日系企業と外資系企業、それぞれの実態に迫る

西舘聖哉氏(以下、西舘):さっそく「『日系』×『外資系』文化!? キャリア!? 働き方!? 大討論会」ということで、始めていきたいと思います。よろしくお願いします。

(会場拍手)

本日モデレーターは2人体制で進めていきたいと思います。じゃあ、まず藤田さんから一言お願いします。

藤田祐司氏(以下、藤田):「Peatix」という、イベントコミュニティプラットフォームのサービスをやっております、藤田と申します。

私自身は1社目はインテリジェンスです。今はパーソルキャリアとなっていますが。ゴリゴリの日系企業で始まりました。その後、2000年代初期にAmazon Japanに入りました。外資系ですね。

実はこのPeatixという会社を創業していまして、最初は日系企業で始まって、途中で本社をアメリカに移しているので今は外資系という、けっこう特殊なキャリアを積んでいます。よろしくお願いします。

(会場拍手)

西舘:はい、ありがとうございます。もう1人のモデレーターとして、僕、西舘聖哉が担当させていただきます。今はフリーランスでイベントディレクターとか、IT界隈でのイベント企画の仕事をさせていただいています。本日はよろしくお願いいたします。

藤田:お願いします。

(会場拍手)

日系で5年勤務後、外資系に22年勤める澤氏

西舘:それではお待ちかね、登壇者のみなさまのご紹介に入りたいと思います。まず外資系サイドということで、1人目が圓窓代表の澤円さん。

澤円氏(以下、澤):はい。よろしくお願いします。

藤田:よろしくお願いします。

(会場拍手)

西舘:簡単にちょっと……。

藤田:自己紹介。

:ああ、何かしゃべるのね? 

西舘:そうです、1分ぐらい。

:はい。見りゃわかると思います。完全なサラリーマンです。

(会場笑)

典型的なサラリーマンですね。

藤田:絵に描いたような(笑)。

:絵に描いて額に入れたいぐらい。みんなこんな感じです。

一応僕もキャリアの話をすると、最初の5年間はバリバリの日本企業でした。第一生命の関連子会社にいたので、本当に日本企業そのものというのを味わった後で、外資系に来ている状態です。

外資系に移って22年が経ちます。そちらで働いて、13年ぐらいマネージャー、日本で一般的に言うところの管理職をやっています。

たぶん、今日のテーマの中でも管理職と日本で定義されているものの話題が出るかなと思います。そこら辺を深掘りしたいなと思っています。よろしくお願いします。

(会場拍手)

日系・外資系在籍がほぼ同年数の安達氏

西舘:じゃあ続きまして、外資系サイドの2人目、Box Japanの安達さん自己紹介をお願いします。

安達徹也氏(以下、安達):改めまして、Box Japanの安達といいます。執行役員の、アライアンス事業開発部部長兼働き方改革推進担当です。

松本国一氏(以下、松本):なんか、ぶっちゃけ日系企業っぽくないですか?

(会場笑)

藤田:ぶっちゃけ日系企業っぽいですね。

:霞が関とかにもいそうだよ。

安達:役職を持ってきましたけど、安達と言います。私は日系企業に13年間いました。外資系に来てから10年ちょっとなので、ちょうど半々ぐらいのキャリアとなります。

今日、テーマとして外資系・日系ということで、両方の記憶が鮮明に残っているので、この中で言うと一番半々かなと思っています。そういう立ち位置で今日はお話ししたいと思います。

僕は外資系に10年、澤さんが22年なので、澤さんみたいになるまであと12年ぐらいかかるかなと思います(笑)。

(会場笑)

松本:ここから、髪が伸び始めて。

:いける、いける。

安達:12年くらい経ったら、こうなります。よろしくお願いします。

富士通ひと筋28年間、社内異動は38部署目の松本氏

西舘:それでは続きまして、日系サイドということで、日系企業の方を紹介していきたいと思います。まずは1人目、富士通シニアエバンジェリストの松本国一さん、お願いいたします。

松本:松本です。よろしくお願いいたします。私は役職がシニアエバンジェリストだけなんです。実は部門の名前もけっこう短いんですけど、面倒くさいので今日は表記していないです。

私が日系(企業を経験したの)は、実は富士通だけなんです。28年間ずっと富士通なんです。なので、バリバリの日系なのですが、転職経験がないのかと言われると、実は社内転職がいっぱいあって、今17部門38部署目になりました。

西舘:すごい。

藤田:17部門経験されてる? 

