ユーグレナ、東証一部上場タイミングのPR戦略
早川くらら(以下、早川):ではさっそく、ここからは会場にいらっしゃっているみなさんからも、ご質問をいただきながら、インタラクティブに進められればと思っております。
会場にいらっしゃるみなさんで、何か聞いてみたいことがある方、挙手にていかがでしょうか?
質問者1:本日はお話をありがとうございました。安間さんにご質問が2点あります。
1点目が、東証一部に上がったときに前からの効果だけじゃなくて、違うメリットをPRされているということですけど、東証一部に上がる前から企画されていたのか。それとも、上がったときに銘柄とか東証の条件で見出したのかが知りたいです。
2点目はCFOの企画やお寿司の企画は、マーケでどう企画を立てたのか。なにかPRの事案をお聞きしたいなと。
安間美央氏(以下、安間):質問ありがとうございます。回答させていただきます。1つ目に関しては、様子を見ながらも計画中だったので、マザーズ上場するタイミングで1つ特徴的なことがあって。前日に社長が書いたという体の本を出したんですね。
「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました」という本で(笑)。経営に注目されるような露出って、上場していない頃だと今よりも全然数がなかったんですね。“ミドリムシ”という、特徴的で奇抜なものが強かった。
ただミドリムシがどんどん出ていく中で、やっぱり会社の信頼性ってすごく大事だなと。上場するということは、一応ある程度の信頼がある、東証がお墨付きをくださったとも言えると思うので。
じゃあ、そこはやっぱり上場会見とかができる最大のPRの場であると。そのPRはなにかといったら、「会社のことを伝えるタイミングだ」と計画していたところはあります。
ただ、同時にバイオ燃料の開発は2010年から始めていて、今みたいにプラントができたとか、そういう状態じゃなかったんですけど。上場前も興味や期待でご取材いただくことはありました。
上場で会社に注目が集まるとともに、バイオ燃料の研究開発もきちんと伝えることで、そちらの取材の数も増えた。なので、もともと根底に伝えたいメッセージはあったんですけど、より一層強めたところはありました。
2つ目のCFOやお寿司の件に関しては、マーケティング部門などと一緒に行っています。実はマーケティングの専門部門はこの春にできました。それまでは各部門を統括している経営陣が個別に管轄してやっていたんです。会社がどんどん大きくなって、バイオ燃料と食品はどう考えてもぜんぜん違う事業なので、個別にやっていくうちに「これは全体統合してマーケティングが必要」と。
CFOとお寿司は、ちょうどその時期の間から始まりました。とはいえ、SDGsは会社全体でトータルでやるものだよね、と。もともとバイオ燃料などをtoCで認知していただくことなので、と考えていくうちに、CFOやお寿司のような企画になりました。
マーケティング、そして外部の方も入っていただいて、社内で誰がその作業や行動の球を打ち返すかみたいなところで、広報が入ったり、経営者が入ったりして作られたかたちです。なので、カテゴライズでいうと費用負担としてもマーケティング部門ですが、やった部隊は横断的で。広報は3分の1から半分ぐらいを担当しました。以上です。
質問者1:ありがとうございました。
広報部主導で大型イベント開催時、社内を巻き込むためのポイント
早川:ありがとうございます。では後ろの方どうぞ。
質問者2:矢嶋さんに質問です。メルペイのカンファレンスとかをやられるときって、けっこう予算がかかるのかなと思います。それを広報が主導する場合に、予算をどう計算されるのかというのと、管轄は広報でやられたのかという部分をお聞きしたいです。
矢嶋聡氏(以下、矢嶋):カンファレンスは広報主導でしたね。競争が激化するスマホ決済市場に最後発で参入するという状況下で、「本命」としての立ち位置を確立していくためには、単純なサービス・機能の訴求だけでは不十分だと考えました。
