマで(笑)。戦後75年は今、髙島頭取がおっしゃったとおり、特別な時代だったとは思います。確かに冷戦ありましたけど、それ以外というか、いわゆる西側経済圏はなんやかんやで仲良く広がっていってですね。傷を癒して、共同的に平和にやるという時代だったとは思います。

ここの素晴らしさは、戦前までに生み出されたテクノロジーが劇的に効いたということですよね。そこまで軍事的に作られたものが非常に役立って、世界平和が起きたということで。ちょっと最後に福一(福島第一原発)みたいな、天災による爆発みたいな悪夢がありましたけど、おおむねピースフルだったと思います。

テクノロジーと平和ということは、うーん……僕は科学者でもあるわけですけど、負をもたらしつつも、基本的には発展をずっともたらしてきたと思います。で、人類がもっとも強く生み出した文明的産物はおそらく、稲穂と小麦だと思うんですけど。野生のものとかじゃあこんな大量の食料を養えないことは間違いなくて、爆発的な人間の血と汗と涙の結晶なわけですけれども。

テクノロジーは基本的には人間の繁栄を著しく支えてきて、病気の問題もまぁ8割がた解決するようになりましたし、よかったと。ただちょっと間違うと、すぐに核爆発とかですね。今回のやつ見てると、どんなに生物化学兵器が危険かってことをみんな、骨の髄までわかったと思うんですけども。絶対ダメだって、たぶん世界的なユナニマス・コンセンサスに今なりつつあると思うんですよ、無意識に。危険極まりないっていう。

なんというか「負をどうやって抑え込むか」について、人類はいまいちわからないまま今きてることが、赤裸々になってきてるとはすごく感じています。1年か2年ほど前も、中国で遺伝子改変したデザイナーベイビーが生まれたという、とんでもないニュースが流れましたけど。止める手段があんまりないと。

そこですよね。だから我々は倫理を……倫理と関係のない今回のウイルス爆増とかもあるんで、うーん。でも科学のおかげで、今回、想像を絶するスピードでワクチンも生み出されそうなので。負を対象化しつつ、こういうときに「最大結集able」にするということを、どのように実現するかが今問われてるようには思います。すいません、なんかまとまりきらないんですが以上です。

“現時点”を歴史の中でどう評価するのか

神保:ありがとうございます。いや、いろいろ問題提起をいただいたと思っています。それで、時間はもうあっという間に過ぎてしまうもので、残り15分間なんですけれども。

3つ目の最後のテーマですけれども、じゃあこれからどうしていくのかということについて、みなさんに最後にご見解を伺いたいと思っております。壮大なテーマで、本当にまとめきれないほどのいろんな論点が出ているんですけれども。

現時点を歴史の中でどう評価するのかって非常に難しい問題ですけれども、1つはコロナに直面している我々が、なにかまったく新しい世界に入ってしまったのかというと、必ずしもそうではないという議論も十分できるわけです。先ほど髙島さんがおっしゃったように、まさに今まで抱えていた問題が一気に加速をして、未来にあると思っていた世界がわずか数ヶ月で、ぎゅっと身近に引き寄せられたような時間の変化というものが起きているんだと。

その中には国際的な対立とか格差の拡大、ポピュリズムの進行とか、新興国の台頭とか。そしてまさに監視社会のようなかたちで、国家が社会に介入していくことを是認するような社会構造だったり。あるいは安宅さんがおっしゃったような、いわゆる都市型の密な社会から、より開放化された社会に向かっていくと。

「できたらいいね」って言われていたことがもう、やらざるを得ないような状況に追い込まれたみたいなことが、わずかこの半年ぐらいで起きてしまうという。急速な社会の変化というのは、もちろんあったんだと思います。

ただしそれが「加速化した」というリニアな流れだけで捉えていくのは、やっぱり難しくて。明らかにおかしな状態に我々は置かれているわけですよね。いまだに国際的な人の移動というものができない状態ですし、その結果サプライチェーン・バリューチェーンといった考え方も変えていかなければいけないし。

