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自己対話の技術 -コーチングの考え方にもとづく、ありのままの自分と向き合うワークショップ-(全4記事)

自分らしく生きられない人は「サボタージュ」に囚われている “負の思い込み”に気づく方法

大人の学びに役立つ知識が無料で学べる生放送コミュニティ「Schoo(スクー)」。働き方やテクノロジー、ITスキルといった、最先端のノウハウが身につくオンライン授業を数多く配信しています。そんな「Schoo」で放送されている人気授業の書き起こし企画として、今回は「自己対話の技術 -コーチングの考え方にもとづく、ありのままの自分と向き合うワークショップ-」をお届けします。本記事では、焦りや不安、恐れの元になる無意識の感情「サボタージュ」について解説しました。

自分が大事にしている価値観に関するエピソード

徳田葵氏(以下、徳田):何か、(自分自身の唯一無二の価値観が満たされた時の体験を)思い出す時のコツとかってありますか?

長井雅史氏(以下、長井):あぁ、ちょっと難しいですよね。

徳田:そうですね、ざっくりと「家族」とか「愛」とか思っていましたけれど、具体的なエピソードを思い出すというと、喜んだ時とか、悲しかった時を思い出したらいいんですかね?

長井:例えば、先ほど「愛」「つながり」「家族」というようなことをおっしゃっていただきましたけど、例えば最近、これまでの人生でもいいんですけど、「あぁ、この時すごいつながりという感覚が満たされたなぁ」とか、「あぁ、愛っていう感覚が満たされたなぁ」っていう時のできごとって……。

徳田:思い出す……。

長井:あったりしますか?

徳田:あっ、ありますあります! 実はSchooの公式のコミュニティがありまして、そのメンバーと初めてZoomでお話をした時があります。今タイムラインにもいらっしゃるメンバーの方がいるんですけど。

その時にみなさんが、例えば困ってる人がいたら、本当に手を差し伸べたり、やり方がわからないとなったら調べて教えてあげるような姿勢、助けるのが当たり前の姿勢なのかもしれないんですけど、そういう時にすごい「いいなぁ」って思ったことがありました(笑)。

長井:いやぁ、いいですね。

徳田:そういう満たされたエピソードなんですかね? 

長井:うん、その時には何かしら、徳田さんが大事にしたい価値観が満たされたんだと思います。

徳田:おっ、なるほど。みなさんもぜひ、ちょっと紐解いていっていただければと思います、書ける方はちょっと共有していただければうれしいですね。

長井:そうですね。

「充実していたなぁ」と感じる瞬間をイメージする

徳田:生徒24さんがさっそく。「成長」と「承認」が価値観なんだそうですが、「自分が興味を持って独学で学んだことを必要としている人がいて、それを伝えたことで喜んでもらうとともに、『すごいですよ!』と何度も言ってもらえた時、価値観の両方が満たされて幸せな気分でした」。

長井:あぁ〜、いいですね。

徳田:いいですね。幸せな気分になった時のことを思い出すのはいいですね。

長井:そうですね。あとは、生徒25さん、「自由に」「ありのまま」「喜び」っていう価値観で、「オーストラリアにワーホリに行った時、そのすべてが満たされた気持ちでした」っていうお話があります。

徳田:いいですねぇ。

長井:じゃあ、ここのタイムラインに出していただかなくてもいいんですけれども、何かしらこれまでの体験で、さっき選んだ自分の価値観がこの時満たされてたなぁみたいなことだったりとか、もしくは逆でもいいです。

「あの時充実してたなぁ」っていうような体験から、「あっ、その時自分のどんな価値観が満たされていたんだろう?」っていう、そういったところをイメージしていただければいいかなぁと思います。

ここでポイントとなるのは、自分がいきいきとする、大切にしたい価値観、それを自覚していること。それが重要かなと思っています。

自分が感じたことを言葉にしてみる

長井:では、いったんここで自分の価値観を思い出すというようなパートに関しては閉じていければと思うので、ここまでで感じたこと、それを出してみる時間を取りたいと思います。

徳田:はい。ではみなさん、今どんなことを感じているか、言葉にしてタイムラインから教えてください。

おっ、生徒26さんの価値観は「ワクワクですかねぇ」。これ、どんな時にワクワクしたのか聞きたいですね。

長井:そうですね、確かに確かに。たぶんこのワクワクっていう感情を感じる時に、また他に満たされてる価値観があるのかもしれないなって思います。

徳田:なるほど。1つだけじゃないわけですか?

