2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
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木内文昭氏(以下、木内):北瀬さんもさっきのいろんな変遷がおありになる中で、たぶん全部が全部成功してきたものだけではないと思うんです。アイディアや情熱を大事にしていく中で、いくつか事業部の中で「事業リーダーに任せてみよう」という感じでやらせてみるようなケースがけっこう増えていると思います。
そこで、今のお話を踏まえて、「この事業リーダーに任せてみよう」という時に、どんなところを重視して任せるのか、どんなプロセスで決めているのかを少しお話しいただけますでしょうか。
北瀬聖光氏(以下、北瀬):人の見方と話でいうと、5つぐらい持ってます。1つがオーナーシップ。圧倒的な当事者意識。2つ目がアジリティ。変化に追従する力を持っているかどうか。3つ目はパブリシティ。発信力があるかどうか。あとはタフ。いくら優秀でもやっぱり会社に来なかったら、それは力を発揮できない。タフさがあるかどうか。最後にチャーミング。やっぱり新事業って1人じゃできないので、いろんな人を巻き込まなくちゃいけないんですよね。
(手を上げながら)別に「わー」というだけがチャーミングじゃなくて、コツコツと仕事をやってるんだけど、ふと見せる可愛さかな。その人なりのチャーミングさがあるかどうかを見ながら、この5つをもっていたらリーダーかなという感じがします。なかなかいないんですけどね。
(そういう人材の)見つけ方は、やっぱり対話の中からです。やっぱりちょこちょこと会話とかで接してるうちに、たぶん「あ、こいつに任せてみようかな」というのが浮かんでくるんですよね。そういう感じでやってますね。
木内:ということですね。さっきの5つのところで揃ってる方がいたら、素敵なんですけども……。
北瀬:なかなか(笑)。
木内:いないということです。5個全部じゃないにしても、1個か2個、もしくは3個あればいいのか、それとも「ここだけは絶対に」なのかはどんな感じですか。
北瀬:発信力は訓練でけっこうなんとかなるんですけど、オーナーシップは性格的なところがあるし、当事者意識がない人って集中できないんですね。やっぱり苦しいので、「上がやると言ったからやるんです」と言った人に対して、ついて行きたくないですよね。それは必須かなと。
タフさは身体的な話も入ってきますね。(まったく)ない人はちょっとしんどいかなと見てます。
木内:あと5つの中でけっこう肝になるのが、チャーミングさってあると思うんです(笑)。
(会場笑)
あれって後天的に……なんとかなるんですかね。
北瀬:後天的に気づくことはできると思ってるんです。赤ちゃんの頃って、みんなかわいいじゃないですか。みんな持ってるはずなんですよ。それがいろんなことがあって自分で隠しちゃったりとか、隠れてしまったり、表現方法がわかんなくなったりとかいろんなことがあります。だからそれに気づくことはできると思います。
木内:なるほど。大きい組織を見るようになればなるほど、チャーミングさってすごく大事だなと思っています。その辺りもおうかがいできておもしろいなと思いました。
あとは、北瀬さんにメンバーから事業やアイディアが出てきたときに「未来予測で否定はしない、やってきた事実のみで見る」とおっしゃっていたことがすごく印象的でした。
北瀬:おっしゃるとおりですね。「いや、きっとできないだろう、きっとああだろう」と言うと、メンバーからすると「お前わかってないやん」と言われたりするんですよね。
でも「いついつまでにここまで来たらいいよね」と言って、「来なかったよね」と。「最前線にいるあなた自身が時間を使わなかったですよね」と、事実に基づいて進める進めないを判断すると、本人が一番わかってるんですよ。
こうすると、新事業の続けたいプロジェクトはゾンビ化しないんです。「未来予測ではきっと成功しないからストップ」と言うと、隠れてこそこそやってるんですよ(笑)。だから、やった結果を持って、ちゃんとやった本人に納得していって新事業をストップとかステイさせると、必ずゾンビ化しません。意味があるところに時間を使うと変わるんです。そういうところは非常に気をつけています。