松本:はい。

藤田:はー。

松本:本当にあっちこっちに行って、「富士通って一体何やってるんだろうね」みたいな。モバイルもやったし、サーバーもやったし、パソコンもやった。

澤さんの会社とのアライアンスとかもやったし、インテルさんとかもね。Box Japanさんともちょっと絡んでいたりとか、けっこう(登壇者との)つながりがあったりするんですよね。

藤田:そうなんですか。

松本:なんか変な人です。よろしくお願いします。

(会場笑)

藤田:変な人(笑)。よろしくお願いします。

(会場拍手)

社内ベンチャーで創業、エンジニアの働き方を変える倉貫氏

西舘:本日最後の登壇者紹介となります。ソニックガーデン代表取締役社長の、倉貫義人さん。自己紹介をお願いします。

倉貫義人氏(以下、倉貫):はい。倉貫と申します。よろしくお願いします。私は今はソニックガーデンという、自分で創業した会社を経営している立場です。あと、「北欧、暮らしの道具店」というECサイトの社外取締役として経営に携わっています。

私は、もともとはずっと日系で。TISという会社ですね。もともとは東洋情報システムというバリバリ漢字の会社名のところで、1999年に新卒で入り、エンジニアをしていました。99年ぐらいというと、エンジニアの働き方が2000年対応とかで非常に……。

松本:ひどかった時代ですね。

倉貫:エンジニアの働き方をもっとクリエイティブで楽しいものにするにはどうすればいいかな、というのをいろいろ考えた結果、営業してみたりマネジメントしてみたりとやったんですけど、最終的には何か自分でビジネスをやるのがよいだろうと。

TISの中で、2009年に社内ベンチャーを立ち上げさせてもらいました。当時は制度がなかったんですけれども、社長と話した結果、「そんなに新しいことをやりたいなら、社内ベンチャー制度を作ろう」ということで、第1号として作らせていただきました。

最終的にはMBO、マネジメントバイアウトというあまり日本ではない形態で、自分たちで自分たちの会社を買い取る形で独立したのが、2011年に作ったソニックガーデンという会社です。それを10年ぐらい続けているので、今は日系なのかなんなのか、よくわからない状態でやっています。よろしくお願いします。

(会場拍手)

国内の外資系勤務者は1パーセント

西舘:さっそくはじめたいと思います。まず最初のコンテンツです。本日この会場に来ているみなさんは、日系企業に勤めている方もいれば、外資系企業に勤めている方もいると思います。

藤田:ちょっと1回聞いてみたいなと思います。今、日系企業で働かれているという方、どれくらいいらっしゃいます?

(会場挙手)

:あー、ほとんど! 多いなぁ。

藤田:今、外資系だよという方。

(会場挙手)

藤田:なるほど。じゃあ、今までに外資系で働いたことあるよという方。今も含めてですね。

西舘:そうすると増えていきますね。

藤田:けっこういらっしゃいますね。じゃあ、半分ぐらいの方は外資ということですね。

西舘:経験してるということになりますね。

安達:実は外資系勤務者って、東京都でも2パーセントぐらいなんですよね。

藤田:2パーセント!? 

:2パーセントですね。

安達:全国で1パーセント。東京に絞っても2パーセントぐらいなので、今日は外資系率はかなり多い。

松本:割合が高い。

:就労人口に対して? 

