2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
How Big Can Black Holes Grow(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:大型の銀河のほとんどは、その中心部に「超大質量ブラックホール」を擁しています。例えば、天の川の真ん中には、太陽の400万倍の質量を持つ超大質量ブラックホールが存在します。これは、かなりの大型であるといえますね。
しかし「超大質量ブラックホール」という名が冠されてはいますが、実はこれより何千倍も巨大なブラックホールが、他にも存在するのです。では、ブラックホールには、どこまで巨大なものがあるのでしょうか。
ブラックホールは、中に物が落ちると成長します。ブラックホールは、よくあるイメージのように、物を掃除機のように吸い込むことはありません。どちらかといえば、谷底にぽっかりと開いた口に近いものです。物質が「中に落ちる」と表現するのは、このためです。
ブラックホールのお食事は、あまりお行儀が良いとはいえません。ブラックホールに向かう恒星やデブリは、一直線には落ちず、円に近い軌道を描きます。その間、物質同士が衝突したり、エネルギーを交換したりします。
そして実は、ほとんどの物質はブラックホールの引力から逃れてしまうのです。そのため、ブラックホールの成長はゆっくりです。ブラックホールが恒星やガス、チリをむさぼり喰う様子は、その悪食ぶりが永遠に続くかのように見えますが、実際には限界があります。
可視光線を含むすべての物が脱出不能となる限界を指す、ブラックホールの「事象の地平面」は、よく耳にしますね。実は、重要な境界はもう1つあります。みなさんは、これはあまり聞いたことがないでしょう。「最内安定円軌道」、略称は「ISCO」です。これは、物質がブラックホールの周囲を周回する「降着円盤」の、もっとも内側を指します。
この地点では、ブラックホール周辺で軌道を維持できるだけの速度を持つのは、可視光線だけです。光以外の物質は、排水孔へ排出される水のように、回転しながら落下を始めます。
厳密には帰還不能点を超えてはいないため、他の物質がぶつかってきた場合などには、ブラックホールへの落下を免れることができます。しかし、そのような邪魔が入らなかった場合は、逃れられるだけの速さを持たないため、結果として事象の地平面を過ぎる運命にあります。
ブラックホールが“食べ”続けて質量を増せば、引力も増強します。すると、一定の距離を保って安全圏を回っていた物質も、不安定になり、ブラックホールに向け周回しつつ落ちていきます。つまり、ISCOが外周に拡張するのです。
ISCOが拡張すると、ブラックホールはより多くの物質に接するため、「食事」はさらに続きます。するとブラックホールはより拡張し、さらに食べ続けることになります。これが繰り返されますが、長くは続きません。
事象の地平面から一定の距離をおいた地点では、物質は、ブラックホールよりも物質自体の重力の影響を受けます。そのため、巨大なガス星雲は凝縮して恒星となることができます。そして私たちの住む銀河系も、中央のブラックホールに周回しながら落ちていくだけの単なる降着円盤ではなく、さまざまな天体が存在するのです。
ブラックホールがある質量に達すると、ISCOは上記の一定の距離を保ちます。言い換えれば、そうなった時点で、ブラックホールの周りを周回する物質はすべて、ブラックホールからあまりにも離れているため、ブラックホールに落ちることなく、凝縮して恒星になるのです。
ISCOがこの一定の距離に至る、ブラックホールに必要な質量は算出可能です。2015年の論文において、その数字が算出されました。ブラックホールは、理論上では50から2,700億太陽質量まで成長しうるとされました。極端に幅広い範囲に思えますが、この仮説は回転するブラックホールの存在をうまく説明できます。
ISCOは収縮し、ブラックホールは成長の限界を超える前に質量を増やします。限界に達すると、ブラックホールは質量に関わらず、物が直接落ちる時だけ成長します。とはいえ、物が直接落ちるのは、きわめて狭くほぼありえない軌道であり、起こることはまずないでしょう。実際には、その時点でブラックホールは成長が止まります。
とはいえ、それが終着点ではありません。それ以上の巨躯を持つブラックホールは実在します。なぜなら、ブラックホール同士が衝突し、1つに融合することがたびたび起こるからです。2つのブラックホールの質量は、1つの巨大なブラックホールへと融合されます。
どれほど巨大であれ、このように生成されたブラックホールは、新たに物質を取り込むことはできません。衝突することのみにより、成長できるのです。こうしたブラックホールの周辺にある物質は、決して飲み込まれることはないのです。
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