2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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中山祐次郎氏(以下、中山):『SNS医療のカタチTV #やさしい医療の世界』をご覧のみなさん、はじめまして。中山祐次郎と申します。私はふだんは外科医として、手術のほか抗がん剤の治療などを中心に仕事をしています。
本日は「患者のホンネ・医者のホンネ」と題して、実際の医療現場ではお互いなかなか言えないこと、言いづらいことをいろいろ言い合って、そのコミュニケーションエラーを減らすにはどうしたらいいかを考えていきたいと思います。
今日一緒に“ホンネ”についてお話ししていただくのは、矢方美紀さんです。よろしくお願いします。
矢方美紀氏(以下、矢方):よろしくお願いします。矢方美紀です。
中山:お願いします。矢方さん、お会いするのもこれで4回目ですかね。
矢方:はい。初めてじゃないという。もう何度も祐次郎先生にはお世話になっています。
中山:いつもお話ありがとうございます。
矢方:リモートでのお話は今回が初めてなので、すごく不思議です。
中山:そうですね。だいたい毎回お会いしていたので、東京でお会いしたり、愛知県でお会いしたり。
矢方:名古屋でも。
中山:そうですね。ちょっとリモートでなんですが、よろしくお願いします。
矢方:はい。よろしくお願いします。
中山:お互いに初めて会ったときの印象を話すということになっておりますけれども、いきなり矢方さんのほうから、僕の印象を聞いてもいいですか?
矢方:私から見た祐次郎先生ですか?
中山:はい。初めて会ったときとか。
矢方:初めて会ったのは、もう2年前になるんですけど……。
自分自身がその年に乳がんということがわかって治療を始めて。そのあと、講演会に登壇して一緒にお話するというお仕事で、祐次郎先生に初めて会ったんですけど。お互いにディスカッションをするときに、すごくストレートに包み隠さず質問してくれるので、逆に「あっ、なんだ、こんな先生もいるんだ!」という。
中山:ははは、すみませんでした、その節は(笑)。僕も今ちょっと思い出すと、突っ込みすぎたなという。僕は気楽に話しただけだったんですけど、矢方さんはアイドルだったので、ちょっと突っ込んではいけないところもあったなと、実は後で思ったんですけど。
矢方:そうなんですね。以前、自分自身がアイドルをやっていたので、けっこう周りの方が気にしてくださるというか、ちょっとオブラートに包んでくださることも多かったんですけど、あのときの祐次郎先生の質問で、1回ニュースになったんですよね。
中山:そうですね。
矢方:取り上げていただいて。「恋愛してるの?」「彼氏はいるの?」みたいなお話のときに……。
中山:(笑)、そうそう。
矢方:「いやあ、好きな人はいるんですけどね~」みたいな話が、すごい見出しになってしまって、びっくりしたという印象がすごいです。
中山:いきなりYahoo!ニュースの一面になっていて、その節はすみませんでした。
矢方:いえいえ。それがきっかけでその後もいろいろSNS上でも交流させていただいたり、会ってお話をさせていただいているので、自分の中ですごくいい意味で、先生なのに先生じゃない感があるので(笑)。
中山:(笑)。それは喜んでいいんですか? 本当に厳密に僕が初めて矢方さんにお会いしたのは、もう2年前だったかなと思いますけど。東京のお茶の水のイベントの登壇前に控え室でご挨拶したときだったと思うんですよね。
それで、マネージャーさんと一緒にいらして、僕はやっぱり元SKEのアイドルという有名な人ですから、なんというか……言い方は悪いですけど、お高い人がいらっしゃるかと思って、けっこうびびっていたんですよ。
矢方:あ、本当ですか?(笑)。
中山:びびっていました。しかも、やっぱりご病気に関するお話ということで、非常に敏感な内容だったので、どう接すればいいかというのは私も正直悩んでいてですね。僕と矢方さんは年齢もだいぶ違いますし、共通点がぜんぜんない人だと思って。
矢方:そうですね。今思えば。
中山:ですよね。びびってたんですけど、矢方さんが控え室に入ってきてくれて、もうすごく最初からニコニコしてくれて、「ああ、すごい愛想よくしてくれて、感じのいい人だな」と思ったのが初めての印象ですね。
矢方:今、2年前のことを振り返って、当時のことがよみがえってきたんですけど、そのときは自分自身も病気になって、治療を始めて本当に2~3ヶ月だったので。抗がん剤治療も終わりかけでまだ続いてます、他の治療も続いてますという段階だったので、先生と直接1対1で相談するのは、たぶん祐次郎先生が初めてだったんですよね。
中山:ああ、そうですか。あのときの矢方さんは、まさに治療の真っ最中でしたもんね。大変なタイミングでありがとうございました。
矢方:いえいえ。