今後のいわゆるサプライ・デマンド、需要と供給の考え方を、経済でどういうふうに成り立たせていくのか。そのための働き方は何なのかみたいな、社会像をやっぱり新しく考えなきゃいけなくて。で、そのための秩序をいったい誰が作るのかみたいな、さまざまな議題をこれからの25年に向けて、考えていかなければいけないということだと思います。

この会議全体のテーマからすると、その中で平和をどう構築していくのか。そしてSDGsのようなグローバルな課題群というものを、どのように新たに構成していくのか。SDGsもまたこれから、ポストSDGsへ向けて考えていかなきゃいけないことだと思いますし。

いかにして、変革のプロセスに関与していくか

神保:最後に個々、人の問題ですね。人間の安全保障をその中でどのように確立していくのかといった大きなテーマをですね、最後にみなさんがどう考えているのかということを、お伺いしていきたいと思います。ぜひグローバル経済という視点から含めて、髙島さんにまず口火を切っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

髙島:(笑)。はい、ありがとうございます。引き続き、非常に大きなテーマということでありますけども。私が今本当に考えている、あるいは強調したいと今日思っておりましたのは、民間あるいは経済人がいかに、今、神保先生がおっしゃったような変革のプロセスに主体的・能動的に関与していくのかというのが、実は非常に大きな課題・テーマであろうと私は思っています。

それが1つはSDGs。これはある意味では17の全部並び立たないかもしれないけども、それぞれにグローバルに共有すべき課題であるのは間違いないわけですね。ですからそれぞれの、我々、銀行のビジネスもそうですし。民間の個々の企業が自ら事業を、その17のテーマの中でどういうふうに続けて持続的なものにしていくかということを、いかに展開していけるかというのが、私は非常に重要な視点であるし、まだまだやっていけるポイントだろうと思っています。

その際にやはり、我々もそうですけども、1社・1銀行だけで世界の課題が全部解決する、これは有り得ない話でありますので。民間は民間ベースで、もちろん官もいろんなガイダンスをいただきながら、いかにパートナーシップを組んで、志ある者と一緒にそういう世界をつくっていくかというふうに、能動的かつ主体的に動いていくということが、非常に重要だ思っています。それを全体、誰が指揮をするのか。これは私もよくわかりません。

わからないけれども、テーマを共有できる限りにおいては一緒にこういうことができるのではないかという話が、我々も銀行として取り組んでいく中で、実はさまざまなお客様だとか企業との間で、そういうパートナーシップを組んで取り組んでいこうということをやろうとしています。

若干、PRになりますけれども。今年の4月、たまたまこのCOVID-19あったからというわけではありませんが、私ども、改めて2030年の例のSDGs達成期限に向けて、10年計画を作りました。

我々のSMBCグループの「GREEN×GLOBE 2030」という計画を作りまして、その中で、例えばグリーンファイナンスを10兆円やってきましたとか、あるいは金融経済協力を150万人に対して提供しましたとか。いわゆる、いろんなKPIを設定をいたしました。

それと同時に私どものお客様にもお声がけしまして、環境だとか社会課題の解決を一緒に引っ張っていこうじゃないかという、コミュニティを作ることにしました。これは「GREEN×GLOBE パートナー」という意味で会社を作ったんですけれども、そこにいろんな関係する政府の方々をその中に入ってきていただいて、一緒にやっていこうと。 

しかし、あくまで民間ベースでパートナーシップを組んでいく体制を作って進んでいこうという取り組みとして、非常に私自身、今、熱く期待している取り組みでございまして。こういうものがいろんなところでできてくるということが、1つは非常に重要な視点であろうと思っています。

今後は「有志連合」の役割が大切になる

神保:ありがとうございます。大変心強いご提案をいただいたと思っております。次に川口さんから見て、今後の25年、どういう世界にしていくとご期待されていますでしょうか。

