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delyがCXOを起用した理由(全3記事)

dely堀江氏が語る、CXO起用の裏側 IT企業がリアルのユーザー体験をデザインするべき理由とは

2019年8月9日、TECH PLAY デザイナー部主催で「CXO Night #6 CXOのリアル」と題したミートアップイベントが開催されました。本イベントは、スタートアップで奮闘するデザイナーに向けて、第一線で活躍している若手・シニアがパネルディスカッション形式で、マネジメントの課題や実用的なノウハウを共有するシリーズの第6回目です。「delyがCXOを起用した理由」をテーマにしたセッションでは、CEO堀江氏・CTO大竹氏・CXO坪田氏の3名が登壇し、CXOを起用した理由やBasecamp子会社化の背景、同社のクリエイティブに対するデザイン思考について、詳しく語られました。

dely CEO堀江氏、CTO大竹氏、CXO坪田氏の鼎談

坪田朋氏(以下、坪田):みなさん拍手でお迎えください。

(会場拍手)

堀江さんは最近こういうところで話していなかったんですけど、今日はせっかくなので、いろいろな話をできればなと思っています。ではさっそく、40分、50分やりたいと思います。

では、簡単にdelyのことを紹介します。今日は、今delyとTRILLという会社を一緒にやっているCEOの堀江さんと、CTOの大竹さんと僕の3人でやりたいと思います。簡単に自己紹介をお願いしていいでしょうか?

堀江裕介氏(以下、堀江):堀江と申します。よろしくお願いします。僕はこういうイベントでデザイナーの方々にあまり話すことがなくて、いつもは学生の方々と話すことが多いので、今日は参考になるかわからないんですけど。

でも、例えば「なんでこのタイミングでBasecampを子会社化したのか?」「そもそもなんで事業会社がデザイン会社を子会社化するの?」というようなところの裏側を知ることができると、みなさんの今後のキャリアの部分でもなにか大きく変わるかなと思うので、そのへんをお話できればいいかなと思っています。

現状の自分の業務でいうと、delyもクラシルも坪田さんやメンバーと一緒にやっているし、まだまだプロダクトにがっつり関わっているので、そこを含めて「今後どういうことをやっていくのか?」ということを話せばいいのかなと思っています。

(会場拍手)

大竹雅登氏(以下、大竹):こんにちは。大竹と申します。今CTOをやらせてもらっていて、代表の堀江と創業の2014年からずっと一緒にやっております。クラシルをはじめたときは、開発チームもそんなにいなかったので、自分でクラシルの全般の開発を担当していたという感じです。

それで、2018年くらいまでは開発部のマネージャーというかたちでやらせていただいていたんですが、2019年に入ってからは、コマース事業部という新規事業での事業責任者をやっていて、CTOと兼務というかたちになっている状況です。

ずっとプロダクトをみてきたんですけど、坪田さんのことはもともと知っていて、今回ジョインしていただいたのはdelyにとって、ものすごく大きなことなので、今日はそういうところもお話できるといいですし、今後やっていきたいことも、せっかくの機会なので、話せるといいかなと思います。よろしくお願いします。

(会場拍手)

「食やくらしの課題を解決する」クラシル

坪田:質問をいろいろもらって、一応テーマを用意してきたんですけど。その前に宣伝をいくつかさせていただきます。delyは今すごくおもしろい事業をたくさん立ち上げようとしているんですが、人がめちゃくちゃ足りません(笑)。今日はdelyのメンバーも来ているので、興味のある人がいたら、ぜひ声をかけてください。デザイナーもエンジニアも全方位で募集をしております。

僕らはクラシルという事業をやっていて、「レシピメディアでしょ?」みたいな印象で伝わっていることが多いんですけど、基本的には「食やくらしの課題を解決する」というところを目指しています。(スライドを指して)これはよく社内で使う資料なんですけど。

実際、昼なり夜なりご飯が食卓に並ぶまで、調理だけじゃなくて、材料を買って、献立考えて、レシピを収集して、と顕在化しない作業がいろいろあるんですけど。

これを「解決しよう」というのが、今のクラシルの事業です。レシピ動画以外も今いろいろ仕込んでいたり、大竹さんがコマース事業をやっていたりするので、今日はそんな話を交えながら、話せればと思います。