木内:はい、ありがとうございます。荒木さんや北瀬さんのお話は、どちらかというと企業の中でやる側の人の話がありました。我々自身も会社の中でやっていて、一方でユーザーから支持されないといけない。それはBtoB、BtoCによくあると思います。
ユーザーから支持されないと、結局商売として成り立たないわけです。そういう意味では、山本さんが報道の中でユーザー、すなわち視聴者の、厳しいのか、暖かいのかちょっとわかんないんですけれども(笑)。
視線にさらされながらも、ブレずに見ていったり、時にプロデューサーとして中の方が持ってきた情熱を、ある程度うまく差配しなきゃいけないところがあると思います。その辺りは、ブレずにユーザー視点を見ていく上で、どんなことを意識されたりとか、どんなことを大事にされていたりとかを、少しおうかがいできますでしょうか。
山本:視聴者のことがわかれば、これ以上に楽なことはないです(笑)。
(会場笑)
どういう視聴者の方が、どういう興味を示しているんだろうというのは、常に意識はしています。いくつかあると思っていて、1つは半歩先であること。1歩先に行っちゃうとわかんない人が続出しちゃうので、半歩先です。「聞いたことはあるけど、それどうなんだろう」と興味があるようなところを目指します。
今は情報社会なので、みなさんすごく勉強されています。同着だと「あ、古い」となっちゃいますが、半歩先だとちょっと興味あるなと。半歩だったらついていけるというようなかたちをすごく意識しているのが1つです。
あとは、中心線=中立の立ち位置を意識しています。いくつかあって、1つはネタの選定です。そのネタにすごく詳しい視聴者もいれば、まったく興味がない視聴者もいると。ただマスの方に訴えかけるには真ん中。だから、あんまりプロすぎず、かといってあんまりこっち(詳しくない方)に寄りすぎず、真ん中です。
とりあえず多くの人に見てもらえるような努力は常にしています。あとはさっきおっしゃった熱量です。ディレクターって熱量が高くいろいろ取材してくるんですけど、そもそも報道で中心線、中立じゃなきゃいけないよねという部分と、それから視聴者をニュートラルに見るんです。
その中心線を必ず忘れないようにして、ディレクターが「このカット、数時間かけて撮ってきたんです」と言っても、「あまり今回のテーマと関係ないよね」となったら、そこはもう残酷に「あー、それいらないよね。こっちの方がわかりやすいよね」としなきゃいけない。そういう意味でいうと、常にニュートラルというか、どこに世の中の中心線があるかは、非常に気をつけております。
木内:ありがとうございます。ちなみにその中心線がどのあたりにあって、半歩先がどのあたりにあるというのって……。
(会場笑)
概念としてはすごくわかるんですけれども、すみません。
山本:そうですよね、申し訳ない(笑)。
木内:いえいえ、すみません。そういう意味じゃなくて……。
山本:例えば半歩先でいうと、クラウドファウンディングは、5年以上前は知っている人は知っていたけど、多くのの人は「なんだっけ?」となっていたと。今はクラウドファウンディングというと、だいたいの方が少なくとも聞いたことはあるという状況になっていると思います。
あとは自分の母親とか妻とか、まったく関係ない人が聞いたときにどう感じるんだろうなということを、いつも意識してつくっているということです。
木内:見極めって、すごく大事なポイントな気がします。今のお話だと、やっぱり周りの一般の方というか、「普通の(人の)興味関心はこの辺かな」みたいなことを日々探るというか、把握する努力を踏まえて、真ん中の線と半歩先を決められている感じですね。
山本:よりマスに訴えかけなきゃいけないという前提でいうと、そうなんですね。専門番組だったら、もっと振り切っていいんだと思います。ものづくりもそうだと思っていて、より多くの人に知ってもらって使ってもらいたい場合にはその中心線が大事。それと新しいけど新しすぎず、ついていける半歩先が大事じゃないかなとはいつも感じてます。
木内:はい、ありがとうございます。あっという間に時間が来てしまいました。聞きたいことが全部聞けずにすみません。今、北瀬さんのところとは10月くらいでしたっけ。