中山:あのときは名古屋から東京という遠いところまで来てくださって。矢方さんが自分で乳がんが気になって、病院に行くきっかけになったのは、どういうことだったんでしょうか。
矢方:私が乳がんというものを知ったのは、テレビで芸能人の方が乳がんで亡くなってしまったというのを見たのがきっかけで……。乳がんって若くしてなる病気なんだって、そのときに初めて認識したんですよね。
すべての方がなるわけじゃないというのはもちろんあると思うんですけど、もしかしたら20代でも乳がんを発症してしまうこともあるということは、自分も対象になるかもしれない。
そう思ったときに、ただ自分としては自覚はぜんぜんなかったので、まずセルフチェックをしてみて。そこで左胸の上のほうに、本当に中に石が入っているんじゃないかというような固いしこりを見つけて。
周りに相談してみたり、いろいろ自分で調べたときに、乳がんという言葉が絶対に出てきてしまったのが引っかかったので、病院に行ってちゃんと見てもらおうということがきっかけでした。
中山:最初は近所の病院に行ったということですね。
矢方:そうですね。ただ、乳腺外科に行くということがまったくわからなかったので、最初は産婦人科で調べていたんですよ。そうすると、「まずは乳腺外科に行ってみましょう」というアドバイスになって、自分が住んでいるエリアから通える位置の乳腺外科を探そうと思って探したんですけど、予約がいっぱいということがすごく多かったので、2軒目の病院で初めて見ていただきました。
中山:まずどこの病院に行くかとか、なんという科に行くかというのは、けっこう難しいですよね。
矢方:難しいです。
中山:乳腺外科という科の名前自体を聞いたこともない人もすごく多いんじゃないかなと思っていて。
矢方:そうですね。自分も乳腺外科の病院があるということを、そもそもぜんぜん知らなかったので。「本当にここでいいのかな?」「あってるのかな?」というのはありました。
中山:乳がんという診断がついて、治療を始めたわけですけれども、乳がんにかかったことを世間一般に公開するという決断が1つあったと思います。どんなことで悩んだとかためらったとか、なぜ公開したのかを教えていただけますか?
矢方:まず私は「あなた、乳がんですよ」と言われたときに、もうこれって今の自分の芸能活動が止まってしまったり、この先一体自分はどうなるんだという不安がありました。
がんや病気になったら、仕事は絶対できないというイメージがあったんですね。やっぱり、治療の中ですごく辛くなってしまったり、副作用があるというイメージを持っていたんですけど。お医者さんに相談してみたところ、「自分の体調を見つつ仕事をされている方、同時進行で治療もされている方もいらっしゃいます」と聞いたときに……。
治療がどれぐらい辛いかとか、期間などは、その当時ははっきり決まっていなかったんですけれども、ここで「仕事を一切やらない」となっちゃうと、自分が将来やりたかった声優もできなくなっちゃうというのは……。家族にも負担をかけてしまうというのもすごく嫌だったので。
だったら1回やってみて、できるかできないかを判断してみようと思って、周りの人に、「自分はこういう病気だけど、仕事はやりたい」という意志を伝えたいと思ったんです。
私は当時ブログもやっていたので、そこに事細かに書いて、「大丈夫です」ということを伝えたほうが、周りからもそんなに心配されなくなるんじゃないかなと思って、公開・公表しました。
中山:なるほど。芸能人を知らない立場から考えるのは、公表することで、むしろ仕事に支障があるんじゃないかなという気もしちゃうんですけれども。それよりは、むしろ仕事を続けて、さらにその先の声優になりたいという夢を叶えることも考えて、公表に至ったということですか?
矢方:そうですね。自分の中での判断なんですけど。声優さんやラジオみたいな声のお仕事って、見た目は見えないことも多いのかなと思ったときに、もし自分が今後、抗がん剤治療などで脱毛してしまったり、副作用で何かあったときも、最悪、声だけはしっかりしゃべったり発することができていたら、仕事としていけるんじゃないのかなと、すごくポジティブに自分の中で変えていたので。
中山:なるほど。
矢方:それが、治療しながらも「夢はまだ諦めたくない、やっていこう」という考えになっていました。
中山:それでも、手術して抗がん剤も放射線もやって、大変な治療を全部やって声優になられているんだから、本当にすごいなと思います。
矢方:ありがとうございます。
中山:がんみたいな大きい病気になって、やっぱり治療でいろいろな影響が体に起きて、それが仕事に悪影響を及ぼすことはすごく多いのです。お通じとかおしっこといった関係のトラブルが起きちゃったときに、例えば長距離ドライバーさんが困っちゃうとか、接客業ができなくなっちゃうとか、力仕事は傷が痛くてできなくなっちゃうとか。すごくいろんな人が困っていて、なんとかしたいなと常に思っているんですけれども。
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