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日本最大級の医療情報プラットフォームが医療産業に貢献していくために(全1記事)

2020.02.12

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「医療マンガ大賞」で医療産業とユーザのタッチポイントを増やす――メディカルノートが目指す世界とは

提供:一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)

国内外の医療機器、テクノロジー、デジタルヘルスなど、ヘルスケア関係者が一同に集まる、MedTech Week Japan 2019。初日となる11月5日、LINK-J主催による「第二回メドテックイノベーションシンポジウム&ピッチ」が開催されました。数あるセッションの中から、ヘルスケアデータの活用によって医療産業の発展に寄与する4団体の講演にフォーカス。本記事では、株式会社メディカルノート代表取締役で医師の井上氏による講演をお届けします。「日本最大級の医療情報プラットフォームが医療産業に貢献していくために」をテーマに、日本最大級の医療情報プラットフォーム「メディカルノート」が目指す社会での役割について語りました。 ※このログは、LINK-Jの記事を転載したものに、ログミー編集部で見出し等を追加して作成しています。

日本最大級の医療情報プラットフォームが医療産業に貢献していくために

井上祥氏(以下、井上):メディカルノートは誰でもアクセス可能なウェブサイトであり、医療従事者でない患者さんが読んでも理解できるような医療情報を発信しております。

先日、LINK-Jの方とお話したところ、「実はLINK-JのNはネットワークの“N”である」という話を聞きました。我々は医師と患者をつなぐということを理念としています。非常に多くのユーザがおりますので、LINK-Jの趣旨にのっとれば、「医療産業とユーザをつなぐ」といったところに貢献できればと思っております。今回の講演では私たちの事例を紹介させていただくと共に、参加者の皆様とリンクすることができればと思います。

簡単に自己紹介させていただきます。自身は横浜市立大学医学部を卒業し、研修医として働き始めた後に医師として医学教育学の大学院で勉強しました。横浜市立大学医学教育学では、メディカルサイエンスコミュニケーターの育成を理念に掲げておりました。

大学院在学中にメディカルノートを創業しましたが、「信頼できる医療情報を発信する会社を作りたい」という思いを後押ししてくれる環境がありました。

また私は横浜市立大学では、医工連携GCOEプログラム(Global COE Program)のレギュラトリーサイエンス実習を担当しておりました。これは、医療機器が認証を受けるときにどのような審査がされているのかを過去事例を見ながら学ぶプログラムです。

私は工学部の大学院生に対し、例えば「心臓カテーテルとはどういうものか」など、医療に関わる小講義をしながら、逆に工学部の大学院生からは工学的な観点を勉強させていただきました。卒業生には、PMDAに入った方や大手製薬会社に入社した方もおりました。このような成果でプログラムはその年の学長表彰を受けました。メディカルノートをつくる際にも、医療産業の進歩・発展に役立つプラットフォームになればと感じておりました。

月間UU約2,000万人の国内最大級ヘルスケアサイト「メディカルノート」を運営

井上:メディカルノートのご紹介をさせていただきます。会社は渋谷にあります。100人以上のメンバーがおります。サイトをご覧いただく方法は、主に“病名の検索”です。Yahoo検索で病名を検索しますと、最上位にあがってまいります。

例えば、「脳卒中」「心不全」など、一部のがんを除いて病名をYahoo!検索窓に入れていただきますと、ご覧いただけます。変動はありますが月間で約2,000万人前後のユニークユーザがおります。ニュース配信もしております。

毎日新聞の医療部門のデスクの方に入っていただき、日本対がん協会さんと一緒に闘病記のような、病気の辞書や記事とは違った角度での読みやすい記事などを、Yahoo!ニュースに配信しています。

医療のニュースがYahoo!トピックのトップを飾ることは難しいのですが、10〜20記事に1回程度、トップにあがります。そうなるとケースバイケースですが、数百万人くらいの方に見ていただけています。

アプリも開発しておりまして、公式アプリでは、病院検索とか、医療相談などの機能があります。

ユーザ規模は先ほど述べたように2,000万人前後となっています。Yahooさんとの提携以降、爆発的にアクセスが増えているのですが、それまでは伸び悩んでいた時期もありました。2019年9月のSimilar webの結果では、ヘルスケア系のサイトの中で世界39位となり、これは国内最大級と呼んでも良いのではないかと思っております。

そうはいっても、メディカルノートで指名検索を行ってもらえるほどの知名度がない部分もあり、自身は日経デジタルヘルスの特集に掲載させていただき、共同創業者の梅田もさまざまな媒体に出るなど積極的に広報活動も行っております。

医療情報プラットフォーム運営の理念は「医師と患者をつなぐ」です。ユーザに対して、信頼できる情報によって医療機関、医師とをつなぎ、医療従事者と患者の双方に貢献することを目指しています。さまざまな先生方からも激励をいただいておりますが、これを「医療産業とユーザ」というところまで持っていくことができれば、さらに良いのではと考えております。

学会や病院・医局以外との提携も少しずつですが進んできました。例えば、横浜市、東京海上日動、労働者健康安全機構さんとも提携させていただいております。医療情報メディアをプラットフォームとして進化させたいと考えております。

病気治療以外の、「社会」と接点をもつコンテンツが出てくるサイトに進化させたい

井上:実際の提携事例を紹介いたします。我々の仕事は、ユーザへの情報発信ですので、ユーザに対していかにタッチポイントをつくるかということに重きを置いています。

(スライドを指して)これは横浜市医療局さんとの「医療の視点」というプロジェクトです。行政が伝えたい情報というのは堅くなりがちですが、伝わらない部分を、メディカルノートの特設サイトから一般市民に発信することで、タッチポイントを増やします。

横浜市医療局とのタッチポイントを増やす活動では、メディカルノートで作った記事をマンガにするという「医療マンガ大賞」という取り組みもしております。今後は医療機関にマンガを置いていただく予定です。それを読んでもっと知りたい、勉強したいと思った方が「医療の視点」のサイトを見るという流れができればと考えています。

こちらは厚生労働省の「知って、肝炎プロジェクト」の例です。C型肝炎が治る病気になってきているという情報を、我々のC型肝炎の病名検索を通じて導線をつくるような形で、プロジェクトのサイトに遷移するように工夫しています。疾患啓発に関する支援はたくさん事例があります。

こちらはAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)、浜松医大さんと一緒にやっている、「明日の医療をつくる」活動の例です。「自閉症」という病名キーワードで検索していただいた方に対し、多施設共同研究として8大学病院で実施されている、オキシトシンによる医師主導治験情報をご紹介させていただきました。明日の医療をつくるために尽力されている医師と新しい治療の情報を知りたいユーザーの双方に貢献することのできる発信もしています。

再生医療学会がきっかけで澤芳樹先生の「サンタ・ラン」というプロジェクトをお手伝いさせて頂いております。難病の子供に向けたチャリティですが、こちらも情報発信することにさまざまな課題があるなかで、サンタ・ランという彩り豊かなプロジェクトをすることで、一般の方にアピールすることができます。

北海道大学病院の前病院長の宝金清博先生が、「医学モデルから社会モデルへ」とおっしゃっていました。認知症のように薬だけでは完治できないものに対しは、医療、介護だけでなく、産業界も力を合わせる必要があります。「認知症」と検索しますと、現状では病気の話しかでてきません。

今後、ユーザーにとっても医療産業にとって役に立つプラットフォームにするためには、病気の治療以外の「社会」と接点をもつコンテンツが出てくるようなサイトに進化させる必要があるのでは、と考えております。

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