川口:今、髙島さんがおっしゃった「パートナーシップ」という言葉が、私は大賛成で。まさに申し上げたかったことがあるんですけど。先ほど言いました、それぞれの主体が企業であれ、NGOであれ、大学であれ、個人であれ。そういう人たちが行動していくのが大事な時代と申し上げましたけれども、それをやっていくということが、これからだと思うんですね。

本当だったらば、じゃあどういう目標が望ましいのか? ということで、ある程度コンセンサスを図って動くということですけれども。今、国内的にも国際的にもそこからスタートしていくといつまでたってもできないということですから、有志連合だと思います。

志を同じにする。同じ目標を抱くという人たちがグループで集まって、それで行動を取っていくということだと私は思っています。

幸いなことに、今は技術的に大変な進歩がありますから、それこそSNSでもいいですし、他の手段でもいいので。やっていること、あるいは必要なことの情報開示をきちんとやっていくということになると思います。

そこで、私も1つ期待を申し上げたいのは、社会のリーダーの役割でして、いろんな情報が横行するんですけれども。やはり、今こそ有識者、あるいは我こそはと思う人たちが、それを整理をしたかたちでの望ましい方向性について、これも異なっていいんですけれども、いろんな意見を言っていくことだと思います。

国際社会においても、1つ、大変心強いのは、EUが復興基金というのを作ったというところですけれども。志を同じにする人たちが、国が集まっていろいろな動きをしていく。

国連の問題でG4ができて、日本とインドとドイツとブラジルとやりましたけれども。そういうかたちで動いていくというのは、当面やっていくということだろうと思います。米中だけが世の中を牛耳っているわけではないと、私は思っております。

「残すに値する未来」とは?

神保:ありがとうございます。お二人の話をお伺いして、経済の本質というのは健全な競争にあって、当然、企業利益の追求とかさまざまなことがあるんだと思いますけれども。髙島さんのお話を聞くと、いやいや、企業もまたこの公益とSDGsの指標に貢献していくという考え方も生まれますし。

また、川口さんからEUの試みもご紹介いただきましたけれども。やはり復興基金のような公的セクターがファイナンスを提供しながら、必ずしもその利益の最大限の追求ということに限らないかたちで、公益を追求するような仕組みを作っていくということも生まれてきて。

今日の状況でいけば、ワクチン開発とか、あるいはこの情報の共有みたいなところで、世界の公衆衛生に経済人もまた協力していくみたいな流れができていくと、大変おもしろい展開を生んでくるかなと感じたところです。

さて、安宅さん。ぜひ未来に対するメッセージということで、安宅さんの感じていることを教えてください。

安宅:今まで冷戦もそうですし、その他諸々なんですけど、対処……抑え込む系のことをずっと人類やってきたと思うんですけど。2100年に人類がまともに生きていけないことは、ほとんど明らかになりつつあるので。今こそどういう未来を残すのか、残すに値する未来を考える時なんだと思います。

2、3点あるんですけれども。まず、平和とは何かは、今まで戦争がないことが平和という定義だったと思うんですけど、疫病だとか飢饉がないまで全部セットで考えるべきであって。それって結局、地球と人間善の協働ということになっちゃうんですけど、最初の話ですね。この視点で、平和の再定義がいるんじゃないかと思いますというのが1つ目。

2つ目。とはいうものの、今の状態が続くとパンデミックはもう無限に出てくると推定され、これは僕の言葉というより北野(宏明)先生の言葉ですが、「パンデミックレディな社会にせざるを得ない」ということで。

文明や都市をある程度、改造していかなくてはいけないし、土と水をどうやって守るかという話でもあり。これは本当に次の世代、その次の世代のために我々の世代が考えるべき、仕込むべきことだと思います。

3つ目に、よく軍産共同体という話があって、破壊してその後に再生して儲けるとかっていう話があるんですけど。今、逆で。平産共同体を考えるときであって、さっきの再定義した上での平和を作って、それを回復、再生することでさらに繁栄するという。