カンファレンスという大きな舞台装置を用意し、役員によるサービス概要・戦略に関するプレゼンテーションはもちろん、パートナーの方に登壇してもらったり、私たちが“決済の先”に目指しているビジョン・世界観を表現したムービーを放映したりすることで、決済サービスの中での本命感を醸成できるのではないかと考え、企画しました。
一方で、広報部単体で社内を巻き込んでいくのは、なかなか難しい部分もありました。
経営陣とはかなり密に、毎週のようにMTGをやって、全体としての戦略、伝えるべきメッセージのアウトラインなどをすり合わせる。その上で、「それを実現していくためにこういうファクトが必要だよね」みたいなところを、マーケティングやセールスのメンバーを巻き込みながらやっていました。
あとはやはり、経営陣からも「カンファレンスに向けて発表内容を固めていきましょう」と各部門に号令をかけてもらったことによって、ドライブしていった部分は大きいかなと思います。
質問者2:ありがとうございます。
「何から着手すればいいの?」を解消する、PR戦略の設計プロセス
早川:事前にいただいた質問もありますので、そちらをお三方におうかがいしていければと思います。
まず矢嶋さんにおうかがいしたいのは、最初に設計された戦略の部分です。「受け身でPRをしていたところから、次のフェーズにいくときにはより戦略的なPRが必要だ」とは、よく言われることだと思います。
でも、実際に現場で戦略を立てようと思っても、何から着手したらいいのか、どういうアウトプットを出したらいいのか、けっこう悩んでしまう方もいらっしゃると思うんです。
さきほど、まずは経営陣のお話を聞いたとおっしゃっていましたが、どのようにまとめていったんでしょうか?
矢嶋:メルカリに入社したときもそうですが、基本的に最初は「全社目標に対してPRで貢献するために、社内にどんな情報・ファクトがあるのか」をひたすら情報収集します。
情報収集する時は、世の中のモーメント(トレンド)、競合のモーメント、さらには自社のモーメントを重ねて、これから自社で予定している案件・プロダクトリリースなどで使えそうなものは何かを集めていきます。
そのうえで、経営側にヒアリングをしています。ただ単にヒアリングしても意味がないので、情報収集結果をもとに、現状分析・課題・目指すべきPRの方向性・KPIなどに関する仮説をまとめつつ、やるべきこと、捨ててもいいことのキャッチボールを何度かして、精度を上げるかたちです。
スパンとしては、僕らの場合は事業のサイクルが早いので、半年くらいのスパンでロードマップを作って、四半期ごとにアップデートしています。
早川:経営陣に広報やPRの有用性を理解してもらったり、そのために時間を使ってもらったり、重要なミーティングに呼んでもらったり。そういう上層部との関係構築も、広報にとってはとても大事なことだと思います。経営陣とよい状態を作るために、心がけていらっしゃることはありますか?
矢嶋:そうですね。まず、そもそもの話としてPRは自己目的化しやすいところがあると思います。
「こんな掲載がありました」「発表会をやりました」っていうので広報チーム側は盛り上がっているけど、意外に経営陣はあまり関心がない、というケースが少なくないのではないかと思います。
経営陣は「経営課題に対してPRとして貢献できているか」というところでしか見ていないので、経営陣が何に課題を持っているかをちゃんとヒアリングして、そこに対してPRはここまで貢献できるということをしっかり握る。後は結果で返す、というのを繰り返すことで、経営陣から「PRも巻き込んでおいた方がいいよね」という信頼関係が生まれていくと思います。
メルカリも、企業規模が大きくなりつつあるなかで、経営陣にPRの意義や価値を適切に理解してもらうために、活動内容の可視化も含めて密にコミュニケーションを取るようにしています。
世間イメージを受け止めた上で、伝えたいことの方向性・バランスを整理する
早川:ありがとうございます。次に野尻さんにおうかがいしたいのですが、会社が次のステップに上がっていこうとするときに、現場で広報業務に取り組んでいて、一番難しいなと思うのはどんなことですか?
