2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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田所雅之氏:ここからいよいよ今日のテーマに入ってくるんですけれども、領域によって濃淡があると考えています。
これも僕が200社ぐらいと話して作った図なんですけれど、縦軸が物理的なインタラクションが必要かどうかで、横軸はBtoB、BtoCです。実はこれが下に行くと追い風で、上に行くと向かい風という感じかなと思っていて。
今の状況はやっぱりテレワーク、リモートワークをする中で、同時にDXが進んでいるので、Enterprise SaaSであったり、今のキーワードとしてはやっぱりバーチャルなんですよね。VRとかVTuberとか。
後ほど解説するんですけれども、僕はこの2020年代はまさにバーチャルファーストの始まりかなと思っています。VRは仮想現実ですし、VTuberは仮想YouTuberですよね。
まさにこれまでBeforeノーマル、Beforeコロナのときは、リアルファーストだったんですよ。おそらく9割の会議やこういったセミナーがリアルで行われていたわけなんですよね。というと、まさに今はバーチャルファーストですよね。
まず最初にバーチャルにできないかというふうに考えて、そこからリアルにいくと。こういった変化が、たぶん2025年ぐらいから起きるんじゃないかなと思っていたのが3ヶ月で起きてしまった。まさに今は、バーチャルのニーズに対するソリューションが圧倒的に少ないということなんですよね。
ここは1つキーワードで覚えていただきたいなと思っています。リモートテックやHuman less、タッチレス。いかに人をなくしてやるかということも重要な論点になるのかなと。僕はバーチャルファーストが台頭してくるのかなと思っていて。VTuberやVR LIVEやVirtual SNSですね。
これはclusterと言って、まだ小さいスタートアップなんですけど、むちゃくちゃ伸びています。後ほど話しますが、こういったコロナ禍の影響があったんですけど、2020年は5G元年と言われていて、超高速、超低遅延、それに超同時接続が可能な5Gがインフラとして活用できるようになってきたんですよね。
その後押しをしてもらって、まさにVR元年、バーチャルファーストが進むのかなと今は思っています。
先ほども言ったんですけど、こういった状況下で、僕はスタートアップに2つの活路があると思っていて、まず耐え抜くことが大事かなと思っています。
耐え抜いた上で事業を広げていくということなんですけれども、実は今日はみなさんに覚えていただきたい単語が1つあって、それは「ヴィンテージ2020」という言葉なんですよ。
ヴィンテージ2020。ヴィンテージは、ワインが豊作だった年ということなんですよ。スタートアップ業界、特にシリコンバレーではヴィンテージ2008という言葉、あとはヴィンテージ2001という言葉があるんですけど。
スタートアップが豊作だった年は、2008年と2001年だったんです。それぞれ何が起きたかというと、2000年にドットコムバブルが起きたんですね。2008年にはリーマンショックが起きたんですよ。
ちょうどそのあとに立ち上がったスタートアップは、非常に大きくなったところが多いんですよね。時価総額が1,000億を超えたスタートアップをユニコーンと言うんですけれども、その45パーセントが2007年から2008年の間に生まれています。
たぶん5年後、10年後を振り返ったときに、ヴィンテージ2020もしくは2021の時期に立ち上がったスタートアップが、実は「次の世界を作っていった」と言われるのかなと思っています。
先ほどポリティクスの話をしたんですけれども、規制緩和をせざるを得ないと。ユーザーも行動変容せざるを得ないと。ニューノーマルが迫っているということで、まさに移行してきて進化圧がかかっている状況かなと思っています。
ドットコムバブル後に伸びたのはGAFAなんですよね。Facebookはまだなかったんですけど、GAFAのうち、Microsoftも含めて一気に伸びたというのもありますし、先ほど言ったようにユニコーンはこの3年間に多く生まれたと言われていると。
実際にベンチャーキャピタルのパフォーマンスを見ても、2007と2008がダントツでいいということなんですよ。
スタートアップにとって大事なことは、「コロナショックをいかにしてコロナチャンスに変えられるか」かなと思っています。
シリコンバレーでも、例えばみなさんが使っているようなInstagramやSquareとかですね。実はZoomも2011年に創業したんですけれども、不況下で生まれたスタートアップが非常に多いのかなと思っています。