「献立を考えるのがつらい」「ネットスーパーで買うのも、毎日スーパーへ行くのも大変」みたいな、ペルソナのいろいろな課題を解決しようとして日々取り組んでいます。

“少ないパイの奪い合い”からの脱出をかけてCXOを起用

堀江:さっそくなんですけど、いただいた質問の中から3、4個ピックアップして話しながら進められればと思います。1つ目は「delyがなぜこのタイミングでCXOを起用したのか?」というところで。

堀江:じゃあ僕からでいいですか?

大竹:はい。

堀江:まず、大きく市場を見たときに「メディア市場が今後けっこう厳しくなるんじゃないかな?」というのが、自分の中にはあります。というのも、最近よく孫正義さんが言っていることなんですけど、「インターネットの産業なんてまだまだ世の中の市場の数パーセントしか取っていないんだ」と。多くのものがまだリアルで買われていて、日本のコマース化率はまだまだ10パーセント程度だと。僕らがリアルで過ごしている時間が1日十何時間ある一方で、奪い合っているのは、平均してもたぶん1時間のスマホでオンラインを見ている時間です。

しかも会場にいる人の多くは、Twitterをやっていると思うので、5時間くらい見ていると思うんですけど、それはある意味特殊だと思うんですよね。ただ、世の中の平均を見ると1時間くらいで、「じゃあ残りの23時間を奪い合っているのは、どうなの?」というような話が出てきたときに、「既存のレシピ動画事業をやっていたら、会社が大きくならない」と思っています。

実は世の中には、何兆円という売上のスーパーや食品メーカーがある。オンラインの動画は広告市場において1千億円というレベルで、「そんなところばかり奪い合っていいんだっけ?」と考えたんです。

「お客さんにとって本当にいいユーザー体験を提供したい」「お客さんの本当の笑顔を見たい」と考えたときに、目の前にプロダクトが届くとか、届くまでの配送をちゃんと作るとか、まだまだできてないことがIT企業にいっぱいあるんじゃないかと。「それはデザインだけではなく、色々な切り口でユーザー体験をつくらないと実現できないよね?」と思っています。だからこそ、あえてCDOではなくてCXOとして坪田さんにジョインいただきました。

ITサービスがリアルに染み出すタイミングが来た

堀江:「じゃあデザインとは何か?」というと、ユーザー体験をするすべての接点、つまりカスタマーサービスかもしれないし、家に届くときの箱を開けるタイミングかもしれない。

それでいうと、大竹はApple信者で、僕と出会ったときから本当に好きなんですけど。彼は箱を開けるときが本当に好きなんですね。

大竹:空気抵抗が好きです。

堀江:そう。「空気抵抗が気持ちいい」みたいな(笑)。ただ、あれこそがすべてのブランドを作っていると思っています。ソフトウェア上の多少の動きでは体験できないレベルのことが、リアルやオンラインでもまだ体験できるよ、と。

だから、クラシルやTRILLというプロダクトの全ユーザーの接点を洗練させて、ブランドをどんどん作っていく。ライトユーザーは正直、料理動画なんてどこでもよくて、うちで見ようと、どこで見ようと何も変わらない。だけど、いつの日からかいろいろな体験をすることによって、「クラシルでレシピを見ていることが、心地いいよね」「クラシルを使っている自分が誇らしいよね」というような体験をどんどん作っていくにあたって追求すべきは、単純なデザインだけではないと。

ユーザー体験すべてを洗練させて、お客さんに笑顔を届ける。「そういうブランド・プロダクトを作れる人を採用しないといけない」となり、大竹に「日本一の人を紹介してくれ」と伝えました。

なぜそう言ったかというと、今日ご一緒させていただいている、田川(欣哉)さんや(Go)Andoさんや深津さんとか、いろいろな方と会って話をして、「1人のデザイナーやCXOの力で、ここまで事業が変わるんだ」ということがわかったんですね。簡単に言うと、ITのサービスがやっとリアルに染み出すタイミングが来た。