野尻翔子(以下、野尻):弊社の場合は、売上の8割くらいを「LIFULL HOME'S」で占めているので、PRテーマも「LIFULL HOME'S」が中心になっています。
LIFULLについて発信していくためには、新規事業であったり、海外事業にもテーマをどんどん広げていきたいです。
既存事業とのバランスを取るために、PRとしては年間のスケジュールを立てながら、「この時期は繁忙期だからLIFULL HOME'Sでいこう」「その他に関しては?」など、各事業部とコミュニケーションを取っていくことが大事かなと、日々思っております。
早川:確かに会社が大きくなってくると、いろいろなところで、いろいろなニュースが生まれるので、それをどうやって情報収集するか、非常に難しいと思います。
それぞれの部署にとっては、やはり自分たちのニュースが一番なので。その中で「このニュースを優先してほしい」と各所から言われるものの、会社全体として重要な事業にリソース配分をする必要はあります。とはいえ、社内の各部署に協力し続けていただかなければいけないので、無下にもできないのがすごく大変ですよね。
では続いて安間さんにおうかがいできればと思います。ニュースを取り上げてもらうときに、おそらくなんですが最初は「ミドリムシの会社」とか、ある種濃いテーマに露出が偏ってしまいがちだと思います。
それが一巡すると、次はどうやってメディアに興味を持ってもらうかを考えたり、いい記事に仕上げていただくための工夫をされたりしているのかなと思いました。日々の活動の中で、実際はどのようなことを意識されていらっしゃいますか?
安間:そうですね。おっしゃるとおり、うちもみなさんに「ミドリムシって1回ブームになったよね」みたいに言われたときに「あれ?」となって。「なったよね」ということは終わってるじゃん、みたいな。
でも、それを受け止めつつ、どういう切り口が作れるかという課題があって。ミドリムシっていうワードにイロモノ感があるので。一見遠いかもしれないんですけど、ソーシャルビジネス的な入り口から、間接的に「実はミドリムシのことだったんだ」みたいなことをいくつかやって。
最終的なミドリムシとうちの会社のイメージを、キワモノから良くも悪くも普通にする、みたいなことをしていましたね。いつも社長は「私はミドリムシなんですけど」と言っていたんですけど。
(会場笑)
会社と(イメージが)一度一緒になってしまうと、他の魅力が必然的に語りやすくなりました。まずは計画を立てて、いったん突飛さが落ち着いたら、次はこれを出していこうみたいなことを書き出しました。
化粧品が出たときや、自由が丘とコラボしたときなど。相手の出方を見ながらも、毎日毎日すり合わせてやっています。
早川:さっきお話しさせていただいたときに、そこまでやっている人ってすごいなと思ったんです。取材の問い合わせが来たり、リリースの配信も本数が多かったり。多くの回数の中でやっていらっしゃるけれども、その1本1本を発表したあとの、取材対応のクオリティが非常に大事だとお話をされていましたよね。
より良く、より深い記事にしていただくために、注力していらっしゃることはありますか?
安間:そうですね。間違われたりとか、伝わりきらなくてネガティブになってしまうことがないようには気をつけていて、それに対しては、実は信頼できるリピーターを作るみたいなところがあるのかなと。
だからこそ丁寧な対応をしつつ、その方が理解者になってくれると、実際に理解された記事が出るので。なにかしらその記事を見て、入ってくださる方がいるので、次の大前提はなにか知りたがる方が増えたりとか。その積み重ねな感じはしています。もちろん1個1個手を抜いたりはしないんですけれども。
世間にインパクトを起こせる「いい露出」をいかに増やせるか
早川:矢嶋さんのパートでは、情報の取捨選択のお話がありました。たくさんニュースがあるので、全部に対応するとどうしても露出獲得に追われる状態になってしまうと思うんです。どのように情報の交通整理をされていらっしゃるんですか?