長井:そうです。

徳田:なるほど。生徒27さん、「ユーモアという点で、他の部署の課長と話している時、ときどきユーモアを混ぜたりしていました。そうすると『今日はなんかおもしろい話ない?』と聞いてもらえるようになった」ということで、聞いてもらえることがうれしいですと。

長井:いいですねぇ。

徳田:はい、「先生のファシリテートで、すばらしい時間を過ごせています。ありがとうございます」と。

長井:そう言っていただけるとうれしいです(笑)。

徳田:すごく苦手意識があったものが、こんなふうに(笑)。はい、今の感情ですね、生徒28さん、「先生の話し方が飾らなくて、スーッと心に入ってきています」と。

長井:うーん。

徳田:ということでした。

長井:いいですね。じゃあ、そろそろ次に行きますか?

徳田:行きましょうか。

自分ではコントロールできないマイナス感情

長井:はい、じゃあ次は「自分を崩す声を知る」というパートに入りたいと思います。この自分を崩す声は、「サボタージュ」というふうに呼ばれることがあります。このサボタージュをここではこんなふうに定義をしています。

焦りや不安、もしくは恐れの感情を生み出し、自分らしい選択を阻害することもある、自分の中に無意識に存在する前提、と言っています。これ、聞いて、どのぐらいピンと来ますか?

徳田:なんかこれ、うーん…… 自分ではコントロールできないようなマイナスの感情みたいなことですか?

長井:そんな感じです。1個例を出しますと、先ほど自分自身がシェアしたストーリーがあるんですけど、ここにも自分、私自身の中にあるサボタージュが見え隠れしています。

例えば、この最初の部分ですね。「普段は自分の弱みや至らないところ、あまりかっこよくはないところを人には出さない」っていうところなんですけれども、これ、自分自身は先ほども言ったように、「正直さ」だったりとか、「ありのままさ」だったりとか、「つながり」っていうことを大事にしたいんだけれども、自分の弱みや至らないところは人には出さないっていうようなことをしているんですね。

徳田:はい。

長井:それで、本当に自分の弱みや至らないところを出したくないかっていうと、ぜんぜんそうじゃなくて、先ほども言ったように、ありのままにつながれるというようなことをすごく大事にしたい。けれども、こういうような選択を普段はしている。

そこにどんなサボタージュがあるかというところをお伝えすると、例えば自分の場合は、右上の吹き出しのところなんですけれども、「自分の弱いところを出しちゃうと、頼りない」って思われたりとか、あとは気にしてもらえなかったりとか、「あんまり一緒にいてもなぁ」みたいな感じに思われちゃうんじゃないかという不安が自分の中に無意識に存在しているんですね。

徳田:なるほど。

長井:だけど、これって別に、本当にそうかはわからないんですよ。実際にこのストーリーの時の場合は、それを出してみたら受け止めてもらえて、「あっ、大丈夫なんだ」っていう体験をしているので、このサボタージュっていうものは、本当にそうかどうかはわからないけれども、自分の中で形成されている無意識な前提のことを指しています。

徳田:はい。

長井:なので、このサボタージュというような概念もすごく大事な概念になってくるので、みなさんの中にどんなサボタージュがあるのか、そこも自覚する時間を取れればなと思います。

自分らしくいられなかった時はどんな時?

長井:では、また問いかけを投げたいと思います。最近、自分らしくいられなかった時はどんな時でしたか? もう少し具体的に言い直してみると、例えば自分の言いたいことが言えなかった時だったりとか、あとはしたいなって思ってたことができなかった時、それはどんな時でしょうか? ちょっといったんここに関して思い出す時間を取りたいなと思います。

徳田:では、自分を崩す声、サボタージュを知るということで、みなさんが最近自分らしくいられなかった時はどんな時だったでしょうか? 具体的には、自分の言いたいことが言えなかったり、したいことができなかった、我慢したような体験、ぜひ教えてください。

自分らしくいられなかった時……。

長井:どうですか?

徳田:なんだろうなぁ……。

長井:ははは(笑)。自分も考えてみよう。

徳田:はい(笑)。でもけっこう、未来のことを考えたりすると、なんかわからなくなる時が。それこそ本当に、なんか「やりたいことはなんだろう?」とか、「本当にやりたいことをやれるのか?」とか考えたりすると、ブレたりしませんか?

長井:あぁ〜。ちなみにもしかしたら受講生の参考になるかもしれないなと思うのでお聞きしたいんですけど、今の場合は、今後やりたいことをやれなかったとしたら、どうなっちゃいそうな感じがしますか?

