2024.11.26
セキュリティ担当者への「現状把握」と「積極的諦め」のススメ “サイバーリスク=経営リスク”の時代の処方箋
提供:サイボウズ株式会社
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酒本健太郎氏:ここからは私たちが実行してきた(業務改善の)内容をお伝えしていきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。とはいえ、なにから始めていいかわからない(笑)。
私もみなさんと同じか、みなさん以下だと思います。恥ずかしながら、業務改善の経験もないですし、「働き方改革プロジェクトチーム」なんて、サイボウズでは存在しないので、どうしたらいいかよくわからず、本を読んでも、ちょっと抽象的すぎてよくわからなかったんですね。
なにをしてるかというと、これがおすすめです。社内でうまくいっている部署にヒアリングをしました。弊社の場合は、昨日の話にもあった、kintoneの開発チームだけはなぜか18時に帰っていました。そこの1人で、一個上の先輩の天野さんという方に、「どうしてるんですか?」と教えを乞うたら、「業務の棚卸しをした方がいいよ」と。
それで、アホの一つ覚えで「それやろう」ということで、すぐに実行しました。飲み会と合わせて、業務棚卸しを企画しました。この辺も生々しく、本当にどんな感じでやったのかをお見せしていきたいので、今日は実際のキャプチャーも持ってきました。こんな感じですね。「激動の3月お疲れ飲み」という感じで、3人のメンバーを入れております。
これはよく見ると何がやばいのかと言うと、私のスケジュール登録時間がやばいですね。23時11分。なかなか忙しくて、やっぱりここはみなさん(歯を)食いしばって、改革する時は、忙しくてもグっとこらえて登録する感じです。なにをやったかというと、忙しくて当日だけではなかなか意見も出ないので、オンラインでのアイデア出しをやりました。
これもおすすめです。今日来られているみなさんは、たぶんスケジューラーのサイボウズをよくご存知だと思うんですけれども。念のためご紹介すると、kintoneがデータに紐づけてコメントができるように、サイボウズのスケジューラーではスケジュールに紐づけてコメントができます。
なので、そこでアイデア出しを先にしましょうと。そういうふうにコメントしました。こんな感じで先輩から「ばくしょー。」と。なにが爆笑かはわからないんですけど(笑)。こんなコメントが来たり、私の方で、「もう18時以降は電話を取らない」というアイデアをパッと思いついて、それをスケジュールに書いたり。
あとは“有給消える現象”をなくすとか(笑)。あとは、やっぱりもっとプッシュの営業活動に時間を割きたいというメモを書いたり。私だけじゃなくて、後輩からもコメントやアイデアが出ました。「週1で他の会社で働きたい」「給料は上げたい」とか。
ちょっと「え、わけわからん。こんな忙しいのに、複業しちゃうんだ」みたいな。それも自由なので受け入れて、書いてもらったりですね。あとはサイボウズは、スケジュールは基本的にはオープンになるシステムになっていますので、オープンで物事を進めると、おもしろい現象が起こりました。
これは上司(のコメント)で、とくにスケジュール共有の宛先には入れてないんですけど。「いい提案、待ってます! ブラックと感じている時点でやばいので、改善できるところは遠慮なく言ってください」という感じですね。やっぱりオープンに物事を進めていくと、協力してくれる人が見てくれていたりするので、これもおすすめです。
ということで、当日どんな感じでやったか。こんなふうに、よくある感じで業務の棚卸しをしました。
これもみなさんに生々しく共有したいので、当日に向けて(当時の)私が土日に作った資料をご紹介したいと思います。こんな感じで「営業版KAIZEN会議」という資料を作りました。
まずはメンバーと目的の共有ですね。これは我々はお酒を飲みながらやりました。当たり前ですけど、「売上アップしながら早く帰る」という目的の共有ですね。
私たちはこんな流れでやりました。大きくは3つです。ざっくり言うとワークショップになるんですが、みなさんはどうかわからないですけど、私がブラックで忙しかったとき、社内でワークショップをやっている人をあかん目で見ていて、「遊んでんのかな」と。
「そんな時間があったら、メールもう1件返せよ」と思いながらやっていたんですけど、いざやるとワークショップはめちゃめちゃ良かったです(笑)。なので、もしそう思っている方がいたら、ぜひ変な目で見ずに、一度実行して欲しいです。
(ワークショップで)やったことは、まずさっきのオンラインのアイデア出しと同じようにモヤモヤしていることとか、解決したいことを個人で10分ぐらい時間を取って、黙々と全員で書いていく作業ですね。