北瀬:そうですね、10月ですね。
木内:なんと表現したらいいんですかね。言える範囲で……。
北瀬:そこにチームリーダーが来ています。NECの画期的な技術の1つに、ヘルスケア関連に適応できるように、すごくユニークなバッテリーを持っています。それを活用したヘルスケアビジネスというところで、マクアケさんでやろうと準備をしてます。
事業は成功させることもあるんですけれども、NEC中央研究所の研究者、あとNECは、BtoCの事業をやめちゃったんです。でもやっぱり、Cというのはコンシューマーでもあり、市民でもあるので。
市民に訴える事業をするために接点を持ちたいというかたちで、クラウドファンディングをマクアケさんと一緒にしたいという思いもあります。これを成功させて、次の新しい人たちが新しい事業を起こすやり方を少しでも楽にしたいなという思いで、成功させたいので、みなさん公開したら買ってくださいね(笑)。
(会場笑)
木内:はい、すいません(笑)。そうですよね、ありがとうございます。荒木さんのところとも8月の下旬に新しいのが始まります。最後にその辺を踏まえて、荒木さんから順番に、この会場ご参加いただいているみなさんに一言ずついただいて、終わらせていただければと思います。
荒木秀文氏(以下、荒木):はい、先ほどお話したとおり、資生堂という会社はなんとか生まれ変わろうとして、いま必死にもがいています。イノベーションのためには自分たちのなかでがんばってやることではなく、やっぱりみなさんと一緒にやることしかないかなと。新しい正解のかたちを作ることが、結果として中のカルチャーを変えることだなと思っています。
資生堂と一緒になにかやってみたいなと思われたら、ぜひご連絡をいただきたいと思います。もう1つ、マクアケさん、今日木内さんとやらせてもらいました。私たちも、新しいアイディアとかが出なくはないんですね。
ただ、既存事業ではないものの世の中への出し方って、やっぱりあまり上手ではないという中で、今回サポートいただきました。何が出るかがまだわかってないのですが、ビューティーであることは間違いないです。ぜひ乞うご期待ということで。本日はありがとうございました。
木内:はい、ありがとうございます。では北瀬さんすみません、お願いします。
北瀬:いろんなチャレンジをしてきましたけれども、ここまで変わったことも別に私たちだけでやっているわけじゃないんです。やっぱりこの会場にいらっしゃる方々のように、いろんな方々の協力とかアドバイスとか、一緒にプロジェクトを起こした結果として、NECは変わってきています。
なので、今後ともぜひデジタルという世界で、NECの中でこういう変わった部門がいますので、昔のイメージではなくて今の新しい変わりつつあるNECと一緒に仕事をしたいなと思ったら、ぜひお声をかけてくださればうれしい限りです。多くの企業と一緒になって、新しいことを見出したい、また日本元気になってるな、ぐらいのところのきっかけになれればうれしいと思っております。
木内:はい、ありがとうございます。では山本さんお願いします。
山本:『ガイアの夜明け』は、夜明けということで「日本経済でがんばっていこう、新しい夜明けを目指してがんばっていこう」という人を応援するというコンセプトで生まれた番組です。そういう意味でいうと、新規事業に取り組まれる方は、被写体としても非常に魅力的だと思います。
さっき言ったみたいに、ものづくりって非常に大事なテーマです。僕らもすごく興味を持っていますので、日本の企業から新しいものが生まれるという現場を番組で取り上げさせていただいたり、多くの方に見ていただければと思います。以上です。
木内:はい、ありがとうございます。大企業のみなさんに限らず、新しいことを出していこうということでマクアケはやっております。それに限らずどんどんチャレンジをしていく世の中が素敵なことなんじゃないかなと思ってますので、会場のみなさんも一緒に新しいチャレンジができたらなと思っております。
ということで、時間になりましたので、以上でこのセッションを終了させていただきたいと思います。前のお三方に、最後は拍手をお願いします。
(会場拍手)
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