安達:就労人口に対して。

:しかも中小企業とか町工場とかも入れて? 

安達:全部。

松本:あ、そっか。外資系は少ないですね。

:確か9割ぐらいは中小企業じゃなかったっけ? 

安達:そうなんですね。

藤田:やっぱりそうなると、1パーセント、2パーセントも、まあそうかなと。

:「ああ、そうかな」って感じはしますかね。

藤田:なるほどですね。

「外資系社員は全員英語ペラペラ」は誤解

西舘:日系と外資系をそれぞれ実際に経験していないと、先入観みたいなものがいろいろあると思います。その辺りを登壇者のみなさまと一緒にひもといていこうかなと、主なものをリストにして持ってきました。

藤田:スライドにいろいろ書いていますね。

:日系企業の「飲み会がまるで接待」っていうの、ツボる。じわじわくるな。

(会場笑)

松本:ボディーブローのように来るやつ。

藤田:じわりますよね。

西舘:じゃあ、ちょっと触れていきたいものから、どんどん触れていきましょうか。

:そもそも、「外資系は英語がペラペラだ」と思っている人、どれくらいいます?

(会場挙手)

:いるんだ。けっこう多い。

藤田:けっこう多いですね。

松本:(挙手して)はーい。違うか。

西舘:いやいや。

:Boxさん、どう?

安達:いや、ぜんぜんですよ。

:だよね。ちなみに僕の所属企業の中でも、TOEIC200点台の人とかいますから。そっちのほうが難しいだろって気がするんだけどね。

藤田:英語が必要かは、結局ポジションによってということなんですか?

:結局お客様が日本人だから、英語を使わなくったって伝わるんですよね。

藤田:そうですよね。

:ただし、(スキルを)持ってなかったら絶対出世しない。

藤田:あー。

:英語のスキルを持っていないと、当然本社の人間とかと会話ができなくて、得することはないですよね。

安達:そうですよね。最近TOEICの点数が上がらなくなってきたんですけど、代わりにわかったふりが上手になってきた。

:聞き方が上手になってきたということね。

藤田:相づちの打ち方とか、その辺り。

安達:そうです。

:外資系に夢を持っている若者の夢を打ち砕くような台詞ですね。

(会場笑)

松本:とりあえず適当になんかしゃべっとけば、なんとかなるという世界かな。

人間関係は意外とウェットな外資系

藤田:あと、外資系は「みんなドライ」とか、書かれています。実際どうでしょう。

西舘:イメージとしてありますね。

:ドライだと思う人? 

(会場挙手)

やっぱり多いよね。

藤田:けっこう多いですね。

:ぶっちゃけ想像以上にウェット。アメリカの本社よ? むちゃくちゃウェット。人間関係で決まるといってもいいくらい。

藤田:かなりウェットなんですね。僕もAmazonにいたとき、けっこう当時のAmazonはウェットでしたね。

:ウェットですよね。

藤田:15年前ぐらいは、ほぼ人間関係という感じでした。

:場合によっては、ドライというよりも、この後出てくるだろうけど日系企業の方がKPIとかがぼんやりしているぶん、感情で動いてそれが通っちゃうんだよね。だからドライというか残酷というか。

藤田:だから、例えば数字で判断するみたいなところとかに関しては、ドライとも言えるということですよね。

:めっちゃしっかりしてる。数字ですべて判断されるので、人間関係はウェットになる。辞めさせるときに刺されないようにというのはありますね。

松本:どちらかというと、日系のほうが人間関係はドライだと。

藤田:逆だってことですね。

松本:逆になる。

藤田:そうですね。確かにね。

:左遷人事とかが許されるわけじゃない?