その節々のすべての接点を、洗練させなければいけない。そういうタイミングだったのかなと思っています。

デザイナーが“ソフトウェア上で作るだけ”の職種ではなくなっていく

大竹:僕からも話をします。デザインは断片的に分業化するのが難しい領域なので、「チームのトップは中途半端な人じゃいけない」「トップクラスの人が来てくれないといけない」ということを2人で話していて。

「採れるか採れないかではなく、来てもらったら一番うれしい人を採る」となったときに、僕の中の第一想起が坪田さんだった。すぐに連絡をとって「カジュアルに話をしましょうよ」という話をして、アポを取ったんです。でも実際ランチに行ったら、むちゃくちゃ採用活動をするという(笑)。

坪田:懐かしいですね(笑)。1月くらいですね。

大竹:はい、1月くらい(笑)。

堀江:坪田さんが「リアルな体験をやったことがあるかどうか?」や、「実際にできる、できない」ではなくて、やる意思があったことが非常に重要だと思っています。そこを「やろう」となったときに、お互いにテンションが上がったというのが一番大きいかな。今、実際にコマース事業でアクションを起こしています。

この中には、おそらく「リアルもオンラインも、全部なんて勉強できない」という人はいっぱいいると思うんですけど。だけど僕は、「実際にやってみたら、だいたいできるもんだ」と思っています。僕も起業なんてもともと勉強したことも、サービスを作ったこともなかったし、ここにいるみなさんもそうだと思います。

おそらく今後はデザイナーという職業が、ソフトウェア上での動きを作るだけの職業からはみ出ていくと思っていて、今日はそういう話がちょいちょいできるとうれしいと思っています。

坪田:そうですね。僕は1月ぐらいにタケ(大竹氏)さんとFacebookで連絡をしていて、気さくに「飯食いに行きましょう」という話になったんですよ。そうしたら堀江さんとタケさんの2人がいて、「こういう事業を考えています」というような話を、30分、40分くらいですごくされたんですよね。

そこで堀江さんとタケさんにベタぼれして、そのときから「一緒にやりたいな」みたいな感じで(笑)、自分の意志はそこで即断していたような気がします。

多くの事業会社がやっとデザインに着目し始めている

坪田:「具体的にどういうふうにするのか?」というのは、当時ぜんぜん考えていなかったんです。機会があったらググってほしいんですが、「なぜ僕がdelyに入ったか?」という記事が出ています。

そこにタケさんがA4用紙に「こういうことをお願いしたい」「条件はこうです」みたいなものを手書きで書いてきてくれて、「ここまでされたらもうこれは入るしかねえだろ」みたいな(笑)。それで即決めしました。

堀江:坪田さんは自分で会社をやっている。「僕らの会社が儲かっている」と言うだけでは来る理由にはならないので、普通だったらだれも声をかけないんですけど。「だったら坪田さんの会社を維持しながら、うちの会社にコミットしてもらえば両方できるじゃん」と考えた。ちょっと欲張った発想だったんですけどね。

デザイナーの方は今後独立する方も非常に多いと思います。自分で会社を持っていて、ある程度プレゼンスが上がったときに、今後このケースを見て、事業会社から声がかかることがけっこう増えるんじゃないかな、と思っています。

現に資生堂さんも海外のデザインファンドを買収していますし、そういう事例含めて、ITの会社以外にも多くのメーカーや、多くの化粧品会社、食品会社がやっとデザインに着目し始めていると思います。

ここ数年以内に、ここのみなさんの中にも、「一緒にやりませんか?」と声をかけられ、決断を迫られる方が、少なくとも数名出てくるんじゃないかな、という気はしています。

坪田:そうですね。僕も最初に声をかけてもらったときは、自分の会社をやりながら、週3で入ろうかなと思ったんですね。実はその前から何社か声をかけられていて。ただそんなに「この事業をすごくやりたい」「この勉強をやりたい」というものがなくて断っていたんですけど。

「じゃあ週3で」みたいな話をしていたら、堀江さんから「それだったら会社ごと入って、一緒にやりましょうよ」という提案を受けて。そんな提案は人生初だったので、「それだったらやるか」というような感じでしたね。

delyがBasecampを子会社化した理由

坪田:堀江さん、Basecampを子会社化した理由は何ですか? 