軍産共同体から平産共同体への革命的転換期にできれば、2020年のパンデミックは人類にとってはクリティカルないい変化が起きたタイミングであった、となるといいなとお聞きしていて思いました。以上です。

「倫理」でもって、人類の壁を超える

神保:安宅さん、ありがとうございました。残り時間も限られているわけなんですけれども、司会の役割を湯崎知事にも担っていただこうかなと思っておりまして。

(一同笑)

神保:湯崎知事がこれまで、いろいろパネリストの方々の見解を聞いてお感じになったこと、そして未来のメッセージも含めて最後にお伺いできればと思います。

湯崎:結論から言うと、今、お三方がおっしゃったこと、まったくその通りだと思うんですね。それで終わっちゃうんですけれども(笑)。

今、私が申し上げたことも含めて、人類がどういうかたちで発展してきて、今、入り口にあるのはこれまでにないレベル。例えば、AIを含めて、あるいはロボットみたいなのを含めて、これは人間が物理的に制約されていた脳であるとか体みたいなところを超えて、それを外部化することができるような時代に入ってきた時に、今、こういう事態に直面しているわけなんですよね。

そこで求められるのは、企業にしても個人にしても、主体的にそれをどうコントロールしていくか。どういうふうに関わって、どういうふうに持っていくかということを、やはり進めていくということが必要なんだと思います。

その中で、ここで改めて必要になってくるのが、ある意味でいう「倫理」じゃないかなと思うんですね。あるいは「価値」ということだと思うんですけれども、その目標というのを合意するのはなかなか難しいかもしれないんですけれども。

我々が共有すべき価値というところは、これは全員で共有することができないかもしれないんですが、共有できる価値というのはかなり広範な人たちと、共有できる部分もあるんじゃないかと思うんですね。

これを、例えばSDGs的なことだったりとかするんだと思うんですけれども。あるいは、経済的にはESGという言い方ができるかもしれませんけれども。そういう価値を共有しながらそれをどう実現するか。そういう倫理的な部分をしっかりと持ちながら、主体的に行動していく。

先ほど川口先生が僕と反対の、国と個人の関係をおっしゃったと思うんですけど。僕は同じだと思っていて。結局、国をコントロールするのは我々というか、企業であり、個人でありというところなので、我々自身がどう動いていくかということが問われているんだと思います。

そこでしっかりとした、つまり「自分さえよければ」という価値ではなくて、やはり地球善も考える。あるいは全体最適を考える。そういう倫理を持って考えることによって、今のこの我々がぶつかっているいろんな壁というのを乗り越えていく。

そうすれば、また我々はこれからと同様に、発展し続けることができるんじゃないかなと思います。

神保:湯崎知事、ありがとうございました。時間がもう来てしまいまして、このスペシャルセッションを終わりにしなければいけないんですけれども。大変短い時間でしたけれども、意義深い議論ができたのではないかと思っております。

すでに、司会のほうでまとめる時間はないわけですけれども、私自身、期待することは、やはりこの広島から世界に発信していくというアイデンティティを、今後も強化していただきたいと思っております。

被爆から75年ということですけれども。これから75年、100年という時間が経過していく中で、そのような惨劇を経た広島でこんな平和が実現したんだということが、世界に改めて見直されるようなかたちで、広島が今後も発展し、今回、パネリストのみなさんから議論いただいた新しい平和の定義や平和の在り方というものが、広島を起点に実現していったなというようなかたちで、歴史を振り返れるといいなと思ったところでございます。

ますます湯崎知事をはじめ、パネリストのみなさんのご活躍とご発展をお祈りしております。また、多くの方々にこのセッションをご視聴いただいております。柔軟に質疑応答みたいな時間が取ることができず、大変恐縮でしたけれども、議論をお楽しみいただければ幸いでございます。

以上でこのスペシャルセッションを終わりにしたいと思います。みなさん、どうもありがとうございました。