これが意外に重要で、よくある四象限にまとめて優先順位をつける感じですが、どういった軸にするかも一緒に考えます。人によって価値観が違いますので、売上貢献度が高いものを軸にするのか、やりたいことベースの軸にするのか、工数にするのかによって優先順位が変わります。
ここもしっかりチームメンバーで考えて、例えば売上と工数でやった場合は、売上にまったく貢献していなくて、工数がめっちゃかかってる。まずちょっとこれを優先的にどうにかしようという感じです。それで、優先順位をつけたものをみんなで議論していくかたちで進めていきました。これもけっこう重要ですね。もし(資料の)写真を撮るんだったら、ここで撮っていただいてもいいかもしれませんね。
やっぱり気持ちはブラックですので、ブレストルールがけっこう大事でして。まずは「否定しない」ですね。どうですか、みなさん。やっぱりブラックだと否定的になったりしますので、ここはちゃんと最初に言っておいた方が良さそうです。
あとは、みんなすごいアイデアなんか絶対出てきませんので、「とにかく量を出そう」というところはシェアしておく感じです。3つ目が「話したことは書く」ですね。
これはお酒付きでやったら、もう絶対に失敗しますので、口だけ達者で結局なに言ったかを忘れていることがよくありますので、必ず本人か誰かが書いてください。そんなかたちで進めました。結果出てきたのがこんな感じです。
何個かピックアップしますと、例えばこんなものが出ました。「シャツは形状記憶でクリーニング作業をなくす」。「これ仕事!?」みたいな感じだと思いますけど(笑)。けっこう変なのがいっぱい出ましたよ。「アドラーの『嫌われる勇気』を読む」とかですね。
「『人生に革命が起きる100の言葉』を読む」。ちょっと病んでるのかな、みたいな感じですけど(笑)。なにが言いたいかと言うと、これぐらい否定をせずに、出たアイデアはばーっとみんなで承認しあって進めていきました。
もちろん、いいアイデアも出ていまして。これはよくあると思いますけれども、他部署との協業系ですね。
気付けば、自分たちでやらなくてもいいのに「私たちがやらなきゃ」となっていることが、けっこうあったりすると思います。そういった他部署との連携系統です。
実は一番多かったのが、こちらのメール系ですね。やっぱり営業はかなりメールが多いと思います。みなさんどうですかね。実は今、セミナーを聞きながらさりげなく緊急のメールをスマホやパソコンで返してたりしないですかね。その気持ち、私も営業なのですごくわかります。もうぜんぜん優先してもらって大丈夫なので。
やっぱり、営業はお客様とのやり取りが多いので、社内のシステムになにかメスを入れても、結局メインでメールの業務が多かったりします。「やっぱりこれをどうにかしなきゃいけないね」という話になりました。
ちょうどそのタイミングで、さっきスケジュールにコメントをしてくれた上司から、提案がありました。「個人アドレスを廃止して、メール共有システムを導入したいんやけど、どう?」という。メール共有システムという社内システムが「メールワイズ」なんですけど、その時の私の気持ちは、「メールワイズかぁ……」。
サイボウズの人がそんなこと言っていいんか、というところがあるかもしれないですけど。営業としては、お客さんにメールワイズを提案するのは、めちゃめちゃ大好きなんですけど。これにはちゃんと理由があります。メールワイズはコールセンター向けのシステムからスタートしたので、「いや、営業が使うのはちょっと違うんちゃう」という。
そんなところで、私は、システム導入でよくある反対派というか、「メールワイズはだめだ! やめろ!」という感じで言っていました。個人アドレスがなくなりますから、取引先からクレームが出ないかとか。
なぜなら、そもそも営業は個人(で売っている)。酒本君にメールしてる、酒本君だから相談が来てるのであって、セールス@にしちゃうと相談が来なくなっちゃうんじゃないか。
名刺交換で共通アドレスの営業さんとか、あんまり見たことがないですしね。あとちょっと古いので、当時はモバイルでメールワイズが使えなかったので「ありえない」と。「コールセンターだったらいいけど、俺たちは電車の中で仕事をしているのに、そんなんけっこうきついよ」と。
そんな感じで、社内システムなんですけど、実は反対をしていました。上司はけっこう本気でして。今はもうリリースしてるんですけど、開発と調整して、当時はまだリリースしていなかったモバイルアプリが「使えるようになったぞ!」と言うので、それなら1回やってみようということで。
我々のチームは、メールワイズでメール業務の課題解決がどこまでできるか、「もうこうなったら本気でやってみよう」ということで、取り組みがスタートしました。振り返ると、メールって最悪ですよね(笑)。本当に諸悪の根源はメールだなとすごく思いました。チーム内で助け合える雰囲気があっても、メールというツールにそういった思想がないので、なかなか助け合えない。