堀江:Basecampとの取り組みはまだ本格化していないんですが子会社化した理由の一つが、コーポレートサイトやコマースの箱など何かを作る時に作るといったときに、やはり一流のデザイナーに頼みたいからです。

一流のフォトグラファー、一流のコピーライターに頼みたい。それがブランドになっていくと思っていて、多くのものがコピーされてしまう世の中において、ブランドだけはコピーされないと思います。

しかし、いいクリエイターやフォトグラファーは、企業に属することはあまりないのでは。「いろいろなクリエイティブや制作物を作っていきたい」という人は、「料理だけ撮っていても」と思うんじゃないかな。

彼らには、外部のいろいろな案件に関わってもらいながら、いろいろな一流のクリエイターと切磋琢磨してもらう。企業の中に閉じこもらないで、外でいろんな体験をしてもらって、その上で僕らと接点を持ってもらう。そうすることで、僕らがやりたい案件が出てきたときに、声をかけやすい状態を作ろうと考えたんです。

だから、雇用を縛るのではなくて、「一緒にコラボレーションしよう」ぐらいの気持ちでBasecampに興味を持ち始めた。今後これはたぶん、BtoCの企業が外部に依頼し始めているので、強みになってくると思っています。そこらへんが大きい理由ですね。

坪田:僕も「Basecampをどうするか?」と悩んだこともありました。とはいえ、1社や1人でやれることはやっぱり限られていて。「自分の力で、年間数億円を売り上げます」みたいな事業は作れるかもしれないですけど。

それが「じゃあ年間で数百億円を作れます」ということは、やっぱり少人数だと無理があるんですよね。企業と一緒にやれるときに、「会社と会社でシナジーを生み出す」というチャレンジをしてみたいです。

さっき田川さんとも話していたんですが、今後こういうモデルケースが増えると思っていて。それのロールモデルになれたらいいですね。

目指すべきは「能動的PV」の向上

堀江:そうですね。そもそもクラシルでいうと動画を(累計で)3万本出していて、TRILLも毎月動画を作っています。クリエイションメディアがPVをただ競っていた時代から、「それを本当に選んでもらえるか?」という時代に移っている。僕はPVをいくつかに分けていて、「構造的PV」「受動的PV」「能動的PV」と言っているんですが。

構造的PVは、ググってブランドを意識せずたまたまアクセスしちゃったというもの。2番目が受動的PVで、プッシュを送られてきたら見るもの。目指すべきは能動的PV。これこそがブランドになるから、これを見られるためのすべての作業をやろうとしています。

それが1クリエイティブ、1デザイン、1カスタマーサポートだと思っていて、ここをとにかく「Basecampみたいに、クリエイティブを作れる会社と一緒に作っていくんだ」という意思が今ありますね。

坪田:タケさんはこの辺のお話はどうですか?

大竹:そうですね。僕が感じているのも、「事業やサービス作りは、もう完全に総合格闘技化している」ということ。一昔前だったら、例えばあるスーパーエンジニアがいたとして、その人がぱぱっと作ったら、それだけでサービスが伸びて、実際に使われるということがあったと思うんですが。

これからは、そういうことはたぶんほとんどなくなると思っています。使われるサービスは、しっかりデザインが隅々まで行き渡って、ケアされている状態。どのタッチポイントから触っても、「そのサービスいいよね」という感じで、ブランド化してファンになってもらうことができるし、技術もちゃんとできるし、AIも使えるしデータも活用できる。というような超総合格闘技化がどんどん進んでくると思っています。

Basecampさんの全員プロフェッショナルで専門領域を持っているというところと、シナジー効果はあると思っていますね。

そもそもブランドとは何か

堀江:うん。「ブランド」「ブランド」と言っているので、たぶんみなさんは「ブランドってなんだ?」「ブランドってみんな言っているな」と思われていますよね。delyの中でブランドという話をよくするんです。最近の話でいうと、例えばコーラの話をよくするんですよね。

この前も全社で話をしたんです。12月25日にコカ・コーラとペプシ・コーラがあった場合、コカ・コーラをなんとなく選んでしまう人は、この中にどれくらいいますか? ペプシの人はどれくらいいますか?

