2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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谷中修吾氏(以下、谷中):縄文って何なんだ、という話なんですけど。みなさん、これをご存知ですか。日本の歴史の年表の大部分が、なんと縄文時代だったと。
高松康平氏(以下、高松):こんなに長いんですか。
谷中:長いんですよ。ほとんどです。15,000年ぐらい。計測の仕方にいろいろあるんですけど、1万年以上と言って差し支えないです。歴史の教科書にだいたいこうやって出てくるんですね。土偶が出て、今日も土偶がいますけども(笑)。でもおもしろいなと思って見ていくと、すぐ次のページは弥生時代になっちゃってですね。わずか1ページしかない。「以上!」みたいな感じで終わりなんですよ(笑)。
私、最初はそんなに縄文時代を気に留めていなかったんですけど、15年前に青森県の三内丸山遺跡に行きまして。たまたま仕事の空き時間に訪れたこの縄文遺跡で、ものすごくインスピレーションを受けてですね。なんだかうまく説明できないんだけど、すごいということだけはわかったんですね。どこからともなくインスピレーションがまいりまして(笑)。
高松:おっ(笑)。
谷中:ニュータイプだと(笑)。土偶の神が舞い降りて、という感じで「これはいい」としまして(笑)。
高松:ネタがすごい(笑)。
谷中:(笑)。うまく言えないけど、1万年の歴史を紡いだこの縄文時代が、ビジネスにおいてなんだかすごく大事なことを言ってると思ったんですよ。それで、結果的に考古学の世界に入っていきまして。右側にいるのは小林(達雄)先生という縄文研究の大家の先生ですね。
高松:すっごい後ろに縄文土器が吊るされてますね(笑)。
谷中:吊るされていますけどね(笑)。これ、長岡の博物館にある本物の火焔型土器ですよ。それで、ちゃんと考古学にも基づいてこの本を書いているんですが。
実は一言で言うと、縄文時代は「自然との共存共生」です。ちょっとだけ映画「縄文にハマる人々」のトレーラーをご覧ください。
(映像再生)
……というものなんですね。たぶん初めて見られた方もいると思うんですが、この映画は縄文業界ではけっこう有名です。
高松:縄文業界(笑)。
谷中:はい(笑)。一言で言うならば、こういうことです。縄文の世界では、企業を村に例えるならば、地球と共存共生することに最適化していました。なのでビジネス論に置き換えてみますと、直感的ですし、非常に協調的。そして土器のようにフリーダム。そして感謝オリエンテッド、自然に感謝してご縁を紡いでいくということです。
今日ちょうどこちら、ウェビナーのスクリーンに本物の火焔型土器が映っているんですが。
高松:すごいなぁ(笑)。びっくりしちゃいました、生土器。
谷中:持ってまいりました(笑)。個人所有の縄文土器です。まぁ、実はこういう自由な、フリーダムな世界があったということですね。
それで、なぜ私がこの価値創造型の縄文型ビジネスを思いついたかを、超クイックにお話してしまいますと、私の生い立ちと深く関連しています。それとフレームワークを重ねてお伝えしちゃうんですけども。
生まれが静岡県なので、浜名湖のほとりで生活していたんですが、小さい頃に自分の家の目の前が工場地帯になってしまったんです。スズキ自動車さんですね。町は雇用で非常に潤ったんですけれども、やはり環境破壊も当然進みますし、いろいろ弊害もあったと。そんな中で、子どもながらに「けしからん」と思ったのが私なんですけども。
高松:(笑)。
谷中:10歳ながらですね(笑)、その時に「まちをつくりたい」と思ったわけですよ。
高松:すごい、10歳ですか(笑)。
谷中:あの頃から本当にそうなんですよ。小学校5年。自然が失われていくのが、そのくらいショックだったわけです。それで、「人と自然の持ち味を生かすまちをつくる」というのが、小さい頃に私が思ったことで。実はこれがのちに、縄文時代の思想哲学と共通することが判明してくるわけです。
谷中:私は、先ほど紹介したように、こんな感じのキャリアを経ているんですが、自分なりにまちづくりをするために必要な職種をトレーニングしてきたわけです。いろいろと個別具体的なスキルを束ねながら、今に至っているということなんですね。
だから、自分1人でいろいろやるんですけれども、画面の一番下層の個別・具体的な専門職種を実はたくさん持っていて、それがあるからこそ1人でいろいろ実現できているというのもあります。こうやって書くとちょっと多く見えるんですけども。
高松:いや、だいぶ多い気がします(笑)。
谷中:まぁまぁ(笑)。専門性ということを抜きにすれば、自分の好きなことを考えれば、実は人って30個ぐらいはネタを持っているものだと思っていまして。30人の専門職人たちが1人の身体をボディシェアしているという感覚に近いと思います。これを活用しながら生きているわけなんですけども。
いろいろな稼ぎ方というか、「米がダメだったら全部終わりか」という弥生の世界じゃなくて、「魚がないときは肉にしよう」とか「木の実でしのごう」とか、いろいろな稼ぐ手段を持っていると、直感的に動きやすくなるんですね。これが実は縄文につながってきます。
まちづくりの中でそれを広げていったときに、いろいろな仕事をしてきたわけなんですが、いろいろな人と一緒につながるというのがやっぱり大事になっています。オープンイノベーションです。
これは文化祭実行委員長の役割に似てまして。自分自身こう、文化祭ばっかりやっているんですけども、小さい頃からやっているので、昔と今で文化祭の壇上で写真に映る時の角度すら変わってないと(笑)。
高松:(笑)。
谷中:今日も高松さんと一緒に文化祭的にやってるわけですよ(笑)。
高松:小学生のときからもうずっとやってるんですね。
谷中:やっておりますね(笑)。こういうことで文化祭実行委員長の役割をやりながら、スターバックスさんや地域のみなさんと一緒に作ったこの復興支援もそうなんですけれども、「いろいろなステークホルダーと協業する」ということをものすごく大事にしていて。これもやっぱり縄文につながってきます。
谷中:それで、ここからフレームワークっぽくなるんですが。全国各地の現場を訪ねる中で、あることに気付きました。それがやっぱり、地域の現場でまじめにがんばっている人ほどビジネスのやり方に困っていて、一方で社会起業家やイノベーターといって、露出も多いし「なんだかビジネスがうまくいってるぞ」という人がいるわけですね。この差を分析したときに、あるノウハウが共有されていないことがわかりました。
それがビジネスデザインの技術。私、勝手に「まちづくりの飛天御剣流」と呼んでるんですけども(笑)。イノベーターが実践しているまちづくりの集合知を社会にシェアするということで立ち上げたのが、今回共催しているINSPIRE(インスパイア)という非営利団体です。
日本各地のいろいろなイノベーターのみなさまと連携させていただいてプラットフォームを築き、そこでみなさんの思考回路を体系化するということを、私が手掛けています。カンファレンスやセミナーを中心に、いろいろな方々の最先端の事例を紹介していただき、それをまとめたものがこのINSPIREの集合知になります。
9,000人の突き抜けた方々のコミュニティになっておりまして、基本的にヤバい世界なんですが(笑)。これちょっとさくっと流しましょう(笑)。
高松:いろいろなネタが入るなぁ(笑)。
谷中:すいませんね、いろいろ出てきましてね(笑)。縄文人ですからね、基本的に。
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