松本:完全にそうですね。

藤田:外資って家族のこととか、けっこう大事に考えますよね。

松本:確かにね。

:やっぱりリスクの考え方の違いだと思います。

松本:確かにそうですね。

クビは、向いていない仕事から解放してあげる優しさ

藤田:この(リストの)中で他に気になるものって……。

:「成績悪いとすぐクビ」。これはある意味事実なんだけど、クビをどう捉えるかなんですね。

クビっていうと懲罰みたいに考えるかもしれないけど、違うんですよ。成績が出ないということは、向いてない仕事をしているということだから、早めに解放してあげるという考え方なんですよ。

藤田:優しさ。

:そう。これって優しさなんですよね。人生をそこで無駄にするぐらいだったら、とっととリリースして、もっと自分が活躍できる場所に行けばいいじゃんという考え方なんです。むりやりそこで働かされるのに比べたら、はるかに効率的でいいんじゃないかと僕は思うんですよね。

松本:それは確かに、日系に対してもいいですよね。日系なんて、同じところでずーっと終身でやっていて、自分が合ってなくてもずっと続けなきゃいけない。マネジメントが合っていない人ってものすごくつらいですよね。

:自分から出て行こうとすればいいんだけど、内側に向いちゃっているから、外の世界があることを知らずに、そのまま過ごしちゃう。

松本:うん、いっちゃいますね。

:流動性がもともと少ないし。

松本:少ないですね。

:そういったところはちょっと問題かもしれませんね。

松本:実際外資の方々って、けっこう転職されるじゃないですか。やはり自分の向いてることというのを武器に、あちこちまわっていけるじゃないですか。でも日系ってあまりそういうのがないですよね。「辞めちゃったらもう先がないんじゃないか」とかね。

安達:それ、すごく思うんですよ。近所で「外資です」「転職してます」と言うと、「不安定なんですね、生活」みたいな感じなんですよね。ちょっと違う気がします。

:(笑)。

松本:「かわいそうに」みたいな。

安達:逆なんです。比較的「どの会社に行ってもいける」って自分で思えたら、それって安定なんですよ。

松本:ですね。

安達:だから自分の中ではすごく安定している。目の前にある選択肢の中でベストを選べるから、安定している感覚なんですけれど、外資の人間とお付き合いのない方だと「それって不安定ですよね」という感覚になりますよね。

松本:そういう意味だと日系の方が不安定ですね。突然違うことをいきなりやらされて、「どうしよう」なんて言って結局会社を辞める人もいるわけじゃないですか。

なぜか「初心者」に戻してしまう日系企業の人事異動

:あと、謎の人事異動ね。

藤田:謎の人事異動。

:最近、人材が別れているという話をしていて。4象限に人間を当てはめるんです。

(スライドを指して)右上に当てはまるのが一番いいやつ。賢くて速いタイプ。右下が、馬鹿だけど速いタイプ。左上が賢いけどのろま、左下が馬鹿でのろまなタイプ。

要するに、何かというと右下が作業者。はんこを押すのが速いとか、数字を打つのが速いとか。これが全部ロボットに置き換わるんですよね。

左上が、頭がいいけどのろま。要するに手を動かさないおっさんたち。これは、会社の重荷になる。口ばっかりで手を動かさないのに、給料は高いので、一番会社にとっての重荷になる。

左下は話にならないんだけど、人事異動って強制的に全員左下に落としちゃう。いきなり初心者に戻しちゃうんですよね。例えば、まったく営業経験がないのに、いきなり営業をさせられたりとか、総務なんて経験はないのに、いきなり営業部長から総務部長になったりするでしょ。これ、初心者に戻してるんですよね。

なので、左下に強制的にさせるというのは、ある意味僕は刑罰に等しいかなと思っているんですね。向いているところにパンッて合えばいいけどね。これって賭け事みたいなもので、当たればいいけど当たらなかったらすごくつらい。

安達:初心者に戻っても役職が下がるわけじゃなくって、初心者なんだけど部長だったり本部長だったりするわけじゃないですか。

松本:あー。ある、ある。

:そうそう。

安達:そこがやっぱり大変ですよね。

:結果的には賢いけどのろい人と、要するに口は立つんだけど、手を動かせない、何もできない人になっちゃう。