(会場挙手)

(ペプシを選んだのは)3人、けっこう変わった方もいらっしゃる。たぶん4人くらいいらっしゃるんですけど、うちの中でもこのくらいの比率だったんですよね。全体の1パーセントから2パーセントくらいの比率です。

これはなにかというと、ブランドイメージなんです。味も値段も同じですよね。飲み比べがあるイベントに出てみたんですけど、味の違いがほぼわかる人はいないんですよ。(選ぶきっかけは)やはり、企業のブランドイメージなんです。

例えば、コカ・コーラは毎年世界平和に対するメッセージの動画を出していて、CMも世界平和や世の中がハッピーになるような動画を出している。こういうことがブランドだと思っています。つまり、普通だったら機能性や値段で比較をする。そこを思考停止させて、「何を決めるか?」という意思決定のハードルを極端に下げてしまえるものが、ブランドだと思っています。

それを作れる会社がこの5年で勝つということを、よく大竹や坪田さんに話しています。最近は経営会議でとにかくこういうデザインの話になるんですね。

坪田:そうですね。あと、今聞いてもらったらわかるとおり、堀江さんとタケさんはユーザー体験やプロダクトに対して、ちゃんと語れるんですよね。

「堀江さんはすごいな」と思ったのが、これだけの経営をして、いろいろなファイナンスもして忙しい中で、最近も「こういうUIやサービスはいいんじゃないですか?」というようなことを、普通に僕と手書きで話したりするんですよ。

CXOとしても普通に今までやってきたので、理解力がすごく高いし、そのへんはどうですか?

サービスをローンチした時から、毎日「クラシル」のエゴサーチをしている

堀江:全部素人だと思っています。専門(分野)がないから、「全部貪欲にやらなきゃな」と思ってやっているだけなんですけどね(笑)。

坪田:そのへんはすごく、メディアの印象とぜんぜん違いましたけどね(笑)。

堀江:一番働いている自信はありますね。

坪田:そうですよね。僕は最初、1月くらいに話をしてから、delyにちょっとずつ入り始めたんですけど。堀江さんはすごくプロダクトに触っていて、たぶんバグに一番最初に気付くのは、堀江さんですよね(笑)。ずっと昔からそうですか?

堀江:これを言うと、Twitterが荒れがちになるので言いたくないんですけど(笑)。サービスをローンチした時期から、1日たりとも「クラシル」のエゴサーチをやめたときがなくて、全部のメッセージを見ているんですよ。それで「広告を出しすぎたな」とか、いろいろ見ているんです。そういうことを、こまめにやっていますね。空いてる時間があったら、毎日ずっとやっています。

坪田:これはすごいですよね。それで、タケさんもプロダクトをずっと触っていますよね?

大竹:そうですね。僕が最初にエンジニアリングを始めたのはiOSのアプリからで、もともとApple好きだから、iPhoneのプログラマーになりたかったんですが。ユーザーインターフェースがすごく好きで、Instagramはマイページのところの列が3個に分かれるじゃないですか。

「偶数なのになんで3で割ったUIが実現できるのか?」と疑問に思って細かく見たら、右側の列の方が0.5ピクセル小さかった。ということを知ったとき、すごくうれしかったんです。そういう細かいことが好きなんですよね(笑)。もともとずっとUIが好きで、でも「自分はエンジニアだ」と思っていたんです。

去年は、分からないながらも積極的にデザインのイベントに出るようにして、「こういうことを感じている」「クラシルでこういうことを意識している」と言うようにしていたんです。そうしたら、結果的に坪田さんに見ていただいていたみたいで、「やっぱりつながってくるな」というのは感じますね。

堀江:でも結局、僕や大竹はデザインに関しては、いまだに素人だと思っている。なので、例えば(会場の後方を指して)あそこにも来ているメンバーがいるんですけど、僕より年下であろうと「最終的な意思決定は、彼らにしてもらったほうがいいな」と思っています。口うるさい人みたいになってしまうとやばいので。素人なりに一意見を言うような感じに最近は留めております。次にいきましょうか(笑)。

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