日本もそうなんですよね。例えばラクスルやランサーズ、メドレーなどのユニコーンになったスタートアップは実は2009年に創業しているということ。これは、みなさん覚えていただきたいんですけれど、いかにして自分たちがヴィンテージ2020になれるかかなと思っています。
今、エコノミクスの話をしたんですけど、あとはソサエティですね。これも非常に大事で。ニューノーマルの台頭というところですね。オールドノーマルという元の姿があって、そこからまさにニューノーマル、新たな普通がどんどん生まれてきたと。
1つ事例を紹介したいんですが、みなさんもテレワークをされていると思います。Beforeコロナのとき、オールドノーマルはこうだったと思うんですよ。
複雑な業務だったら、基本的にFace to Faceでやるという感じだったと思うんですよね。ところが、コロナ禍の状況においては、よっぽどでない限りは基本的にリモートでやると。
じゃあ、Beforeコロナのオールドノーマルに戻るのかと言うと、戻る会社もあると思うんですけど、多くないと思うんですよ。多くの業務がリモートで残るんじゃないかなと思っています。そうした時に、明らかにそういったリモートの需要に対して供給が足りなくなるということなんですね。
これはテレワークだけの話ではなくて、例えば在宅需要もそうですよね。例えば、LINEグループが出前館を300億で買収したんですね。今後は圧倒的に在宅需要、宅食が増えるということで、3月26日に買収したんですけれども。そういう感じで多くの需要が生まれている状況かなと思っています。
あとは会社のDXが進むと思っています。自宅のオフィス化やハードウェア。僕も思わず女優ライトを買ってしまいましたけれど。Zoom映え、上半身映えとか、アバターみたいなものが出てきて。こういうものがなかったわけなんです。
僕もパソコンを改めて1台買いましたけれども、2台持ちなどの新たな需要が生まれている。ソフトウェアも、Zoomを中心にやっぱりどんどん売れてくると、Zoomが一人勝ちしている状況かなと思います。
あとは、どんな行動変異が起きたかというと、消費者の在宅化・非接触化が起きたというところもやっぱり大きいですよね。こういった対ウイルスプロダクトや在宅消費もどんどん増えていくと。今、資金調達も含めて広がっている状況かなと思っています。出前館やUberEatsも今バンバンCMをやっていますけれども、コロナ禍で一気に5~6倍(需要が)増えたんじゃないですかね。
あと、みなさんもちょっとググっていただきたいんですけど、Mercato(メルカート)というスタートアップがありまして。見てください、下の数字。
2020年1月の流通総額が10億円だったんですよ。これが、4月の流通総額が1,000億になったんですよ。100倍になっていますね。これはグローサリーショッピングのオンデマンドサービスなんです。
例えば近くのパン屋とか食料品店に行くのって、アメリカはロックダウンがかかっているのでなかなか行けないんですよ。行けたとしても週に1回とかなんですよね。みんなバンバン失業しちゃってるので、お金が欲しいと。その中でもちゃんといいものが食べたいと。
アメリカではすでにインスタカートという、グローサリーショッピングをやっているサービスがあったんですけど、これがもう1週間~2週間の予約待ちだったんですね。かつ大手のスーパーしかなかったので、もともとやっていたんですけど、ここに目をつけて爆伸びしている。
これが僕が知っている中で世界で一番伸びたスタートアップかなと思っているんですけど、一気にユニコーンですよ。彼らの流通総額が1,000億で、たぶん手数料が20パーセントぐらいなので、売り上げが2億円から200億に上がったので、余裕でユニコーンになったんじゃないかなと思っています。
ボビーという社長がインタビューに答えていたんですけど、まさにこの時期に150人を雇って、そうした態勢があったから彼らは勝てているんじゃないかなと思います。
こういった感じで、いわゆる新たな行動変容が起きて、それに対して供給ができるところが勝っているのかなと思います。
あと、これも後ほどご紹介するPeloton(ペロトン)ですね。まだ日本に進出していないですけれども、Pelotonもめちゃくちゃ伸びています。これも去年上場したんですけど、巣ごもり需要の中で、エアロバイクをみんなでやるというモデルですよね。
1ヶ月で株価1.8倍上昇という感じで、どんどん伸びているところがあります。リモートや在宅が増えているのかなと思います。リモート診療の辺りは後ほど詳しく解説したいなと思います。
働き方の自由化がどんどん起きて、クラウドワークスやランサーズなどの副業系も非常に伸びているかなと思っています。
あとは、生活逼迫によるマイクロファイナンスみたいなものも伸びているのかなと思っています。
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