徳田:やりたいことをやれなかったら? なんですかね。逆になんですけど、好きなことをやりたいから、やりたくないことをやらないようにしていると、なんか幅が狭まってしまう。やれないことのほうが多くなって、例えば自分の今後のキャリアとかで道がなくなっちゃうんじゃないかなって心配になったりとかすることはありますかねぇ。

長井:はいはい、なるほど。やりたいことをしていなかったら、今後のキャリアで道が狭まっちゃうんじゃないかっていう心配があるっていう感じですね。

徳田:はい。

長井:もしかしたら、それもサボタージュかもしれないですね。あと、未来のキャリアのことについてお話を聞いている時に、少しその話をしている時の徳田さんのトーンが下がるというか、ちょっと不安そうになっているなぁっていうような印象を自分は受けました。

往々にして、サボタージュが出てきている時は、エネルギーが下がりがちというか、感情でいうと、不安な気持ちとか、恐れとか、そういうのがありますし、雰囲気としてはちょっとこう、落ちるような、そういうような感じになりがちなので、もし自分にそういう反応があらわれたら、「あっ、もしかしたら何かしらのサボタージュがあらわれてるかもしれない」ぐらいの捉え方をしてみるといいかもしれないです。

徳田:なるほど、そこから見るというのも1つの視点なんですね。ありがとうございます。

長井:はい。

恐れを通して、大切にしたい価値観が見える

徳田:では、ちょっと受講生のみなさんはどんなことを感じているのか見てまいりましょう。生徒29さん、「他の人に迷惑をかけてしまうかもしれないということが最近よく引っかかります。おもしろくない話題でも、ここで盛り下げてしまうと相手の時間が無意義になってしまう、なんて考えてます」と。「私は人々を救い続ける人間でありたいのですが……」。

長井:うーん。

徳田:これは、この「人に迷惑をかけちゃうかもしれない」っていうふうに思っていること、それがサボタージュになるんですか?

長井:ちょっと深く対話できてないので、あくまでも推測に過ぎないんですけど、例えば、他の人に迷惑をかけてしまうかもしれないと思うあまり、自分らしくいられない時だったり、もしかしたらちょっと無理してる時があるかもしれなくて。その場合はサボタージュの可能性もありますよね。

徳田:なるほど。それから他の方も見てまいります。生徒30さん、「知人に自分のアイデアを勝手に使われてしまった時、正直腹立たしかったけれども、これまでに築き上げてきたものにヒビが入りそうで何も言えなかった」。

長井:うんうん、そうですね、たぶん何かしら大事にしたい価値観があったんじゃないかなぁっていうようなことを思いました。

例えば、「自分のアイデアを勝手に使われて腹立たしい」ということは、何か自分の独創性だったりを大事にしたいのかもしれないし、あとは「ヒビが入りそうで何も言えなかった」っていうところからは、もしかしたらその人との協調性とかを大事にしたいのかもしれないですね。

徳田:うーん。

長井:同時に、何かこう……ちょっとぜんぜん対話できてないので分析的な感じに聞こえてしまったら申し訳ないんですけれども、同時に何かそこに関して、「率直に言うと仲が壊れてしまうかもしれない」というようなサボタージュ、本当はそうじゃないかもしれないけど、そういう前提をもしかしたらお持ちかもしれないです。

周囲とのすれ違いや、ついついセーブしてしまうこと

徳田:さぁ、他の方のも見てまいりましょう。生徒31さん、「職場でこの人にある提案をしても、どうせ聞いてくれないだろうからと思ってしまって、言うのをやめました」。提案しにくかったと。どうですかね?

長井:うーん。

徳田:そして、生徒32さんですね、「新年度の体制や、自分の体調が厳しい件など、もろもろ上司に訴えたのですが、何も伝わらなかった時」。

長井:あぁ〜。

徳田:「向こうは、まだ自分ががんばってやれると思ってる模様なんです」と。

長井:なるほど。

徳田:こんな時、自分らしくいられなかったというわけですね。

長井:あぁ、あともう1つ、生徒33さんが、「相手に気を使いすぎること、自分の言いたいことや自分のやりたいことをセーブしてしまってるところがある」と。例えばこの場合だと、「気を使わないとどうなっちゃうんだろう?」とか、「自分の言いたいことややりたいことを出しすぎちゃうとどうなっちゃうのか」っていうようなところもすごく気になるなと思いますね。

徳田:なるほど、逆の考えですかね?

長井:例えば、「気を使わないと、人とともにいられないかもしれない」というサボタージュがあるかもしれないですし、自分もちょっとわかるところがあるんですけど、「自分の言いたいこと・やりたいことを出しすぎちゃうと、迷惑をかけちゃって、離れられちゃうんじゃないか?」みたいなことを思ったりすることはあって。そういうのはサボタージュだったりしますね。

徳田:なるほど、はい。ということで、ここまでみなさんにサボタージュを考えていただきました。進んでまいりましょうか。

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