矢嶋:そうですね。基本的には先ほど言ったとおり、四半期ごとに会社としてここに重点を置くべきだよねというものが決まって、そこに準ずると思います。表面的な露出数を稼ぐことは重視しておらず、そこは思い切って捨てています。
僕らとして、「いい露出」と「悪い露出」みたいなのがあるとすると、「いい露出」をいかに作れるか、というのを意識していますね。
「悪い露出」というのは、結局単発の露出で終わってしまって消費されてしまい、そのあとが続かないもの。「いい露出」は、自社・サービスに対する世間の見え方を変えられるとか、新たな潮流・話題を作れるとか、何かしらインパクトを与えられるものを指します。
わかりやすく言うと、その露出自体が拡散して一人歩きしたり、後追いで他のメディアから問い合わせが来たりする状態が理想です。“モーメント”と僕らはよく言うんですけど、「モーメントを作るために、このタイミングにリソースを集中させて、それ以外は思い切って捨てましょう」という判断をしています。
一方で、モーメントに繋がらないものでも、パートナーシップ案件とか、新機能のリリースとか、会社としてアナウンスしないといけないニュースもあります。
そういう出さなきゃいけないものは、当然出すんですけど、我々の中でのリソース分配としては、大きな潮流・流れを作れそうなところにフォーカスするように、意識的に心がけています。
全方位的に「あれもこれも」とやった結果、「忙しかったけど何も成果が出なかった」みたいなことになりがちなので。
早川:今お話をうかがっていると、会社として何が重要なのかが、OKRの仕組みで組織に落ちやすくなっている部分もあると思うんです。
仕組みがなかったとしても、会社として何が重要なのか、トップと定期的に会話して把握しにいくのは、すごく重要だなと。
あと、いい露出の定義は、確かにおっしゃるとおりだと思います。とにかく量を出すことに追われるのではなくて、自分たちにとっていい露出とは何かを考えて、そこにリソースや気持ちを集約させるのは大事ですよね。
矢嶋:一方で、スタートアップのフェーズでは、そもそも会社の存在自体が知られていないので、露出の量を追うのは当然だと思います。外部に露出できる機会があれば、選り好みせず積極的に受けてもいいと思います。
メルカリの場合は、既に認知度が90パーセント以上ある状態で、いたずらに量を追いかけても意味がないので。「どう会社のイメージを変えていくか」という質の方が、プライオリティとしては高いです。
広報担当者に必要な3つのスキル
早川:ありがとうございます。最後にお三方に1つご質問させていただきたいと思います。
今日お越しいただいているみなさんは、自社が成長しているフェーズで、どのように広報として立ち回っていけばいいのか、という部分に課題を感じていらっしゃると思うんです。
会社を次のステップに、次のフェーズに持っていくために、PRパーソンとして、絶対に持っていたほうがいいスキルについてアドバイスをいただけるといいかなと思います。では矢嶋さんから順番にいかがでしょうか?
矢嶋:必要なスキルですか?
早川:スキルです。「このスキルは会社を次のフェーズに持っていくには絶対大事」など、ありますでしょうか?
矢嶋:個人的には、3つあると思っています。
まず、メディアの理解・リレーション。記者のことだけでなく、世の中がどう動いているかという理解。
2つ目が、経営陣も含めた社内の理解・リレーション、誰がどういうプロジェクトで動いているとか、経営陣が何を課題に思っていてどこを目指しているか等は、深く入っていかないとわからない。
最後に、社内と社外をメディアを介して繋いでいくための手法というか、テクニカルなPRスキル。
会社の経営課題に対してPRとして貢献していくためには、この3つを掛け合わせていくことが必要だと思っています。
例えば、スタートアップ出身の広報担当者は、往々にして社内の理解は深い一方で、メディアの理解が足りなかったり、周囲にPR経験者が少なくてPRスキルが十分でなかったりするケースがあります。
逆に、PR代理店出身の広報担当者は、メディアの理解はある一方で、社内のことがわからなくて表面的な露出ばかりを追いかけてしまいがちです。
3つを均質に上げて、そのバランスをどう取っていくかが重要だと思います。
早川:そうですね。次のフェーズに会社を押し上げようとすると、自分自身も次のフェーズに上がっていかなければいけない。そういう意味では、これまでのスキルでなんとかしようとしても難しいのはありますよね。
社内コミュニケーションを欠かさず、俯瞰的なチャレンジ精神を持つこと
早川:野尻さんはどうでしょうか?
野尻:矢嶋さんがおっしゃったところに重なりますが、社内の調整は、自分の力だけではなんともならないことばかりです。各部署とコミュニケーションを取りながら、社内とどれだけ仲良くできるか。
それぞれの役員の考えに対しても、自分の考えや意見を折れずに話し合えるか。そのあたりの率直なコミュニケーションが取れるかが重要なので、役員との信頼関係を大事にしたいと思っています。
早川:ありがとうございます。広報としての評価をどう上げていくかも難しいですよね。
広報で成果をあげたからといって、「いくら売上に貢献できます」と100パーセント言えないことも多い。「広報ってなにをやっているのかわからないよね」という状態になってしまうのはよくない。
自分たちが取り組んでいることの可視化や、情報を積極的に拾いに行くこと、経営陣とコミュニケーションをとっておくことは大事ですよね。調整力は、そういうことでもあると思います。安間さんはどうでしょうか?