あるあるで言うと、この辺ですよね。例えばCCで複数メンバーに来ていたり、TOで複数メンバーに来ていて、あいつ忙しいし、よかれと思って返信したら、もうすでに対応してたり。しかも、回答方針がちょっとずれているからトラブルになっちゃったり、「あーもう、これからやらんとこう」という二重対応があったり。
あとは逆に対応漏れ。「今日は俺忙しいから、これはさすがに後輩がやってくれるかな」と思ったら、お互いにお見合いになって放置されちゃったから、お客さんからめっちゃ怒られるとか。
あとは私としては、これがめっちゃでかかったですね。転送機能。あれって、ちょっと丸投げ感がありません? 何があったかというと、さっき出ていた先輩の才田が責任感が強くて、「時短なので、16時以降はメール全部転送して」と。「その時間は仕事しなくていいよ」と伝えても、やっぱり人に迷惑をかけたくないということで、結局1回も転送してくれずに終わっちゃいました。
これも助けたいのに助けられないという感じですね。なので、ビフォーはまさにこんなかたちで、パートナーさんとそれぞれメールをしていたんですが、メールワイズに変えたらこうなりました。間にメールワイズが入る感じですね。それぞれの画面でログインしています。
例えば、スケジューラーでイメージしていただくと、もともとそれぞれのスケジュール帳でやっていたのが、サイボウズのスケジュールを入れると共通のスケジュールが見られるようになる。kintoneであれば、それぞれExcelで案件管理をやっていたのが、kintone上で共通の案件が見られるようになる。
そのメール版がメールワイズですね。メールで共通の画面が見られるようになります。こんな画面ですね。それぞれ酒本でログインすると、みんなに来ているメールがざーっと、一覧で見られます。まずメールの見える化が起こりましたので、誰が今忙しいのか、後輩の深澤さんがめちゃめちゃ大変なメールのやりとりをずっとやってるなあとか。
あとメールワイズでは、メールの件数を集計できますので、今月は誰が多かったかとか、この日は誰が多かったかがわかりますので、メールの負担率なども見えるようになりました。今まで通常のメールだと「なんかあいつ忙しそうやけど、ほんまに忙しいんかな」という感じが一気になくなったかたちです。
あとは担当者を割り振れますので、さっき出ていた二重対応や対応漏れがなくなります。「このメールは誰々がやってるんだなぁ」とか、「このメールは誰々にお願い」というかたちで、担当者を自分でやったり、他の人にお願いすることができます。ステータスもわかりますので、どういう状況かもわかりました。
おすすめはこちらですね。なんとメールワイズもコメント機能があります。スケジュールなどと同じように、メール1通ずつに対して、コミュニケーションが取れるようになっています。
例えばこれは、「もう中途メンバーに引き継いだはずなのに、また私にメールがきちゃったので、これお願いしていい?」ということをコメントで書いて「了解」と。
ただ、「入社したてでわからないので一応確認してください」「じゃあ、ちょっと追記した方がいいね」「了解、修正しました」「じゃあ送ろう」という感じで、メール1通ごとにコメントができるようになってます。
これがあると、パツパツな人が他の人に依頼しやすい。「助けて」というかたちで依頼もしやすいですし、あとこれもけっこう大きいと思いますね。途中で入ってきたメンバーはなかなか仕事がなかったりすると思うんですけれども、新人の方にメールが転送されないと、一生仕事のメールが回ってこないと(笑)。
メールワイズの場合は、「これやっちゃいましょうか」というかたちでコメントができますので、スムーズに仕事の受け渡しができるなと思いました。まさに、ツールで風土を作れると思いました。
どちらかというと逆かもしれないですね。ツールによっては風土が崩れる。さっきの3人チームは、めちゃめちゃ仲良くて助け合いがあったのに、メールのせいでなんだかうまくいってなかったのが、メールワイズを入れて(もっと)いい感じで助け合えるようになった感じでした。
あとはさっきのワークショップでも出てきたんですけど、テンプレート機能があります。これも便利ですね。ワークショップでは、それぞれの人たちがそれぞれのテンプレートを作っていました(笑)。
みなさんも日程調整とか見積もり用とか、それぞれのお気に入りのテンプレートがあると思うんですけど。これも共有できますので、一番良さそうなテンプレートを全員でシェアする感じですね。新人メンバーでも、変な質の低いメールにはならない感じになります。
スマホもありますので、例えば電車でメールを見ている時にパッとコメントを見て、本当にチャットと同じようにパパパパっとメールのお願いをしたり、「了解、やっとくよ」というコミュニケーションが取れます。