安間:お二人が素晴らしいコメントをされていて、かぶるところかなと思うんですけど。もちろん経営者の意向を見ながらも、いい意味で自分でも引けるような全体整理とか俯瞰で見る力は大事かと。
あともう1つ、マインドのことになっちゃうんですけど、失敗を恐れないチャレンジ的な心は、絶対に必要だなと思っていて。
だから私自身も、どちらかというと堅く見える企業からベンチャーの広報になって……要はすぐ上の上司が経営陣だったりしましたが、失敗を恐れないで提案してやってみる、言ってみることが、意外にスタートアップではいい方向に働くのかなと。
それで失敗したら、いい具合に忘れるのも必要かなと思ってます。
会社のフェーズが変わったとき、広報が心がけるべきこと
早川:ありがとうございます。会社のフェーズが変わって組織が大きくなると、社内のことばかりに目が向いてしまい、「これは実現が難しいからやめておきましょう」と、淡々とした広報活動に陥ってしまうこともあると思います。
そんなとき、弊社はPR代理店として、社外の視点で提言したり、新しいことへのチャレンジを提案させていただいています。
今日は3名全員が会社のビジョンを軸とした活動を冒頭でご紹介されていました。会社がなぜできたのか、今の会社がどういう方向へ向かっているのかを把握して、広報活動を行うのはとても大事なんだなと感じます。
最後に「発展期の企業で広報が心がけるべきことはなんですか」というテーマです。矢嶋さんのパートでもご紹介がありましたが、広報部門にも成長段階があって、段階に合わせた適切な活動をしていくことが大事だと考えています。
例えば、まだ立ち上げたばかりなのに、すごく戦略的で高度な施策に取り組もうとすると、ベースがまだ揃っていない状況なので、PRがうまくいかない場合もあると思います。
これは当社が定義しているフェーズですが、立ち上げのフェーズであればPR体制の構築・確立をするのが先決だと思うので、それに必要なパートナーさんを選ぶ選択肢があります。
先ほど矢嶋さんがおっしゃっていましたが、認知を上げていくフェーズですと、情報発信や取材を数多く受けていくことが大事です。そのリソースが足りないのであれば、そういったサポートをしていただけるような採用であったり、外部のパートナーの力を借りる手段があると思います。
ただ、難しくなってくるのが、認知が一通りできたあと。「さあどうしましょう?」となってしまうケースが多いです。
先ほど、矢嶋さんから戦略づくりのヒントを教えていただきましたけれども、「そもそも自分たちがどうありたいと思っているのか」「世の中がどう動いているのか」を把握しながら、自社の特徴をメッセージや企画で発信していく設計が必要になります。
あとマーケティングの部門が新しくできた場合は、広告とPRの連動ですね。SNSやオウンドメディア、広告、PRが全部バラバラなほうへ向かって動いていると、メッセージがブレますので、施策連動のお話はすごく大事になってきています。
LIFULLさんは、そこを1つの傘にまとめられていて。「しなきゃ、なんてない。」というプロジェクトも、PRや広告、オウンドメディアなど全部が同じ方向に向かって動いていらっしゃると思います。そのような設計をしていくとなると、PR以外の部分の知見や体制もまた必要になってきます。
なので、フェーズに合わせて、当社もいろいろなご支援をさせていただいていますが、基本的なパートナー像ですと、まず最初はPRの基本的なスキルをレクチャーしていただけるサービスもあると思います。
そういったものを、まず活用してみる手段もあると思います。もう少し会社のフェーズが上がってきたときに、広告やSNSなど全部を自社内でできればそれがベストではあると思うのですが、そうでない場合は専門的なパートナーさんと一緒に形にしていく方法もあります。
社内で足りなければ、社外の方も含め1チームを作って形にしていくことも大事です。その中で、パートナー選びや社内外の体制づくりは、とても大事なポイントになると思います。
当社もぜひみなさんのお力になれればと思っております。それでは、ここでお開きにさせていただきます。ありがとうございました。