ということで、本当に勝手にボトムアップで働き方改革をやって、いろんな変化がありました。
例えばこんなことも発生しました。先輩の代わりに子守りをする現象。これはうちの『サイボウズ式』という媒体にも載ったんですけど、ある日、私の先輩が「(子どもが)熱があるので子守りしないといけない」という話があってですね。
たしか溶連菌でどうのこうのという話があって、「私が対応しますよ」という話をしたんですが、なんと「引き継ぎの商談だから、それは私が行かないとダメなんだよ」という話があって、どうしようとなって。結果、私が先輩の家で子守りをするという(笑)。
そんなことも起こりました。実際に行ったら(お子さんは)めっちゃ元気だったんですけどね。溶連菌(の症状)は治っているけど、保育園のルール上は無理だという話だったんですが、これもまさにどこでも働けるツールと風土で起こったことかなと思います。
助け合いが進んで、めちゃめちゃ休みやすくなりました。これはすごいですよ。私は2017年の夏に1ヶ月間、めっちゃ溜まっていた有給を取ってセブ島に英語留学に行きました。
これももちろん「東南アジアを担当したいです」という思いで行って、翌年に東南アジアの担当になるという、サクセスストーリーみたいな感じになっていますけど。
あと、みなさんも覚えていますか。なんと今、後輩の深澤という者が週1で複業をしています。実はそれも実現できているんですね。
心配していた取引先からのクレームは、もう恥ずかしいぐらいまったくなかったですね。今考えると当たり前なんですけど、取引先としては別に酒本さんにこだわっていなくて、回答が早くて確実なものであったらなんでもいいので。
メールワイズに変えて、忙しくないメンバーがパッと返せるようになったので、むしろ喜ばれるような結果になりました。もちろんチームの売上目標も達成しております。ということで、まとめに進んでいきたいと思うんですが。
サイボウズでは、働き方改革で「風土と制度とツール」の3点セットをよく言っていますので、それでまとめていきたいと思います。
まずは制度ですね。さっき言った「残業代が出ないのどうなの」とか、「個人インセンティブない」とか、「担当顧客によって不平等だ」というのも、振り返ると実は良い制度だったのかなと私は思っています。
例えば、残業代が出ないと「残業した損」なので、なるべく効率的にしようという、それこそインセンティブが働きました。
あとは営業経験があるみなさんだったらわかると思うんですが、インセンティブがあるとやっぱり、目先の数字を追いがちになってしまいます。そこではなくて、ちゃんと価値のある数字を追いかけるようになっていたこと。
あとここが一番大きいですね。インセンティブがないということは、とくに利害関係もないので、本当に助けたい人が助けられるし、助けて欲しい人は声を上げられるところですね。
インセンティブがある会社は難しいかもしれないですけど、その辺がとくに「助けて」と言った時に、「でも、こいつのインセンティブにならないから申し訳ないな」ということはなかったのが、すごく良かったなと思いました。
あとは風土ですね。風土(改革)のところは、私もまったくやったことがなかったので、まずは実行してみる。言うのは簡単ですけど、やっぱり実行するのが難しいと思いましたので、kintoneじゃないですけど、PDCAを回しながら働き方の業務改善をしていくのがいいのかなと思いました。
そして最後、ツールですね。やっぱり営業の諸悪の根源はメールと、あと電話もそうだと思います。
電話はどうしたらいいかわからないですけれど、転送するような感じでした。とくにやっぱりメールですね。パソコンの前での業務は、けっこうメールが多いと思いますので、こちらはやっぱり改善した方がいいと思います。メールワイズ導入、本気でおすすめです。私はメールワイズのマネージャーでもプロモーション担当でもなく、東南アジア担当なんですけど(笑)。
やっぱりこれがおすすめなので、実は今日、自分で手を上げて、みなさんに伝えたいと思ってここに立っております。それぐらい、本当にこういう商材が世の中にないんですね。モバイルでメールの共有ができるようなサービスはないので、本当にまずはツールから業務改善をやってみようという方にはおすすめです。
ということで、私は素人でしたが、なんとか働き方改革を実現できました。次は今日来られているみなさんの番かなと思います。まずは実行していただきたいので、簡単にできる、メールワイズのブースに足を運んでいただければなぁと思います。興味持っていただいた方はぜひお立ち寄りいただければと思います。本セッションは以上になります。ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
サイボウズ株式会社
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